ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 前回の話から早ひと月。
 ようやく出来ました!
 注射打ったりバイトがバックれたり上司が連絡し忘れたりスマホぶっ壊れたりしたくけど……
 私は元気です(瀕死)。
 それはそれとして近々、のじゃロリかメスガキママでエロを書こうかと考えています(悪魔で予定)。
 それでは、どうぞ!


ホラー少女と優雅な朝食

 二日目。

 

 

「わ、ぁ……♪」

 

 

 一夜明けた早朝。

 いつも通り早起きした紫乃の元に、周囲を警戒していたゾンビたちが集まってきていた。

 集まってきたゾンビの手には、一枚の銀のメダル。

 そのメダルを見て、紫乃は感嘆の声をあげた。

 

 

「見つ、けて……きた、の……?」

 

「「「「「GuU!!」」」」」

 

 

 紫乃の問いかけに、ゾンビたちが大きく頷く。

 実際は見つけてきたどころか、チートプレイヤーをぶっ●して奪い取ってきたのだが。

 

 

「……すごい……みんな……ありが、とう……♪」

 

 

 紫乃がゾンビたちに抱きつき、頬ずりしたり頭を撫でたりする。

 狂喜するゾンビたち。

 その小さくも柔らかな感触に乱舞する様は、さながらアイドルグループのライブで推しに抱きつかれた、尊死寸前の限界オタである。

 

 

「「「「「GuOOO!!」」」」」ワッショイワッショイ!!

 

「……Ah? なんだ、どうした……?」

 

 

 あまりの騒がしさに、紫乃と一緒に寝ていたメアリーが、瞼をこすりながら神輿から出てきた。

 

 

「……あっ……メアリー……」

 

「よう、紫乃……Ah,なんだこりゃ? ゾンビがブレイクダンスしてる……」

 

 

 未だ寝ぼけ眼のメアリーの眼に、狂喜乱舞するゾンビたちの姿が映る。

 

 

「……ゾンビ……たち、が……メダルを……見つけて、きてくれた、の……♡」

 

For real?(マジで?)

 

 

 驚くメアリーに、紫乃が手に持ったメダルを見せる。

 

 

「うお、マジだ……!」 

 

「……これ、で……四枚……」

 

 

 イベントで交換できる景品がひとつにつき銀メダル十枚。

 ふたりで合計二十枚を目標としているので、あと十六枚である。 

 

 

「お前ら、よくやったな!」

 

「「「「「GuU!!」」」」」

 

「よし! それじゃあ私からのご褒美も兼ねて、Breakfast(朝飯)ご馳走してやる!」

 

 

 そう言ってメアリーが、インベントリから机と調理道具を取り出す。

 本来、料理には【料理】スキルが必要だが、実は、ある程度のDEXがあれば簡単な調理くらいはできる。

 机の上に肉や野菜、その他調味料を並べたら、すぐ横で焚き火を起こした。

 

 

「……何を、作る、の……?」

 

「バーガーだ!」

 

 

 そう答えメアリーは、焚き火にフライパンをかざしてベーコンを投入。黒胡椒で味を整えながら、カリカリになるまで焼く。

 

 

「ベーコンは二枚重ねでいいか?」

 

「……うん……」

 

「「「「「GuU!」」」」」

 

 

 ベーコンが出来たなら、次はバーガーの肝に当たるパティ作り。ビーフ100%のひき肉に塩を入れ、ボウルでよくこねる。

 

 

「ほどよくこねるのがコツだな! こね足りないのもやり過ぎるのもよくねぇ!」

 

「……ん、しょ……」コネコネ

 

「「「「「Gu!」」」」ボウルオサエ

 

 

 肉が白っぽく粘りが出たらナツメグを入れ混ぜ、肉を丸めて平らにして整形。パティの形を作る。

 軽く塩コショウを振り、フライパンに入れたら表面を強火で一気に焼き上げ、焼けたら後は中火~弱火でじっくり火を通す。

 

 

「焼き上がりの目安は、真ん中付近の肉を突いて、肉汁が透明になったらだ!」

 

「……ゾンビ、よだれ……」

 

「「「「「GuA!?」」」」」ジュルリッ

 

 

 焼き上がったら蓋をして、余熱で蒸し焼きに。

 こうすることで、ふんわりとした出来栄えになる。

 

