ホラー……が、好き、なので……ゾンビを……愛でたいと……思います   作:寿限夢

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 ……大ッ変長らくお待たせしました!
 スランプに継ぐスランプに継ぎ、文体破壊やお化け騒動や他に書きたいor造りたい衝動など抜け、ようやく……ようやく投稿です!
 


ホラー少女と森のお家

 

 

「「GUAAッ! GUッ!」」 

 

「「GUOOッ! GUッ!」」

 

 

 湖を後にし、再び森の中を進む紫乃たち一行。

 日が登りきり、周囲が明るくなってきたためか、ようやく兎や狼などのモンスターが現れ始め……

 

 

「「GUAAッ! GUッ!」」 

 

 ぐちゃっ!

 

「「GUOOッ! GUッ!」」

 

 ぐしゃっ!

 

 

 出てきて早々、先行したゾンビたちに踏み潰され、食ったりちぎられたりしていた。

 

 

「出オチってレベルじゃねーゾ」

 

「……ね……」

 

「「「「「GUGAGA!!」」」」」ワッショイ!!

 

 ぐしゃあっ!

 

 

 そんな()()とも思わない状態で森を駆けていく紫乃たち。

 神輿からゾンビを眺めたり、銃を弄ったりしている。

 すると、その時。

 

 

「「Gu! 」」」

 

「……?」

 

「ん?」

 

 

 先行していたゾンビのうち数体が、神輿から顔を出す紫乃に走り寄ってきた。

 

 

「……どう、したの……?」

 

「「Gu! Gu!」」」

 

 

 小首をかしげる紫乃に、ゾンビたちは森の向こうを指差す。

 

 

「……どうやら、何か見つけたみたいだな」

 

「……行って、みる……?」

 

「ああ……」

 

「……じゃあ……ゾンビ……お願い……」

 

「「「「「Gu!!」」」」」

 

 

 そういうことになり、紫乃たちはゾンビに導かれるまま森の向こうへと進んで行く。

 ゾンビの指し示した道は、それまで以上に木々が鬱蒼としており、せっかく明るくなってきた道は、進むにつれどんどん暗くなっていく。

 いつしか、先ほどまでいたモンスターも次第に現れなくなっていた。

 

 そうして、歩くこと十数分--

 

 

「「「「「……Gu!」」」」」

 

「わぁ……!」

 

「oh……!」

 

 

 ようやく森を抜けた紫乃たちの前に、古びた洋館が現れた。

 見るからにボロボロで、壁の至るところはひび割れ苔むしており、何故からかカラスの鳴き声が聴こえ、怪しげな雰囲気を、より一層醸し出している。

 

 

「……すごい……!」

 

「おいおいなんてこった、ここはラ●ーンシティの郊外か!?」

 

 

 あまりにもアレなその佇まいに、紫乃もメアリーもテンションが跳ね上がっていく。

 紫乃に至っては神輿の縁に手をかけ、小さくぴょんぴょんと跳ねているため、はためいたスカートの裾がひらひらと翻り、太ももの付け根から小さな黒い紐がチラチラと見え隠れしている。

 

 ……非常に危ない!

 

 

「「「「「GuU!」」」」」ドコミテンダヨ!

 

「メアリー……! はやく、はやく……行こ……♡」

 

「ああ!」

 

 

 急いで神輿から降りたふたりが、並んで洋館に駆け寄り、玄関口の扉の前に立った。

 ゾンビたちも、その後に続く。

 

 

「……お邪魔、しまぁす……♪」ギィィ……

「邪魔するぜ!」バァンッ!

 

 

 紫乃は手で慈しむようにゆっくりと、メアリーは両手に銃を構えながら扉を蹴破り、館の中に入った。

 

 

「「「「「GUOOO!!」」」」」ドドドドドドッ!!

 

 

 その後に続いて、ゾンビたちも雪崩れ込む。

 

 玄関口を過ぎた先には、ゾンビを含めた紫乃たち全員が入っても余裕のある、広く大きなエントランス。

 正面には踊り場を抜けて二階へと続く大きな階段。左右には扉が二つ。

 天井にはボロボロのシャンデリアがあり、階段の踊り場には、ズタズタに切り裂かれた大きな肖像画がある。

 

 

 ぎいぃ……ばたん!

