ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います 作:寿限夢
大変長らくお待たせしました!
誠に申し訳ない!
あーでもないこーでもないと何回も書き直してたらこんなに遅くなってしまいました!
面目次第もございません!(切腹!)
とりあえずそんな見苦しい言い訳ばかりですが、書けましたので投稿します!
それでは、どうぞ!!
二層を攻略して、早くも3日が過ぎていた。
その間に第2回イベント開催が告知され、イベントに備えて紫乃たちは、それぞれスキル集めやレベル上げに奔走していた。
「……何か……ない、かな……?」
だが、そんな中で紫乃だけは、新しいスキル探しに苦戦していた。それというのも、自身に合ったちょうど良いスキルが、なかなか見つからないためである。
自身のステータスを見ながら、必要そうなスキルを確認していく。
シノ
Lv38
HP 15/15
MP 1200/1200《+345》
【STR 0】
【VIT 0】
【AGI 0】
【DEX 0】
【INT 150(+120)】
装備
頭 【冥者の法衣】
体 【弔詩ノ礼装】
右手 【嘆きの妖杖:嘆きの妖精】
左手 【空欄】
足 【小夜月】
靴 【小夜月】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【大物喰らい】【屍喰鬼】【死霊術】【呪い】
【闇魔法Ⅳ】【ダークボール】【ダークウォール】【ダークジャベリン】【デスサイズ】
【マッシブ】【魔法の心得Ⅸ】【MP強化小】【MPカット小】【MP回復速度強化小】
「……んぅ……」
二層に上がってからしばらく、いつものゾンビ軍団でフィールドを巡り回っていたため、レベルがさらに上がっていた。
【闇魔法Ⅲ】も【闇魔法Ⅳ】に上がり、【デスサイズ】という杖から大鎌の刃を出し攻撃出来るスキルも手に入ったが、基本的にゾンビに近接戦をまかせている紫乃にとって、あまり使い道がないスキルだ。
「……んぅ~……」
出来ればまた、ゾンビを強化出来るスキルなどがあれば良いのだが、特にこれといって良いものもなかなか見つからない。
ならば、【火魔法】や【水魔法】など、まだ覚えていないスキルを身につければ良いのかもしれないが、今から覚えたとして、はたして本番で使い物になるのかかなど考えると、なかなか踏ん切りがつかないのである。
「……どうしよう、かなぁ……?」
そんな風に頭を悩ませながら、紫乃が歩いていたときだ。
「――失礼。そこ行く素敵なメカクレのお嬢さん?」
突然、道行く後ろから、声をかけられた。
振り返ってみる。
するとそこには、貴族風のオシャレな服を着た、背の高い伊達男がひとり立っていた。
「……?」
「何やら思案中、大変申し訳ない。だが、よろしければ少し、話を聞いてもらえないだろうか?」
男はボウ・アンド・スクレープ(西洋風貴族のお辞儀)をしながら、紫乃に話しかけてきた。
「……貴方は……?」
「ああ、失礼。私としたことが、名乗るのを忘れていた。……そうだな、私のことは、気軽に"メカクレお兄さん"とでも呼んでくれ」
「……"メカクレ……お兄さん"……?」
「んふッ!!」
紫乃が呼ぶのと同時に、男――自称・メカクレお兄さんが唐突に胸を抑え、身悶え始めた。
頬を紅潮させ、産まれたての小鹿よろしく膝がガクガクといっていた。
「……え、あの……大丈、夫……?」
「……す、すまない……! で、出来れば今度は……"メカクレ、お兄ちゃん"と……!」
「……?……"メカクレ……お兄ちゃん"……?」
「んぉっふッ!?」
今度はは身を捩りながら悶え、天を仰ぐように膝から崩れ落ちた。
その様は、まるで右ストレートを顎先に食らったボクサーのようである。
「んふぅぅッ!! んふぅぅッ!!」
「……あ、あの……?」
「す、すまない! 出来れば今度は、"お兄たま"で!!」
「……お、お兄たま……」
「んっふ!!」
今度はそのまま仰け反るようにブリッジの姿勢に移行。
その後も次から次へと要求を変え、紫乃は
"兄ちゃま" "にーにー" "先輩" “先生”……
その呼び方は多岐に渡り、その都度メカクレお兄さんは稲妻を受けたかのようにのたうちまわり、陸地に打ち上げられた鰻のように地面を這いずり回った。
そして、およそ20から30ほど呼びかけたところで、ようやく終わりを告げた。
「ん、は、ふぅぅ……! よ、予想はしていたが、まさかこれほどとは……やはり、至高のメカクレ……!!」
「……あの……」
「……っ! あ、ああ、すまない。……奇妙なことに付き合わせてしまったね。やれやれ、レディを放って我欲に走るとは、私もまだまだだな……」
いまだ荒い息を整えながら、メカクレお兄さんはニッコリと爽やかな微笑みを浮かべる。
なお、頬はいまだ紅潮しているし、膝から下はガクガクしている。
「……それでは本題に入ろう……ズバリ今君は、使えるスキルを探しているのだろう?」
「……」コクコクッ
「だが、これといった物がなかなか見つからなくて悩んでいる……そうだろう?」
「……!」コクコクコクコクッ!
