料理教室が終わると,いつも通りレヴナントと一緒に帰路に着く。
「肉塊はミンチがお似合いだ」
「果肉だけどな。りんご切り分けるだけなのになんでスムージーにしてしまうのか」
「”刻む”とはそういうことだ」
「できないから料理教室通ってんだよなぁ」
「むうぅ(うなり声)」
やはり自分も料理教室に入って良かった。コイツだけだとどうしようもない。
「その様子じゃ何も作れないんだ?w」
「皮付き(料理の腕前のこと)が調子に乗るなよ」
「乗るつもりなかったんだけどねぇwwだって、なーんもできないんでしょ?wそこらの子供でもできるってw」
「貴様ッ!ウチへ来いッ!薄く切った...つまみを出してやる」
「やったぜ」
「うめぇわ」
「ハッハッハッ(邪悪な笑み)」
「ワタクシめが間違っておりました」
「当然だ」
天気は変わってもレヴナントのつまみは変わらずうまい。
「こんなサービスしてくれなくても、水は足りてるのに」
「今日は外へ出るべきでは無かったな」
「教室の時は降らなかったから大丈夫だと思ったんですー」
「ハッハッハッ(嘲笑)」
「なんじゃい、元はと言えばお前が冷蔵庫把握してなかったせいやろ。」
「話を聞かずに出て行ったのは貴様だ」
「隣の部屋のおばあちゃんから野菜もらえるとは思わないだろ...」
「ハッ、言い訳になっていないぞ」
「酒は?」
「酔うにはわたしがいれば充分だろう?」
「う、うっす」
「なんだ?皮付き、口が疼いているぞ」
「いや?澄んだ月があれば完璧なのになぁ。完璧なつまみに、骨のある話し相手、そして夜空から俺をまっすぐ見つめる満月。さっきツキが無かったから丁度いいと思うだろう?」
「今すべての空気を台無しにしたお前には、ツキは逃げていくだろう」
「あんだとー?喧嘩売ってんのか?空も見ずに口だけは達者か?レヴナント」
「口だけだと思うか?なら貴様は咀嚼の度にわたしを思い出すがいい」
「言われなくとも」
「むうぅ(うなりl声)...おい、見ろ。月が見えるぞ」
「は?どれよ?」
そう言って”空”を見上げた。
__本来であれば部屋の中であるこの場所から。
「レヴナント」
「なんだ」
「外に出たせいだと思う?」
「ハッ」
吐き捨てるように笑うと
「抵抗するだけ無駄だ。皮付きらしく、目の前のものにだけ囚われていればいい」
俺の現実逃避をやめさせた。
辺りは植物だらけ。森なのか?ただただ感じたことのない暗闇への恐怖で腰が引けそうになる。
「離れろ」
「大好物じゃろ?ほら恐怖だよ恐怖」
「糞がカレー味になっても糞だ」
「クソ味のカレーは?」
「糞だ」
「草」
「糞と言っているだろう!!」
「草ァ!」
クソのようなやりとりをしている二人に、忍び寄る何かがいた。
もうゴールしていい?