ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 とりあえず切りの良いところまで仕上げましたので、どうぞお納めください!
 結局1週間以上かかっちまったちくしょうめぃ!(江戸っ子風)

 今回は久々のアレが出ます!

 それでは、どうぞ!



 ※誤字脱字報告ありがとうございます!



ホラー少女と血を吸うアイツ

 魔法陣の光が落ち着いていく。

 辺りを見回してみれば、そこは広大な沼地が拡がる湿地帯。

 背後に聳え立つ火山が見えることから察するに、どうやら麓まで降ろされたらしい。

 

 

「……何もない……ね……?」

 

「だな、てっきり不意討ちでもくるかと思ったが」

 

「「「「「Gu!」」」」」

 

 

 周囲にプレイヤーもモンスターもいないことに、メアリーが少し拍子抜けする。

 と、いっても、大量のゾンビに囲まれた二人(前回一位と戦闘狂)を襲撃する猛者など、そうそういないのだが。

 

 

「……とりあえず、移動……する……?」

 

「だな……と! 地面ぬかるんでて歩きにくいな」

 

「……じゃあ……御神輿……で、いく……?」

 

「「「「「Gu!」」」」」

 

「そうだな……それで行くか」

 

 紫乃の提案にメアリーが頷く。

 紫乃がインベントリから神輿を取り出し、二人で乗り込む。

 あらかじめ用意した座布団(イズ特製最高級レア素材使用)に座ったら、移動開始だ。

 

 

「……それじゃあ……ゾンビ……お願い……」

 

「「「「「GuooOO!!」」」」」

 

 

 紫乃の合図に従い、ゾンビたちが神輿を担いでわっしょいわっしょいと運び始める。

 担ぎ手でないゾンビたちは神輿を囲み、周囲を警戒しながら進んでいく。

 

 

「「GUAAッ! GUッ!」」

 

 ぐしゃ、

 

「「GUOOッ! GUッ!」」

 

 ぐちゃ、

 

 

 

「Ah……ヤバい。コイツは楽だわ」

 

 

 たまに遠目から見える鳥形のモンスターを撃ち落としながら、メアリーが呟いた。

 というのも道中、大きめの蛇や蛙や(ヒル)などのモンスターが現れて来るのだが、先行したゾンビたちが鎧袖一触に蹴散らしていくのだ。

 

 

 

「「GUAAッ! GUッ!」」ワッショイワッショイ!

 

「「GUOOッ! GUッ!」」ワッショイワッショイ!

 

 

 現に今も、赤い風船のような蛙型のモンスターが踏みつぶされ、飛びかかってきた灰色の蛇が、頭を食いちぎられ、残った身体を、チュロスのように歩きながら咀嚼されていった。

 

 

「……リアルで沼地抜けようとしたら、もっと苦戦するぞ……」

 

「……そう、なの……?」

 

「ああ、地面に足跡つくし、どこに敵や罠が潜んでるかわからないからな……お、サンキュー」

 

「Gu!」

 

 

 神輿の縁に寄りかかったメアリーに、先行していたゾンビが回収した鳥型モンスターの素材を手渡す。

 このように、拾ったアイテムもゾンビが運んできてくれるため、わざわざ回収しに神輿を降りる手間もない。

 ちなみに、紫乃の元にはゾンビがひっきりなしに素材を持ってきている。

 

 

「……ステータス、でも……振る……?」

 

「そういえば、鮫でレベル上がってたしな……」

 

 

 二人はメニューを開き、ステータスを振ることにした。

 

 

 

 

 シノ

 

 Lv48

 

 HP 15/15

 

 MP 1200/1200《+345》

 

 

 

 【STR 0】

 

 【VIT 0】

 

 【AGI 0】

 

 【DEX 0】

 

 【INT 170(+120)】

 

 

 

 装備

 

 頭 【冥者の法衣】

 

 体 【弔詩ノ礼装】

 

 右手 【嘆きの妖杖:嘆きの妖精】

 

 左手 【空欄】

 

 足 【小夜月】

 

 靴 【小夜月】

 

 装飾品 【空欄】

 

 【空欄】

 

 【空欄】

 

 

 

 スキル

 

 【大物喰らい】【屍喰鬼】【死霊術】【呪い】【閻王】

 

