ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 お待たせ致しました!

 ようやく書けましたので投稿します!

 今回もゾンビが大暴れ!

 AI強化されたので、かなり情緒豊かです。

 そんなゾンビでも良ければ、どうぞ!


 ※誤字脱字報告ありがとうございます!


ホラー少女と釣り日和

 なんやかんやあって、ようやくサリーを落ち着かせた一行は、町の南の地底湖へ向かっていた。

 目的は地底湖に住まう白い魚。メイプルが作る装備の素材に、必要なのだという。

 

 

「「GUAAッ! GUッ!」」

 

「「GUOOッ! GUッ!」」

 

 

「わぁ、もうここまで来ちゃった!」

 

「ウン、ソウダネ……」

 

「みんなすっごく速いねぇ!」

 

「ウン、ソウダネ……」

 

 神輿? に乗るという滅多にない機会とその速さに、嬉しそうにはしゃぐメイプル。

 それに対しサリーは、死んだ魚のような目をして、明後日の方を見ていた。

 生気なく、手足をだらりとさせるその様子を題するなら、

 

【恐怖!  絶望少女! やめて、私、初めて(心者)なの! 前も後ろもゾンビでいっぱい~】

 

 と、いったところであろうか。

 

「……あ、着きま……した……」

 

 そうこうしているうちに三人と五匹は目的地の地底湖に到達した。

 静かな洞窟の中に、水面の揺れる音だけが響いている。

 どうやら、貸切のようだ。

 

「よ~し、釣るぞ~!」

 

 メイプルのかけ声と共に、紫乃やサリーもあらかじめ用意していた釣り竿を使い、三人並んで釣り糸を湖面に垂らして、待つ。

 ついでにゾンビ×5も釣り糸を垂らして待つ。

 静かな地底湖に、のんびりとした時間が流れる。

 

「……そういえ、ば……釣りって……初めてしました……」

 

「あ、そういえば私もだ!」

 

「そうなの? 私は、お父さんと子どもの頃に何回か行ったけど――」

 

 魚が来るまでの間、三人はのんびりと喋りながら待つ。

 思いの外、話が弾み、シノ(のゾンビ)に怯えていたサリーも、徐々に落ち着きを取り戻していた。

 

「……それで……知り合いの……"えびす"さん……が、おっきな鯛……を釣って……」

 

「へぇ~!」

 

「! ちょっ、メイプル! 引いてる引いてる!」

 

 シノの話に相槌を打っていたメイプルにサリーが声を上げて呼び掛ける。

 見れば、手に持ったメイプルの竿が、クンっとたゆんでいる。

 

「わわっ!?」

 

 慌ててメイプルが竿を手に、思い切り手前に引き寄せた。ほどなくして、真っ白な魚が釣り上げられ、三人の背後でぴちぴちと跳ねた。

 

「やった! 一匹目!」

 

「……おめでとう、ござい、ます……」

 

「あちゃ~最初の一匹目は獲られたかぁ」

 

 それぞれに感想を言う三人の前で、魚が、五センチほどの白い鱗を残し、光となって消える。

 その鱗を、メイプルが拾い上げ、インベントリにしまった。

 

「まだまだ釣るよ~!」

 

「……はい……!」

 

「よぉし、私も!」

 

 最初の一匹を釣ったメイプルがやる気満々で竿を持ち、湖に釣糸を垂らした。

 それに負けじとシノとサリーもぎゅっと、釣竿を握り直す。

 

 

 

 

 

 

 そして、それから一時間が経過した。

 

 

 

 

 

 

「――やった! 12匹目!」

 

「や、やっと3匹目……!」

 

 軽快に竿を振るサリーに対し、わたわたと魚を釣り上げるメイプル。

 サリーが12匹で、メイプルが3匹。

 ふたりの釣果は、物の見事に逆転していた。

 

「うう……最初は私が勝ってたのに……」

「DEXに差があるんだし、しゃーないしゃーない!」

 

