縁もゆかりもあったから、私は確かに此処にいる。
私の友達は、
大きな大きなハサミと、
煌めく鈴を持って、
神社の池、真っ暗な穴に飛び込んで行ってしまった。
私は動けなかった。
私は何も出来なかった。
精一杯の言葉は丸め込まれて、
私は、ここにおいていかれた。
紡の顔をした神様は、
呆然と池に視線を落とし続ける私に、
申し訳無さそうに、紡の声で言葉をはいた。
「すまないね。このことは、夜のお嬢さんにしか成せないことなんだ。巫女候補とはいえ、代の受継ぎのされてない子供には荷が重すぎる。...君を生贄として封印することは可能だが、それでは意味がないだろう。
よく、意味を理解できない。
それでも、納得する必要があったのだろう。
納得、
納得?
心配とか恐怖とか我慢とかそういうモノの裏から、
ふつふつと怒りが湧いて。
理不尽に対する怒り。
何もできないと言われているようで、
私の友達と強制的に壁が作られたようで、
どこまでもそれが不愉快だ。
だから________
ゆかり、お前にしかできないことは沢山ある。
今そこにいるのは誰だ?
そこで何かできるのは誰だ?
仮定なんて気にすんじゃねえ、
お前は、何かできるからこそそこにいる。
少しだけわかった、お父さんの言葉。
今、彼女にしかできないことがあるのなら、
やりきって疲れ果てた彼女と家に帰れるように、
私ができる、ことをする。
俺には、できないことがあった。
だが、お前に届く奴らが準備を進めている。
奴らとは過去に色々あってな、
気に食わない組織ではあるが.....
ああ、そうだな、
ゆかり、彼らのための、"路"を頼む。
「みかがみ様。」
「うん?」
「お兄さんたちを、ここに呼べますか。」
「お兄さんたち...?
ああ、なるほど、面白い。ここの錠前を別の鍵で抉じ開けようとしてるね。
だが、最奥へのノックが叩かれれば、扉を形造ることはできるだろう。」
「
「ふむ、なるほど、あいわかった。力は無けど、知識は貸せる。神憑きに類する術の派生だ。教えてあげよう。君にできることを。」
息を吐く、吸って、また吐く。
しっかりと地を踏む、影を落とす、其処と照らす。
教えてもらった、私
一回振り向いて、大丈夫と応援をもらって、
覚悟をきめる。
「いきます。」
気を調え、
律し、戒し、隔ち、籠むぐ。
それ即ち、
薄く、ぼんやりと
お兄さんたちは私達を求め、手を伸ばしているのだから、
私達は、その手を掴むだけでいい。
霧に染まり、少しずつ銀色に覆われた目の前の境界。
イメージは
路にして扉。扉にして遍在の要。
詠われるは流紋。『
耳をすませば、聴こえてくる導きがあって。
貴方だけに
示される、一人が神憑き。一人が巫女見習いが繋ぐ、
縁の行路に至る、紡ぎ糸。
さあ、神の領域を越えて、その手を_______
『手を繋ごう!』
すずなり様に願う言葉を、
『
響かせて、穿いて、
『新たな
伸ばした
三節の、込められた祈りは_______
お兄さん達に、届いてっ......
そのときだった。
聴こえた。掴まなくてはならない大切なモノ。
そう確信するほどに、強烈な顕れ。
なりふりなどなかった。
左手はそのままお兄さん達の路を掴ませる。
飛び散る血液、境界結びの術式で摩耗する意識を痛みで叩き起しつつ、
面が歪む、孔が少しずつ極まれる。
「よくできた。あとは
ハル!!!!
その
刹那の気配、寂れてゆく新たな力。
それでも、私は。
ハル!!!!!!
衝動のまま、右手を突っ込み、
遥か彼方、奥底で揺蕩う彼女の意識を、
捉え"だああああああ!!!!!
ゆ....か、り..?
確かに、確かに繋ぎ留めて、
帰ってこいやっ!!! ハル!
え________?
あろうことか無理矢理、腕を引き抜いた。
飛び散る水。優しい匂い。きらりと艶めく金の髪。
その腕には、たしかに捕まる寝惚け眼な友達がいて。
そのままがっちりと、
『ありがとう。ハルちゃん。』
歪んだ総ての先から、朝焼けの光が漏れているのが視えた。
ハぁ"ぁ"ぁぁぁァァル"ぅ"ぅぅぅぅぅ...ッ!
あばばばっばばばばばばくぁwせdrftgyふじこlp
赤熱したかのような痛み。
腕の皮をきれいに毟り取られたと例えるべき幻痛を怒りに変えて、いたる所ボロボロのハルの顔をこねくり回す。
「まさか両腕同時に別々のものを....ッ。なるほど、私の本体が運命を覆したか。夜の少女は...僅かに残る瞳の
なんかブツブツ言ってる
抱えていた鋏の本体は、半分ほど融け落ちてしまっている。
服も髪もすべてボロズタ、
「色々言いたいけどさっさとここ出るよ!」
「あわわえあ? あ、うん、え? あ、わかった!
