『正義のサイヤ人』~仲間の夢を未来へつなぐのは間違っているだろうか~   作:灰色パーカー

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今回、地の文がポーロット目線ではありません。ご了承ください。


7.強さ圧倒的!決めろ、必殺のかめはめ波!

ジャガーノート。

 

【厄災】として冒険者を狩る者。迷宮の異物を葬るために遣わされた『抹殺の使徒』。彼の中に意思は無く、ただ使命を全うする。

 

そのはずだった。

 

だが、今彼(?)は動くことができなかった。遥か前方にいる一人の人間、抹殺対象である異物の一つ。その様子が異常であると、彼の本能が警鐘を鳴らしていた。

 

自分の意識外から現れ不意打ちを見舞ってきたその男にジャガーノートは殺意を募らせていた。殺戮行動を邪魔された挙句、自分に攻撃を加えたその男を真っ先に斬殺しようと決めていた。

 

だができなかった。壁にめり込んだ体を引っ張り出した時、その異物は咆哮と共に金色の魔力(オーラ)を纏っていた。その異様な変化と異物から感じる途轍もない力の気配。

 

本能的にそれを感じ、動くことを躊躇った。動いていいものかと逡巡した。

 

ポーロットはこの時、【厄災】が動かないのは余裕のつもりなのかと考えていたが、実際はそうではない。

 

【厄災】に余裕などなかった。自分と同等以上の力を持ちうる標的に、最大限に警戒していた。今までのように機械的に殺そうとするだけでは殺せないと、そう考えていた。

 

そして、その標的は己が纏う魔力(オーラ)の勢いを一際強くさせ踏み込んできた。

 

 

この破爪に懸けてあの異物を破壊する、その決意の下【厄災】も攻撃に転じる。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

気を開放したポーロットは蹴った地面が爆ぜるほどの勢いでジャガーノートへと突貫した。

 

 

その直後、

 

「ッ!」

 

 

ズゴォン!

 

 

 

轟音と共にジャガーノートは広間の奥へと吹き飛んでいた。

 

ジャガーノートが居た場所には、殴り飛ばす格好のポーロットだけが立っていた。

 

「…………は?」

 

誰が漏らしたか、疑問を含んだ呆けた声。広間にいた誰も何が起きたのかわからなかった。

 

ポーロットが飛び込んでいった途端、本当に一瞬後にジャガーノートが吹き飛んだのだから。

 

 

ジャガーノートも例外ではない。異物が突っ込んできたと思ったら、次の瞬間殴り飛ばされていたのだ。地面を数回バウンドしながらも何とか体勢を、立て直しポーロットを警戒する。

 

だがすでにポーロットはジャガーノートの懐に入っていた。

 

「だありゃぁぁ!」

 

ジャガーノートが何かしようとする前に、下から重たいアッパーを食らわせる。

 

そのままジャガーノートですら反撃できない速度で拳を重ねていく。

 

「おりゃぁぁぁ!」

 

金色に輝く拳から繰り出される嵐の如き連続攻撃。敵に反撃の隙を与えないラッシュの応酬は一突きごとに轟音を響かせる。

 

だが無数の拳を受けながらも、ジャガーノートは強引に破爪を振るう。ポーロットはそれを高速で躱して背後に回ると、ジャガーノートのがら空きの背中を蹴り飛ばした。

 

「だりゃぁぁぁぁぁ!」

「ゴオオォ⁉」

「・・・あっ、やば」

 

蹴り飛ばしたのは良いものの、方向が不味かった。丁度アストレア・ファミリアの方に向かって蹴り飛ばしてしまった。

 

「くっ!おりゃぁ!」

「ゴガァ!」

 

急ぎ舞空術で敵を追い、ドパーンという音と共に真上から重たい一撃を加える。地面に叩きつけられ、苦悶の声を上げるジャガーノート。

 

ポーロットはそのまま悶える敵とアストレア・ファミリアの中間に降り立ち、ジャガーノートの次の動きに気を配る。

 

 

 

「うそ…………何、アレ?」

 

一方アストレア・ファミリアは目の前で起こっている光景に理解が追い付いていなかった。先ほどまで多くの冒険者を屠っていた化け物が、たった一人の冒険者にいいようにやられている。

 

「ポーロットってあんなに強かったか?」

 

