ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 遅ればせながら投稿します!

 待たせてしまって申し訳ありません!

 ぶっちゃけ、今回のは一度やってみたかった奴を放り込んだだけなので、本編にはあまり関係ないかもです!

 それでも良い方は、どうぞ!

 ちなみに、ちゃんとした続編は今夜か明日に投稿します!

 ※誤字報告ありがとうございます!(≧▽≦)


ホラー少女と被害者語り

 【とあるイベント参加者の話――】

 

 

 ……ええ、はい。

 

 あのイベントの話、ですね?

 

 ……はい。

 

 よく覚えています……。

 

 

 おれは、友人と三人で組んで戦ってました。

 

 弓使い三人のうち、おれと友人の一人が弓。あと一人が、ボウガン使いで。

 その辺りで一番高くて見晴らしのいい塔? みたいな場所に陣取って、そこから近くを通る奴を一斉狙撃してました。

 

 

 気分はスナイパー? みたいな感じで。

 

 

 特に友人のひとりが【頭部狙撃(ヘッド・ショット)】っていう、頭に当たればダメージが倍になるって効果のあるレアスキル取得()ってたから、頭に当てれば一発で倒せるんで、もう余裕で(笑)

 

 ……別に、ズルしてる訳じゃないし、いいじゃないですか。

 

 弓矢使うなら、遠距離から狙うのは当たり前だし。

 

 それに、パーティー組むのだって、おれら以外にも大勢いたし。

 

 

 ……話を戻しますね。

 

 

 おれたちは代わる代わる見張りをして獲物を探してました。

 

 たまにすぐ近くの森や平原から他のプレイヤーが歩いて来るんで、それを見つけると三人で一斉に射って、それを仕留める。

 

 そんなことを繰り返してたんです。

 

 

 ……でも、途中から、さっぱり誰も見つからなくなったんです。

 

 それまではわりと、五分にひとりや二人すぐ見つかったんですが、十分以上待っても誰も見つからない。

 

 あんまりにも見つからないもんだから、友人のひとりが、

 

『そろそろ狩場替えね?』

 

 って言い出したんで、おれたちもそうだな、って移動しようとしたんです。

 

 ――その時でした。

 

 

『お、おい……』

 

『?』

 

『なんか……聞こえね?』

 

 

 友人のひとりが、そんなことを言い出したんです。

 

 

『なんかって?』

 

『いや、なんか……唄? みたいな』

 

 

 そう言って、耳をすませるような仕草をするもんだから、おれともうひとりも顔を見合わせて、同じように耳をすましてみたんです。

 

 

 そしたら、

 

 

 

 

 

 

「……と~おりゃんせ、とおりゃんせ。こ~こは、どこのほそみちじゃ~……♪」

 

 

 

 

 

 何処からか、小さな歌声が聞こえてきたんです。

 

 小さな女の子が、歌っているような声が。

 

 それに気付いた瞬間、背筋がゾッとしました。

 

 

『お、おい!』 

 

 

 突然友人が、声を荒げました。

 友人は、ひどく動揺した様子で、

 

『し、下! 下!』

 

 と言って、繰り返しおれたちがいる塔の下を指差したんです。

 

 

『下……?』

 

 

 おれともうひとりは言われるがまま、おそるおそる塔の縁から、下を覗きこみました。

 

 すると……

 

 

『ひっ!?』

 

『えっ!?』

 

 

 塔の真下を、まるで取り囲むように無数のゾンビが群がってきていたんです。

 

 十や二十じゃない。それこそ百、二百はいるんじゃないかって数のゾンビが、森の中から、ぞろぞろと……。

 

 

『な、なんだよアレッッ!?』

 

『お、おれが知るかよ!!』

 

 

 おれも友人も全員、頭が真っ白になりました。

 

 なんで、ゾンビがこんなにいるのか。

 

 そうやってテンパッてるうちに、またあの歌が聞こえてきました。

 

 

 

「……と~おりゃんせ、とおりゃんせ。こ~こは、どこのほそみちじゃ~。てんじんさまのほそみちじゃ~……♪」

 

