ライバーが存在する、ヒーロー世界…   作:HR-H HR-E

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にじさんじから新たに5人の新人ライバーがデビュー!
もうセレ女以降デビューしないのかと思ってたからとても嬉しかった。
後書きに公式チャンネルのページ貼っておきます!


25撃目 激戦、始まる

 怪人協会参謀にして怪人王オロチの右腕兼育ての親であるギョロギョロは今、目の前に起こっている事、そしてテレパシーを使った遠視で見えた光景に驚きを隠せなかった。

 

 まず、目の前に起こっている驚きの出来事は今ギョロギョロの目の前にはヒーロー協会の事実上の最高戦力の…見た所ただの目付きの悪い10代前半くらいの幼い少女が薄緑に発光しながら浮いているのだが…この娘こそがS級2位の戦慄のタツマキだ。勿論…ヒーロー協会にも宣戦布告をしたのだからタツマキが来る事は想定済みだしタツマキの登場に驚く事は無いかも知れないが…ギョロギョロが驚いているのはそのタツマキの強さである。入念に準備をして、タツマキの力を想定した戦い方を繰り広げたのだが…戦慄のタツマキの強さはギョロギョロが想定していた強さを軽く上回る強さであった。ギョロギョロは重力を何千倍にしたり、相手に全くの身動きを許さない金縛りを使えるなど災害レベル竜の名に恥じない強さだが…残念ながら竜も鬼も虎も狼も同じ様に秒殺出来る戦慄のタツマキには文字通り歯が立たなかった。

 散々舐められた態度を取られた後にギョロギョロは四肢をもがれてまともな超能力すら使えなくなってしまった。

 次に驚いたのは大声で怪人協会のボスである怪人王オロチを呼び出そうとしたのだが反応がなかった。不審に思ったギョロギョロがトドメを刺そうとするタツマキに待ったを掛けて遠視を使い怪人王オロチを直接呼びかけようとしたのだが…

 

『あ…ああああああぁぁぁ!!!? ま、まさかオロチが…!?』

 

 遠視で発見した怪人協会のリーダー、怪人王オロチの姿はかつての恐ろしさが全く感じられないバラバラになった物言わぬ肉片と化していた。

 

『い、一体誰が…!?』

 

 魔界王、神兵、呪王、進化王、魔術王、博打王、ホームレス帝、黒い精子など数多の災害レベル竜の強敵ですら絶対に勝てないであろうギョロギョロの最高傑作の怪人がいつの間にか倒されていた。そんな事実にギョロギョロは分かりやすく動揺していた。

 

(こ、こんな事出来るやつなんて居るわけ…いや、キングか!?鈴原るるか!?……そういえば魔界王と神兵の王族共はどうした!?ホームレス帝や黒い精子は!?あいつらならこのタツマキを殺せるだろう!)

 

 怪人王オロチというギョロギョロの最高の切り札を失ったが、まだまだギョロギョロには強い手札は大量にある。

 怪人王オロチがやられたとしても今頃作戦通りなら魔界王達は作戦に則って鈴原るるを始末し、黒い精子やホームレス帝もゾンビマンやアトミック侍を始めとしたS級ヒーローを着実に殺しているはずだ。

 遠視とテレパシーを駆使し、ギョロギョロはまずは最も凶暴で残忍な魔界王へ指示をしようとするも…

 

 魔界王は鈴原るるに出会う事無く、戌亥とこによって手も足も出ずに燃えカスにされた。更には付き人の神兵も粉々に砕け散っていた。

 

『ま、ままままま魔界王とか、神兵が…!?』

 

(魔界…?)

 

 怪人王オロチより弱いとは言え魔界を統べる王とドレイクの里からやって来た確かな実力者である神兵がやられた事に更に動揺し、ギョロギョロは口から魔界王の単語を漏らす。ギョロギョロが怪人王オロチや他の幹部を呼び出すのを待っていたタツマキはS級ヒーローなら知っているであろう危険地帯である魔界という単語に反応するもすぐに興味を無くし、動揺するギョロギョロを超能力でトドメを刺したのだった。

 

 そしてその数分後…

 

 

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 恐らく今の所、最長戦闘時間に達しているベルモンド・バンデラスVS魔術王、博打王の戦いだが、未だに決着は付きそうには無い。

 しかし、それもそのはず。何故ならただでさえ魔術王は災害レベル竜の猛者。しかも博打王の能力である、『設けたルールは絶対』により、魔術王もベルモンドもお互い本気で戦う事が困難であった。

 

 博打王が設けた博打のルール。種目は様々で勝てば強くなり、負ければ弱くなる。勝てば傷が癒え、負ければ周りの瓦礫や酸素が姿形を危険物へと変貌させて襲いかかってくる。そのルールが攻撃の1打1打に毎回博打と共に設けられるのだ。その為、こちらの戦いはケリが付くのはまだまだ先になりそうであった。

 