未だハルの
「おい紡。出口どこ?」
「アッハイ紡です。さっきので力尽きました。出口の想像はもうむりぽ。君達を生存させられる環境の空間維持で精一杯です。憑依状態も解除した筈なのに、無理矢理維持を紡の馬鹿力が成り立たせてる。本当に君達は欲しいくらいだよ。」
「あ"?」
「で、でも。」
「君の
瞬間、孔が爆発。
『 突撃ィィィィィィ!!! 』
『Ураааааааа!!!!』
ハルっ、どこだーっ!
『総員警戒体制! 索敵及び探索、捜索活動開始! 依頼主の防護は最優先で!』
『了解!!!』
『もう大丈夫、私達が来た!!!』
『お兄さんたちうるさい! ハルの傷に響くだろうが!』
たまらずゆかりがそう叫んだ瞬間、ギラついた数十の瞳がこちらを向く。
一拍。
確保ォーーーッ!!!
『了解ーーーー!!』
ええええええええええぇぇ
「あ、誘拐してしまった人々と、
父娘の再会の喜びと、お兄さん達の探索活動は、
入口の崩壊の前兆という形で断ち切られる。
急いで帰り支度、神隠し被害者の確保と運送、応急手当てを済ませ、
彼らはその場をあとにした。
・
・
・
実はゆかりちゃんだけでは足りてなかったんだ。
え。
でもね。もう片腕が、たしかに私を
私の知る、大切な大切な。
宝物の、娘の腕がね。
ほんと、ずるいや。
最後までハルに助けられちゃったなー。
えへへへー。
エヘヘじゃないっての...ほんともう....
ゆかりちゃんの腕は、大丈夫?
なんと、全治三ヶ月!
え。
お兄さん達が色々手配してくれたらしくて、
ちゃーんと動かせるように治してくれるって!
よ、良かった.....
まーた泣いてる! もうホントにハルは泣き虫になっちゃったなぁ。
.......。
紡。
ッ、
怒ってないよ。恨んでもいない。
逆に、感謝してる。
.......ッ。
それにしてもみんな揃って一つの隔離部屋とは、お金が怖いね。
すべてあっちがもってくれると契約してある。
みんなは心配しなくていい。
ここの病院にしてもあちらと連携してあるグループらしいからね。色々弁座が聞効くと聞いているよ。
おー、太っ腹!
・Topics
・紅き残滓
ハルの黒い瞳に湛え散る、赤い燐光。
神性の残り香。埋め込まれた縁の因子。
謂わば、一欠片の神の証。
ゆかりの夕焼けの瞳とは別の代物である。
・それぞれの怪我事情
・ハル(仮)
(委員会の技術力を以てしても)全治一年(
死亡・瀕死・全身
死ぬ運命は覆された。しかし.....
肉体の成長が緩やかになった。
存在規模が拡張された。
見えざるものがもっとよく見えるようになった。
鋏の使用条件が大きく緩和された。
etc...
運命を覆した代償は、神によって支払われた。
・ゆかり
(委員会(ry)全治三ヶ月。
重症・両腕
両腕の医療的切断は免れた。
触れざるものが触れられるようになったらしい。
・紡
全治不明
重症・脳障害 精神障害(SAN値危険域)
主に喋れない。髪から色素が抜けて真っ白に。
寿命が多分2〜3割は削れた。
みかがみ様の不可抗力ではあるが、少し人格が削られてしまった。
見えざるものがよく見えるようになった。
・ハルパパ
全治一ヶ月。
軽症・片腕
ハルが無意識に引っ張った腕が剥離骨折。
ゆかりだけでは路しかつくれなかった。
しかし、血縁と娘への執念が路を歩む力と成った。
・みかがみ様
弱体化。ほぼ休眠状態。
本体(出力8割)が神域『天を摸す鏡面湖』、
分体(2割)が旧鏡面湖最奥の『鏡の宮』に降臨し、それぞれの少女を助けた。
紡の人格(魂魄の一部)を内包した。
神域の現実口(旧鏡面湖)も崩れたため、信仰の供給が更に滞っている。賀神家が応急処理中。
・すずなり様
疲弊状態。亜種神器の連続使用が原因。
神域は未登場。
・コトワリ様
超疲弊状態。休眠中。
部分融解した神器の修復にリソースを注いでいる。
神域を縁理という観点からぶった切ったMVP。
神域は未登場。
■■■■■■との神性統合が発生しているが俄然拒否中。
・ユイ
もういない
・■■■■■■
強制休眠状態。すぐに覚醒できる状態でもある。
神域は『夜明けの町』
大変遅くなりました。
後々、父娘の再会のシーン、
お兄さんがたのゲートオープンまでの描写、
ハルがいた向こう側の描写、
掲示場などなど。
その後の展開など書いていきたいと思います。
描写不足をお許しください。
マジで書きたいことが書けなくて...
リアルで精神的にも肉体的にも参ってる状態でして、
それでもそろそろ出さんとアカンと書き上げました。
受験勉強に専念したいと思います。
息抜きで書いたら出すので、出たらラッキーでお読みくださると嬉しいです。
ハル達がいる街を含む、この世界のオカルトへの関心を掲示板形式で書きたくなったのだが需要ある?
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ある
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ない
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そんなことより続きはよ
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ハルちゃんprpr