 

 やがて、最後のゾンビが入ると、扉がひとりでに動き、勢いよく音をたてて閉まった。

 

 

「「きたぁ!」」

 

 

 閉じ切った扉(ホラーにお約束な展開)を前に、ふたりのテンションが一気に跳ね上がる。

 嬉々として辺りを見回す。

 

 

「さぁ、何がくる!?」

 

「……わく、わく……♡」

 

 

 遊園地のアトラクションを前にした子どものような……というには、いささか凶暴or艶っぽい笑みで、ふたりが歩み出る。 

 するとふたりの足元に、鈍い青色の魔法陣が現れた。

 

 

「お、こいつは!」

 

「……メアリー……!」

 

 

 現れた魔法陣に、紫乃とメアリーが顔を見合わせる。

 目を合わせたメアリーに、紫乃が楽しげに微笑む。

 

 

 

「……また、後で、ね(・・・・・)……!」

 

 

「……ああ、また後でな!」

 

 

 それに対しメアリーも、牙を打ち鳴らし笑う。

 ふたりの体が、青い光に包まれる。

 

 そうして光が納まると、ふたりの姿は、その場から消え失せていた。

 

 

「「「「「GUOOO!?!? 」」」」」

 

 

 ……後にはてんやわんやする、ゾンビたちを残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光が薄れると、メアリーはひとり、薄暗い部屋の中に立っていた。

 

 

「さぁて、お次はなんだ?」

 

 

 唇をにんまり吊り上げながら、辺りを伺う。

 周囲にはボロボロのベッドに、空の本棚、ホコリの乗った机がある。

 部屋の右側には扉があり、その対面には、鉄格子の付いたガラスの割れた窓。

 そして--

 

 

「おいおい--」

 

 

 その窓のすぐ下にある椅子には、巨大なハサミを手にした、小さなメイド服を着た人形(ビスクドール)が座っていた。

 

 

「ずいぶん分かりやすいなぁ!」

 

 

 如何にも曰くありますと言わんばかりのその人形に、思わず笑みを浮かべるメアリー。

 不気味な森の洋館に、仲間との分断。そして、明らかに見た目に不釣り合いな凶器を持った人形(ビスクドール)……とくれば、この後の展開はだいたい予想がつく。

 

 

 ならば、先手必勝とばかりに、メアリーが人形に銃口を向けようとした。

 

 その瞬間、

 

 

 シャリン、

 

「ッ!?」

 

 

 椅子に座っていた人形が一瞬で飛び起き、メアリーの懐に飛び込んできた。

 速い。

 その速さは、AGI特化のサリーにも近しい速さだった。

 

 

 開いたハサミの刃が、メアリーの首筋へと迫ってくる。

 

 

「チィッ!」

 

 

 迫りくるハサミの刃を、メアリーは首をのけ反らせて回避した。

 首のあった空間を、ハサミの刃が切り裂く。

 だが、人形は止まらない。

 閉じたハサミの刃を、そのまま顔面に突きだしてくる。

 

 

「シッ!」

 

 

 だが、やられぱなしのメアリーではない。

 突きだされたハサミの刃を、のけ反った勢いを利用してバク転。回避しつつ距離を取った。ついでにその際、右足の靴先でハサミの柄を蹴り上げていく。

 すると自然、柄を持つ人形の手もハサミに釣られて天を仰いだ。

 ハサミを蹴りあげられ、両手を万歳する形になった無防備なその腹に向け、空中で狙いを定めたメアリーが両手の銃から銃弾を浴びせ、人形を窓際まで吹き飛ばした。

 

 

「オラどうした、まさかこれで終わりか!?」

 

 

 吹き飛ばされた人形へ向かい、メアリーが牙を鳴らして吼えた。

 するとその言葉に答えるように、人形がむくりと起き上がった。

 

 

「ハッ! だろうな!」

 

 

 言いながらメアリーは銃を構え、人形と対峙する。

 人形の体は、傷ひとつない。

 いや、それどころか、人形の頭上には、HPを表すゲージすら存在していない(・・・・・・・・・・)

