ライバーが存在する、ヒーロー世界…   作:HR-H HR-E

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神田3Dおめ!!!
今回投稿が遅れたのは話のストックが尽きたからです。
それともう1つ、小説について、ホロライブのキャラクターは登場するのか?についてのお話がありますが下記のあとがきにて書きます。


17撃目 VSニャーン

 ヒーロー協会を苦しめた怪人、タイムリーパーが夕陽リリの手によって滅されて十数分後、にじさんじの地上待機班が全員合流する。ちなみにアジト突入班はもう既に別の入り口からアジトに突入しているそうだ。

 地上待機班には相手の身体を回復させる能力を持つシスタークレアが居るため、怪我をしたサポートメンバーは全員彼女から傷を癒してもらった。

 そんな中、今作戦の指揮を取っていたヒーロー協会職員であるセキンガルと加賀美ハヤトは情報交換、共有を行っていた。と、言っても怪人協会についての情報は作戦決行前に既に共有し合ってたし、現在のS級ヒーロー達の状態は人質を救出して来た童帝くらいしかセキンガルもあまり分かって居ないため。アジトに突入するライバーは既に別の入り口から侵入して、侵入した入り口はちゃんと破壊して塞いでるから安心して欲しいという報告くらいだが…

 ちなみにアジトに突入するのはアンジュ・カトリーナ、戌亥とこ、リゼ・ヘルエスタ、相羽ういは、ベルモンド・バンデラス、花畑チャイカ、葛葉、叶、赤羽葉子、ドーラ、ギルザレン、エクスとアルスの13人である。

 残りのライバーは地上待機班、Z市の居住区に居る住民の避難等に当たっている。地上待機班は敗走して来た怪人の残党の処理や人質の保護など基本的にはやる事はヒーロー協会のサポートメンバーと変わらないが…サポートメンバーと違って、敗走して来たヒーロー協会及びにじさんじライバーの保護もあるのだ。

 

「敗走して来たS級ヒーローとライバーの保護…?」

 

 伝えられた地上待機班の使命にセキンガルは不思議に思う。それも仕方ない。彼はS級ヒーローが負けるとは思っていないのだ、そして油断させない為にも援護は無いと緊張感を煽る発言をして見送った。その為戦慄のタツマキ以外は慢心せずに今頃怪人達を圧倒しているだろうとセキンガルは思っていた。

 

「不思議に思うのもおかしくありません。しかし、今回の敵はS級ヒーローもにじさんじライバーも負けてもおかしくない戦いなのです」

 

 加賀美ハヤトは真面目にセキンガルに話す。

 

「戦慄のタツマキさん、キングさん、そして他のS級ヒーローの皆様方…確かに災害レベル鬼程度では話にすらならないでしょう。災害レベル竜も油断せずに尚且つ一対一なら負けないでしょう。ですが、貴方方が思っている以上に魔界王とドレイクの郷は危険です。そしてそれらを協力者である…怪人王オロチと怪人協会は災害レベル…神でしょう。」

「…神…」

 

 ヒーロー協会が定めた災害レベルの頂点に立つ、災害レベル神。一説では一部の十二災厄が該当し、キングが傷を負うくらいの強さを秘めている。現れれば人類は滅亡の危機に追い込まれるとまで言われている…災害レベル竜とは格が違う大災害。

 今自分達が争っているのはまさにそれなのだ…

 セキンガルはその事に思わず恐怖で身震いし……

 

「…なるほど…分かった、確かに先程の怪人は君達にじさんじが居なければ適わなかったかも知れないし、人質に被害が及んでいたかもしれない。君達の協力無しでは厳しいと言うのは確かな様だ。そしてすまない。騙して勝手に作戦から外した事を後悔している。」

 

 作戦からにじさんじを外す提案をしたのはセキンガルではなく、童帝なのだが、セキンガルは今作戦の責任者という立場がある為言い訳せずに加賀美ハヤトに頭を下げて謝罪をする。

 

「いえ、良いんです!怪人を信用出来ないのは仕方の無い事ですし…」

 

 そして加賀美の方はいきなり頭を下げられた事に慌て、セキンガルの頭を上げさせようとするが…そこに加賀美の同期であるマジシャン少女の夜見れな*1が彼に話しかける。

 

「しゃちょ〜、敵が来ましたよ〜」

「え?あっ、夜見さん!?ちょっと待って下さ…え!?敵!?」

「1匹だけでゆっくり歩いて来てますけど殺気が凄いですよ〜!迎撃していいですか〜?」

「わ、わかりました。敵なら倒してください。とりあえずヒーロー達は後衛に下げてください。」

「ぇあ〜い!」

 

