にじさんじ事務所本部が怪人協会からの使者の不法侵入を許してしまった数日、同じくヒーロー協会でも怪人協会からの使者の侵入を許してしまったらしい。らしい…と言うのはそれは黛が手に入れた情報やベルモンドが見通した真実では無い……なんと新聞などの号外に書かれていた事だった。書かれていたのはそれだけでなく、ヒーローとライバーが怪人協会と人類の未来と人質の命をかけた全面戦争を始めるという事までも何故か書いてある。
黛くらいのハッカーでないと侵入出来ない情報セキュリティのあるヒーロー協会とそれ以上のセキュリティを誇るにじさんじから一般のメディアやマスコミが情報を盗めるはずもない。という事は自然に宣戦布告して来た怪人協会が社会的にもプライド的にもヒーローを逃がさないつもりなのだ。
「こんな大層な戦争に巻き込まれてしまった状態で配信なんかしたら不謹慎だとか人類の明日を背負ってるのに配信なんかするなとかアンチやメディアの批判の的になる可能性がありますね…皆さん、申し訳ありませんけど怪人協会との戦いが終わるまでは配信の方を全員休止して下さい。」
その日の昼頃に突然開かれた緊急会議にて月ノ美兎が全員にパソコンを通して伝える。ライバーのメインの活動は配信でそれを封じられるのは少し厳しいが…今回ばかりは仕方ない。
「ベルモンドさんの能力で真実を見通して貰ったんですが、どうやら向こうにはベルモンドさんの能力を阻害する能力者が居るらしく、大した情報は得られなかったそうです。鈴原るるさんやキングさんを倒せる自信と戦力にベルモンドさんの能力を阻害するという前代未聞の行動…間違いなく危険度なら十二災厄でしょう。つまり怪人協会の災害レベルは竜以上〜神と思って下さい。その為、2日後の決戦の日は戦力を出し惜しみせずにヒーロー協会と全面的に協力する方針です。戦える者は勿論戦闘を、戦えない非戦闘員は拡大するかもしれない戦闘から住民を避難させて下さい。にじさんじライバー100人以上全員を作戦に加担させるつもりですがよろしいでしょうか?」
月ノ美兎委員長の言葉に約数名欠けてるにじさんじ緊急会議の出席者全員は頷く。仲間を死地に向かわせて自身だけ安全な場所で何もしないなんて事をする奴はにじさんじには居ない…皆、覚悟を決めた。
「決戦の日は明日、それまでにチームや部隊の編成を最終調整して、すぐに伝えます。私からは以上です。着席」
月ノ美兎委員長の締めの挨拶が終わり、会議が終了する。そしてこれから明日の決戦の日を含めた日々はとても忙しくなると全ライバーが理解したのだった…
会議が終わって数分後、チーム編成が伝えられるまでは特にやる事の無いベルモンド・バンデラスは店にある食器の手入れを終わらせようとした時に仲の良い花畑チャイカから電話がかかってきた。
「もしもし、どうしたチャイちゃん?」
【あ〜、もしもし。ごめんベルモンド。会議の時に聞けなかったんだけどさぁ…あんたの真実を見通す力が阻害されたって言ってたじゃん?それってさ、その阻害された原因とかさ…なんか遠回しに真実を見通せばなんか抜け穴があるとか無い?】
「…?…いや、そういうのは一応やってみたさ…勿論全部阻害された。どうやら怪人協会に絡んだ事は全て阻害されるようだ。」
【…ん、ありがとう。分かったわ】
「そんな事を急に聞いてきてどうしたんだ?」
【いや、別に。鈴原るるや他の十二災厄の事はある程度なら普通に真実を見通す事が出来たのになんで急に十二災厄でも何でもない奴らに阻害されたのか原因が気になって…】
「…ああ、そういう事か…原因は分かるけど」
【分かるの!?】
「ああ、と言っても予想に過ぎないけどな。恐らくは十二災厄の一つである地獄の女神の加護だろう。」
【……地獄の女神…か…】
地獄の女神という単語に電話越しのチャイカは少し苦しそうな声を出す。
十二災厄の1つ。地獄の女神。十二災厄の中では特に目立った事は無いが…危険度と戦闘能力なら同じ十二災厄である魔界美大生(鈴原るる)、古代兵器、銀河最強を上回るかもしれない程の十二災厄を代表する大大大災厄である。しかしベルモンドが得た数少ない真実によると彼女は現在はこの世界ではなく別の世界にて新しい発見に囲まれて楽しい毎日を送っている為、こちらの世界に何か大きく関わったり、暴れる可能性は極めて低いそうだ。
だがその地獄の女神の信者達はそうは行かない。信者達は常に暴れ回る。ほんの少しの地獄の女神の加護や利益を貰った信者達は絶大で凶悪…そして本人にすら扱いきれない力を自身がその力で自滅するまで暴れ回るのだ。