小人族(パルゥム)のライラがそんな疑問を口にするが、この場の誰もが同じ思いだった。元々ポーロットは第二級の冒険者ではあったが、アリーゼやリュー、カグヤには実力で劣っていた。

 

そのポーロットが、アリーゼですら完全に躱せなかった攻撃を躱し、リューですら当てられなかった攻撃を命中させ、カグヤですら追い付けなかった敵の速度を超えているのだ。

 

彼の実力と目の前の光景の矛盾に皆が困惑する中、這いつくばっていた【厄災】が何の前触れもなく()()()

 

「えっ?」

 

ポーロットの後方にいたアストレア・ファミリアは突然消えた【厄災】に困惑し、警戒レベルを最大限に引き上げる。しかしどれほど周りに気を配っても敵の姿を捉えられない。

 

先ほども決して完全に捉えきれていたわけではない。それでも敵が動く斜線すら見えないなんてことは無かった。

 

全員に緊張が走る。このままでは先程までと同じように、手も足も出ないまま気が付かないうちに殺されてしまうと。

 

 

 

治療中のリューや他の団員を背にしながら周りに気を配っていたカグヤは、ふとポーロットに視線を向ける。

 

「アイツは、どこを見て………」

 

【厄災】を相手にあれほどの戦いぶりを見せるポーロットならば、敵の位置を把握していると考えてのことだった。

 

「ッ!上か!」

 

カグヤの声に他の団員も一斉に目線を上に向ける。

 

ポーロットの視線の先、彼のちょうど真上の天井に【厄災】は張り付いていた。【厄災】は持てる膂力の全てを使って逆関節を動かし垂直に跳躍していた。

 

「アイツは……あの動きが見えていたのか?」

 

予備動作すら見せずに跳ねた敵の動きを容易く見切ったポーロットに、カグヤはおろか他の団員も驚愕の色を隠せなかった。

 

 

 

 

天井に張り付いていたジャガーノートは左の破爪を構え、ポーロット目掛けて天井を蹴った。天井に無数の罅が入るほどの踏み込みによる初速に加え、落下速度と自身の重さ、殲滅兵器たる破爪と、持ちうる全ての潜在能力(ポテンシャル)を込めた一撃。

 

しかし、ジャガーノートはこの一撃で決めるつもりなど毛頭なかった。

 

この異物は必ずこの一撃を避けてくる。だからこそ異物が回避した方向へと飛び、二撃目で確実に息の根を止めると、そう思案していた。

 

どの方向に避けても必ず追撃せんと対象の動きに注力する。回避したと油断しているその背中を惨たらしく刺し穿ってやろうと、ドス黒い殺意を秘めながら。

 

だが、

 

「⁉」

 

ポーロットは避けるどころか一歩も引かなかった。ただ真上の敵に対し体を捻り、腰に右手を構えるだけだった。

 

「バカがっ!避けろ‼」

「ポーロット!」

 

ポーロットが避けようとしないことにカグヤとアリーゼが動揺を露わにする。誰が見ても回避するべき場面で、一切動こうとしないポーロット。

 

敵の動きに、否、敵が動かないことに焦るジャガーノート。こうなると、もはや一撃目で決めるしかない。

 

ポーロットに避ける気が無い以上追撃を考えるだけ無駄なのである。

 

「―――――――――――――――――――」

 

咆哮も雄叫びも無く、【厄災】たる力の全てが込められた破爪が振り下ろされた。

 

風を切り、肉を裂き、命を刈り取る破壊の爪を、紫紺に輝く斬撃を、ポーロットは右手に集中させた気の剣でいとも容易く()()()()()

 

ガキィーン‼

 

破爪と気の剣がぶつかり合い、広間には鋭い音が響き渡り、衝撃は爆風となってリュー達を襲う。

 

「きゃあ!」

「くぅっ!」

 

 

踏ん張った足元は陥没し亀裂が入るがそれだけだ。ポーロットには何のダメージも無く、ジャガーノートには生まれて初めての感情が生まれる。

 

時間にして僅かコンマ数秒。だが確かに【厄災】の脳裏には破爪を受け止められたことへの動揺が、焦りが、恐怖があった。

 

「はあっ!」

 

ポーロットは受け止めたジャガーノートを気の剣で力任せに押し返す。着地しそのまま後退するジャガーノートには、今までで最大の警戒心が宿っていた。

 

「ふんっ……俺にもこれくらいはできるんだぜ?」

 

