絶対にこの小説見てないだろうけど、感謝を述べないと気が済まなかったので
この話を書いてる最中に数えられないくらい悲しくなってふて寝したらギリギリになってしまった。
13:42
にじさんじ事務所の地下にあるシミュレーション室のモニター室にて疲れのあまりついつい眠ってしまった1人の少女が机に突っ伏した状態から目覚める。
見た目は数ある独特な見た目をしたにじさんじライバーの中では一見、特に変わった所の無い黒髪の変わった服装をしていない美少女だが……唯一変わった所があるとしたら、人間でも怪人でも無い事だろう。
彼女の名前は出雲霞*1
13歳の中学2年生の何処でも眠る事が出来る物静かな美少女……をモデルにしたAI
にじさんじ内では主に怪人情報や災害レベルの伝達、シミュレーション実験、オペレーター等を行っている。
「………?」
目覚めたばかりの霞は寝ぼけているせいか、ここが何処なのか分からずに混乱するも、すぐに徹夜の最中に寝てしまったのかと理解する。
A市に現れた災害レベル竜の怪人、B市とD市を破壊した巨人、S級ヒーロー2人とA級3人を倒した深海王。それらの恐ろしい怪人のデータを頭に入れて、次に似たような災害が出た時に迅速に対応出来るようにシミュレーションもパソコンやAIの脳内で行う。これらが彼女の昨日の仕事内容だ。
(…シミュレーションデータが全部頭とパソコンに入ってる…終わった後そのまま寝たのね)
身体を伸ばしてほぐした後に霞はシミュレーションデータを保存した後に席から立ち上がり、パソコンの電源を落としてシミュレーションのパソコン室から退出する。
徹夜したのがだいたい深夜の4時くらいだったはずなので…もう9時間も経っている。
「そんなに疲れていたのかなぁ…私」
でも確かに仕事は増えた。しかしそれも仕方がない。怪人が増えればライバーの仕事も増える。
しかも情報というのは戦闘においてとても重要だ。適当にこなしてはならない、仕事が増えて文句は言えどもサボってはならない。
霞はため息をついて、帰路に着くためにシミュレーション室の鍵をフロントに預けてエントランスへ向かう。
そこへ、意外な3人組がエントランス付近のソファーで向かい合っていた。
「委員長さん、リリ先輩と黛くん…」
にじさんじの実質的リーダーであり、企画などでぶつかる事が合った月ノ美兎委員長。
比較的先輩の中でとてもコラボする事が多かった、未来人の夕陽リリ*2。
AIとハッカーという関係上、あまり良い印象では無かったけど何やかんや一緒によく遊んだ黛灰。
「おはようござ…もう時間的にはこんにちはですね」
この3人が揃ってるのは中々珍しいなと思いながらも霞は近くを通るがてらに挨拶をした。
「こんにちは出雲さん!」
「霞〜おはよ〜」
「どーも。」
3人は話を中断して霞に挨拶を返す。
無意識に話を邪魔しまったようで霞は慌てて謝罪するが、月ノ美兎達は気にしていない様子だった。
「そういえば出雲さん、卯月コウ*3さんと鈴木勝*4くんが花畑チャイカさんのお店で待っているそうですよ? 時間があったら寄ってみては?」
「え? 卯月と勝が?」
月ノ美兎におなえどし*5として共に活動している特に仲の良い同期が同期の店で待っていると伝えられて、霞はやや驚く。
(端末とかメッセージで伝えれば良いのになんで月ノ美兎委員長をわざわざ経由するかなぁ…別に良いけど)
月ノ美兎委員長に憧れてる卯月コウの事だ、月ノ美兎委員長と少しでも話したいが為にわざわざ伝言という手を使って話を広げようとしたのだろう。
「あ…ありがとうございます。じゃあこの後寄ってみますね。それでは失礼します…」
霞は頭を下げると先輩達&黛の会話にこれ以上邪魔しないようにそそくさと立ち去ろうとする。
「出雲さん!今度一緒にコラボしましょうね!」
「あっ、先輩ずるい!未来人もコラボしたい!」
「私も入れてよ」
「………はい!!!」
霞は自身の仕事の多さとAIなのに精巧に造られてるが故に感じてしまう疲労と鬱が少し晴れたような気がした。
この後寄って見ると言っても、流石に昨日からお風呂に入ってないのは女として霞は嫌だったので、霞は1度家に戻って風呂に入った後に服装を着替えて花畑チャイカの店に訪れる。