メカクレお兄さんの言葉に、紫乃がコクコクと首を縦に振る。
その様子を見てメカクレお兄さんは、笑みを深める。
「それなら、ここはあえて"探す"のではなく、今あるスキルを限界まで"強化"してみるといい。限界を超えたその先に、君の求めるものがあるかもしれない――」
「……限界……」
紫乃はメカクレお兄さんの言葉を頭の中で反芻し、考えこむ。
だが、すぐになにか思い至ることがあったのか目をパッと見開き、目の前のメカクレお兄さんを見た。
「ふふ……それでは今日はこれで失礼するよ。実はまだ仕事の途中でね……次会うときは一緒に、ディナーでも楽しもう」
「……あ、あの……!」
「ん? なんだい?」
立ち去ろうとするメカクレお兄さんを、紫乃が引き留める。
「……あの……どうして……貴方は……その事を……私に……?」
「フフッ……理由かい? それはね、私が君の“ファン”だからさ――」
そう言ってメカクレお兄さんは手を振って、クールに立ち去っていく。
本人の容姿と相まって、その後ろ姿は、まるで映画のワンシーンのようであった。
が。
「……はっ!?」
クルッ、
ツカツカツカツカツカッ!
何故かUターンして、紫乃の元に戻ってきた。
そして、
「……出来れば最後にもう一言だけ、お願いしてもいいだろうか!?」
紫乃にまた、別の呼びかけを要求してきた。
★★★★
「「「「GUAAッ! GUッ!」」」」
「「「「「GUOOッ! GUッ!」」」」」
メカクレお兄さんと別れた紫乃は、助言に従い、持っているスキルレベルを上げるべく早速行動した。
いつものゾンビ神輿に揺られ移動する。
着いたのは一層の北の端――今や古巣と言えるほどに馴染んだ、北の森だ。
「……【死霊術】……」
目的地に到着した紫乃は、それこそいつもの通りにゾンビを大量召喚する。
MPポーションも使用し、あっという間に森の入り口付近は、ゾンビで溢れかえった。
「……中心まで、まっすぐに行くから……みんなは、森の外側、から……集めてきて……」
「「「「「「Guo!!」」」」」」
どこで覚えたのか、某ジ●ンな公国風の敬礼をしながらゾンビたちが森の中へと散開していく。
待つこと数分。
もうそろそろだろうと思い、紫乃が、森の中へと歩き出す。
すると。
「……わぁ……♡」
森の中にある一本道には、ゾンビやスケルトン、ゴーストなどのモンスターが大量に密集していた。
いつもより何倍もいる。
よく見れば森の奥から、紫乃のゾンビたちが道に向かって、捕まえたモンスターを投げ入れていた。
「……ふふ……いっぱい……♡」
恍惚の笑みを浮かべながら、紫乃は森の中へと入っていく。
当然、モンスターたちは紫乃へ向かい突撃してくる。
だが、それこそが紫乃の思惑通り。
「……【デスサイズ】……」
紫乃が持つ杖の先から、闇色の鎌の刃が現れる。
向かってくるモンスター目掛けて振れば、刃に触れたモンスター全てが一刀両断され、一瞬にして、光の粒子となって散っていく。
だが、それだけでは終わらない。
「……【ダークジャベリン】……」
今度はそのまま闇色の槍を生み出し、さらに別のモンスターへと攻撃していく。
それが終われば次、またさらに次へと。
『スキル【闇魔法Ⅳ】が【闇魔法Ⅴ】に上がりました』
やがて頭の中に、スキルレベルアップを告げる音声が聞こえてくる。
――そう、これこそが、紫乃が思い付いたスキル上げの方法である。
あらかじめゾンビを使い、モンスターを一ヶ所に集める。
それを紫乃が闇魔法でどんどん倒していく。
モンスターが減ればその都度、ゾンビが周囲からかき集め随時投入し、ついでに逃げないよう、スクラムを組んで防衛する。
これならば、いちいちモンスターを追う手間も、探す手間も省ける。
まさに一石二鳥。紫乃にしか出来ない方法である。
