一体何が起きてるのでしょう…⁉︎これは頑張らなくては!
それでは後編です。
真和須たちが土砂ゾーンの敵を一掃し、合流しようと中央エリアでに向かっている頃、中央エリアは凄惨な現場となっていた。
イレイザーヘッドこと相澤が脳無と呼ばれた黒い大男の敵に腕をへし折られ、組み伏せられていた。イレイザーヘッド自身はすでに個性を使って脳無を見ているが、個性が使えなくとも圧倒的な力を有していた脳無の前では無意味であった。そしてその脳無に指示を出していた、手を大量に身につけている男も纏う雰囲気が各ゾーンにいた敵とは格段に違く、それを遠くから目撃していた緑谷、蛙吹、峰田の三人は愕然とし、どう打開すべきか考えていると、そこへ黒霧と呼ばれていたモヤ男が死柄木に近寄った。
「黒霧か、13号は始末したのか?」
「申し訳ありません、死柄木弔。行動不能にはできたものの、散らし損ねた生徒がおりまして。1名、逃げられました」
「……は?」
その報告を聞いた死柄木と呼ばれた男はあからさまに不機嫌となり、唸りながら首をガリガリと掻いていた。
「黒霧ぃ…お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」
その言葉を聞いた峰田は安堵するが、緑谷は急にあっさりと引き返す彼らの行動に不気味さを感じていた。その時だった。
「けどその前に、平和の象徴としての矜持を、少しでもへし折って帰ろう…‼︎」
瞬間、凄まじい殺気を感じた緑谷たちが見たのはこちらに急接近し蛙吹の顔面に向けて掌を伸ばす死柄木の姿だった。
緑谷たちは死柄木の手が触れた瞬間に相澤の肘が崩れたのを見ている。つまりこのままでは蛙吹の顔が崩れ、絶命してしまう。緑谷がそれを防ごうと手を伸ばすが間に合いそうになく、もう少しで死柄木の手が蛙吹の顔を掴もうとした瞬間、5センチ大の石の破片が幾つか飛来し、そのうちの二、三個が死柄木の手に当たり、思わず死柄木は手を引っ込めた。
「痛っ…何だぁ…?」
(あれは轟くん!それに葉隠さんと…え、誰⁉︎…あ、あのコスは真和須くんか…って!そんな事考えてる場合じゃない‼︎)
やや離れたところにいる轟と葉隠を見たあと、シャコの姿をしている勝矢に動揺するがすぐに気持ちを切り替え、死柄木に向けて拳を振るった。
「SMASH!」
確かな手応えを感じたうえ、自身の腕が折れなかったのを見て力の制御が出来たと感じていた緑谷だったが、脳無が拳を受け止めていたに過ぎず、マズイと思った矢先、USJ入り口から破壊音とともにオールマイトが現れた。
「もう大丈夫…私が来た‼︎」
────
時間は少し前に遡り、勝矢たちは相澤が脳無に組み伏せられるところを遠くから目撃していた。
「相澤先生が…⁉︎」
「どうやらあれが本命だってのは嘘じゃねぇみてぇだな」
「とにかく、早く向かって手筈通り轟の氷で…⁉︎マズイ!」
死柄木が緑谷たちの方に駆け寄ろうとしたのを見て勝矢は咄嗟に近くに転がってた大きめの石を前方に投げ飛ばすと、それを拳で打ち砕いた。
「オラァァ‼︎」
飛散した破片は死柄木に当たり、その後オールマイトが出て来たあたりで勝矢たちは駆け出した。
「よし、今のうちに行くぞ!」
「てか真和須くん今のすごくない⁉︎練習してたの?」
「昔に遠距離対策としてある程度はね。石だから弾道が安定しないのが難点だけど当たって良かった」
オールマイトと脳無が殴り合いを始めてるなか、徐々に勝矢達は近づいていく。そしてオールマイトは脳無にバックドロップを決めるが黒霧の策略により逆に拘束された。
すると、緑谷が涙目になりながらオールマイトを助けようと駆け出した。それを阻もうと黒霧が迫るが─
「どけぇ!邪魔だデクゥ‼︎」
爆豪が駆けつけ、爆破でモヤを吹き飛ばすと黒霧の胴体を掴んで組み伏せる。それを見た勝矢は轟に合図する。
「今だ轟!」
「わかってる!」
轟が個性を使い、脳無の半身を凍結させる。
「平和の象徴はてめえら如きにゃ殺れねえよ」
「全身モヤの物理無効人生なら『危ない』って発想すら出てこねぇよな⁉︎俺が『怪しい』って思ったら即座に爆破する‼︎それと…誰だテメェはぁ‼︎敵かァ⁉︎」
「落ち着けって爆豪!コスからみてアレ多分真和須だぜ?だよな?」
「正解だ切島。シャコの個性でこうなってる」
そう話してる間にオールマイトは脳無の拘束から抜け出し、形勢逆転かと思われたが、脳無はなんと凍った自身の体を砕いて強引に立ち上がり、失った手足を再生させた。
「なっ⁉︎」
