ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 目隠れロリ増えろ……増えろ……


ホラー少女と初期設定

 ゲームが届いてすぐ、紫乃は封を開け、早速プレイすることにした。

 ハードの電源を入れ、ソフトをセットする。

 必要な初期設定を終えたら、いよいよ電脳世界へとダイブだ。

 

「んっ……」

 

 現実(リアル)から電脳(ゲーム)へと移動する感覚に、紫乃の口から小さな吐息がこぼれる。

 瞼を閉じ、開いてみればそこはもうゲームの世界。といっても、まだ必要な設定(アバターのキャラメイキング)などが残っているため、いきなり町の中に放り込まれたりはしない。

 

「名前……」

 

 まずは、自身の扱うキャラクターの名前から。

 紫乃は特に迷わず、“シノ”と入力して決定した。

 そのまんま本名であるが、当人は一切気にしていない。

 

 名前が決まったら、次は初期装備だ。

 

「ん~……どれに、しようかな……?」

 

 ここにきて紫乃は、大いに頭を悩ませていた。

 大剣や片手剣など、様々な武器を眺めながら、じっくりと考え込む。

 といっても、別に効率とかプレイスタイルとか、そういう言わばゲーマー的な考えからではない。

 

「大剣や……斧で……叩き割るのも……いいし……。メイスや……槍で……潰したり……串刺しにしたりも……いい……」

 

 考えているのは、どの武器が一番ホラーで、グロテスクな表現が出来るかである。

 チェーンソーや指先に刃のある手袋があれば即決だったろうが、当然ながら無い。

 と、その時、紫乃は、あることに気付いた。

 

「あっ……でも……このゲーム……ゴア表現……無かった……。内臓……出ない……」

 

 New World On-lineは、全年齢向けのVRMMOである。

 当然、過激な残酷描写や性描写は規制されており、内臓はおろか、血の一滴も出ない。

 

「むぅ……残念……」

 

 グロがないと気付き、紫乃はちょっぴりテンションが下がった。

 だが、仕方がない。

 内臓出ちゃったら、他のゲームになってしまう。

 

「なら……これ、かな……」

 

 ならば、一番使いやすそうなのをと、紫乃は杖を初期装備に選択した。

 もともと運動はあまり得意な方ではない。

 血や内臓が間近で見れるなら近接武器でも頑張れるのだが、それがないのなら、わざわざ選ぶ必要性を感じなかったのだ。

 

「次は……ステータス……」

 

 今度はステータスポイントの割り振りである。

 このステータスの割り振りと、武器に何を選んだかで、その後のゲームプレイに大きく影響するのだが、どういう訳か紫乃は、貰ったポイントをINTとMPにそれぞれ振り分け、それで決定してしまった。

 

 何故か? 理由は簡単、

 

「……血しぶき……」

 

 まだグロがないことを、引きずっているからである。

 ちなみに、INTとMPに二極化したのは、武器の杖でその二つが強化されるから。

 たしかに魔法を主として使うのなら、その二つにポイントを多く割くのは間違ってないのだが、如何せんそれだけだと、紙装甲+鈍足の二重苦になってしまい、あまりお勧めできない。

 しかし、(グロ)をなくした少女には、そんなの関係ない。

 

「次は……魔法……?」

 

 次に選ぶのは魔法。これは、初期装備に杖を選んだプレイヤーのみに提示される項目である。

 基本的に魔法スキルは、ゲーム内のショップなどで購入出来るが、それではまだゲームを始めたばかりで他に攻撃手段のないプレイヤー(杖)には酷だろうということで、特別に設置されていた。

 選べる魔法は、全部で六つ、

 

 【火魔法Ⅰ】【水魔法Ⅰ】【風魔法Ⅰ】

 【土魔法Ⅰ】【闇魔法Ⅰ】【光魔法Ⅰ】

 

 この内の、ひとつである。

 

「火炙り……水責め……血管に、空気……」

 

 何やら物騒なことを呟きながら、紫乃はふふふと微笑む。

 武器選びで下がっていたテンションが、ちょっとだけ元に戻っていた。

 しかし、ゴア表現の問題があるため、あまりグロい事は出来ないだろうと考え、紫乃は【闇魔法Ⅰ】を選択した。理由は、これが一番ホラーっぽいから。

 

 ちなみに一番合わなそうなのは【光魔法Ⅰ】である。

 

「最後は、外見……むぅ、こっちも……あんまり変えられない……」

 

 最後に容姿の設定だが、どうやら、あまりリアルとは変えられない仕様らしい。

 紫乃の身長は132㎝ほどであり、同年代ではかなり小柄な方である。華奢で愛らしい、見ていて保護欲を誘うその容姿と、ごく稀に見せる異様なまでの艶っぽさから、密かに【見守護(みまも)り隊】なるものが校外問わず大きなお友達により結成されているが、当人は無論、知るよしもない。

 

「あ、でも……眼や髪は……変えられる。……それなら……」

 

 紫乃はパネルを操作して、髪や眼の色を変えた。

 髪の色は、薄い紫に。

 そして眼の色は、瞳孔を赤、白目の部分を黒に変えた。

 もし身長も変えられたら、身長を2メートル40センチほどにして、ぽぽぽぽ言うつもりだったが、変えられないのなら仕方ない。

 

「なら……これで……」

 

 設定を終えた紫乃の体が光に包まれる。

 一瞬の浮遊感。

 次に目を開けた時、そこは、活気あふれる城下町であった。

 

 

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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