『スキル【闇魔法Ⅴ】が【闇魔法Ⅵ】に上がりました』
「……ふふ……ふふふ……♪」
いくつもの闇魔法を駆使し、紫乃のスキルレベルがどんどん上がっていく。
その勢いは、止まることを知らない。
時折MPポーションを飲んではMPを回復させつつ、ついでに新しく覚えた闇魔法も試していく。
『スキル【闇魔法Ⅵ】が【闇魔法Ⅶ】に上がりました』
「……と~おりゃんせ、とおりゃんせ。こ~こは、どこのほそみちじゃ~……♪」
遂にはテンションが上がった紫乃が、闇色の鎌を振るいながら楽しげに歌い出した。
紫乃が腕を振るう度に、モンスターの首や腕、足や胴などが飛び、光の粒子となって散っていく。
光の粒子の中を歌い、舞い踊りながら進んでいく
その姿はあまりにも凄惨かつ冒涜的で、同時に、恐ろしく美しく幻想的であった。
そして。
『スキル【闇魔法Ⅸ】が【闇魔法Ⅹ】に上がりました。スキルレベルが最大になりました』
遂にその時が来た。
「……あ……上がった……」
スキルレベルが上がるのと同時に、紫乃は教会の門を開いた。
場所は森の奥の廃村。
歩いているうちに、いつの間にか、着いたのである。
『う、うううっ……う……』
教会の奥には、今や見慣れた顔であるバンシー(ちゃんと首から下がある)が座っている。
教会の門が閉じる。
相手のことがわかっている紫乃は、そうそうに終わらせることにした。
「……【アイアン・メイデン】……」
紫乃の詠唱とともに、バンシーの背後から、聖女を象った鋼鉄の棺が現れた。
ぎぃ、という音をたてて、棺の蓋が開く。
開いた棺の中から、鋼鉄の鎖で繋がれた首輪が飛び出し、目の前のバンシーの首に食らいついた。
『がっぁ、!?』
がちゃがちゃ、がちゃがちゃちゃッ!!
バンシーが声を上げ首輪を外そうとするが、首輪は外れない。
そうこうしている間にも鎖が巻き取られ、繋がれたバンシーごと、棺の中へと戻り始めた。
鎖が伸びる、その棺の内側には。
『あ、ああああっ!?』
――細く長い鋭い針が、いくつも無数に生えていた。
「……ばいばい……」
必死に逃げようと虚空に手を伸ばすバンシーに、紫乃が、手を振って別れを告げる。
鎖が巻き取られていく。
抵抗するバンシーが、棺の中に収まるのと同時に、棺の蓋が閉じた。
そして。
「ッぎゃあアアアアッッ!!」
耳をつんざく悲鳴と共に、棺の隙間から
バンシーのHPがゼロへと変わる。
鋼鉄の棺が消え、床に二つの魔方陣が現れるのと同時に、紫乃の頭の中に、スキル獲得の音声が響いた。
『スキル【
「……?」
【閻王】
闇を極めし魔王の力。
【闇魔法】によるダメージ・効果が2倍。
MP消費量1・5倍増加。
取得条件
【闇魔法】のスキルレベルが最大の状態で、ボスモンスターを【闇魔法】のみで倒すこと。
「……わぁ……♡」
――その頃、とある管理室では。
「うわぁぁんもうやらぁぁぁぁっ!!」
ひとりの男が叫び、辺りをどん引かせていた。
「なんだなんだ?」
「今度はなんだよ!?」
「シノがぁぁぁっ【閻王】取ったぁぁぁっ!!」
「ふぁ!?」
「マジで!?」
「でジマ!?」
男の嘆きを聞き、その場にいたスタッフが一斉に奇妙な声を上げた。
映し出されたモニターを見て、全員の顔色がを青ざめていく。
「おいおいウソだろ!?」
「ウソだと言ってくれぇ!!」
「でも残念これが現実ぅ!!」
「どーすんだよコレ! 流石に収拾つかねーぞ!」
ヤバいよヤバいよとその場にいたスタッフ全員が、某有名リアクション芸人ばりに慌てふためく。
前回のイベントで起きた
「こ、こうなったら、いっそ、スキルを弱体化して……!」
「おや、どうかしましたか先輩方? 眉間にしわ寄せて」
「あ、新人!」
と、その時。
頭を悩ますスタッフたちの元に、背の高い偉丈夫――先日入社し、配属されたばかりの新人が現れた。