 また、別の場所では…

 自身の天敵とも言える蜘蛛の形をした進化し続ける蟲の王、進化王の存在によって普段からは想像も出来ない弱腰になりその場から逃げ出した鈴原るるは目に入る怪人を確実に一撃で仕留めながら背後からカサカサと音を立てて追いかけてくる進化王から未だに逃げていた。

 一方で追いかける進化王はヒーローやライバー達が攻めてくる前に立てた作戦通りに鈴原るるを指定の位置に追い込んでいる。無論、作戦を立てた魔界王や作戦において重要視されている神兵、保険のギョロギョロと怪人王オロチがやられた時点で作戦は失敗、進化王の取っている行動は無意味なのだが…そんな事を全く知らない進化王は鈴原るるがやられるまで彼女を追い続けていた。

 

 またまた別の場所では

 育ちすぎたポチと激戦を繰り広げる相羽ういは。

 突如現れた綿の化け物に苦戦するギルザレンⅢ世。

 地下金脈にて呆然とするエクスとアルス。

 通った部屋を燃やす事で隠れていた怪人すらも確実に殺すドーラ。

 はしゃぎながら怪人を惨殺する赤羽葉子にイキる葛葉に落ち着いた雰囲気でアシストする叶。

 魔界王撃破後からは念の為に他のチームに合流しようとするさんばか。

 東京オリンピック開会式の録画に失敗してガチで凹む花畑チャイカ。

 

 地下に居るライバーが、怪人が、全て、各々が行っている行動を中断して、立ち止まり…異変に気づき始めた。

 

「ア…アジトが…!?」

 

「崩れてる…!?」

 

 突如として、怪人協会本部の地下アジトが音を立てて、地響きを起こして倒壊し始めたのだ。しかしこれはライバー達と怪人の激戦ではなかった。

 この倒壊を起こしているのはS級2位の戦慄のタツマキ。

 つい先程彼女は同じくS級ヒーローのキングから人質の保護の連絡を受けた事により、彼女は抑えていた超能力の力を全て解放して怪人協会本部を地上まで引き上げようとしていたのだ。

 

 ちなみに彼女は同じく突入したS級ヒーロー達やA級ヒーロー達をヒーロー協会から支給された端末から位置を特定して安全に地下から救い出しているがライバーの方は無視である。別にライバーが嫌いだとかライバーなら危険な目に合っても構わないという訳では無く、S級ヒーローと同じくこの怪人協会本部に突入する程のライバーならば問題は無いという一方的な信頼感から来ている。

 一部一般人程度の耐久力しか無いライバーも実は居るのだが…(リゼ・ヘルエスタ、赤羽葉子、アルス・アルマル)一応共に行動しているメンバーが異常に強いので安全なのは間違いなかった。

 

 

★-------------------------------------------------★

 

「おお〜!かっこいい〜!!!」

 

 戦慄のタツマキの力によって地殻が割れて怪人協会本部が丸ごと塔にされ、塔を中心にタツマキと鬼サイボーグことジェノスが協力して蘇ったオロチらしき怪人と激戦を繰り広げてる中、現れた塔から離れているものの完全に安全と言いきれない場所にて加賀美ハヤトは繰り広げられている激戦を目を輝かせていた。

 

「社長!ここは危険ですから引きましょう!」

「社長!ここはでろーん先輩や神田先輩と言った実力者に任せて私達非戦闘員は引くべきだと思います!」

 

 だが、そんな中彼の同期である夜見れなと葉加瀬冬雪*1は冷静にこの場の安全性が確かでは無い事と最低限の人数を置いてなるべく非戦闘員は引く事を提示した。

 

「え〜!で、でも…」

 

 普段の冷静で大人らしくクールな加賀美ハヤトからは有り得ない少年じみた残念な声を出しながら不満な声を漏らすと、夜見れなと葉加瀬冬雪は加賀美の首根っこを掴む。

 

「でもじゃありません!行きますよ!」

「かっこいいのは分かりますけど安全第一!」

 

 自分よりだいぶ小さいし力も無い少女に抵抗する事無く引っ張られていく加賀美ハヤト、しかしこの後オロチらしき怪人を逃がさない為にタツマキがZ市一帯にバリアを張り巡らせた事で加賀美達は完全に退避する事は適わず。更に加賀美ハヤトが変身した駆動騎士やジェノスと駆動騎士の合体を見てまた年甲斐も無く大はしゃぎするのであった。

 

 

★-------------------------------------------------★

 

 

「あれ?外はもう夜か…」

 

 加賀美達が立ち往生し、タツマキやジェノス達が激戦を繰り広げた塔の反対側の方面では、地下からアルス・アルマルの頭部を鷲掴みしながらエクス・アルビオが瓦礫をどかしながら現れた。

 続いてツルハシとスコップで地下を掘り進めて地上へのトンネルを作って現れたベルモンド・バンデラスに、合流したリゼ・ヘルエスタ達のさんばか。地下から爆発させて強引に地上への道を作りながら葛葉達3人を保護したドーラ。よっこらっしょと声を出して地下から這い上がってきたギルザレンⅢ世。