 釣り上げた魚に止めを刺しながら、サリーが悔しそうなメイプルにそう返す。

 釣り針に餌を付け、また湖に放り投げた。

 

「んふ~♪ レベルが1だから、魚に止めを刺すだけでもレベルが上がる上がる~♪」

 

 そう言って上機嫌に釣り糸を垂らすサリーのレベルは、早くも6になっていた。

 そして、 

 

『スキル【釣り】を取得しました』

 

「おっ! 【釣り】スキルゲット~! って、初スキルが【釣り】って……ん?」

 

「どうしたの?」

 

「知らないスキルがある……【韋駄天】?」

 

 メイプルの問いに答えながら、サリーはスキルの内容を確認する。

 

 

 

 【韋駄天】

 一定時間走る度にAGI値が1%上昇する。最大100%。

 走るのを止めると上昇値は消える。

 取得条件。

 一定時間以上、何にもぶつからず、かつ一度も減速せず全力で走り続ける。

 

 

「あ、あはは……」

 

 スキルの取得条件を読み、サリーは何とも言えず渇いた笑みを浮かべる。

 どうやら、あの逃走劇がスキル獲得の引き金になったらしい。

 それなりに強力なスキルだが、取得に至った経緯が経緯なため、素直に喜べない。

 

「け、怪我の功名ってやつだね!」

 

 

「ん、ま、まぁ、使えそうだからいっか! そ、それより、シノちゃんの方は?」

 

 話を逸らすべくふたりは紫乃へと話を振る。

 その視線の先で、紫乃は、

 

「……あ……また……」

 

 白ではなく、青い魚を釣り上げていた。

 釣った数はメイプルより一匹多い4匹であるが、そのどれもがすべて、青い魚であった。

 

「……白い……の、釣れない……」

 

「いや、それはそれですごいと思うよ!?」

 

「て言うか、青いのって白い魚の長だよね? 長こんな釣れちゃっていいの? 集団崩壊してない?」

 

 しょんぼりする紫乃に、メイプルとサリーがそれぞれ息の合ったツッコミを入れる。

 なお、湖では長を無くした群れが右往左往し、方々へ散っていた。

 

「あれ? というかゾンビは?」

 

「……あ、それなら……向こうで……」

 

 紫乃が指差す、その向こうで。

 

 

 

「「「「GuooOO!!」」」」ソーレ!

 

 

「GuAAAA!!」ワーイ!

 

 

 ダッ、パァーーンッッ!!

 

 

「「「「「GuooOO!!」」」」」イェーイ!

 

 

 

 

 ……ゾンビが湖に飛び込んだりして、遊んでいた。

 

 

 

「中学生の夏休み!?」

 

「……釣れなくて、退屈そう……だったから……」

 

「何あれ楽しそう!!」

 

 あまりにも自由なゾンビの行動に、サリーがツッコむ。

 紫乃ははしゃぐゾンビたちを微笑ましく見ている。

 そしてメイプルは、ゾンビ四匹による人間大砲(一体を四人で湖に放り投げる)に、興味津々だった。

 

 

「「「「「GuooOO!!」」」」」イェーイ!

 

 

「うわぁ、もうエンジョイまくってるじゃん……」

 

「……かわいい……ですよね……♡」

 

「かわ、いい……!? かわ……んぅ~……!?」

 

 紫乃の言葉に、サリーがゾンビを見ながら考え込む。

 視線の先では、いつの間にやらかゾンビたちに混じったメイプルが胴上げされ、湖に飛び込んでいた。

 

「キャーッ♪」

 

 ダッ、バァーンッ!

 

「「「「「GuooOO!!」」」」」イェーイ!

 

「プハッ! アハハハッ!」

 

 

 

「……ん~まぁ、こうやって遠目から見る分には、まぁ……わりかし、ちょっと、アレ……かなぁ?」

 

 メイプルと一緒に子どものように遊ぶゾンビを見て、サリーもほんの少しだけ、恐怖が薄れていくように感じた。

 ちょっと、いやかなり、わりと洒落にならないくらい見た目が怖いかもしれないが、こうして遊ぶ様子を見る限り、それほど怖くない……かもしれない。……ほんのちょぴっとだけ。

 

「ふふ……♪」

 

 

 ダッ、パァーーンッッ!!

