2日後、C市のスーパーファイト大会当日。
全市に存在する競技用スタジアムで最も大きな規模を誇るスーパースタジアムに緑仙に呼ばれて5名のライバーが観客として訪れていた。
緑仙の同期でありとても仲の良い花畑チャイカ、社築、名伽尾アズマ。緑仙のおもちゃである夢追翔。急用で来られない加賀美ハヤトの代わりで来た後輩ホストライバーの不破湊*1。
5人は用意された選手が戦う舞台からそれなりに近い席に案内されて、腰掛ける。途中、チャイカがトイレに行ったり、アズマが煙草を吸いに行ったり、不破湊が用も無く彷徨いたりしてスーパーファイト開始までの時間は潰された。
『ご来場の皆様!大変お待たせしました、第22回スーパーファイト!全選手の入場です!』
司会の声が会場中に響き渡り、闘技台に様々な選手が現れる。特に緑仙にしか興味のない5人なのでスネックやイナズマックスが登場しても眉ひとつ動かさず、バクザンやスイリューが出てきた時も無反応だった。しかし緑仙が出てきた瞬間は拍手喝采であった。
『以上18名で第22回スーパーファイト開催です!』
全選手の紹介が終わると、選手達は再び闘技台から消えていく。
(4人倒せば優勝ね…自称修行したバクザンと途中ぶつかるだろうけど過去に倒したから楽勝でしょ…問題はスイリューか…強いんだろうなぁ)
緑仙は対戦表を眺めて決勝戦までのイメージを軽々行う。ちなみに緑仙の最初の対戦相手はデーブという超肥満の選手だ。
(そういえば加賀美の所も怪人に襲われたって聞いたけど…今会場外はどうなってるんだろう)
スマホを取り出すと適当にネットニュースを調べる緑仙。すると思わず声を漏らしてしまう恐ろしい事が今現在会場外では起こっていた。
まずはE市、つい先程までそこは災害レベル虎と鬼が複数で荒らし回って居たのだが、A級ヒーロー数名が戦ってる所、にじさんじライバーのドーラが来た所で一気に決着。しかし町は既に半壊していた。
続いてO市、そこには海夜叉神が現れて暴れていた怪人を即座に退治。被害は最小で済んだ。
そしてL市、災害レベル鬼の怪人を叶と赤羽葉子の2人が最高のコンビネーションで即殺。被害はゼロ。
更に続いてP市、にじさんじライバーの神田笑一*2が災害レベル虎複数を1人で殲滅、被害は最小で済んだ。
更に更にJ市、災害レベル鬼を魔法使いライバーのニュイ・ソシエール*3とフレン・E・ルスタリオが苦戦した後に撃破。
更に更に更に続いてはR市、災害レベル虎が十数体も居たが鷹宮リオン*4と竜胆尊がものの数分で殲滅して見せた。
そしてなんと更にB市、災害レベル鬼を桜凛月とベルモンド・バンデラスが被害を最小で撃破。
他にはD市、I市、S市、W市、V市、Y市がまだ被害にあっている。
これの何が恐ろしいか、それはこれらがほぼ同時に起こったのだ。そして未だ増える被害を対処出来るヒーローとライバーがまだ出動出来て居ないのだ。
これは不味いのではと思った緑仙だが、試合を抜け出す訳には行かないし、まだキングや鈴原るるが登場していない。あの二人が現れれば何とかなるだろうと考え、スマホをしまうとウォーミングアップを始めるのだった。
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にじさんじ事務所、オペレーター室。今も尚増え続ける被害状況の処理に黛灰、出雲霞そしてスタッフ達は追われていた。
「C市、災害レベル虎が複数出現、S級ヒーローの鬼サイボーグが到着。援軍の必要性は無し!」
「S市、災害レベル…竜!?現在S級の金属バットが戦闘中!多分勝てないかも知れないから待機してる剣持とエクスを案内して霞ちゃん!」
「D市にはモイラ様が向かいました!」
「I市にはとんでもないデカいタコが出現!複数のヒーローと長尾景さんが苦戦中!」
「Y市には毒を使う怪人が居る模様!毒が効かなそうなライバー…誰だ!?エリー・コニファー*5さんか!?チャイカさんか!?」
「鈴原るるさんは現在ゲーム配信時間が9時間突破しました!終わる気配がありません!」
「にじさんじ事務所調理室!文野環が何か作ってます!」
「「「「「今すぐ止めろ!!!」」」」」
ライバーは全員が全員戦える訳では無いし、戦う事は義務付けられていない、自分の予定を優先しても誰も文句は言わない。その為100人近く居るライバーは半分以上が戦闘に参加出来ていない。
しかし、少しずつ、少しずつだが…対処が出来始めて居る。
「ドーラさんやベルさんもほかの町に向かってるらしい、災害レベル竜が気になるけど、とりあえずは安心かな」
「安心出来るかなぁ、ライバーが遅れた町はボロボロだよ…しかもこれ絶対に何か良からぬ事が起きますって」
