放置周回でも頭がいたくなるとき、気分転換   作:ゆやゆよん

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オリジナル 練習 


 漁港のある町で生まれ育った人間としては

 寿司よりも刺身のほうが好きだ

 

 玉子、海老、鰻などの具が珍しいだけで

 魚の身を味わうのなら

 刺身がいちばん良いに決まっている

 

 刺身は醤油を食ってるんだ 

 というのは舌が麻痺した食通気取りか

 刺身に飽きた漁師くらいしかいないだろう

 

 漁師をしていた親戚は 

 醤油に砂糖を入れたり中濃ソースで食べていた

 漁をする人であって料理する人ではない ということ

 ただただひたすら甘かった 

 

 スーパーの刺身にはがっかりさせられることがある

 冷凍と解凍を繰り返したのだろうか 

 何の味もしないものにあたったときは

 ひどく損をした気分になる

 

 単純に種類が少ないのだ 

 せめて5つは欲しいところだ

 嘆かわしいことに漁港のある町でも

 売れ筋の魚しか刺身にしない所がある 

 商売だから致し方ないが

 買うほうの問題なのだろう

 

 そもそも寿司屋が嫌いだ

 アレは客を見る 見すぎている

 

 都会のそこそこ有名な寿司屋でも  

 お金の匂いと若い女の子のあるなしで違う

 

 若い子がいると あぁ心から嬉しいんだな と

 駅でスポーツ新聞をひろげる

 近寄りがたいおじさまのように顔が歪むのだ

 あれは笑顔ではない 

 

 以前、勤めていた職場の社長に連れられて

 若い女の子の同僚2人、専務の社長の次男と一緒に

 有名な寿司屋にいった 味は悪くはなかった

 

 後日、旦那が旦那の父親が寿司屋にいった事がない

 という話をしてきて 父親の誕生日に

 例の寿司屋に連れていったら?と 予約の電話 

 平日なので昼は大丈夫とのこと

 続けて父親の散髪の予約 こちらは前日に

 

 カウンター席ではなく 奥に近い角よりの席

 机をはさみ 旦那は父親と 私は鞄 注文

 とりあえず ひとり新渡戸稲造の中皿 3つ

 父親が下戸なので酒はたのまず お茶 3つ

 

 他にも いくつか食べたはずだが覚えていない

 

 覚えているのは旦那の父親の寿司の中皿

 

 烏賊の寿司の端 ちいさな葱がくっついていたこと

 

 ちいさな葱がくっついていたこと

 

 あのちいさな葱

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 あとがきにかえて (1000字に届かず 字数稼ぎです)

 

 エッセイ風の文章の練習に書いてみました。改行などを意識して読みやすいように修正しつつ、筆?の勢いにまかせて書き殴っていたらこういう形に。

最初は、寿司より刺身が好きという自分の嗜好と中濃ソースあたりまでしか考えていませんでしたが、〜ということ〜あたりでいったこともない寿司屋の昼時の風景が浮かんで、店の奥、暗い感じの一見さんの家族に、職人さんが手抜きして使い回しや、まな板ふかずに握った寿司をだしたって妄想が浮かんできました。そこにつなげるため、作者は練習がてら60代の女性に突如TSし、カタカナをできるだけ減らしたり、生活感がでるようスーパーの話をでっちあげ、昔の話だから!っていう保険をかけつつ書いてたら、なぜか詩みたいにリズムがでてきて、筆が止まりました。ここで切るのが印象に残るだろうというのもあり、あの終わりかたになりました。ちなみにタクシー移動とか施設に旦那の父親を迎えにいくという文章もありましたが、プレビューを見た際、無駄だと思いカットしました。おかげで字数がたりなくなり、本文であとがきを書くことに…


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