これは何となく考えていた安直な八幡×相模

この作品は#勝手に俺ガイル短編祭りの参加作品です。誰でも参加可能なお祭りなので是非参加してください。

概要は下のTwitterのやーつを見てみてください。
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俺ガイル短編

タイトル[言葉の意味を]

 

『同じだよ。最底辺の世界の住人だ』

 

あの日、うちが逃げ出したあの文化祭の日。

アイツはうちにそう言った。

 

『本当に最底だな』

 

正直、うちはあの日アイツが言った言葉その全てを覚えている訳では無い。逃げ出したのはうちだったし、アイツに結果発表を押し付けようとしたのもうち。それでも、アイツの……確信をついた言葉に絶望した。何を言われたかなんて関係なく、その時うちは確実にアイツの言葉で絶望したのだ。それこそあの場に葉山君や友達がいなかったらうちの心は簡単に折れていた………と思う。

 

『お前にまったく興味のない俺が』

 

それなのにあの日アイツが放ったその言葉が深く心に残ってる。

 

「興味のない、か」

 

本当にそうだろうか。仮に依頼で文化祭実行委員の手伝いをしてたとして、興味のない人間を見つける事が出来るのだろうか。

もし、最初来たのが葉山君だったとしたら多分うちは葉山君は優しくて人脈もある、だからすぐ見つけられたと納得出来る。

 

ならアイツは?

 

クラスでは空気のように、いなくてもいいようにしているアイツに人脈なんてあるのだろうか?

雪ノ下さんはうちの仕事を賄っていただろう、結衣ちゃんはうちの居場所に目星は付けられないだろう、めぐり先輩は、そもそもアイツとそこまでの関わりなんてないだろう、平塚先生は………あの雪ノ下の姉は…………考えれば考えるほどうちが知ってる接点のある人物からアイツがうちを見つけられた理由が分からない。

 

「ムカつく………」

 

このモヤモヤ感が次第に苛立ちに代わる。そんな状態が始まって1ヶ月、このモヤモヤと苛立ちを陰口という形で吐き出して考えないようにしていたうちは体育祭の委員長をやる事になった。

 

文化祭の時逃げ………避けたうちだから人間そう簡単に変わる訳もなく、この時うちの友達遥やゆっこと対立した。それだけじゃなく、うちの言動から波紋は広がり状況は悪化。そんな時

 

『これ以上言ってもいい結果にはならねぇよ。誰かになんか言われたくらいで変われるならそもそもこうなってない』

 

アイツがうちに投げつけた言葉。それはうちを否定する言葉でありうちより上であると思わせる言動。そんなことを言われたうちは

 

(こんな奴に負けたくない)

 

シンプルにそう思った。………そう思った。だからこそ自分の出来る事………思いついた事をして溝はできているが形式上は別れていた二つの派閥は戻っている。

 

“形式上は“

 

その言葉通り対立は終わらない。それから友達と思っていた二人から理不尽とも思える言葉を投げられる。その時はショックのあまり辞任も考えた、辞めれば解決するのかなとも思った。それでも辞めなかったのは成功させたいという気持ちもあったけどそれと同じくらいに、文化祭の時多くのことをこなしていたアイツに負けたくないって思った。

 

『参った』

 

そして〔チバセン〕承認会議の最終日。体育祭の為にとった自分のらしくない行動、あの時は体育祭のことで頭がいっぱいだったけど、それ日の事をふと思い返した時、アイツは確かにそう漏らしていた。

 

「……………」

 

それを思い出した時体育祭で得た熱意とかアイツに対する苛立ちやモヤモヤが潮が引いていくように流れていき代わりに、知りたいと思った。文化祭の日にとった行動には意味があったんじゃないかと思うようになった。

 

「意味……あるじゃん」

 

ようやくその意味に気づいた時うちはアイツがどうしようもなくどうしようもないやり方しか取れないんじゃないかと思った。そうやってアイツの事を別の視点からみると戸部が話してた千葉村でアイツが思いついたという方法にも意味が産まれてくる。

 

「………何が最底辺の世界の住人よ。そんな世界からこっち覗いて、最底のやり方で良いも悪いも全部壊して、それを全部背負うのアイツじゃない」

 

理解した。理解してしまった。してしまったからこそアイツの事が頭から離れなくなる。

 

「頭いいくせに、あんな二人から信頼されてる癖に」

 