店の前には月ノ美兎委員長の伝言通り、目立つ金髪をした卯月コウと黒と灰色を主張とした鈴木勝が待っており、霞を見つけるや否や霞に駆け寄る。
「霞!待ってたよ!」
「本来なら午前に会える予定だったんだけどな」
鈴木勝は元気そうに、卯月コウは文句を言いながら霞に声をかける。
「ごめん、事務所で寝ちゃってて…でもどうしたの?チャイカさんのお店で待ってるって…わざわざ月ノ美兎委員長に伝言してまで」
「ああ、伝言はコウが勝手にやった。本当は端末で連絡したかったんだけど…」
思わず驚きを通り越してため息が出てしまう程に卯月は霞の予想通りの行動をしていた。
だけども霞はあえてそれについてはもう触れない。触れた所で何も変わらないからだ。
「霞を呼んだ理由はね……ふふっ…まぁ、中に入ってよ!」
勝は少し、いたずらっ子の様な笑い方をし、内容を伏せて霞をお店の中に誘う。
鈴木勝はどちらかと言えばイタズラはするかもしれないが、こんな昼間に…わざわざチャイカの店でやる様な規模のありそうなイタズラはしない。
でも勝の反応からして明らかにイタズラかドッキリではありそうだ…
「コウ、なんかあんた勝に悪知恵を教えた?」
「………」
霞はよくイタズラばっかりするコウに疑いをかけるが、まさかの真顔で無視された。
本当に腹が立つ御曹司である。
霞は勝に手を引っ張られて、チャイカの店の中に連れられる。
そして、霞はまだ昼間なのにチャイカのお店が闇に呑まれたかと思うほどに真っ暗な事に驚く。
「えっ…何この暗さ…あれ、勝? どこ行っt」
入口の扉も閉められ、繋いでいた勝の手も消えて霞は一気に不安になるが…突如チャイカの店の中が一瞬目が眩む程の明るさに包まれる。
思わず目をつぶって硬直する霞だが、少し時間をかけて目を開け始める。
次第に視界がはっきりして行き…目の前の光景がハッキリと映し出されて行く……そこには
「「「「「「「「「「「「出雲霞、誕生日おめでとう!!!!!」」」」」」」」」」」」
角と尻尾が生えている以外は美人な女性と変わりないファイアードレイクのドーラ*6。
褐色肌をしたギャルの轟京子*7。
オフである為か可愛らしい私服を着た、にじさんじ随一の清楚を誇るシスター・クレア*8。
この店の主である耳長クソゴリラエルフの花畑チャイカ。
顔は死んでいるが1番テンションが高くなっている社築。
愛らしいぬいぐるみを抱えて飛び跳ねている霞とそこまで年の離れていない桃色髪の少女、安土桃*9。
美少年とも美少女とも取れる絶世で美形な中性的な顔をした緑髪の人物、緑仙。
その緑仙に抱きつきながら素敵な笑顔を見せるオレンジ髪の女性、名伽尾アズマ*10。
この中で2番目に身長が高く、落ち着いた雰囲気でありながらパーティ帽子やら星のグラサンをかけて見た目だけなら1番盛り上がってる海夜叉神*11。
真っ先に飛びついて来た(一応)歳上の八朔ゆず*12。
そして卯月コウと鈴木勝。
計同期の12人がクラッカーを鳴らし、部屋の明かりを付けて、出雲霞の誕生日を祝う。
霞は一瞬何がなんだが分からなくなるが、すぐに今日が10月13日…自分の誕生日だと知る。
(徹夜で気づかなかった…)
最近は他のライバーのアシスト、仕事、怪人、ヒーローの事などで自分の誕生日など頭の片隅にも無かった。
(勝がニヤついてたのはこれね……本当に小さなイタズラだけど…だけど…)
「……ありがとう…!嬉しいよ…!」
出雲霞は感極まってしまい、思わず涙を流し泣きそうになってしまう。そこに卯月コウと鈴木勝は霞の背中をさすって上げて、落ち着かせた後に店の入口付近から皆が居る店の真ん中のテーブルへと移動する。
出雲霞の誕生日を祝うパーティはまだまだ始まったばっかり、これからが本番だ。
「そういえば何で昼間…そろそろ夕方か、これくらいの時間に誕生日会を開いたの? 誕生日会って夜のイメージじゃない?」
「夜になるとドーラがひまわりや葛葉のご飯を作らないと行けないから…俺かドーラのどっちかが家に残れば良いんだけど、やっぱり同期全員で祝いたいからな…」
「…そっか」
わざわざ自分の為に誕生日会を開くだけでなく無理やり時間までも合わせたくれた同期にまたも霞は感動をする……が…
「お茶を飲みまぁす!」
「え゛ぇ゛!?お゛前゛も゛お゛茶゛を゛飲゛む゛ん゛か゛ぁ゛!?