 

「その間にバンズとオニオンを焼くぞ!」

 

 

 パティを蒸らしている間に、スライスしたオニオンとバンズをフライパンで焼いていく。

 オニオンは甘く。バンズは焼く際に軽く蓋をすることでふわっとした仕上がりに。

 

 

「そして仕上げ!」

 

 

 最後に焼いたバンズの上に焼き上がったパティを置き、その上にチーズを乗せる。さらに上にベーコン・レタス・トマト・オニオンを乗せ、ケチャップとマスタードをかけてバンズで挟み込めば出来上がりだ。

 

 

「完成! ウィンチェスター流ベーコンレタスバーガー!」

 

 

「「「「「GuOOO!!」」」」」パチパチパチ!!

 

 

「……わぁ……♪」

 

 

 出来上がったハンバーガーを前に、紫乃やゾンビたちから歓声が上がる。

 出来立てほかほかのハンバーガーから香る匂いに、ゾンビたちの腹の虫が唸りをあげた。

 

 

「さぁ、喰え!」

 

 

 手前にいたゾンビたちから、我先にとハンバーガーを持ち上げ、大口を開けかぶりつく。

 バンズと野菜の噛みきれる音が響く。

 それからほどなくして、ゾンビたちが歓喜の雄叫びをあげた。

 

 

「「「「「GUGOGOGAaaa(美・味・い・ぞぉぉぉーーッ!!)!!」」」」」

 

「……ん、おいしい……♥️」

 

 

 ゾンビたちが歓声をあげるその横で、紫乃もバーガーをはむはむとかじりつき、称賛の声をあげる。

 表面を軽く焼いたバンズは香ばしく味わいがあり、輪切りになったトマトは、しっかりと熟していて甘酸っぱい。

 軽く焼かれたオニオンは甘く、口の中でほろほろととろけていく。

 みずみずしいレタスは、シャキシャキとした食感を与え、その下に敷かれたパティは、あっさり噛み千切れるほど柔らかく、噛めば噛むほど肉汁が旨みと共に溢れだし、口の中を蹂躙していく。

 

 

「ングング……ん! よし、上出来だ! さぁてお前ら、どんどん焼いていくぞォ!」

 

「「「「「GuOOO!!」」」」」

 

「……うん……♪」

 

 

 興の乗ったメアリーが、自身のバーガーをぱくつきながら、残りのバーガーを次々と調理していく。

 紫乃も、自分のバーガーをはむつきながらそれを手伝う。

 まだ食べていないゾンビたちは、自身の口から溢れるよだれを拭きながらも、一列にきれいに並び、今か今かと自分の順番を待っている。

 

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

 

 出来上がったバーガーを紫乃がゾンビに手渡していく。

 

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

 

 その後も、次から次に出来上がったバーガーをゾンビたちに手渡していく。

 手渡されたゾンビは、すぐさま列から離れ、後ろのゾンビに順番を譲っていく。

 列から離れ、適当なところで自身のバーガーにかじりついたゾンビは、もれなくその美味しさから舌鼓を打ち、歓喜の咆哮をあげた。

 

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

 

 ――それから、しばらくして。

 

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

 

 ……あらかた、全てのゾンビにバーガーが行き届いたところで。

 

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

「Gu!」

 

「HEY!」

 

「……ん……!」

 

『ヌン』

 

「HEY……ん?」

 

 

 メアリーは、ある異変が起きていることに気づいた。

 

 

「……ん……」

 

『ヌン』

 

 

 

「……なぁ、紫乃」

 

「……んぅ……?」

 

「……なんか今、違うの混じってなかったか?」

 

 

 頭に疑問符を浮かべるメアリーに、紫乃が小首をこてんとかしげる。

 目を合わしたふたりが、今しがたバーガーを手渡した相手へと向ける。

 見ればそこには。

 

 

『ヌ~ン♪』

 

『ミィ~♪』

 

 

 頭に大きな鹿の角を生やした、白いモ●ゾーのようなもふもふの生き物が座っており、頭に乗せた小さな赤い髪の少女と一緒に、手渡したバーガーに上機嫌にぱくついていた。

 

 

「……なんだありゃ、白いト●ロの親戚か?」

 

