止まる大結界 迫る記憶-The Legends-   作:飛煙

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今日中に終わりませんね!(確信)


第七話『侵入』

「あそこが中心っぽい?」

「あぁ」

「行かないん?」

「行って何をするんだ?」

「撃って再生するか試す」

「やめておけ。時間が解決する事だ」

「ふーん?なぁ、あっち」

 

クレーバーを出して覗かせる。

 

「騒がしくね?」

「化け物と皮付きか」

 

妖怪と科学武装をした人間が激しく争っている。

 

「つまらん」

「というと?」

「主犯がいない」

「いやー?科学っぽいの人間だから人間サイドに青い壁の主犯がいるでしょー」

「こういうことをする皮付きは危険からもっとも遠く、もっとも見やすい位置にいる」

「じゃあ月ー?」

「どうしてそうなる」

「月見てこんな感じになったから?」

「......」

「調べるならそろそろ行った方がいいけど」

「黙れ皮付き。ついて来い。」

 

俺は街へ侵入すると思っていた。

 

「どこへいく」

「へ?街」

「さっき言っただろ、見えやすい場所にいると」

「なんだ?空でも飛ぶのか?」

「あぁ、化け物を使う」

「はぇー」

「あそこで待っていろ」

 

高層ビルの屋上を指してレヴナントが茂みに消えた。

 

「待ち合わせは現場かよ!はっ!無理ゲー!!」

 

 

 

 

レヴナントは走っていた。宙を舞うヒトガタを捕まえるために。

 

走るレヴナントを遮るように大木が目の前を横切る。

 

「しぶといな、化け物」

「探しもんは俺かい?」

「ハッ、空を飛べるようには見えないな」

「行きたい場所でも?」

「あのビルの屋上だ。」

「いいぜ」

 

大男は右手をレヴナントに突き出し左手で支え、数多の囁きが重なるように嘯いた。

 

レヴナントは距離を取ろうと足に力を込めると

 

「...!」

「行って来な」

 

はるか高く遠くに跳ねることとなった。

 

「空で生きて帰れるか、見ものだな」

 

青紫のおどろおどろしいオーラを纏ったレヴナントは、凄まじい運動能力を発揮している。

 

「(うなり声)」

 

納得はいかないが仕方ない。レヴナントはそう言い聞かせるように弾丸の如く空へ跳ねた。

 

 

 

 

「ハンドガンとグレネードあってもアレと交渉するのは無理だよなー」

 

あーどーしよ、そう思っているとどこからか駆けてくる音、息切れが聞こえた。

 

そちらの方向へ急いで向かうと、その方向から青い壁が迫って来ていた。

 

よく見ると外から走ってくるヒトガタを目視できる。

 

「!!そこのアンタ!!この壁から逃げろ!!こっちへ来るな!!」

 

そう言った当人は涙を流しながら無数の赤い光に追いかけられている。

 

俺は壁の方向へ走り出した。

 

「!?」

「走れ!!」

 

テルミットとグレネードを飛行物体のかなり後ろに投げる。

 

”______!!!”

 

グレネードの破裂音に反応して飛行物体は後ろを向くが炎の壁を認識してしまう。

 

先ほどの男は既に俺より後ろだ。

 

足元に炎の壁を作り壁の内側へ急ぐ。

 

飛行物体は避難を繰り返しているためか、八の字に飛び、その場に止まっている。

 

「行くぞ!!」

 

「ヒャい!!」

 

俺たちはただただ走った。

 

 

 

壁は止まったようだ。

 

「はぁ...はぁ...あ”りがとう」

 

「お礼にあの建物の場所に案内してくれよ。いつの間にか外に出ててさぁ。変な壁あるしさあ...」

 

「あ、あぁ。俺もそこに行かなきゃならないんだ」

 

「じゃあついてくわ。......むしろ一人で大丈夫?火災になって屋上から飛び降りたりしない?」

 

「確かにさっきはみっともない姿を晒したが、俺はこれでも立派な調査員なんだぞ」

 

「ほんとー?緊急事に真っ先に下に降りそう」

 

「馬鹿にするなよ!屋上階段から1Fに行けないことくらい知ってる」

 

「(そういう問題じゃないんだけど)そうなの?」

 

「知らないのか?有名な話だぞー?屋上からは4Fまでしか降りれないんだ。」

 

「それは知ってるっての(大嘘)。どうして、重要なのはどうして4Fまでなのかってとこよ」

 

「おいおい、うちの広報が頑張ってるんだからそれも知っておいてくれよー」

 

「今時チラシなんて見ねーよ」

 

「やっぱ君みたいな男性はそうかー」

 

「お前もだぞ」

 

「だから俺は知ってるって。4F以上には脱出装置があるんだ」

 

「でもそれって悪戯で起動させられてなんか問題になってなかった?」

 

「いや、まぁ、そうなんだが...」

 

「ん?にわかだったん?」

 

「えっと......」

 

辺りをチラチラ見ながら小声で話しかけてくる。

 

「実はあの建物自体がロケットになっていて、3F以下は安全性が確認されてないんだ。だがそういうことを公表するわけにもいかないだろう?」

 

「直せよ」

 

「もちろんやろうとしたみたいだ。悪戯の報道はそのためのフェイクで、一応着工までは行ったんだけど」

 

「だけど?」

 

「その時上でイザコザが...おっと着いたみたいだ」

 

「ん、ありがと。気を付けろよ?」

 

「そっちもな。入り口は、こっちだぞ!」

 

「目の前にあればわかるわい!!!」

 

男は笑いながら高層ビルへと姿を消した。

 

「(情報ガバガバかよ...)」

 

半信半疑になりながらも4Fの非常階段の標識を探す。

 

「お、あった」

 

見つけたはいいが......

 

「(これのぼるのー?)」

 

さっきの調査員とかいう男がこの建物に用があると言ってたから、このビルはオフィスビル的な雰囲気だろう。

 

エレベーターでセキュリティに引っ掛かったらどうしようもないし、やるしかない。

 

「はぁ......」

 

注射器片手に、気持ち急ぎ目で上って行った。

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