『スピリッツソード』。己の気を利き手に集中させ、剣を形成する技。折れず、曲がらず、よく切れる。

 

だがそれは普段のままだったらの話。金色の力を開放したポーロットのスピリッツソードは、強靭な肉体を誇る階層主であっても容易く切り裂くほどの切れ味を持つ。

 

この場合、ジャガーノートは破爪が受け止められたことに嘆くよりも、スピリッツソードで両断されなかった破爪の性能を誉めるべきだろう。

 

「さあ、第二ラウンドと行こうか」

 

そう言って、スピリッツソードを構えたまま再び突撃するポーロット。ジャガーノートも両方の破爪を構え応戦する。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「ポー、ロット……」

 

治療を終えたリューはアリーゼ達と共にポーロットの戦いを見守っていた。その常軌を逸した戦闘力を目にしながら。

 

「リュー、大丈夫?」

「……はい、アリーゼ…………すいません、勝手に飛び出して」

「その話は後でじっくりやるからね……ほら」

 

そう言ってリューに肩を貸すアリーゼ。実際、リューの負傷はリャーナとセルティの奮闘もあって完治していたものの、ダメージまでは抜けきっていなかった。

 

まして、一度は本気で死を覚悟したのだ。精神的なダメージは計り知れない。

 

「世話を掛けます……それにしても……あれは一体?」

「詳細は何もわからないわ……でもポーロットのアレは一度見たことがあるでしょ?」

「……彼の、ホームで……でしょうか?」

 

金色の魔力(オーラ)を纏い、逆立った金髪。ポーロットの身に起きた変化は、彼が自身のホームで仲間の遺体を見た時に見せたものと同じものだった。

 

「仮にあれが………ステータスの、増強スキルであったとしても……あまりにも……」

 

今なお【厄災】と激しい剣戟を繰り広げているポーロットを見ながら、リューはその異常な強さをスキルによるものだと仮定する。

 

一時的にステータスを上昇させるスキルならば、ポーロットのあの強さも説明がつく。

 

「ええ、増強なんてレベルじゃない」

 

だが問題は、ステータスの上り幅だ。スキルで強くなると言っても、それは自身のLvの範囲内での話。ポーロットのそれは、あまりに強くなり過ぎていた。

 

「まあ、L()()()()()()()()上がっているだろうな。にわかには信じられんがな」

 

カグヤの言うLvそのものが上がっているという予測。それが現時点で最も正しいと思われた。

 

Lvとは幾多の苦難を乗り越え、偉業を達成し続けて、ようやく昇華できるもの。それをスキルの力で簡単に上昇させるなど普通ではありえない。

 

しかし、ステータスが上昇しただけではあそこまでの強さは得られない。自分達ですら手に負えなかった怪物をあそこまで圧倒できるはずが無い。

 

 

はっきりした答えを得られぬまま、アストレア・ファミリアの面々はポーロットの戦いを見守るしかなかった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~

 

幾度となく剣と破爪が交錯する。甲高い音が広間に響き、両者の間には火花が散る。

 

袈裟斬り、切り上げ、兜割りに薙ぎ払い。ポーロットの剣戟に対し、ジャガーノートは二本の破爪で迎撃する。その表情に変化は無いが、間違いなく彼は追い詰められていた。

 

自分以上のスピードとパワーを誇る相手の攻撃は、一つでも食らえば致命傷となる。それがわかっているからこそ、ジャガーノートは必死にポーロットの剣を防いでいく。

 

自分の最高の一撃を防いだ相手でも抹殺対象には変わりない。敵の剣に耐えながら攻撃のチャンスを見計らっていた。

 

 

だがその機会は直ぐに訪れた。

 

 

ポーロットが剣を振り下ろした直後、その動きが一瞬()()()()のだ。これまで止むことの無かった剣戟の雨が止み、ここぞとばかりに【厄災】は両方の破爪を振り下ろす。

 

 

刹那、破爪を振り下ろしながら【厄災】が見たポーロットは、()()()()()。獲物が罠にかかり笑みを浮かべる狩人のように。

 

 

ここに来てジャガーノートは自分の失策に気づく。自分が攻め時だと思った隙は、敵がわざと作ったものなのだと。

 

それに気づいてももう遅い。

 

「—だぁらぁぁ!」

 

ポーロットは振り下ろされた破爪が交差し重なるタイミングを見逃さず、スピリッツソードを全力で振り上げた。

 

