うおおおおおおおおおお!!
「俺が連れてってやるぜありいなああああああああああ!!」
あ、バックパック置いて行った方が良かったかな?
レヴナントなら大丈夫大丈夫。
さ、レヴナント、隙を作ってあげたから頑張って!
俺はお前を信じてる。
でも走るのやめらんねぇんだけどwwwww
「アンタの連れが帰ってこないんだが」
「アレは自ら道を曲がれるほど賢くはない」
「気持ち良く期待が薄れたよ」
「避けるか、耐えるか、選べ」
「その余裕はいつまで」
パンパンパンパン!!
「グゥぁ...!?」
カチャ
大男の両目と顔に1発、左胸に1発の弾丸が刺さった。
しかし傷がぶくぶくと塞がっていく。
「(左目だけ先に回復したか...)おいおい、選ばせてくれよ。って...」
そこにレヴナントの姿はなく
ガクっ、またはゴクっとも取れるような音が自分の首から鳴る。
同時に視界も少し傾いた。
「アンタは自分から来るんだな」
首を捻った相手の両腕を掴むつもりが大男は片腕しか掴めなかった。
「離さねぇ!」
お男は地面にレヴナントを叩きつけようとする。
パンパン!
大男は耳をやられ、
パンパン!
顔の裏から弾が貫通し回復した目を片方やられた。
パンパンパンパンパンっ!
脚、腰、掴んだ腕を撃たれ普通なら死んでいなければならないその攻撃を受けながら大男は腕を振り下ろす。
そして叩きつけられるソレが生き物であろうとそうでなくとも、壊れるという運命が訪れる
___はずだった。
大男が叩きつける瞬間に見たのは黒い影。
「(何だ...!?)」
影は軌跡を残しながら”消えた”。
「(俺が離すわけねぇ!!消えた?いやまだだ!本物は___)」
予感に従い前に飛びながら振り返る。
アレが影なら本体がそこにいるはずだ。
そう思っている大男を歓迎したのは、太陽より輝く光___爆発したグレネードだ。
「(念入れやがって)」
1つではない、3つ以上の丸い弾は既に光だ。
大男が吹っ飛んだ。
受け身を取ろうとしたがうまくいかず地面に打ち付けられる大男。
「(へへ...いうことをきく腕がねぇんだ)」
意識が腕にいっていたため、大男はその攻撃に気づかなかった。
闇の混じった琥珀色の球が大男に命中、その球はそこに止まり続ける。
「ぉぉ...お」
全身が軽く痺れるような感覚になる大男。
「ふぅ...く...」
異変に気づく大男。
「(再生...しない...!?)」
大男が治るのはだいぶ先の様だ。
「(弱くはないあの道具...何発も入れられるとまずい...!アイツは今どこだ!!感じろ...感じろ...!!)」
目と耳をやられ、両腕もない。そして全身の痺れ。大男が感じられるのは馴染みのある振動だけだった。
「(...水の音?)」
脇腹に衝撃を感じると少しの浮遊感そして
「(だんだん近く...)」
反撃の意識は”ドッ”という鈍い衝撃とともに掻き消された。
そして動かない大男の体は炎に包まれた。
「選べ」
そう言ってレヴナントはすぐにP2020で相手の目を奪った。
リロードしながら素早く移動し闇の混じった琥珀色のクリスタルの様なトーテムを建てると、レヴナントは闇を纏った。
相手の背後に周り首を捻った。そして距離を取る
__がソレは叶わず片手を掴まれてしまった。
「(やはり化け物か)」
恐怖のかけらも感じさせず、死すら存在するのか怪しいソレにレヴナントはそう判断した。
耳をつぶし、ピンを抜かずにグレネードをまとめて落とす。そして人間基準での要所要所を撃ち続けた。
「(千切れないか)」
頑丈すぎる大男の腕はぶくぶくと蠢いている。
地面に叩きつけられ、トーテムに戻ったレヴナントは大男の背後にグレネードを投げ、P2020でソレを撃ち抜いた。
______!!!!
大男が縦回転しながら遠くへと吹っ飛ぶ。
素早く大男の方へ向かうとうつ伏せになった両腕のない悲惨な姿をレヴナントは捉えた。
大男は崖に近い場所で倒れていた。
無防備なその姿に躊躇いもなく禍々しい琥珀色の球、通称『サイレント』を放った。
大男の背中に放たれたサイレントは、相手の能力を強く抑制する。
ぶくぶくと再生しないのを確認すると大男を蹴り上げ崖から落とした。
当然ソレは水の上ではなく、大男は地面に叩きつけられた。
そしてテルミットグレネードという、地面と接触すると炎の壁を展開するグレネードをレヴナントは崖下に放り投げる。
「......」
大男は炎に包まれた。