うたわれるもの~大いなる父にうたわれしもの~   作:othello

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すみませんパソコンの普及に手間取りました


湯あみ

 Side:ハク

 

 あの後、クジュウリという国は開拓によってできた国であり、この開拓地を開いたから帝より八中将の位をもらったらしい。開拓地だけあって、木や石を退かし田畑を耕すのが当たり前。しかし、ルルティエのは体が弱く城から出れなかったため、お茶や料理などを練習したらしい。ルルティエに感じたお嬢様らしさのなさの理由がわかり、逆に好感が持てた。

 

 それでも天幕の中に多くみられる大きな箱。それらの中身を聞くと服だったり、布団だったりとそこにはお嬢様らしさを感じた。

 

「ルルティエ、いるかな?」

 

「クオン?」

 

「クオン様?」

 

 声を聴き顔をのぞかせるクオン。

 

「あれ、ハクもいたのかな」

 

「ああ、少しに運びを手伝っていた」

 

「へぇ、ハクが荷運びね……」

 

 そういって目を細めるクオン。自分は心外だという風にため息をつくと、ルルティエがフォローを入れてくれる。

 

「はい、助かりました。ところで、クオン様は私に何か?」

 

「うん、家事仕事とかしていて煤で汚れてしまったと思うから一緒にお風呂とかどうかな?」

 

「お風呂、ですか?」

 

「……よし、クオン」

 

「どうしたのかな?」

 

「その水を運ぶの、自分が任されよう」

 

「何を、たくらんでいるのかな?」

 

「おいおい、少しは男らしいところを見せようとしただけじゃないか」

 

「えーでも、ハクに力仕事を任せるのは不安かな」

 

「むっ、やって見せるさ。場所は?」

 

「えっ……あっと、私たちの天幕より少し外れたあそこかな」

 

「よし任せろ」

 

 自分はそういうと勢いよく外に出る。

 

「あ、桶は天幕の傍にあるから~」

 

 それを聞き天幕によって桶をもって近くの水場まで水を汲みに行くのであった。

 

 Sideクオン

 

 ハクが出ていくとルルティエと二人きりになる。

 

「なんだか申し訳ないです……」

 

「そうかな? ……まあ、でもハクが自ら何かしてくれるなんて珍しいし。私たちは湯あみの準備でもしましょう」

 

「そう、ですね。確かにお風呂に入れるのはうれしいです」

 

 そういって私が荷物を箱から取り出していると外で走り去る音がする。

 

「ココポ? ……またどっか行っちゃった」

 

 ルルティエも気づいたようで、その言葉を聞きおそらくハクのもとに向かったと察しがついた。ならば、水汲みは安心だろう。

 

「そういえば、ルルティエ。クジュウリのお城のお風呂はどんな風だったの?」

 

「そう、ですね。クジュウリのお城は遺跡を基になっているのは知っていますか?」

 

「うん、聞いたことあるかな。なんでも、帝しか入れない部屋があるとか」

 

「はい。そうなんです。帝様によって遺跡の一部が使えるようになって、浄化の人たちが使えるような大衆浴場の『セントウ』と場内の『オンセン』という施設がお風呂になっています」

 

 遺跡を活用した、お風呂!? 

 

「クオン様?」

 

「はっ、ルルティエ!」

 

 私はものすごい勢いでルルティエに迫る。

 

「な、なんでしょうか?」

 

「今度、クジュウリのお城に行ったら、お風呂入らせて!」

 

「は、はい……」

 

 遺跡とお風呂。私の大好きを掛け合わせたような夢の施設に私は心躍るのであった。

 

 

 

 Sideクレス

 

「何やってんだ、ハク」

 

「ぜぇ、ぜぇ……なにって、水汲みだよ」

 

「お、おう。そうか。もってやろうか?」

 

「いや、これは自分が運ぶ」

 

「そうか……それでそっちの二人? 一人と一匹? はどうした?」

 

 そういってみると、ココポが桶に水を汲んで運び、その上で腰を痛めたマロロがのっていた。

 

 心なしかココポに怖がられている気がする。

 

「……あー、わかった。湯あみの準備か」

 

「言うまでもないと思うが……」

 

「覗かねえよ。てか、おまえ。八中将の愛娘にバカ強いねえちゃんだぞ? そんな死に行くような奴はいないよ」

 

 そういうとハクは「あー、たしかにな」とつぶやく。

 

 その様子に、俺は少し茶々を入れたくなる。

 

「なんだー、いっちょ前に独占欲か? うりうり」

 

「なっ、や、やめろ……自分はもう行く」

 

「ほーい、気をつけてな。ココポ、そっちのマロは俺が持っていく。ああ、いい。俺が引っ張っていくから」

 

「ハク殿~」

 

「はあ、これが天才で貴族だっていうんだから悲しいぜ……。まあ、こいつは好感が持てる方なんだが」

 

 俺はハクを追うココポの背を見送りながらマロロの脚を持ち、引きずるように歩いて行った。

 

 ……

 

「さて、オウギ。いるか?」

 

「はい、いますよ」

 

「明日の手はずは?」

 

「すべて、手はず通りに。そちらも準備は? ……と聞くまでもありませんでしたか」

 

「そうだな。俺とウコンがいて、失敗すると思っているのか?」

 

「愚門でしたね」

 

 遠くで「だれかな!?」という声と共に木と木のぶつかる音が森に響く。

 

「……オウギ?」

 

「すみません。ですが、さすが姉上。あの手練れの女性から逃げおおせたようですね」

 

「あのな……」

 

「それでは私はこれで」

 

「ああ、明日はよろしく頼む」

 

 森に、クオンのねぇちゃんの叫び声がこだまし、ねえちゃんの天幕を追い出されたハクが俺のもとに訪ねてくるのであった。

 

 

 

 

 

 

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