「おお新人、聞いてくれ! シノが、シノがぁ!」
「【閻王】取得しやがったんだ!!」
「……! ほぉ、それはそれは……」
先輩スタッフの言葉に、新人が一瞬驚いた顔をした後、すぐさま感心したような声を上げる。
「まさか、一日で成し遂げるとは……」
「ん? なんか言ったか?」
「いえ、別に何も?」
「な? いくらなんでもヤバすぎるだろう!?」
「このままじゃ前回の二の舞だ!」
「だから今のうちにこっそり、
「いえ、その必要はありませんよ」
「「「えっ?」」」
思わぬ新人の言葉に、スタッフ全員が首をかしげる。
「もともと【閻王】や【炎帝】のスキルは条件さえ揃えば、誰でも取得できるスキルですからね。今回は
「いや、でもな……」
「それに、今さら【閻王】を弱体化したところで、たいして変わりないと思いますよ? なにせ彼女の戦闘は基本、【死霊術】で召喚したゾンビによる圧倒的物量作戦が主で、
「「「あぁ~……」」」
新人の言葉に、その場にいた全員がなるほどと考える。
確かに、今さら
「まぁ……」
「言われてみればそう、だな……」
「ええ。ですから、ここは放っておくのが一番です。
それより先輩。次回イベントの修正とチェック、それから実装予定の第3層のフィールドとモンスターの配置確認と動作設定、終わらせましたので、確認お願いします」
そう言って新人が、いくつものデータをスタッフの元へと送信する。
その量は、紙の書類ならば、うず高く山が出来上がるほどの量であった。
「えっ、これ全部終わったのか!?」
「はい。それから、報告にあったバグや不具合の処理なども終わらせてありますので、そちらの確認もよろしくお願いします。それでは、次の作業がありますので、私はこれで」
そう言って新人は颯爽と踵を返し、自分のデスクへ戻っていった。
残されたスタッフたちはしばし呆然としてから、おそるおそる送られたデータに手を伸ばした。
「……うわ、ホントに手直し必要ないくらい完璧に終わってる」
「あいつマジで仕事速ぇな……これ、普通なら総出で3日かかる仕事だろ?」
「アイツ来てから、徹夜も残業もなくなったよな……むしろ、定時までの空いた時間、どうするか悩むくらいだし」
「て言うか、あいつマジで何者? 聞いた話だと、実家の内定蹴って、ウチに就職したらしいけど……」
謎の超大型新人に、スタッフたちの議論は白熱していった。
一方その頃、噂の新人は……。
『……お兄ちゃん……お兄ちゃん……』
「……んっ、ふっ! んふふふふっ!!」
耳に最高級ヘッドホン(定価35万円)を付け、恍惚の笑みで仕事に没頭していた。
「んっふ! もう、なにも怖くない……!」
はい! という訳で、紫乃ちゃん強化回でした!
実はこの新スキルでガチ悩みし過ぎて遅れまして……。あれでもないこれでもないとして、結局無難な形に収まった次第です(*´・ω・`)b
はぁ、マジで文才が欲しい……。
次回はようやっと第2回イベントに突入予定です!
こんな感じでぐだぐだなマイペース亀更新ですが、今後ともご指導ご鞭撻&良ければ評価感想の方、よろしくお願いします!!
ps、ご希望がありましたので、キャラ紹介を載せます! 本日18時に載せますので、よろしければどうぞ!
サービス回……いる?
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いりゅううう!!(ホラー)
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いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
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要らぬ!!