 

 

 歌はすぐ、真下のゾンビたちの中から聞こえてきました。

 

 おれはおそるおそる、下を覗き込みました。

 

 

 

 

「……このこの、ななつのおいわいに~。おふだをおさめに、まいります~……♪」

 

 

 

 

 ……見ると、群がるゾンビの中に、ひとりだけ小さな女の子がいたんです。

 

 紫のローブを着た、ゾンビに肩車された小さな女の子が。

 

 

 

 

「……いきはよいよい、かえりはこわい……♪」

 

 

 

 

『~~ッ!』

 

『お、おい!?』

 

 

 そしたら、友人のひとりが、突然矢を構えたんです。

 

 

『お前らも射て! どう見たってアレが親玉だろ!?』

 

『で、でも……!』

 

『いいから射て! どうせゲームなんだし、ビビることねぇッ!!』

 

『あっ!?』

 

 

 そう言って、友人はおれたちが止めるのも無視して、女の子に矢を放ったんです。

 

 矢はまっすぐ飛んでいって、

 

 

「あっ……」

 

 

 歌っていた女の子の、左眼に刺さりました。

 

 女の子は退けぞって、歌うのをやめました。

 

 

『見ろ! 【頭部狙撃(ヘッド・ショット)】だ! おれさまの勝ちだ!!』

 

 友人は勝ち誇るようにそう言いました。

 

『あ、あぁ……』

 

『……ッ』

 

『あんなどう見てもVIT値低そうな装備の奴、頭に撃てば一発だ! な? だからおれの――』

 

 

 

 

 

「……と~おりゃんせ、とおりゃんせ。こ~こは、どこのほそみちじゃ~……♪」

 

 

 

 

『――えっ?』

 

 

 歌は、塔の下から聞こえてきました。

 

 おれたちは全員、その場で固まりました。

 

 

「……てんじんさまのほそみちじゃ~……♪」

 

 

『な、なんで……ッ?』

 

 おれも友人もその場から、動けなくなりました。

 

 動けないまま、視線だけを、塔の下に向けました。

 

 すると、

 

 

「……ごようのないもの、とうしゃせぬ……♪」

 

 

 ――ッ矢で撃たれたはずの女の子が、こっちを見ていました。

 

 眼に矢が刺さったまま、こっちを。

 

 それで、おれたちと目が合った途端、歌うのをやめて……

 

 

 

 

 

「あ……見・つ・け・た……♪」

 

 

 

 

 小さくそう言って、笑ったんです。

 

 遠くて聞こえないはずなのに、なぜか、そう言ってるのが分かりました。

 

 

『う、うわぁぁあッッ!!』

 

 

 その瞬間、おれたちは脇目も振らず走りだしました。

 

 とにかく1秒でもここから逃げ出したい、そんな思いで。

 

 けど、

 

 

『なッ!?』

 

『なん、でッ!?』

 

 

 なぜかおれも友人も、体の動きが、異様に遅くなっていました。

 

 おかしい。

 

 いつもならもっと、速く走れるのに。

 

 

『な、なにが……!?』

 

 

 おれは自分たちの足元を見ました。

 

 すると――

 

 

『う、うわぁぁあッ!?』

 

 

 ――いくつもの青白い手が、おれたちの足にしがみついていたんです。

 

 

『ぁああっ! うああアアッ!!』

 

 

 おれたちは悲鳴を上げながら、その手を払い除けようとしました。

 

 でもダメなんです。

 

 払おうとしても、すり抜けて、払い除けられない。

 

『あっ!?』

 

 おれは手を払い除けようとして、地面の出っ張りに足を引っかけて転んでしまいました。

 

 そしたら、あいつら……

 

『うあああッッ!!』

 

『ひぃい~~ッッ!!』

 

 

 転んだおれのこと無視して、塔から降りる階段を降りて行ったんです。

 

 おれひとりだけ、置き去りにされました。

 

『ま、待っ……』

 

 おれは、ふたりに助けを求めました。

 

 置いてかないでくれって。

 

 這いつくばりながら、地面から起き上がろうとしました。

 

 でも、それより先に――

 

 

 みし……、

 

 

 何かに足を、掴まれました。

 

 咄嗟に振り向くと、塔の縁から、赤黒い大きなゾンビが手を伸ばしていて、倒れてる俺の足を、掴んでいました。

 

 

『Guoo……』

 

『え、あ、……ッ』

 

『GuO……ッ!』

 

 ざりざりざりッ!