 相羽ういは、鈴原るる、花畑チャイカの3人を除く全ライバーが地上へと現れた。しかし怪人協会本部に乗り込んでから時間が経ったのか、はたまた地下に閉じ込められていた時間が長かったのか…外はもうすっかり暗くなっており月も良く見えていた。

 

「るるちゃん達が居ない…」

「もしかしてまだ地下に埋まってるんじゃないか?」

「まじか…とりあえずチャイちゃんは大丈夫だとして、ういはちゃんとるるちゃんを助けに行ってくる」

「いや、俺が行こう。ドーラさんは皆を連れて一旦加賀美社長の元まで戻ってくれ。いや、俺が戦っていた幹部がまだ居るかも知れないからヒーローと合流する方が先だな…」

 

 全員地上に上がり、周りを見渡したり安否を確認している最中にようやく3名足りない事に気づき、ベルモンドが皆から離れて地下へ再び戻ろうとした時だった…

 

 

「!?…リゼちゃん、アンジュ、とこちゃん!危ねぇ!!!」

 

 突然ベルモンドが振り返り、リゼ達に危機を伝えようとするも…リゼとアンジュは気付かず、戌亥は2人の身を案じたが為に判断が遅れ…

 

 

 

 

 突如背後から地面を地殻を割って現れたバジリスクのバージンに対処出来なかった。

 

「ば、バージン!?生きて…!」

 

 ドーラが倒したと思っていたバジリスクのバージンはなんと生きており、地殻を割って現れてすぐに近くに居たさんばかの3人に石化ブレスを浴びせる。先程言った通り対処が出来なかった3人は石化ブレスをモロに浴びてしまい、3人は意識無き石像と化してしまった。

 だが、完全に石化した3人だが一応は生きている。バジリスクの石化は治さなければそのままだが治してしまえば何の後遺症も無く完治する。しかし…もし石化している最中に壊されてしまえば…もう二度と元には戻らない…!

 

 バジリスクのバージンはその巨体を支える右足を振り上げて石化したさんばかを砕こうとするが、振り下ろすよりも先に葛葉とドーラがバージンの顔を思いっきり蹴り飛ばし、さんばかから引き離した。

 

 顔を思いっきり蹴り飛ばされたバージンは意識が飛びかけるもすぐに頭を左右に振って意識を覚醒させると威嚇と言わんばかりに大きく咆哮する。

すると、それに呼応するかの様に複数の地殻が割れ、地下から複数の影が飛び出す。

 

 影の1つは片手に持つ煌びやかな黄金の剣から黄金に輝く斬撃を2つ葛葉達に飛ばし、影の1つはそのまんまるな身体から綿を周りに噴出した、影の1つは蜘蛛の糸を周りに撒き散らした。

 

「まずい…!あの綿は!」

 

 空からゆっくりと落ちてくる複数の綿を見て苦い顔をしたギルザレンⅢ世はそうはさせまいと左手を振り払い暴風を放ち綿を明後日の方向へ吹き飛ばす。狙ってはいなかったが、運良く撒き散らされた蜘蛛の糸も明後日の方向へと吹き飛ばされていった。

そして2つの煌びやかな斬撃はエクス・アルビオとアルス・アルマルがドーラ達と斬撃の間に割って入り、魔法と拳で防いだ。

 

『驚いた…まだこんなにライバーが残っているとはな…』

『魔界王や呪王が居ない所を見ると…まだ地下か…それともしくじってやられたか…』

『キシャー!』

『ケダマー!』

 

 現れた影は4つ。

 

 ベルモンドと闘っていた魔術王に博打王。鈴原るるを追いかけていたが身の安全を第一に地上へ掘り進んでいた進化王。ギルザレンⅢ世と闘っていたケダマーの4体である。

 

 バジリスクのバージンを合わせて5人の怪人協会幹部がライバー達の前に姿を現したのだった。

*1
2019年7月デビューのSMC組の1人。実験が大好きで常に研究や実験を繰り返しているがろくなものが出来上がらない。また、実験や研究ができるのにとてもポン(アホの子)。彼女の言う「わかった!」はわかっていないという意味合いである。




オロチ、ギョロギョロ(サイコス)→村田版の通りの展開
黒い精子、ブサイク大総統、ホームレス帝、ハグキ、ポチ→村田版通りの展開、最期
エビル天然水→実は…
怪人ガロウ→もうサイタマと戦い始めている。
加賀美社長→あの後バリアが消え始めたので退避。かわいい
でろーん達戦闘員→塔に近づいてる。ただし出番があるかどうかは…?
鈴原るる、相羽ういは→まだ地下
さんばか→石化。戦えない。
花畑チャイカ→何をしているのかこっちが聞きたい()
魔界王、ケイオガルド、神兵→死亡
魔術王、博打王、バージン、ケダマー、進化王→地上へ復帰
その他の新生幹部→安否不明


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