ワ゛シ゛も゛飲゛も゛う゛!お゛茶゛を゛飲゛み゛ま゛ぁ゛す゛!」
「ちょっと、チャイカさん。これ以上サングラスを着けられませんって。ちょっと、やめてくださいよ」
「諦めるなぁ!!!諦めなければ道はきっと開く!Plus ultraだ!」
「何の話をしてるんですか!?」
「この店ってタバスコとかないの?デスソースとかでも良いんだけど」
「そこの戸棚にあるよ、見たことあるから」
「……きょんちゃん、緑仙…何しようとしてるの…?」(震え声)
明らかにこのカオスな空間を前にしては込み上げてくるのは涙も出てくるはずがない。込み上げてくるのは笑いだけだ。
「…ふふっ…」
「お゛茶゛を゛飲゛み゛ま゛ぁ゛す゛!」
「何゛ぃ゛!?お゛前゛も゛お゛茶゛を゛飲゛む゛だ゛と゛ぉ゛!?」
「おい誰だ!勝手にイチゴのケーキ盛り付けた奴は!」
「えっ……私ですけど…チャイちゃんもしかしてイチゴケーキ嫌い…?」
「好きに決まってんだろうがぁ!!!」
「えぇ…」(困惑)
「チャイカぁ!クレアを虐めるんじゃない!」
「そうだそうだ!クレアを虐めるな!耳長クソゴリラエルフ!」
「海夜叉様は何も食べないの?」
「食べたいんですけどサングラスを15重がけしてるせいで何も見えないんです。」
にじさんじはライバー全員がイカれており、集まれば確実にカオスとなる。その中でもにじさんじSEEDsは…出雲霞の同期達はにじさんじの中でもとてもカオスだろう。
通常、同期は2,3人しか居ないのに対して、出雲霞の同期は人数が多いから…というのもあるかもしれないが…
出雲霞は2年前から変わらずバカ騒ぎする同期達をケーキを食べながら眺める。これからも自分含むこの13人は集まれば変わらずにバカ騒ぎをするだろう。そう考えると、だんだん呆れてくるが…だんだんこれからが楽しみになってくる。
そうこの先を思うと、仕事が多くなろうが、疲労が増えて辛い事があろうが…
「にじさんじに居て…本当に良かった…」
出雲霞は心の底からそう思い、思わず小さく声に出してしまう。あまりそう言った柄でも無いのに言ってしまい、少し恥ずかしくなって焦るが、周りはその発言に気づいていないようだった。
そしてしばらくパーティが続き、ケーキやチキン、飲み物が少なくなって来た時だった……
外から店の中に聞こえるほどのサイレンと放送が響き渡る。
『怪人発生!怪人発生!近くの市内に怪人が現れました!災害レベル「竜」。皆さんは速やかに避難を開始してください。繰り返します』
災害レベル竜
昨日徹夜でシミュレーションしたA市の怪人やZ市に飛来した巨大隕石などが該当し、複数の街が機能しなくなり、S級ヒーローすら太刀打ち出来るか不明な程の危険度を誇る災害。
そんなものがこのチャイカの店にある市内にやってきたのだ。
全く、せっかくの誕生日なのに運が悪い。
しかし、店内のライバー達は誰一人として避難勧告に従い避難の準備をしない。いや、準備こそはしているがそれは避難とは無縁な準備だった。
「おっ、ちょうど良いね。食後の運動にはピッタリだ」
「災害レベル竜は食後の運動レベルに収まらないでしょ」
「でもまぁ…この13人ならまず負ける事は無いだろ」
「油断は禁物ですよ。もしかしたらドーラさん並に強いかも知れませんよ。」
「そうですね、私達のような非戦闘員は市民の誘導の方を優先しましょう」
「他にもヒーローとか来るから大丈夫だって〜」
逃走など無い。さっさと災害を駆除してパーティの続きをするだけだ。いや、むしろこの災害レベル竜すらもパーティの1部と数えて良いかもしれない。
「よぅし、霞!なんか運営や黛から怪人の情報来てる?」
「うん、待って……来てる、怪人は人型で浮遊してる。思ってたよりも近い場所で暴れてる!」
サポートである霞はいち早く怪人の居場所と情報を共有する。また、その情報から的確な避難経路も計算し、それも避難誘導係に共有する。
「よし!それじゃあ行くぞ!」(社)
「おう!」(ドーラ)
「ああ!」(チャイカ)
「おっけ!」(アズマ)
「よっしゃ!」(緑)
「はい!」(クレア)
「うむ」(海夜叉)
「りょ!」(京子)
「りょーかい!」(安土)
「はーい!」(ゆず)
「霞!行こう!」
「霞!いっぞ!」
次々に店を出て、各々の役割をこなす為に移動する同期達。
そしておなえどしの2人は同期達の最後尾に並んで店の出口に向かうと、途中で振り返り、霞に手を差し伸べる。
「……うん!!!」
出雲霞は差し伸べられた2つの手を取り、店の外へと出る。
例えこの先、何があろうと彼女達はお互いに1つの世界の1つのグループの1つの始まりを共にしたかけがえのない同期である。
例えこの先、何があろうと彼女達、彼ら達の仲や思い出は引き裂かれる事は無い。
彼女達は…彼ら達は…大きな世界で苦楽を共にした
AI少女、出雲霞の物語は終わりを迎える
しかし彼女の存在、思い出は生き続ける…永遠に…
もし復活されるならば、その時は今以上の熱意をもって応援させていただきます。
この小説の製作にかかわってる一同(3人)、心よりこれからの幸せを心から願っております。
どうか、お元気で
出雲霞
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