ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 本日二話目です!
 一話目がまだの方はそちらからどうぞ!


ホラー少女と鮫退治

「……わぁっ……」

 

「oh……」

 

 ふわりと地面に降り立つ感触に、紫乃とメアリーは目を開く。

 二人が飛ばされたのは、燃え盛る炎が揺れる火山地帯。

 地面は赤黒く染まり、煮えたマグマがあちこちからグツグツと溢れ出ている。

 

 

「最初からスゲェところに出たな……」

 

「……でもそんな……暑くない……ね?……」

 

 

 すぐ近くを、紅いマグマが川のように流れているのだが、不思議と暑くはない。多少もぁっとするくらいだ。

 ゲームの仕様上、あまりリアルにし過ぎるとプレイヤーによっては色々と不都合が生じるため、ほどほどに設定されているのである。

 

 ※なお、それら不都合の中にはゲーム内恐怖体験による"お漏らし"などは含まれていない。

 

 

「……近くに……誰も、いない……ね……?」

 

「流石にすぐにはいねぇだろ」

 

「……でも、私……前回、すぐに刺された、よ……?」

 

「マジか」

 

 

 そんな話をしながら、紫乃はいつものように【死霊術】でゾンビを召喚していく。

 召喚したゾンビに【マッシヴ】を掛け、いつものマッシヴゾンビにする。

 

 

「……フィールドに……着いた途端……後ろから槍で……グサッて……」

 

「よし、そいつ見つけ次第●ろうぜ」

 

「「「GuUッ!」」」

 

 

 メアリーの発言に、召喚されたゾンビが親指を立てる。

 

 

「……大丈夫……しっかり、殺り返した、から……ん……?」

 

 

 そんな感じで話をしていたふたりだったが、紫乃が何かを感じ取り、後ろを振り向いた。

 

 

「「「Guu……」」」

 

「……何かいるな」

 

「……ん……」

 

 

 紫乃とメアリー&ゾンビたちが、一斉に周囲を警戒し辺りを見渡す。

 召喚したゾンビの数はまだいつもの半分以下だが、死角を無くすには充分な数だ。

 

 

「――下だ!」

 

 

 わずかに地面が隆起する音を聞き、メアリーが銃を構える。それと同時に地面を突き破り、黒い外殻に覆われた、鮫に四肢が生えたようなモンスターが姿を現した。

 

 

「ハッ!」

 

 

 現れたモンスターへ向け、メアリーが発砲する。

 放たれた弾丸は眉間に命中し、一撃でモンスターを光の粒子に変えていくが、メアリーは警戒を解かず、周囲に目を配った。

 

 

「まだいるぞ!」

 

 

 メアリーの発言を裏付けるように、地面を突き破って黒い鮫型のモンスターがあちこちから現れる。現れた鮫たちは地面を泳ぐようにして進み、瞬く間に紫乃たちを取り囲んだ。

 

 

「……ゾンビ……!」

 

「「「GuAAAッ!!」」」

 

 

 紫乃の指示に従い、ゾンビたちが咆哮して鮫たちへ突撃していく。握り締めた拳を振り、地面から突き出た鮫の頭部を叩き潰し、あるいは殴り飛ばしてグチャグチャのジャムにし、一撃で粉砕していく。

 

 

「シャアアッ!」

 

 

 メアリーも走り回りながら銃を撃ち、鮫たちの頭を吹き飛ばしていく。

 見た目に反して防御力が低いのか、あるいはメアリーたちの攻撃力が高いのか、一撃で倒すことが出来る。

 だが、如何せん数が多く、倒しても倒しても切りがない。

 そうこうしている間にも何体かの鮫が口を開き、中から炎の弾を飛ばして攻撃してきた。

 

 

「ッ紫乃!」

 

 

 飛ばされてきた炎の弾を避け、メアリーが声をあげた。

 飛ばされた炎の弾のいくつかは、紫乃へと向かっている。

 【屍喰鬼】の特性により、物理ダメージなら無効化出来る紫乃だが、同じくそのデメリットにより、火や光属性の攻撃に二倍弱くなっているのだ。

 INTとMPの二極振りで防御力0の紫乃に、到底耐えられるはずがない。

 

 

 

  ――だが。

 

 

 

「……【闇羽衣(やみのはごろも)】……」

 

 

 その心配は、杞憂で終わった。

 

 

 (ボウ)

 

 

 突然、紫乃の身体から黒い闇が吹き出し、全身を覆った。

 炎の弾が直撃する。

 しかしその寸前、現れた闇が、炎の弾をすっぽりと覆い尽くし、まるで蛇が卵を呑み込むようにして、消滅させてしまった。

 

 

「oh! スゲェな! それが例の奴か!?」

 