 

 

「「「「「「GuooOO!!」」」」」イェーイ!

 

「アハハハッ! あ、サリー! シノちゃん!ふたりもおいでよ~!」

 

 

 

「あ~あ~メイプル、びしょ濡れじゃん……」

「……ふふ……♪ 私たちも……行きま、しょう……♪」

 

 呼びかけるメイプルに、サリーは苦笑いし、シノは優しく微笑む。

 それからふたりは顔を見合わせ、互いに共通の友人を思い、朗らかに微笑んだ。

 

「……ふふ♪」

「……ふふ……♪」

 

 ふたりの間に和やかな空気が流れた。

 その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――バシャッ、

 

 

 

 ドスッ

 

 

  

「――えっ?」

 

 

 剣のような吻を持った魚が水面から飛び出し、紫乃の首筋を貫いた。

 紫乃の小柄な体が横っ飛びに倒れる。

 目の前で倒れた紫乃に、サリーの口から間の抜けた声が出た。

 

 トサッ……、

 

「ッ!? シノちゃん!?」

 

「「「「「「Guo!?」」」」」

 

 異変に気付いたメイプルとゾンビが慌てて駆け寄ってくる。

 倒れた紫乃の首筋で、魚がぴちゃぴちゃと跳ねた。

 近くいたサリーは突然起きた目の前の惨状に、気が動転していた。

 

「シ、シ、シノ、ちゃん……?」

 

 サリーが震えた声で語りかける。

 すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はい……?」

 

 

 

 紫乃がむくりと起き上がり、サリーを見た。

 

「ひっ!?」

 

「……んっ……」

 

 小さく声を上げるサリーの目の前で、紫乃が、ゆっくりと立ち上がった。

 首にはまだ、魚が突き刺さっている。

 立ち上がった紫乃が、首に刺さった魚に手をかけた。

 そして、

 

「……ん、ふ……っ」

 

 ぬ、ちゅっ……

 みち、

 みち、

 みち……く、ちゅっ、

 

 自身の首筋から魚を、自分で引き抜いて見せた。  

 

「……ふぅ……」

 

「シ、シ、シ、シ、シノ……ちゃん……ッ!?」 

 

「……? は、 い……?」 

 

 一息つく紫乃に、サリーが、壊れたラジオのように声をかけた。

 

「く、く、首! そ、それ! な、ん、だ、大じょ……!?」

 

「……あぁ……! 大丈夫、ですよ……私……【ゾンビ】だ……から……♪」

 

「へっ!? ゾン、えっ!?」

 

「シノちゃん大丈夫!?」

 

 紫乃の言葉にサリーが面喰らっている間に、心配そうにしたメイプルが、こちらに駆け寄ってきていた。

 

「……はい、大丈夫……です……」

 

「そっかよかった~~! も~急に魚が飛びついてたからびっくりしたよ~~!」

 

 心配そうにしていたメイプルだが、紫乃の無事を見てホッと胸を撫で下ろす。

 実際は、飛びつくどころか刺さっていたわけだが。

 

「……お騒がせ……しました……」

 

「ううん、そんなことないよ! それにしても、こんな魚いたんだね!」

 

 そう言うメイプルと紫乃の視線が、紫乃の首筋に突き刺さってきた魚へと注がれる。

 魚はまだ地面の上でビチビチと跳ねていた。

 

「なになに……【アロー・フィッシュ】?」

 

「……“矢のような、魚”……ああ……だから、飛んで……」

 

 メイプルが魚の説明文を読み、紫乃がそれを聞いて納得する。

 ちなみにサリーはまだショックから立ち直れてない。

 と、そこへ。

 

「「「「「……」」」」」

 

「……あ……ゾンビ……」

 

 

 ゾンビ五体が帰ってきた。

 

 