勝手に自滅する為、信者の数は少ないが、その力を暴走させずに生き残った輩はずる賢くて厄介だ。更に先程ベルモンドが言ったようにどうやら真実を見通す力が殆ど通用しないのだ。
【もしかして今回の一件、地獄の女神が関わって…】
「いや、それは絶対にないな。断言出来る。彼女が関わってくるなら確実に俺のところに顔を出しに来るし、相手に猶予を与えたり、怪人達が有利な場所に誘き寄せたりとかめんどくさい事はしないはずだ」
【それなら良いんだけど…】
「でも…地獄の女神の信者は確実に居るな。黛がにじさんじ事務所にやってきた呪王って奴は地獄の女神からその名を貰ったらしい。まぁ、恐らく地獄の女神からしたらそこら辺のもう二度と会うことの無い野鳥1匹に自身は絶対に覚える気の無いあだ名を付けた程度にしか思ってないだろう。もしかしたらそれよりもっと適当かもな。」
【魔界王も居るって聞いたしドーラと同じドレイクも居るって聞いて更に地獄の女神の信者…冗談抜きで十二災厄レベルじゃん…】
「ああ、チャイちゃん。どうやら今回ばかりはお前さんもふざけられないんじゃないか?」
【いいや?ふざけるけど?】
「ふざけんのかよ!」
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月ノ美兎委員長を始めとしたにじさんじライバーほぼ全員参加の緊急会議が終わった後、配信も禁じられたし、今から他のライバーとも遊ぶのも何やら躊躇われる…かと言ってゲームをする気分でも無かった叶はとある人物の事を思い出してなんと怪人協会のアジトがあるZ市のゴーストタウンへと向かった。勿論怪人協会のアジトへ向かうわけでは無い。そのゴーストタウンに住んでるとあるヒーローの所に遊びに来たのだ。
「と、言う訳でお邪魔しに来ました。サイタマさん」
ゴーストタウンにあるサイタマの家へと上がった叶は奥の部屋に入り、適当にそこら辺に腰を降ろす。何故かボロボロのジェノスとシルバーファングに、知らないお爺さんと人類最強のキングまでも居るが、叶は特に気にした様子もない。また、サイタマも叶が来ても追い出す事も無く、家へ出迎えた。ジェノスにはキツく言われたが…
サイタマの家に来た叶は特に怪人協会の話やZ市のアジトの話をする訳でも無く、ただただサイタマやキングと一緒にゲームを初め出した。本当に遊びに来ただけだ。怪人協会のアジトへ一緒に攻め込もうという交渉に来た訳では無い。というかしなくてもサイタマなら勝手に行くだろう。強いし。ちなみにこの時、叶はキングがにじさんじゲーマーズである自分を圧倒する程のゲームの腕前を持っていた事にとても驚いた。
また、暫くゲームで遊んでいると今度はまた何故かB級1位ヒーローの地獄のフブキがサイタマの家にやってきたのだ。キングにジェノスにシルバーファングに地獄のフブキ…サイタマの意外すぎる交友関係に叶心底驚いた。ちなみに地獄のフブキもサイタマの家ににじさんじライバーである叶が居ることに驚いていた。
地獄のフブキはサイタマの家にやってくるなり、怪人協会とガロウについての対策会議を何故か唐突にサイタマの家で始めたが、途端にサイタマはヒーロー狩りガロウを探してくると言って突然出かけ、地獄のフブキもそれを追うようにサイタマの家から消えて行った。
「サイタマさんって凄い突発的に動くね」
「思ったことをすぐに行動に移すタイプかもねサイタマ氏は…悪く言えば後先考えない事だけど…」
それから再び夜になるまでキングとゲームをした後、サイタマとフブキは帰ってきた。どうやら結局ガロウを見つける事は出来なかった様だった。
それからなんかジェノスの知り合いのお爺さんが現れて高級な肉をくれて、その肉を使った鍋をつついたりしたが結局叶はサイタマとキングとゲームをして鍋をつついてZ市から立ち去って行ったのだった。
(いや〜気分転換には最高の時間だった…正直にじさんじとヒーロー協会は今回の戦いは負ける可能性があるって思ってるだろうけど、サイタマさんが参加すれば多分犠牲者がほぼゼロで終わるだろうなぁ…ヒーロー協会のヒーローだし、あの性格だと怪人協会との戦いを避けるはずがないだろうし…鈴原さんにキングにサイタマさん…あれ?これ結構余裕じゃないか?僕や葛葉の出番あるかなぁ…バネさんも活躍出来なさすぎて不機嫌にならないかなぁ…そっちの方が不安だなぁ…)
もしこの場に葛葉や黛が居て、尚且つ今の思いを口に出していたら「嘗めてんのか!」とキレられるだろう…しかし、叶の考えはあながち間違いでは無いかもしれない。