ペットボトルの水を飲む黛とその横の端末に表示されている出雲霞。ひとまずはライバーの誘導は終えた。後は援軍要請が来たら応えるだけだ。
「とりあえず…この同時多発の怪人襲撃は絶対に主犯格が居る。それがきっとS市の災害レベル竜だろうね」
「見た感じただのデカいムカデだけどこんなのがこんな沢山の怪人をこんな上手く誘導出来る?」
「…いや、きっとムカデだけじゃないと思う。他にも主犯格は居る」
「それって他にも災害レベル竜が居るって事?」
「そうなるね」
「うーわ」
出雲霞は端末の画面の中でだるそうに寝っ転がる。そもそも災害レベル竜なんてそうそう出てきて良い怪人では無いのだ。そんなのが複数居て、しかも複数の怪人を従えてるとなるとかなりめんどくさい。
「…疑問なのは何で隠れてるか何だよね。今大混乱してる時こそ暴れ時なのに…早くしないと混乱が収まって、暴れようにも暴れられない状況になるはずだ…」
「今回は様子見とか?」
「こんな量の怪人を様子見に使う?」
「…使わないね…今だって災害レベル鬼や虎は殆どやられてる。そんな怪人はそう簡単に補充が効かないし…」
「………」
何を考えてるのか全く分からない。黛と出雲は暫く考えたがその結論しか出てこなかった。
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スーパーファイト、緑仙の初戦だが。勿論緑仙の圧倒。S級ヒーローの実力があり、優勝候補とされているバクザンを倒した緑仙に勝てるなんてスイリューか強くなったバクザンくらいだろう。
そう思っていた時だった……
S級ヒーローに匹敵すると思われる実力者であるバクザンがチャランコというよく分からない選手に一撃でやられたのだ。これには緑仙も驚きを隠せなかった。過去に1度倒したとは言え、バクザンは緑仙が認める確かな実力者だ。それは間違い無い、そんなバクザンを一撃?
(そんなのドーラとか尊様くらい強くないと出来ないでしょ…)
緑仙は何度も目を疑ったが結果は覆らない。そしてそのチャランコという選手は次緑仙が勝てばぶつかる相手だ。
(とりあえずチョゼとか言う奴をぶっ飛ばしてチャランコとか言う奴も倒さないと不安で仕方ないなぁ…)
この後、緑仙はなんか変な事を堂々と叫んでいたチョゼをボコボコにした。
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〜???〜
『おい、ギョロギョロ。俺らはいつ暴れられるんだ。さっさと予定を済ませたいんだが』
とある町の地下深く、ある男?がギョロギョロと呼ばれた一つ目のデカい怪人に話しかける。その男?にギョロギョロは答える。
『まぁ待て。今回はデモンストレーション…いわゆるこちらの戦力をあちら側に紹介しただけだ。本番はまだまだだ…お前も幹部の出番もな』
『めんどくせぇ事しやがる。キングと向こうに与してる怪人以外は雑魚だろう、さっさと攻めこめ』
『そうは行かない。キングやライバー以外にも戦慄のタツマキやシルバーファングといった化け物も居る。油断大敵…オロチ様と同じ王の名を持つ魔界王であるお前なら分かるだろう?』
『……そうか、まぁ何でもいい。俺らの出番が後々ならその後々を早くしろ。あの魔界の裏切り者が普通に暮らしてると思うとどうにかなりそうだ』
『ならばデモンストレーションが上手くいくようにお前が崇拝する地獄の女神にでも願ってくれ。』
男?はギョロギョロの言葉に少し反応するが、特に何か言い返す訳でも無く、暗闇へ消えていく。
『……魔界王…絶対に行ってはならないと人間にも怪人にも共通認識とされている魔界の王…気難しい奴かと思いきや意外と扱いやすいですね』
ギョロギョロはまるで石像の様に先程からピクリとも動かなかったとても大きな怪人に話しかける。
『所詮は魔界美大生に滅ぼされた瓦礫しか無い魔界の玉座に偶然付いただけの負け犬だ。従順なのはその為だろう。』
『なるほど、言えてますね』
『王は2人も要らぬ。ヒーローとライバー共を始末したら次はあの魔界王も始末しておけ』
『かしこまりました…怪人王オロチ様』
ごめんチョゼ。繋ぎとして使えなかったからお前の戦い全カットになってしまった。
それとごめんロジー、サイタマとスイリューはぶつからないと行けない。でも緑仙はサイタマと戦わせたい。トーナメント表を変えるのめんどくさい。だから君には存在自体消えてもらったよ…本当にごめん。でも本編だとチョゼに瞬殺されたから別にいいよね()
緑仙
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