「……もふもふ……」

 

「……つか、紫乃。気付いてただろ?」

 

「……うん……でも……悪意は、なさそうだったし……列にも、ちゃんと並んでたから……」

 

 

『ヌ~ン♪』

 

『ミィ~♪』

 

 

 ふたりが話している間にも、白いもふもふと少女はバーガーをもぐもぐと食べ進めていく。

 やがて、二匹(?)ともバーガーをぺろりと完食すると、白いもふもふが頭に少女を乗せたまま、のっそりと立ち上がった。

 

 

「お、こっち来たぞ」

 

「……うん……」

 

 白いもふもふが紫乃とメアリーの元へ、ノッスノッスと歩み寄る。そして、ふたりの目の前に立つと、おもむろに手を差し出してきた。

 

 

「……あ、メダル……」

 

 

 差し出してきたその手には、銀色のメダルが握られていた。

 

 

「……くれる、の……?」

 

『ヌン』

 

 

 白いもふもふが、こくんと頷く。

 紫乃がそっと手を出し、メダルを受け取った。

 すると今度は、もふもふの頭の上に座っていた少女がもふもふの腕を伝い、もふもふの手の上に滑り降りてきた。

 

 

『ミィ!』

 

「……あなた、も……?」

 

 

 言うが早いか、少女がもふもふの胴体に頭ごと手をつっこみ、ごそごそとなにかを取り出そうとする。

 もふもふがくすぐったそうに『ノッス、ノッス』と声をあげて笑った。

 

 

『ミィ!』

 

 

 やがて出てきた少女の手には、華奢な金の鎖の付いた、小さな赤いガラスの靴のネックレスが乗っていた。

 

 

「……あ、かわいい……」

 

『ミィ♪』

 

 

 紫乃の素直な称賛に、少女がフフンとドヤ顔を見せる。

 手に持ったネックレスを紫乃の手のひらにそっと置き、またもふもふの頭の上に乗った。

 

 

『ミィ!』

 

『ヌ~ン』

 

 

 それから二匹(?)は、紫乃とメアリーに手を振りながら、森の中へノッスノッスと帰って行った。

 後に残されるふたり+ゾンビたち。

 メアリーがそれとなしに、紫乃の手のネックレスの能力を確認してみた。

 

 

吸血妖精(バーヴァンシー)の首飾り】

【INT+30】

【妖精吸血】

 

 

「お、スキル付いてる」

 

 

【妖精吸血】

 踏みつけた相手のHPをMPに変換して吸収可能。

 踏みつけている間中、効果持続。

 

 

「Oh……」

 

「……わぁ……」

 

 

 なんとも倒錯的な能力である。

 思わずふたりの口から声がこぼれた。

 しかし、それはそれとしてかなり強力な能力であるため、装備としては正直当たりである。

 

 

「こんな装備も手に入るンだな……」

 

「……うん……」

 

「そいつは紫乃にやるよ……私はMP増えても、あんま意味ないしな」

 

 

 射撃と肉弾戦のみで戦うメアリーには無用の長物である。

 早速紫乃が、ネックレスを装備する。

 

 

「……こういう形のイベントもあるのか」

 

「……びっくり……するね……」

 

「【NewWorld Online】……侮れねぇ……」

 

 

 メアリーがそう呟きながら、目線を森の奥へと向ける。

 もふもふと少女の影は、もう何処にも見えなくなっていた。




 ……はい!という訳で今回、FGOからちょっとひっぱってきました!
 見てたら出したくなったんや……きのこは鬼畜やでぇ(;´д⊂)
 本当は靴装備にしようと思ったんですけど、既にイズ作成の【小夜月】があるので靴型ネックレスにしました。ちょうどバーヴァンシーもちっちゃくなってたので(笑)
 元ネタが気になる方は、【FGO】【ケルヌンノス】【バー・ヴァンシー】で検索してみてください!


 ちなみに、紫乃には更なる強化を加える予定です。(`・ω・´)

 相変わらずのぐだぐだ亀更新になっておりますが、今後ともご指導ご鞭撻の方、よろしくお願いします!
 あと、出来れば良ければ評価感想の方、よろしくお願いします!!
 あと、ブクマ外しは簡便してください!(メンタルクソ雑魚)

 それでは、次回また!

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!

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