7月7日の夜。こっそりと、自室を抜ける。
3連続投稿最後。
めんだこちゃんは良いぞ!
Pixivの方にも投稿しておりまする
深海にある自室。ルルイエの隅にある城の自室からコッソリと、抜け出す。
もうそろそろ成人だし、そもそもおじいちゃんは寝てるしで、コッソリする必要もないのだが。
こればっかりは前々からの習慣で、癖だから仕方がないのだ。
今日は7月7日。普段は天の川に阻まれて逢えない二人が、今日ばっかりは再開する日。
のんびりと、海上へ向かう。
段々ヒトが夜まで活動するようになってからは、この習慣も随分と遅くから始めることになった。
私が稚魚……稚めんだこ?であった時はお父様とお母様と昼間から行っていたのだけれど。
一度迂闊に出て、見つかり、保護と言う名の拉致をされた時はおばあちゃんにとてもとても怒られた。
とても怖かったなぁ……
それはさておき、今は深夜、こんな海のど真ん中に海上に来るヒトも居まい。
これは、誰にも……少なくとも臣民には話していない秘密の趣味だ。
趣味で……習慣だ。
7月7日は、海にプカプカ浮きながら天の川を眺める。
私が幼い時からの、長い長い習慣。
そんな考えが水泡のようにぷかぷかぱちんと浮かんでは消えていく。
あぁ、そんな間に海面までもう少しだ。
視界には幻想的にと輝く海面が広がっていて、気付けば、並走する魚が増えていた。
ちゃぽん。と海面を抜ける。
周囲には灯りも、視界を遮る島も無く、視界いっぱいに天の川が広がっていた。
息をのむ絶景……とはこのような物を言うのだろう。それでも、これをむやみに教えるつもりは無い。
広がって、広がって……ここがヒトで溢れてしまったら台無しだから。
少々行儀が悪いのはわかっているけど、大の字になる。
ゆらゆらと波打つ海面に揺られるのが心地良くて、ふわ……と欠伸が漏れる。
宙に流れる天の川。その両岸に織姫と彦星が互いを見つめて会うのを待っているのか。
それとも、もう会って、二人のたった一日の蜜月を楽しんでいるのか。
あぁ……
「会いたいなぁ………………」
自分で言っておきながらどきりとする。
確かに、会いたい人はたくさんいる。何人かは人ではないが。
あの人も、あの方も、人ではないけどあの人も。
指折り数えていくと、すぐに両の手では足りなくなってしまう。
あはは。と笑いが漏れる。
この大きな海と、この広い宙に囲まれて。
この世界に自分だけのような錯覚すら覚える。
それでも、それでも、色んな人と人以外と紡いできた縁が、思いが。
私以外にも誰かがいるのを教えてくれる。
当たり前なのに、不思議な感覚がついつい可笑しくて。
ついつい、笑いが漏れてしまったのだ。
今更にして、睡魔が襲ってくる。
ゆらゆら揺れる海と、静かに佇む宙を揺籠に私は静かに眠っていく。