★-------------------------------------------------★

 

 

「真っ直ぐこっちに近づいてきてるね〜…」

「殺気が凄いっすね…まだあんな小さく見えるくらい遠い距離に居るのに鳥肌が…」

「災害レベルは鬼を超えてると思った方が良さそうだね」

 

 一方、地上待機班の前線では。先程夜見の報告があった通り、1匹の怪人が遠くからゆっくりと歩いて来てるがそれを見張っている神田笑一と長尾景はその怪人の異常さに既に気づいている。

 

「災害レベル竜…は普通に有り得そうだなぁ〜…でろーんさんとしずりん先輩が居るから何とかなるけど、しずりん先輩どっか行っちゃったし…しずりん先輩が戻ってくるまで俺達で時間稼ぎかなぁ」

「うわぁ…嫌だなぁ…竜とか戦った事すら無いんだけど…」

「兄さん、いざとなったら長尾1人で戦わせて引くことも作戦に入れときましょう」

「フミ様*2!?何言ってんの!?」

 

 神田と長尾の間に獣耳の生えた女性が顔を近づけて余計な助言をする。

 

「その作戦…ありかも知れないけど後で炎上しそうでやだなぁ〜」

「兄さんも長尾ももう炎上したくないですもんね」

「…あの…フミ様…出来れば炎上の話は…ちょっと…」

 

 罪悪感溢れる死にそうな顔で長尾はフミ様と呼ばれる獣耳女性の肩を掴む。

 一方で神田はそんな2人のやり取りに一切目をやらずに立ち上がり、腰に大量に付いてる包丁の1本を取り出す。

 

「とりあえず、2人共戦闘準備で。」

 

 そんな神田の姿を見た長尾はいきなり慌てて神田の腰にしがみつく。まさかとは思うがこの包丁で攻撃するつもりでは無いだろうか?

 まだ見つかってない静凛はおろか、居場所が分かってる樋口楓すらまだ来てないのに災害レベル竜に攻撃するつもりか?

 そんな後先考えてないような行動に長尾はパニックになる。

 

「待って下さい神田さん!!!まだリーダーである加賀美社長やでろーん先輩が来てないし俺も心の準備が!!!」

「そーれ!」

「やりやがったぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 しかし長尾の静止も虚しく、神田は笑顔で包丁をまるで弾丸の速さの如く、災害レベル竜と思われる二足歩行の猫っぽい怪人に投げつける。すると飛んで行った包丁は猫っぽい怪人の鋭い爪先に摘まれてそのまま粉々に割られる。

 

「あら、割られた」

「爪先で割りやがった!やっぱやばい怪人だ!!!」

 

 瞬間、猫っぽい怪人はかなり距離のある場所から一気にその怪人巨体さが分かる距離まで詰めて来た。

 

「あらら、速い」

 

 だが、神田は余裕そうな表情で猫っぽい怪人を見上げる。そして猫っぽい怪人は神田を見下す。

 

『なんだ、幾分かまともに戦ってくれそうな人間居るじゃん』

「初見で失礼だなこの猫、文野環さんかよ」

 

 猫っぽい怪人は腰に手を当てた状態で、神田はポケットに両手を突っ込んだ状態でお互いに少し会話をして、2人共にやけながらしばらく沈黙が続く…しかし少しきっかけがあればすぐ様戦闘は開始される。まさに一髪即発だった。

 

「今後ろから殴ったら勝てるかな?」

「フミ様マジでやめてくださいこっちにヘイト向きますって!」

「ビビるな長尾!男だろ!試してみないと分からないだろ!当たって砕けろ!」

「砕けちゃうの!?」

 

 すぐ隣で夫婦漫才…ではなく神と忖度師の漫才が繰り広げられるが、神田も猫っぽい怪人も全く意に介さない。だが、少しずつ…2人のにやけがより濃くなってくる。猫っぽい怪人に関しては口角が裂けている様にも見える。2人共、絶好の獲物…いや、玩具を発見したような顔だった。お互いがお互いの強者のオーラに反応しているのだ。

 やがて、猫っぽい怪人の方が我慢できなくなったのか、その鋭い爪を神田に向けて振り下ろすが神田は余裕の笑みで後方に避けてみせる。

 

 が、避けた矢先、神田が反撃する事は無かった。

 

 

「神田さん、交代や」

 