 【マッシブ】【魔法の心得Ⅹ】【MP強化小】【MPカット小】【MP回復速度強化小】

 

 

 

 

 

 

 メアリー

 

 Lv33

 

 HP 35/35

 

 MP 25/25

 

 

 

 【STR 55(+100)】

 

 【VIT 0】

 

 【AGI 85(+35)】

 

 【DEX 45(+20)】

 

 【INT 0】

 

 

 

 装備

 

 頭 【空欄】

 

 体 【鬼哭のコート】

 

 右手 【鬼王の銃剣:徹甲弾】 

 

 左手 【鬼角の銃剣:自動装填】

 

 足 【鬼哭のレギンス】

 

 靴 【蹂躙のブーツ】

 

 装飾品 【空欄】

 

 【空欄】

 

 【空欄】

 

 

 スキル

 

 【早撃ち】【頭部射撃】【パワー・ショット】【疾風撃ち】【五月雨撃ち】

 

 【虐殺者】【無慈悲】【体術X】【韋駄天】【超加速】

 

 【ボウガンの心得Ⅹ】【水泳V】【潜水Ⅴ】【筋力強化小】【気配遮断Ⅳ】

 

 【気配察知X】【しのび足Ⅳ】【跳躍Ⅳ】【毒耐性中】

 

 

 

「まぁ、こんなもんかな」

 

「……」コクコクッ

 

 

 紫乃は【INT+5】。メアリーは、【STR+5】と【AGI+10】と振っていた。

 装備やスキル分(【大物喰らい】)も入れれば、紫乃のINTは580。

 あと少しで、600台に到達しかけていた。

 

 と、その時、

 

 

 ……ピタッ。

 

 

「……?」

 

「ん?」

 

 

 それまで順調に歩みを進めていた神輿が、不意に足を止めた。

 ふたりが首をかしげる。

 どうしたのかと神輿から前をうかがえば、少し先の沼地で、何やら黒くてぬらぬらしたものが、先行したゾンビたちと戦っていた。

 

 

「……なんだ、アレ?」

 

「……おっきな、蛭……?」

 

 

 メアリーの疑問に、紫乃が小首を傾げながら応える。

 言われてみれば確かに、それ(・・)は、巨大な蛭のようである。

 ただし、それまでゾンビたちが片足で踏みつぶしていた()とは違い、象と見紛うほどの大きさだが。

 

 

「……意外と苦戦してるな」

 

 

 どうやら巨大な蛭を相手に、ゾンビたちは攻めあぐねているようだった。

 暴れ狂う蛭の胴を複数体のゾンビたちが抑え、他のゾンビが殴る蹴るなどしているが、あまり効いていないらしい。

 

 

「……固、い……?」

 

「いや。あれはむしろ逆に、柔らかすぎて打撃が効きにくいんだろうな……肉が分厚すぎるんだ」

 

 

 よく見れば、ゾンビが繰り出した拳や蹴りは、すべて蛭の胴体にぐにゅりとめり込むだけに終わっている。

 メアリーの推測は正しく、この蛭には、打撃や斬撃に対する高い耐性が設定されていた。

 

 

「……ッし。加勢するか」

 

 

 言いながらメアリーが、右手に銃を構える。

 ただし構えたのは、いつもの 【鬼王の銃剣】ではなく、赤いヒレと牙が装飾された回転式グレネードランチャー。

 つい先ほど手に入れた、【グレネード・ラバー・シャーク】である。

 

 

「……早速……使うんだ……?」

 

「ああ、せっかくだからな! それに」

 

 

 構えた銃口を、蛭へと向ける。

 

 

「山や沼で蛭に出会ったらバーナーで焼き殺すってのは、サバイバルじゃ常識だぜ?--【炎弾射出】!」

 

 

 引き金を引いた銃口から、巨大な、鮫を象った炎の弾丸が射出される。 

 撃ち出された炎の鮫は、まっすぐに蛭へと飛んでいく。

 

 

「……ゾンビ……散開……!」

 

「「「「「Gu!!」」」」」

 

 

 紫乃の号令に従い、巨大蛭に群がっていたゾンビたちが離れた。

 炎の鮫が口を開ける。

 巨大な蛭の胴体に、鮫が食らいついた。

 そして、

 

 

 轟っ!