「残念だったな、こいつは『超再生』と『ショック吸収』を持った、対平和の象徴用に改造された超高性能サンドバッグ人間さ。それくらいで抑えられるものか。脳無、爆発小僧をやれ。出入り口奪還だ」
脳無は瞬く間に爆豪に近づき、殴りかかろうとするが、オールマイトが彼を遠ざける事で事なきを得た。
そこからさらにオールマイトが脳無に向けて両腕で凄まじいスピードのラッシュをかけた。
「《無効》ではなく《吸収》なら!限界があるんじゃあないか?私の100%を耐えるなら、更に上からねじ伏せよう!ヒーローとは、常にピンチをブチ壊して行くもの! ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか…
そう言いながら放ったオールマイトの一撃は脳無に深く刺さり、ドームを突き破りはるか彼方に飛んで行った。チートが、と悪態をつく死柄木にオールマイトはクリアするとかいってたが、できるものならしてみろと威圧を込めて言い放つ。
それを聞き死柄木は後ずさるも、黒霧はある事を告げる。
「死柄木弔、落ち着いてください。よく見れば脳無に受けたダメージは確実に現れています。子供たちは棒立ち、あと数分もすれば増援は来るでしょうが、私たちで連携すれば充分に殺れるチャンスはあるかと」
「…そうだな、そうだよな。ラスボスが目の前にいるんだ、やるっきゃないな…!なにより、脳無の仇だ…‼︎」
「オールマイトから離れろぉぉ‼︎」
二人はオールマイトに襲い掛かろうとするが、彼の秘密を知る緑谷が両脚を犠牲にして両者の間に割って入る。無論、緑谷を迎撃しようと死柄木らは足を止め、緑谷に攻撃しようとするが、その手を銃弾が撃ち抜いた。
「…来たか‼︎」
見るとそこには狙撃したスナイプを含めた大勢のプロヒーローがいた。流石に分が悪いと感じた死柄木は次こそは殺すとオールマイトに告げ、ワープゲートを広げ、消えていった。
────
今回の襲撃で負傷したのは、相澤、13号、緑谷の三人であった。
しかし、緑谷に至っては自身の個性の反動によるもののため、敵襲撃による生徒の負傷者はゼロであった。
なお、散り散りになった生徒たちが集合した際、中央エリアにいなかったメンバー全員に勝矢が「誰⁉︎」と言われたのは言うまでもなかった。
教師達に促され、彼らは制服に着替え、教室で待機することとなった。
「真和須、その状態での制服あるんだ…」
「こういう時のために何着か用意してある。学校にも連絡済みだ」
「にしても、異形系の個性まであるんだな…そういやさ、前に動物番組で見たんだけどよ、シャコって人間には見えないもん見たんだろ?今どんなのが見えてんだ?」
「え⁉︎えぇと、どんなのって言ってもなぁ…上手く説明できないな。見え過ぎて、言葉じゃ言い表せないな」
一瞬ばかり土砂ゾーンでの『事故』が脳内によぎり、少し上ずった声で上鳴の質問に答える勝矢だが、それを峰田は見逃さなかった。
「なぁ真和須よぉ、何で今声が変だったんだ?」
「い、いや…今、緊張が解けてな…」
「そういやお前、轟と葉隠と同じとこに居たって言ってたな…お前、葉隠の姿見えてんのか?」
「え"?」
「わわっ⁉︎」
勝矢だけならまだしも、葉隠もそれに反応してしまったことで決定的となり、峰田は血走った目で勝矢に詰め寄った。
「見えてんだな⁉︎見えてんだよな⁉︎っつーことはよ、葉隠のアレを見たんだろ⁉︎それくらいは言葉で説明できんだろさぁ説明はよ‼︎」
「いや、それは…」
「何だ⁉︎この場はダメか⁉︎ならあとでオイラにだけ教えてくれよ!せめて色くらいは教エロよ葉隠のちk ─」
瞬間、蛙吹から放たれた舌ビンタがスパァァァン‼︎と派手な音を立てて峰田は地に伏せるがトドメとばかりに耳郎のイヤホンジャックが突き刺さり、断末魔を上げて峰田は気絶した。
「峰田ちゃん、色々とダメよ」
「…サイッテー。で、真和須。その辺は葉隠と話し合ったの?」
「ハイ、口外せず忘れることで手打ちという事に」
「ふぅん。葉隠はそれでいいの?」
「うん…あれは事故みたいなものだし、真和須くんもわざとじゃないから。これを期にあとでコスチューム変えるつもり。だから、あまり責めないであげて?」
「…ならウチからは何も言わないよ」
「ありがとうございます耳郎様…!おかげで高校生活が死なずに済みました…!」
「んな大げさ…でもないか、うん」
そんな一幕があったものの、USJ襲撃事件は幕を下ろしたのであった。
次回あたりからオリ回を入れる予定ですかね。
今後リクエストやアンケートを取ろうとも画策してますのでよろしくお願いします!