その鈴の音が聴こえますか?
夜の道を駆ける。
鈴の音が聞こえた。
「やっぱり。」
その音の方向は_______
2日前の夜。
ひっ越してきて一週間、
この夜の町を廻っていた時のことだった。
小さな神社を見つけた。
神様。慈悲深くも恐ろしい存在。
警戒しつつ、いつでも
鳥居の隅をくぐり、境内へと向かう。
コトワリ様の神社のように、荒れ果ててなく、
それどころかとても綺麗に掃除、手入れがされている。
当たり前か。
この街はあの町より賑やかで発展している。
私の家がある住宅街からも徒歩十数分。
逆に人が来ない理由も無いだろう。
嘆息。少し警戒を緩め、拝殿へと向かう。
神様。慈悲深くも恐ろしい存在。
お参りは大事だ。
何度お地蔵様やコトワリ様が、護ってくれたか。
ポケットから10円玉を取り出し、賽銭箱に入れて、祈る。
ママとパパが早く帰ってきますように。
チャコが危ないめに会いませんように。
街のお化けで困る人がいませんように。
贅沢なんだろうけど、
無理なお願いなんだろうけど、
願いは願いで、希望なんだと思うんだ。
困っていたら助ける。
人や動物、お化けに関わらず。
そうして夜を廻っていれば、いつかユイのことも______
風が吹いた。
バサリと音が聞こえ、慌てて振り向くと____
「わぷっ」
なんか顔にへばりついた!
バサバサと何かが風に煽られる音が耳元に響く。
待って!待って!なんなの...もう!
顔からにっくき何かを剥ぎ取って____紙?チラシ?
今の風で飛んできたの?
まだ暑いけど秋だものね風も吹いてくる季節だものねと考えつつ、
いまだに暴れる鼓動を静めてつつチラシを見る。
鈴鳴神社のご案内。
それはこの神社のパンフレットのようだった。
ライトを素早く全方へ滑らし、
滲み出た影から目線を反らし全力で別の道へと駆ける。
「鈴鳴神社、すずなり様。
それが、あのパンフレットに書いてあったこと。
優しそうな神主さんの写真や、神社の歴史がつらつらと書いてあったけど、
私にとって大事なのは、伝承や伝説、噂の欄である。
鈴の音が聴こえた方に移動した直後、もといた場所に落石が。
鈴の音が聴こえた直後、子供ができたという連絡が。
鈴の音の
危ないこと。良いこと。私の場合は、どっちなのだろう。
夜しか聴こえない鈴の音。
やっぱり、お化けに関係することなのだろうか。
「...着いた。」
徒歩十数分。お化けの妨害もあったけれど、
それでもやっぱり近いところだと思う。
リィィィィーン...
「っ...行こう。」
鳥居をくぐり、境内へ。
「......。」
慎重に周囲を警戒しながら、拝殿へと向かう。
そして、
「着いた...ん?」
そこはごく一般的な神社の施設が並んでいる中心部。
拝殿へと伸びる参道の真ん中に、何かが浮かんでいるのが遠目でも確認できる。
気配は無い。でも、嫌な予感がする。
「戦うのは嫌いだけど...逃げるだけじゃ助けられないものもあるかもしれないから...もしもの時は...コトワリ様...。」
コトワリ様。
縁切りの神様。
人の歪んだ望みを叶えていたら、
一緒に歪んでいってしまった神様。
私の腕を持っていってくれた神様。
バックから、大きくて真っ赤な、鋏を取り出す。
コトワリ様から戴いた、縁を断ち切る
お化けにある生前の執着、未練と呼ばれる過去との縁。
それを断ち切り、無理矢理
死して尚想い続けているもの。
それが消えるのは苦しくて悲しいこと。
私も、自分で決めたことなのに、泣いて、泣いて、泣いて...
今も、完全には乗り越えられていないから。
それでも...
「それでも、生きていく必要があるから。」
その大きな鋏は、
浮遊物は、灰色に光っているように見える。
いや...
「水の中? ガラスを沢山重ねたみたいな...? ううん、何であんなのが浮かんでいるんだろう...。」
ハルは目が良い方だ。
それでもあの灰色の光が、ぼやけて、霞んで、重なって、滲んで、周囲の暗闇を掻き回しているように見える。
さながら、空間が歪んでいるかのように。
それは人を導きます。
それは人の願いを叶えようとします。
それがそれらの根本なのですから。
例え望まない願いだったとしても。
例え歪んだ願いだったとしても。
あなたの願いを教えてください。
>【うん】 >【やだ】
ハルらしい子供思考ができない...難しい...
どれほど深夜廻を書いた人の表現力が素晴らしかったのか痛感します。
私の実力不足です...ちょっと大人っぽくなったハルということで許してください何でもしますから。
ハル達がいる街を含む、この世界のオカルトへの関心を掲示板形式で書きたくなったのだが需要ある?
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ある
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ない
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そんなことより続きはよ
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ハルちゃんprpr