 

 

 ゾンビが、おれの足を、引っ張り始めました。

 

 塔から落とそうとしている。

 

 それに気付いた途端、全身から血の気が引いていきました。

 

 

 ざりざりざり!

 

 

『……ッい、いやだ、いやだ、いやだぁあッ!!』

 

 おれは引っ張る力に対抗しようと、なんとかもがきました。

 

 掴んだ手を蹴って、塔の地面にへばりついたんです。

 

 でも、ゾンビの力の方が強くて、おれはどんどん、塔の外に引き摺られていく。

 

 

 ざりざりざり!

 

 

『~ッ! だ、誰か! 誰か助けてくれぇッ!!』

 

 

 ざりざりざり!

 

 

『誰か、誰かぁああッッ!!』

 

 

 ざりざりざり!

 

 

 おれは必死になって助けを求めました。

 

 誰か助けてくれと。

 

 その時です。

 

 

『ッ!?』

 

 

 塔の階段から誰か、登ってくるのが見えました。

 

 ふたりが戻ってきてくれたのか。

 

 おれは期待して声をかけて、

 

 

『たす……』

 

 

 

 

 そして、絶望しました。

 

 

『だ……だずげでぐれぇぇッ!!』

 

 

 ……現れたのは、友人のひとりでした。

 

 ですが、友人ひとりだけ(・・)じゃなかった。

 

 現れた友人は、全身の至るところをゾンビに噛まれ貪られている、哀れな姿でした。

 

『あ……あ、あ……!」

 

『だず、だずげでッ! だれがだず』

 

 ごぎん!

 

『あ』

 

 一瞬、鈍い音を鳴らして、友人の首が落ちました。

 

 落ちた首はおれの目の前に落ちて、粒子となって消えていきました。

 

『あ、ぁあああアアッ!!|』

 

『GuA!!』

 

『あっ』

 

 

 

 次の瞬間、おれは、空中に身を投げていました。

 

 あの赤黒いゾンビがおれの足を掴んだまま、空中に身を投げだしたからだと気付いた時には、おれは、既に地面に向かって落下していました。

 

 

『ぁああああッッッ!?』

 

『GuHAHAHAッッ!!』

 

 落ちていく中で、おれの足を掴んだゾンビの、笑っているような声が耳に聞こえました。

 

 地面がどんどん近くなっていく。

 

 塔の真下には、何百ものゾンビの群れ。

 

 そして、こちらを見上げる、肩車されたあの女の子。

 

 

 

 

 

「……ばいばい♪」 

 

 

 

 

 微笑みながら手を振る女の子を見ながら、おれは頭から地面に落ちて潰れました。

 

 

 

 

 

 ……それで、おれの話は終わりです。

 

 後から聞いた話ですけど、最初に矢を射ったアイツも、ゾンビに貪られて、かなり悲惨な殺られ方したみたいです。

 

 そのせいでアイツら、今じゃ怖くって、ゾンビ映画すら見れなくなったらしいんですよ。

 

 ……まぁ、おれも、人のこと言えないんですけどね。

 

 おれも今じゃ、リアルでも高いところに近づけなくなったんです。

 

 頭では分かってるんですよ? アレはゲームの中の、架空の出来事だって……。

 

 ……でもね? やっぱりふと考えちゃうんですよ。

 

 

 もしまた引きずり込まれたら……ってね?

 

 そう考えると……やっぱ、ね?

 

 

 

 




 ……怪談風に書きたかっただけ。

 反省点だらけだし、後悔もうじゃうじゃ!

 でも、気持ちは満足!

 こんな作者でも評価感想くれる皆さんいつもありがとうございます!

 引き続き応援、よろしくお願いいたします!

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