強烈な力で振り上げられ剣に押し負け、破爪は真上へと弾かれる。その衝撃によってジャガーノートの巨躯がほんの僅かだが宙へと浮いた。

 

いくら【厄災】が尋常ならざる機動力を持っているといえど、足場の無い空中では意味をなさない。

 

成す術が無い【厄災】にポーロットは肉迫し、袈裟斬りの要領で左の破爪を斬り落とす。だが橙色の軌跡を描いて振り下ろされた斬撃はそれだけでは終わらない。

 

地面を切り裂き、瓦礫を破壊しながら進み、奥の壁面にまで届いてようやく止まった。

 

左の破爪を切り落とされ声にならない痛哭を上げながらも、ジャガーノートは着地と同時に数十M後退する。

 

「—ふっ。必死だな」

 

隙を見せた途端に反撃し、攻撃を食らったと思ったら一目散に後退する。そんな【厄災】に対し、もはやポーロットは当初ほどの脅威を感じていなかった。

 

スピリッツソードを解除し、右手に集まっていた気が消えていく。代わりに気を開放していく。

 

気が上がるにつれて体から噴き出す魔力(オーラ)の勢いが増していく。左手を前に突き出し気を集中させ高密度の気弾を形成する。

 

「っ!いけない!」

「ポーロット!撃っちゃダメ!」

 

ポーロットがやろうとしていることに一早く気が付いたリューとアリーゼ。【厄災】が持つもう一つの武器、破爪とは全く方向性の違う武器の脅威を知る二人が止めるように必死に叫ぶ。

 

「くらえ‼」

 

だがその声は届かなかった。ポーロットは溜めた気弾を撃ち放った。

 

並みのモンスターならば一瞬で蒸発してしまう程の威力を秘めた光弾が炸裂する寸前、ジャガーノートは紫紺の殻に包まれた体を発光させた。

 

 

直後、着弾した光弾をポーロットに向けて()()()()()

 

 

「なっ⁉」

 

敵に多大なダメージを与えるつもりで放った一撃。それが自分へと跳ね返されポーロットは面食らう。

 

「このっ!」

 

跳ね返ってきた光弾を左手で弾き強引に軌道を変える。飛んで行った光弾は離れた地面に着弾し、強烈な閃光と爆炎を放つ。閃光がおさまると、直径十数M(メドル)のクレーターが出来ていた。

 

「ちっ!」

 

危うく自分の放った光弾に焼かれるところだった。距離が離れていなければ軌道を変えるどころか避けることすら難しかったかもしれない。

 

現に初見でジャガーノートの『盾』を見破れず、自らの魔法で身を焼いた闇派閥(イヴィルス)の冒険者がいたのだから。

 

 

だがポーロットが気弾に気を取られていた一瞬でジャガーノートは距離を詰めた。丁度跳ね返った光弾に隠れるように。間合いに入った時、既にジャガーノートは残った最後の破爪を振りかぶっていた。

 

「—しまった‼」

 

光弾への対処で反応が遅れたポーロットをジャガーノートは()()()()。紫紺に輝く破爪がポーロットの胴を寸断し、体が上下に分かたれる。

 

「「「……へ?」」」

 

直後、アストレア・ファミリアの時が止まる。ここまで終始圧倒していた冒険者が、自分達を救ってくれた友が、切り裂かれたことに瞠目する。

 

「ポーロットォ!」

「……そんなっ!」

 

アストレア・ファミリアがその光景に絶句する中、ただ一人ジャガーノートだけは違和感を抱いていた。

 

自分は目の前にいる人間を両断した。現に体が上下に分かたれている。にもかかわらず斬ったという実感が無かった。

 

“自分は今、何を斬った?”

 

そんな疑問をジャガーノートが抱いた時だった。

 

 

 

「おりゃぁぁぁ!」

 

 

 

上から強烈な衝撃が襲った。殻の一部が砕け脚部をも粉砕する轟音が鳴る。

 

「「「……え?」」」

 

その場の誰もが驚愕する。両断されたと思ったポーロットが無傷のままジャガーノートを急襲し、拳で背部を貫いたのだから。

 

ポーロットはそのまま貫いた手に気を集中させ、ジャガーノートの体内で光弾を炸裂させる。

 

「————————————————!!」

 

再び声なき痛哭が響く。体内で爆ぜた光弾に焼かれ、【厄災】を包んでいた紫紺の『殻』が砕け散る。

 