 後ろに下がった神田の肩を軍服姿の樋口楓が軽く叩く。神田や猫っぽい怪人よりもおぞましい笑みが浮かべながら…

 更に彼女に続いて静凛と駆動騎士が現れる。

 

「……ッスー、了解しました。頑張って下さいね〜」

 

 獲物を横取りされて思うところのあった神田だが、本作戦はお遊びではなく皆本気で挑んでいる。自身の欲求の為に五分五分の戦いを繰り広げるより、勝率の高い人に譲るのが正しい判断だ。

 まぁ、樋口楓に関しては表情を見るに、自身の欲求の為に神田に交代を指示した様に見えるが………

 

「さて、キモネコ。ウチらが相手や」

『なんか今度は変な服と変な玩具が来たな…でもさっきの糸目より強そうだ。(でも地下のハゲと比べたら弱そうだな)』

「樋口楓、気をつけろそいつは怪人協会の幹部だ」

 

 駆動騎士が身体を少しずつ変形させて樋口楓の隣に並ぶ。

 

『あれ?なんで僕が怪人教会の幹部だってバレてるの?まあ何でも良いや。(怪人協会はもう辞めたし)』

 

【元怪人協会幹部 ニャーン 災害レベル:竜】

 

 猫っぽい怪人、通称ニャーンはその気持ち悪い眼を駆動騎士を見るとすぐ様攻撃を仕掛ける。

 しかし、駆動騎士を警戒しているのか神田の時のようなただの爪を振り下ろす攻撃では無い。

 

 なんとニャーンは身体を僅か数センチの薄い布くらいの細さに身体の形を変えながら、その鋭い爪を槍の様にして駆動騎士に飛んで行った。

 だが、駆動騎士は自前に集めた情報でニャーンの薄くなったり細くなる能力を知っていた為、焦る様子も無く跳躍して避けて見せた。

 攻撃を避けられたニャーンもこれで仕留めれると思って居ないのか、地面に突き刺さった衝撃を利用して地面から跳ね返る様に空中に居る駆動騎士に再び向かう。

 

「おっ、掴みやすいやん」

 

 しかし、駆動騎士の隣に居た樋口楓がそれを許さない。細くなっているニャーンを樋口楓はなんと素手で掴み取ったのだ。しかもとんでもないパワーで掴んでる為、 ニャーンはどれだけ身体を細くしても樋口楓の拳から抜け出す事は出来ない。

 

『くそっ!離せ!』

 

 少し暴れたニャーンだが、抜け出せない苛立ちからか標的を駆動騎士から樋口楓へと変える。素手で掴み取ってる彼女の拳から抜け出す事は出来ないが身体をある程度はそこから伸ばせるので手足を細くして彼女の首にまとわりついたのだ。

 コンクリートの地面を軽々破壊するそのパワーと糸の様に細いその手足はもはや鉄線よりも凶悪な首絞めとなるが、樋口楓はおぞましい笑みがより一層のおぞましくなった。

 

『(…!?この女何を!?)』

 

 

 次の瞬間、樋口楓はニャーンが思いもしなかった行動に出る。

 

 なんとニャーンがまとわりつく首などの頭部を思いっきりコンクリートの地面に叩きつけたのだ。

 勿論、樋口楓のヘドバンのスピードで叩きつけたニャーンは痛がり首絞めを解除するが…明らかに樋口楓自身の方がダメージがでかいやり方だ。しかもニャーンは知る由もないが樋口楓は歌い手、歌手としても活動している。そんな無茶な解き方をすればもう二度と歌えなくなるかも知れないのだ。そんな事も顧みずに樋口楓はニャーンにダメージを与えた。

 

『この女マジか…!?』

 

 反射的に首絞めを解除したニャーンだがまだ樋口楓の拳からは逃げ出せていない。すぐ様首絞めを諦め、鋭い爪を樋口楓に突き立てて浅い引っ掻きでダメージを与えるとその僅かな隙を見て拳から無事に抜け出して見せた。

 

『(チッ、あんなのとも戦いたくないな!弱くて惨めな奴を虐めた方が楽しい!)』

 

 抜け出したニャーンはすぐ様この場からの離脱を考え、紙切れほどの薄さと細さになるとコンクリート等の地面の亀裂に入り込む事で樋口楓達の視界から消え去る。

 が……残念ながらニャーンが相手している1人は戦闘の前に情報を集めて用意周到に戦う駆動騎士が居る…ニャーンの薄く、細くなるその行動を封じれる策を既に打ってあるのだ。

 