 

 

怪物が不死身(・・・・・・)でなきゃ、ホラーにならねぇからなぁ!」

 

 

 メアリーが牙を鳴らして嗤う。

 メアリーの予想は概ね当たっており、彼女たちのいるその館は、紫乃に触発され、ホラー映画に興味を持った女性スタッフ(21歳)の手により設計されたものである。

 故に、館内にいるモンスター(その人形)もホラーの定番に準拠している。

 ちなみにそのスタッフは、夜中にひとりでトイレにいけなくなっている。

 

 

(だとすると、クリア条件は館内の探索、からの脱出か--)

 

 

 人形を警戒しながら、メアリーは背後の扉を見やる。

 

 

(あるいは、何かしらの条件を満たして、相手を倒せる土俵にまで引きずり下ろすか(・・・・・・)……)

 

 

 例えば高音に弱いとか、自分の名前を連呼されると弱体化するといった具合に、何かしら弱点があるのがホラーの定番である。

 しかし、逆に弱点がまったくない、本物の不死身の怪物というのも、あるにはある。

 ゲームの性質状、どちらの可能性も否定できない。

 

 

(……どっちにしろ、このままここにいても埒が明ねぇ……)

 

 

 探索するにせよ弱点を見つけるにせよ、どのみちこの部屋から出なければならない。

 しかし、ただこのまま後ろの扉から出ても、目の前の人形がそれを良しとしないだろう。

 逃げる主人公を延々と追い回す怪物というのも、ホラーなら鉄板だ

 

 そう考え、判断したメアリーは、両足に力を込め、

 

 

 

 

 

 

「【超加速】!」

 

 

 

 

 

 

 一瞬で、人形の背後へと移動し(・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

「【蹴撃】ィッ!」

 

 

 

 

 振り返った人形の顔面に蹴りを入れ、サッカーボールのように扉へとシュートした。

 人形が扉を破壊し、扉の残骸ごと廊下の壁まで吹き飛んだ。

 

 

「ハッ! あいにくと追われるのは趣味じゃねぇ! 悪ぃが、"調子"こかせてもらうぜ!」

 

 

 そう吼えるメアリーを他所に、人形が扉の残骸からゆっくりと起き上がろうとする。

 だがそれよりも速く、銃弾が人形の両膝を撃ち抜き、

 

 

「オラァッ!」

 

 

 バランスを崩した人形の顔面に、メアリーの蹴りが襲いかかった。

 

 

「ヒャッハァッ!!」

 

 

 蹴り飛ばされた人形がまた宙を舞い、廊下をまっすぐに飛んでいく。

 やがて地面に落ち、起き上がろうとするが、また撃たれ、その隙にまた蹴られた。

 

 

「シャアッ!!」

 

 

 その後も延々と同じことを繰り返される。

 蹴られては撃たれ、また蹴られては、また撃たれた。

 もし人形に人と同じ感性があるのなら、ぐちゃぐちゃに泣き叫んでいたであろう。

 もはやハメ技というのも生優しい、えげつのない無限ループが誕生していた。

 

 

「ヒャッハ、ヒャッハハハハッ!!」

 

 

 古びた森の洋館に、メアリーの哄笑が響き渡った。 

 

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 --一一方その頃、取り残されたゾンビたちは。

 

 

 

『主が拐かされたぁああッ!!』

 

『探せ! 草の根分けてでも探せッ!!』

 

『なんだこのドア邪魔だなッ!!』バキバキッ

 

『家具も邪魔だ!!』ベキベキッ

 

『全部ぶっ壊せッ!!』メキメキッ

 

 ……紫乃がいなくなったことに動揺し、軽く狂戦士(バーサーカー)化していた。

 

 

 





 いかがだったでしょうか?
 主人がいないほうが、ゾンビはむしろ凶悪です。(笑)

 書き留めが5日分あるので、5日間連続で投稿します!
 良ければ評価感想の方、よろしくお願いします!!

サービス回……いる?

  • いりゅううう!!(ホラー)
  • いりゅううう!!(セクシー&ギャグ)
  • 要らぬ!!
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