ベルモンドも月ノ美兎も真実を見通せない、魔界王が向こうに居る…という事にとても危機感を覚えているが…その程度ではサイタマの敗北は揺るがない。サイタマと唯一戦ったにじさんじライバーだからこそ叶はサイタマの強さに信頼を置けた。ヒーローは信頼していないが、サイタマの強さだけなら別という訳だ。
(…あれ、端末にメール来てる…チーム編成が決まったのか!殆ど意味無いだろうけど、どんな編成なんだろう楽しみだな…)
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そして同じくZ市の………地下深く…そう、怪人協会のアジトにて…
魔界王は他の怪人協会の組員を実力で追い出して手に入れた。アジトの1番最奥の部屋にて何やら大きな棺の様なものを弄り回して居た。
そこに魔界王が唯一信頼を置く神兵と信頼されていない所か毛嫌いされている怪人協会の参謀のギョロギョロが彼に話しかける。
『魔界王、貴方の予想とは裏腹にガロウは我々を裏切って死んだ模様です』
『……あ?ヒーロー狩り?死んだのか?…ああ、そうか…分かった』
ヒーロー狩り…すなわちガロウは実は今日の午前にシルバーファングにボコボコにされた所を怪人協会に助けられ、正午に怪人王オロチからヒーローを殺せと指示され、それをこなせなかった上に怪人協会に反旗を翻したので怪人協会の怪人に殺されたのだった。
魔界王の予想では怪人が人間の味方をする様に人間も怪人の味方をする奴が居ると思ったが、どうやらガロウは違った様だった。
『まぁ、ガロウくんの事は残念だった…それよりも魔界王。決戦の日は早くて明日になると思うんだがソレはまだ動かないのかい?』
『…正直コレは諦めた方が良いな。無理やり叩き起こせばいいかも知れないがその場合は俺らに襲いかかるリスクがある。あくまでこいつは奥の手にするべきだな』
『そうか…それもまた残念だな…』
魔界王の目の前にある棺…というよりその棺の中に眠らされていた楕円形の金属に4つの脚が付いた動かぬロボットを見てギョロギョロと神兵は落胆する。このアジトに眠ってると知った時はとても嬉しかったが、眠ったままで起きないと知った時の失望感は凄まじいものだった。
『十二災厄の1つ。古代兵器【オメガ】。長い年月で殆ど壊れているとはいえ、災害レベルは間違いなく神でしたのにね…本当に残念です』
『これを目の前にして手も足も出ずに絶望して死にゆく魔界美大生を見れないのは確かに残念だが…まぁ、構わない。もとより俺らの計画にコイツは入ってなかった。だからやる事は変わらねぇ…念の為対魔界美大生の作戦を復習するぞギョロギョロ、神兵…呪王達を呼んでこい。』
魔界王達も明日に備えて入念に準備を進める為に古代兵器の眠る部屋から立ち去っていく。彼らも負けられない戦いなのだろう…
古代兵器は魔界王が立ち去った後でも全く起きない。4つある脚のうち、2本はほぼ錆びて使い物にならず、身体も風化して破損している。
かつて、この兵器は数百年前にコーヴァス帝国、ヘルエスタ王国、桜魔皇国が協力して封印した時空間を超えて現れた古代兵器…それがこのオメガ…実際数百年前に現れた古代兵器オメガの数は1000も居るが、その全てが封印され、時が経ち、永遠に動かなくなっている。
その内の1体がここに眠っていたのだ。勿論動かないが……
もし…もしも…もしも仮にこのオメガが動けば……
ただでさえ十二災厄に匹敵する大災厄に本当の十二災厄が加担すれば…にじさんじもヒーロー協会も怪人協会も予想していた被害を軽く上回る大規模な被害を…災厄を…周りに撒き散らす事になるだろう…
魔界美大生、人類最強、運命の女神(モイラ様)の他に新たな十二災厄(十二伝説)が明かされましたね!
銀河最強、古代兵器、そして地獄の女神。そして古代兵器はもう登場しました。ちなみに1000体居ると書いてありますが、1000体で十二災厄ではありません。1体で十二災厄に匹敵、つまり災害レベルは竜以上か神です。
先に言っておきますけど1000体目覚める事は絶対に無いのでご安心ください。フラグとかではありません。もし1000体目覚めたらサイタマ先生でも秒殺されます。つまりヒーローもにじさんじも全滅ルートとなります。そんなルート絶対に書きたくないので1000体は決して目覚めません。(え?どうやってそんな化け物1000体を封じ込めたんだって?数百年前のヘルエスタにきっと花畑チャイカが居たんだよ(適当)…まぁ、真面目に正確なオメガを封印した歴史は第2回キャラ設定もしくは隙があれば書こうと思います。)
もし古代兵器オメガが1000体目覚めたら責任取って夢追とチャイカのR-18書きます()