今度こそ、
護りたい約束が、そこにある。
「無理だな。」
「な、なんで!私にはわかるよ、ハルちゃんが"渡る資格"があること!」
渡る、資格?
拝殿の横、売店の裏にある休憩室。
そこに、ハルとゆかり、
ゆかりのおじいさんが座っている。
私達は、書庫で見つけた情報を元に、
おじいさんに説明したのだけど。
「確かに、その子には資格がある。だが、如何せん方法が無い。渡るのはできても、
「"渡る資格"ってなんですか?」
「..."渡る資格"というのは、みかがみ様の
「別世界...」
「また、もう一つの問題がある。例えこの世界の境界を越えられるとしても、目的の世界、目指すべき神域への目印がないだろう。数多の世界が君の目を惑わし、下手すれば次元の狭間からこの世界へ戻ってくることさえ困難となる可能性が高い。そういう意味での、
「おじいさん...何か、何かないの?なんだっていいじゃない!別の神様の力だって借りればいいし、道具とかなにかそういうの!
「そうは言ってもだな...」
意を決して、口を開く。
「私は、諦められません。逃げられません。悲しむ人だっているし、私にしかできないことがあるんですよね。私は、もう、逃げないんです。そう、約束しましたから。」
「......。」
「......。」
無言。おじいさんの鋭い目線が注がれる。
無い腕に、腕に結んだ鈴に、...髪に?
「....鏡、神鏡だ。この鈴鳴神社にあるあれは、遥か昔にみかがみ様の下で鍛えられたものだ。未だありありとかの神の神力を含んでいる。あれを媒体に利用すれば、道を開きやすいだろう。だが、それは逆にあちらからも道が開きやすい、干渉しやすいことを指す。現にな。」
あの深夜にあった、空間の裂け目を思い出す。なるほど。
「しかし、あれだけでは足らん。あの程度の縁では簡単に繋がりが切れ、お前は別世界に放り出される。それで何人も......。」
拳が震えているのがわかる。
眉間にシワが寄り、血管が浮き出ている。
「まさか...」
「おじいさん...。」
行方不明者。
帰って来ない人。
記録に残っていた数々の行方不明事件と反応が違う。
悲壮。誇り。
恐れ。不安。
行方不明になった。
それは、自ら向かったか、かの神に連れ去られたか____?
「すずなり様って、迷い人を、その鈴の音で導くって聞きました。」
「すずなり様って、呼んだり、知らせたりしてくれる神様なんだよね?」
欠けたピースはもう埋まっている。
わかろうとすれば、もうわかっていることだった。
あとは________
「「すずなり様に、導きを頼むのはどうなの?おじいさん?」」
人を呼ぶ。導き、道を繋ぐ。人を繋ぐ。
縁を繋ぐ。再会を、命を結び合わせる。
それすなわち_______
「っ。」
肩が、背中が、ブルブルと震え、
涙が一つ落ちた。
もう、渡れる人間が、私やおばあさん、
お前のお父さん、ゆかりしかいなかった。
この老いぼれの命なんて、幾らでもやりたかった。
でも、この神社の後継者がどうしても間に合わなかった。
後継が完成しなければ、かの神の力はこの綻んだ封印を破り、
世界中の人々の
代償は、完全に渡れる人でなければ、
肉体が現世に残され、多くの人が、
別世界に霊体として残されるだろう。
それは、死んだことと、変わりがない。
お前のお父さんの出張は嘘なんだ。
本当は、京都で、修行を続けている。
次の、この神隠しが発生する前に。
だが、間に合わなかった。
嫌だった。渡り、みかがみ様を再度鎮めにいった同胞は、
文献に残る最初の一人を除き帰ってこなかったそうだ。
力不足。血は世代を渡り薄れていく。
だが、
だが、
お前は、ゆかりは______
最初の一人の先祖帰りなんだ。
憶測だが、
ハル君も、そうなのだろう。
先祖帰りだから成功するなんて思えない、
孫が帰ってこなかったと思うと吐き気がする。
この
ゆかりを引き離したかった。
だが、賀神家との、約束もあった。
『この二家の血縁をもって、かの神を静め続ける』...と。
賀神家は、もう後が無い。
祖父母は寿命、息子は事故で無くし、
残された父母は、仕事と、町中の鏡面の封印に身を削っている。
そして、その娘も...
連れ去られた、と。
私達は無力だ。
もう神頼みもその神鈴しか無い。
使えるのは君達のみ。
頼む。どうか、どうか、
助けてくれッ。
絞り出した声だった。
血を吐き出すような声だった。
とうに涙は枯れて、
その握り拳には力しか無かった。
これは、贄みたいなものなのだろう。
鎮めるために。眠らせるために。
帰ってこれない道を往く。
取り返せる力はある。
なら、もう、私は決まっている。
「約束しましたから。もう、手を伸ばさないことは無いって。」
「私の手で守るって、助けるって決めたしね。紡もハルも、友達だもん。」
目線で笑いあって、おじいさんにしっかりと向かい合う。
「「うん、わかった。行ってくるよ。」」
今度こそ。
護りたい約束が、そこにある。
この先へお進みになる前に、
お願いがあります。
これから、"悔い"と出会うでしょう。
どんなに不安でも、心細くても、
過去から逃げないでください。
よろしいですか?
あなたは、ひとりじゃありません。
その手をずっと握ってくれる、あなたにとって大切な手を、
今度こそ、ぜったいに、はなさないでください。
過去を、繰り返さないでください。
今のあなたは、前よりずっと、強いのですから。
約束できますか?
本当ですか?
>【はい】 【いいえ】
応援しています。
>【ありがとう】
お待たせいたしました。
大人は無力、誰がそう決めた?
無力だけど無力ではないということでした。はい。
説明がどうしてもうまく差し込めなくて、
まだ意味不明とか何でわかったの?っていう部分が沢山あると思います。
どうぞ感想でお知らせください語らせてもらいます。(自己満足)
もうちょっとで決戦なのに最後がどうしても思い付かない...(小声)
ヤバいどうしよ示しがつかんぞ捻り出すんだアイデアと語彙力を!
Fateにハマる準備をしていました。
図書館で借りようとしたら借りられていたので読める前に書きました。
ニコニコでとある人に進められた『雪下の誓い』の予告を見ました。
幼妻っていいね。
瞳の色が素敵すぎてヤバい。その意味もヤバい。
主人公の願いも素敵。
これだから奥の深い作品は...(想いの果ての地団駄)
頑張って、ノベルFateもアニメFateも劇場版Fateも見ます。楽しみ。
ハル達がいる街を含む、この世界のオカルトへの関心を掲示板形式で書きたくなったのだが需要ある?
-
ある
-
ない
-
そんなことより続きはよ
-
ハルちゃんprpr