 それは『溶解液』。

 ニャーンが樋口楓と戦っている僅かな時間で特別性の溶解液をコンクリートの亀裂に注いだのだ。つまり、コンクリートの亀裂の底にはその溶解液が貯まっている為 ニャーンは亀裂の中に潜って逃げる事は出来なくなる。

 

『アチャチャァァー!!!』

 

 駆動騎士の予想通り、ニャーンは亀裂の底にある溶解液に触れ、たまらずコンクリートの亀裂から飛び出してしまった。

 

「あら、お帰りなさい…♡」

 

 そして、溶解液によるダメージで飛び出し、大きな隙を静凛は見逃さない。青いアサルトライフルを構え、一気に掃射する。放たれた弾丸は蒼白い光を帯びながらニャーンへと叩きつけられる。

 しかし、流石は災害レベル竜の怪人というべきだろうか。静凛の掃射によって絶命する事は無く、むしろ途中から身体を細くして弾丸の弾幕をかわし始めたのだ。そして静凛のアサルトライフルが弾を撃ち切った所でニャーンはその細さのまま素早くその場から逃げ始める。

 

『(分が悪い!ここは撤退を!)』

 

 だが、無駄であった。この用意周到な男は元より逃げ出されない事とトドメを刺す事に集中していた。

 

「戦術変形「金」」

 

 素早く逃げるニャーンに金色に輝き熱を排出し続ける駆動騎士が追いついて見せ、右手を変形させるとまるで拷問などに使う拘束器具の様な形に変形させてニャーンを捕える。しかもただ捕えるだけでは終わらない。

 輝く駆動騎士から放出される熱はニャーンを捕える拘束器具の様な部位にも伝わり始める。

 

『ギニャァア!!!ア、アツイ!くそぉ!!!アツイィ!!ギニィァァァァァァァ!!!!』

 

 ニャーンに伝わる熱はもはや熱という域では無く、燃え盛る程まで達していた。今現在ニャーンは丸焼きにされているという事だ。そしてしばらくしてニャーンの苦痛の悲鳴は止まり、ぐったりとして駆動騎士の右手からピクリとも動かなくなる。

 

「……目標の排除完了」

 

 駆動騎士は拘束器具を解除し、輝く身体をいつも通りの黒い色に戻すと丸焦げのニャーンを鷲掴みにしながら呟いた。

 

 怪人協会幹部vsS級ヒーロー&ライバーの最初の戦いはヒーローとライバーが勝ち星の上げる事で終わったのだ。

 

 

 

*1
2019年7月デビューのSMC組の1人。そして椎名唯華や花畑チャイカ、ユードリック率いるにじさんじレジスタンスの1人。異世界からやってきたマジシャン(ちなみに異世界出身なのは本人も忘れていた)。マジシャンではあるが手品はあまり出来ない様子。彼女の挨拶であるこんれ〜な〜、ことある事に発する『ぇあ〜』という謎の言語などはにじさんじリスナーや1部ライバーの中ではミームと化してるとか無いとか。

*2
2019年10月にデビューした織姫星の一人。とある神社に祀られているガンダム大好きの神様(おばあちゃん)。絵師が同じであるのと先輩である神田笑一を兄と慕っている。また、長尾とはとても仲が良く…いや、長尾がことある事にフミ様のご機嫌取りや忖度をしている気がする…。デビュー当初はゲームがとても下手くそだったが、真剣に練習して取り組んだ結果、マリオカート等では好成績を残している。




駆動騎士に反応する加賀美ハヤト描きたかったけど駆動騎士自体そんな活躍しなかった…

神田笑一(2/12に3D初配信!)
https://nijisanji.ichikara.co.jp/member/Shoichi-Kanda/

フミ様
https://nijisanji.ichikara.co.jp/member/fumi/


時々感想欄でホロライブの話題で少し盛り上がることがあるのを見て(あくまで私から見て少し盛り上がってるだけかも)、ホロライブのライバーも登場させたいなぁと考えています。
しかし今からホロライブライバーを出すのはとてもとても厳しいです。そもそもこのお話自体もう終盤寄りの中盤です。

その為、このお話とは違う。にじさんじとホロライブ&(なんかの作品)のクロスオーバーのお話を現在書いております!(1話はほとんど完成)しかしこの作品が投稿されるかは作者のモチベーション次第です…しかし、そのお話が投稿されなくても別のホロライブの作品を代わりに書きます。とりあえずはホロライブの作品が出る事は確定です。
喜べ!俺の小説を見てるホロライブファンよ!貴方達の応援が私のやる気となり!創作意欲を掻き立てる!!!
心して待て!(待っててください)

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