ジャガーノートは痛みに耐えながらも右の破爪を振り回し、背に乗るポーロットを振り落とす。

 

危なげなく着地したポーロットは満身創痍の【厄災】に視線を送る。

 

互いに互いを睨んでいるが、その眼に宿るものは正反対だった。

 

片やその眼に憎悪と焦燥を宿し、片やしたり顔で余裕の色を見せる。

 

「残像拳だよ。知らなかったか?」

 

『残像拳』。高速で移動することにより相手に残像を認識させ、攻撃を回避する技。ポーロットはこの技で破爪を回避し、ジャガーノートの上空へ移動したのだった。

 

この技の存在を知らなかったアストレア・ファミリアの団員達も目が点になっている。

 

「まぁ、俺もあんたの『盾』については知らなかったんだから、あいこだろ?」

 

あいこかどうかはともかく、これでジャガーノートは益々不利になったといっていい。武器を全て晒しただけでなく、ポーロットの動きが自分の反応速度を完全に超えているのだから。

 

「―さぁ、幕引きだ」

 

そう言いながら、ポーロットは両腕を前方へと突き出した。両手首を合わせゆっくりと体の後ろへ引いていく。

 

「か……め……」

 

ポーロットの掛け声とともに気が増幅され、両手へと収斂されていく。収斂された気が刻一刻と青白い輝きを増大させていく。

 

それを見たジャガーノートは直感した。アレをくらってはいけない。食らったらお終いだと。しかし、脚部を破壊され満足に動くことができない。

 

それでも損壊した逆関節を軋ませ広間の奥へと後退しようとする。

 

「っ!マズい、逃げる気だ!」

「ポーロット!」

 

敵の僅かな動きから次の行動を読んだカグヤとアリーゼがポーロットに警告する。だが、そんなこと、ポーロットは百も承知だった。

 

「……は……め……」

 

後退しようとするジャガーノートに肉迫し、残像拳を駆使して撹乱する。幾つもの残像を生み出しながら敵の退路を奪い、同時に攻撃位置を見極めさせまいとする。

 

ポーロットは、多重残像拳に気を取られ破爪を振り回す【厄災】の正面へと回り込み、溜め込んだ気を一気に解き放った。

 

「波ぁぁー!」

 

撃ちだされた青白いエネルギー波が【厄災】の体を爆砕する。頭部は砕け、破爪は吹き飛び、化石のごとき巨躯はエネルギーの奔流に飲まれ、塵となって消え去った。

 

 

青白い閃光が止み、あたりに静寂と暗闇が戻った時、立っていたのはポーロットだけだった。

 




お久しぶりです。

ジャガーノート戦、いかがだったでしょうか。
原作では、ジャガーノートは攻撃が当たりさえすれば簡単にダメージが通っていました。ただ、それだとすぐ終わってしまいそうだったので耐久力はマシマシになってます(笑)


ポーロットが使った技、ドラゴンボール好きな方であればだれでも知っているでしょう。そう、スピリッツソードです。

元々ベジットの技なんだからこんな簡単に使うな!と言われそうですが、言い訳させてください(笑)

ジャガーノートの破爪を受け止めるという展開上、まず素手は無理だと思いました(斬り落とされちゃう 汗)。次に思いついたのはサウザーやザマスが使っていた短いタイプの気の剣でした。

それで、どうせ気の剣ならスピリッツソードって言った方が書きやすいし、伝わりやすいかなと考えました。

ということでスピリッツソードにしました!(笑)

次に残像拳(及び多重残像拳)です。これも結構有名ですよね。アニメとかゲームでの残像拳の効果音(ピシュンって音のやつです)大好きでした(笑)

最後は言わずと知れたかめはめ波です。
かめはめ波ばっかりはちょっと書き方に苦労しました。かめはめ波の掛け声ってゆっくりで、且つ溜めながらじゃないですか。

だから結構書きづらかったりするんですよね。


あと、ポーロットが攻撃する時、よく「だぁらぁぁぁ!」とか「おりゃぁぁぁ!」とか叫んでもらってますが、これは全部悟空が攻撃時によく言ってるやつをイメージしてるので、読者の皆さんに補完してもらえたらと思います。


最後に、新たにお気に入り登録してくださった皆さんありがとうございます。励みになっています。

また、評価・感想お待ちしています!
では、また次回!


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