 

 

 蛭の胴を抉り、炎を上げて爆散した。

 

 

「……わぁ……」

 

「「「「「GuOO!」」」」」 

 

 

 燃え盛る炎を見て、紫乃とゾンビたちが感嘆の声を洩らした。

 だが、蛭はまだ死んでいない。

 炎を消そうと地面をのたうちまわリながら、蛭が、沼地の水の深い方へと向かい出す。

 

 

「逃がすな!」

 

「……ゾンビ……!」

 

 

「「「「「GuOOO!」」」」」

 

 

 メアリーの声に、紫乃が応えた。

 ゾンビを指揮して、蛭の行く先へと向かわせる。

 先回りしたゾンビが、逃げようとする蛭を威嚇し立ち塞がった。

 行く手を阻まれた巨大蛭が、ぐねぐねと炎に身悶えながら、そのまま突進していく。

 その背中に、

 

 

「……【閻王】……!」

 

 

 紫乃が、漆黒の閻弾を当てた。

 

 

 ぞる、

 

 

 蛭の背中の肉が消し飛び、胴体の真ん中から上と下に引きちぎれた。

 

 

「ッシ!」

 

「「「「「GuOOO!」」」」」

 

 

 引きちぎられた蛭の胴体がぐちゃり、と地面に倒れた。

 ふたつに分かれた蛭は、それぞれ炎に巻かれながらぐちゅぐちゅと動き、もだえていたが、やがて、動かなくなった。

 動きを止めた蛭が、光の粒子となって消えていく。

 

 

「GuGA!」

 

「……?」

 

「ん?」 

 

 

 そうして、光の粒子が完全に消えてなくなったところで、蛭のいた場所で、ゾンビがなにか見つけてふたりに持ってやってきた。

 ふたりが顔を見合わせる。

 見てみるとそれは、銀色に輝く一枚のメダルだった。

 

 

「……あ……!?」

 

「メダルじゃん!?」

 

 

 紫乃が、ゾンビからメダルを受けとる。

 

 

「……あの蛭、が……持ってたの……かな……?」

 

「だろうな……なるほど、雑魚にしちゃあ妙にタフだったのは、そういうことか……」

 

 紫乃の持つメダルを見ながらメアリーがひとりごちる。

 どうやらあの蛭は、徘徊型ボスエネミー……以前、メアリーが倒したレッドキャップと、同じものであるようだ。

 

 

「だとしたら、思ったより楽にメダルが集まりそうだな……いちいち草の根探しわけるよりか、よっぽどいい……」

 

「……メダル……どうする……?」

 

「紫乃が持っててくれ……さっき武器譲ってもらったからな。そいつは譲るよ」

 

「……うん……ありがとう……ゾンビも……」

 

「Guu……」

 

 

 メダルをインベントリにしまいながら、紫乃が、メダルを持ってきたゾンビの頬を撫でる。

 ゾンビがうっとりとした声をあげる。

 その様子を、他のゾンビたちはジッと見ていた。

 

 

「……みんな、も……」

 

「「「「「GuOOO!!」」」」」

 

 

 ゾンビたちが、一斉に紫乃の元へ駆け寄った。

 無論、綺麗に1列に並んでだ。

 その様子を見て、メアリーが牙を鳴らして言った。

 

 

「おもしろくなってきやがった……」

 

 

 イベントはまだ、始まったばかりであった。

 

 




 はい! という訳でオリジナル要素として徘徊型エネミーが出てきます!
 どっかの戦闘狂にとっては探すよか楽かもしれませんが、そうでない人には地獄(笑)
 実際相性が悪かっただけで、この蛭もそれなりに強い……はず、多分、メイビー?

 次回はグロ増しゾンビ回!
 最初から最後までゾンビたちが大活躍します!!

 その分、ちょっと時間がかかるかも……( ;∀;)
 でも頑張ります!

 不定期かつ、ぐだぐだマイペース亀更新になっておりますが、今後ともご指導ご鞭撻の方、よろしくお願いします!
 あと、出来れば良ければ評価感想の方、よろしくお願いします!!
 あと、ブクマ外しは勘弁してください!(メンタル豆腐)

 それでは、次回また!

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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