「……おか、えり……♪」

 

「「「「「……」」」」」

 

「……?」

 

 紫乃が声をかけるが、ゾンビたちは応えない。

 代わりに、ゾンビたちの視線は、地面の魚へと向かっている。

 

 

「……ゾンビ……?」

 

 

「「「「「……」」」」」

 

 

「えっなに、どうしたの?」

 

「……?」

 

 

 ゾンビの異変を感じ、メイプルと復活したサリーも首をかしげる。

 

 その時、ゾンビの一匹が拳を握り――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「GuoAAAAAAAAAッッ!!」

 

 

 怒轟ッッ!!

 

 

 

 地面にいた魚へ向け、思い切り振り下ろした。

 拳の振動で地面が揺れ、魚から光の粒子がこぼれる。

 

「ふえっ!?」

 

「ひっ!?」

 

「……?」

 

 メイプルやサリーが驚きの声を上げるが、ゾンビの手は止まらない。いや、それどころか今の一撃を皮切りに、他の四匹も一斉に、

 

 

「GuoAAAAAAAAAッッ!!」

「「「「GuoAAAAAAAAAッッ!!」」」」

 

 

 地面にいた魚を殴りつけ、全員で袋叩きにし始めた。

 

 

 

「「「「「GuoOAAAAAAAAAッッ!!」」」」」

 

 

「ひっ!? なになになに!?」

 

「……んぅ~多分、シノちゃんが攻撃されて、怒ってるのかな?」

 

 あまりの豹変ぶりに涙目でメイプルに抱きつくサリーに、メイプルがわりと冷静に予想して返す。

 その予想が正解だと裏付けんばかりに、ゾンビたちはすでに消滅し、ドロップアイテムと化した魚の骨格標本(レア)をひたすら殴り、蹴り、叩きつけ、破壊の限りを尽くさんとしていた。

 

「「「「「GuoOAAAAAAAAAッッ!!」」」」」

 

「……ゾンビ……もう、いいよ……」

 

 

 ぴたっ、

 

「「「「「……」」」」」

 

 紫乃の言葉に、ゾンビたちの攻撃が止まった。

 

「「「「「Guu……」」」」」

 

「……みんな……心配かけて……ごめん、ね? ……私は……もう……大丈夫……だから……」

 

 申し訳なさそうにするゾンビたちの側に、紫乃がゆっくりと歩み寄る。そして、一番近いゾンビをしゃがませて、

 

「……いい子……いい子……」

 

 そっと、頭を撫でた。

 

「「「「「Guu……」」」」」

 

「……ふふ……♪」

 

 

 

「……わぁ、みんな大人しく並んで待ってる」

 

 驚くメイプルの前で、ゾンビが一列に並んで、撫でられる順番を待っている。

 

「シノちゃんもゾンビも、相思相愛だね!」

 

 

「ふふ……♪」

「Guu……♪」

 

 優しげに微笑むシノと、撫でられてご満悦なゾンビ、そして、速く順番代われとせっつくゾンビたち。

 これがゾンビでなければ、聖書の絵になりそうな光景だ。

 

 

 

 

 

 ……だが、そんな光景を見ても、サリーは、

 

 

「……やっぱし……(こあ)い……っ!!」……チョロ、

 

 目の前で人が刺されたりした光景やゾンビの豹変ぶりに、恐怖していた。

 

 

 何処からともなく、水がチョロチョロとこぼれる音が、聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――羽田空港。

 

 

 

「……I'm back(アイム・バック)

 

 

 

 




 ……ゾンビが賢すぎる?

 細けぇこたぁいいんですよ!(逆ギレ)

 ゾンビは基本紫乃ちゃん大好きです。
 手を出されるとマジギレます((((;゜Д゜)))

 次回は紫乃ちゃんの日常がちょっぴり出ます!
 そしていよいよ、紫乃ちゃんの相棒が登場です!

 出来る限り速く投稿出来るよう努力いたしますので、感想評価の方、よろしくお願いします!(≧▽≦)

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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