「……うん……【闇羽衣(やみのはごろも)】っていって……発動中……相手の攻撃を……全部……無力化してくれるの……それとね……」

 

 

『ガッ……ァッ……!?』

 

 

 紫乃が説明していると、紫乃を攻撃した鮫たちが眼をカッと見開き、前足で喉を掻き毟りながら苦しみ悶え始めた。

 見れば、HPがどんどん減っている。

 

 

『ッ……ッ……!!』

 

 

「……攻撃、してきた……相手に……ランダムで、状態異常を返すの……喉を抑えてる、から……今回は……多分……【窒息】……」

 

「oh……」

 

 

 紫乃を攻撃した鮫たちが次々と倒れ、喉を掻き毟りながら窒息し、事切れていく。中には自ら喉を裂き、息絶える者もいた。

 

 

「「「GuoOO!!」」」

 

「ハッ!」

 

 

 当然、ただそれを眺めているメアリーや紫乃のゾンビたちではない。倒れている者そうでない者問わず、銃で撃ち、殴り蹴り、引き裂き噛みちぎっていく。

 ほどなくして鮫たちの増援も止まり、残るのは場にいる数匹となった。

 

 

「「「GuoAAA!!」」」

 

 

 最後に残っていた鮫を、ゾンビたちが取り合い四肢を引きちぎる。とどめに残った胴体の上顎と下顎に手をかけ左右別々の方向に引き、縦に引き裂いてバラバラにして終わった。

 

 

「……お疲れ……さま……♪」

 

「「「GuU!」」」

 

 

 戦いを終えたゾンビたちを、紫乃が労う。

 

 

「ただ数が多いだけだな」

 

 

 銃をホルスターにしまいながら、メアリーがあっけらかんと言ってのける。

 無論、実際はそんな簡単なことではない。

 焼ける地面を縦横無尽に泳ぎながら、無数のモンスターが炎の弾を吐き出し襲ってくるのだ。並のプレイヤーなら迫りくる猛攻に対処仕切れず、そのまま火だるまにされる。

 

 

「……ん……?」

 

「「「Guo?」」」

 

「ア……?」

 

 

 そんな二人とゾンビたちの視線が、ある一点に止まる。

 見れば、流れる溶岩の川。そのすぐ側にある巨大な岩の真ん中に、ぽっかりと穴が空いている。

 

 

「……さっき、まで……」

 

「なかった、よな?」

 

「「「Guu,Guu」」」

 

 

 首をかしげながらも二人はゾンビたちと共に岩へ近づき、穴の中を覗き込む。

 穴の奥は巨大な火山窟のようになっており、壁や天井、通路の脇を赤いマグマが流れている。

 そのさらに奥から熱風が吹いてきていることから察するに、どうやら、どこかへ通じているようだ。

 

 

「……これって……」

 

「まぁ、普通に考えてダンジョンなんじゃねぇか? 多分、さっきの鮫を倒すのが条件で入り口が出てくる、みたいな……」

 

「……入って、みる……?」

 

「むしろ入らない選択肢があるのか?」

 

 

 とりあえず罠の可能性もあるため、手始めにゾンビを先行させてから、二人は穴の中へと入ってみる。

 外から覗いた通り、道幅はかなり広く、ゾンビが二人並んでも十分余裕があった。

 

 

「……罠は……なさそう、だね……」

 

「ああ……ちなみに紫乃は、どんな(トラップ)想像してたんだ?」

 

「……えっと……入ったのと、同時に……壁や床から……手や顔が出て来て……手足を、押さえつけるの……それで……奥から……大きな鋏を持った……人が来て……ゆっくり手足を切り取る、とか……そういう……」

 

「Ah~、まぁその辺りはテンプレートだな」

 

 

 そんなR15指定のスプラッターホラーなテンプレがあってたまるかとツッコむ人間は、残念ながらこの場にいない。

 痛いのが嫌いなメイプルやホラーが苦手なサリーが聞いたら、泣き出しそうな内容だ。

 

 

「通路の奥から格子状レーザー」

 

「……天井から、回転する草刈り機の刃……」

 

 

 その後も、二人はSAN値直葬な罠談義は続けながら、穴の奥へ奥へと進んでいく。その間、敵モンスターの襲撃はなく、二人が想像するようなえげつない罠もなかった。

 

 やがて二人の目の前に、巨大な岩の扉が現れた。

 





 はい、という訳で早速【閻王】活躍させてもらいました!
 お気付きの方はお気付きでしょうが、【闇羽衣】の元ネタはドラクエのアレ(笑)。アレにデバフを追加して見ました(笑)
 この他にも【閻王】には色々とえげつない技が設定してありますので、楽しみにしてくださいね!((ゝω・´★)
 
よろしければ感想評価の方、よろしくお願いします!
 

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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