本人はそれを理解していない。しようともしていない。嫌な奴。嫌な奴なのに、それなのにどうしようもなく

 

「……………好きになっちゃったじゃん」

 

好きなのだ。それはもうどうしようもなく。

そんな想いを抱えて迎える修学旅行。その時ふと耳にした

 

『~~よろしく頼むわ』

 

戸部が告白を奉仕部に依頼したらしいという事。戸部に話を聞いてみると依頼内容は絶対に成功させたいという依頼らしい。

 

「バカじゃん」

 

戸部らしい依頼だけど物事に絶対は無い。告白なんて尚更、そもそも絶対成功する告白なんてあるもんか。これは感だけど相手は受けるつもりはおそらく無い。だからうちは相手に聞いた。

 

「ねぇ、そのグループ好き?」

 

その相手は一瞬驚いたような顔をしたように見えたが直ぐに普段通りに戻ってうちには関係ないと答えた。これは感だけどあの一瞬が彼女の素で、アイツに依頼したのであれば、アイツが最底のやり方で解決するために動くと思う。

 

「それは……嫌だな」

 

だからうちは

 

(………最底)

 

アイツの、最底馬鹿の姿を戸部が告白すると意気込んでいたルートで見かけた時後を追った。

 

(………最底……最悪がアイツの最善)

 

こうなるとアイツのしようとしてることが直感的にわかった。だからうちは告白寸前の戸部の前にあいつが出てソレを実行しようとした瞬間

「ずっ「比企谷八幡!!!!」ッッッ???」

 

「相模……さん?あなた何を」

 

アイツを後ろから突き飛ばして

 

「いっつ………お前さが……………ッッ!?」

 

状況も掴めていない彼を戸部の近くで押し倒す形になってそのまま彼の唇を奪う。

 

「お前何を………むぐっ」

 

戸部と海老名さんはもちろん後ろで見ていた奉仕部とグループの人達が唖然としてる中、うちは構うものかと再度アイツの唇を奪い

 

「比企谷!!好き!うちと…付き合って下さい!」

 

そのままの勢いでアイツ………比企谷八幡に告白をする。突然の事に思考が追いついてないのか混乱したまま

 

「ちょ、南ちゃ」

 

「戸部は黙ってて!自分一人で告白する勇気ないやつが、うちの邪魔しないで!」

 

「………っ」

 

割り込もうとした戸部を一蹴にし、比企谷八幡へと迫る。自分より被害受けてるやつを見て冷静になったのか比企谷はうちを見てなんでという表情をする。

 

「お前………俺の事」

 

「好き。いろいろあったけど、正直今でもムカつくけどそれでも好きになっちゃったじゃん。比企谷はどうかしんないけど、うちは好き」

 

気がつくと、うちはらしくもなく泣いていた。その涙を見て彼は少し困ったように目をそらす。だからうちは彼の顔を掴んで言うんだ。

 

「比企谷うちを見て。うちのこの想いは間違いじゃなく‘本物’だよ。間違いだなんてあんたには絶対言わせない」

 

本物の好きという想い。それが比企谷八幡という人間に対して、相模南の出した結論であった。

 

――――――――――――――――――

«比企谷»

 

(あの相模がなんで。それにこいつにあれだけのことをした俺が好きだと?そんなわけある訳ない。あってはならない。)

 

らしくなく考えがまとまらない。こいつが俺の事を好きになるわけがない、

 

(好きになれるわけがない。嫌うなら分かる。体育祭ではまた一悶着あったとはいえこいつは俺に陰口も叩いてた。そんなこいつが好きだと?分からない何を考えてるんだこいつは)

 

分からないから恐る恐る相模の眼を見る。

 

「ッッ」

 

今にも泣き出しそうな、いや既に涙を零しているその瞳に

 

(この眼は………この瞳は)

 

俺にしてはらしくなくそこに偽物を感じない。偽物を多く知ってるからこそ、俺はそれが‘本物’だと、どうしようもないくらい間違いがない‘本物‘ で

 

(俺は………)

 

こんな状況なのに俺はそれが、その本物が欲しいと思ってしまった。

 

「……………」

 

だけど怖い、信じてそして裏切られるのが怖い。また裏切られて何もわからなくなるのが怖い。別に相模の事は好きじゃないしどうでもいい。………それでも、それでも俺を見るこの眼は、この瞳は。

 

「…………」

 

誰も言葉を発せずそれから時が止まったかのような静寂が流れた。数分或いは数秒だったかもしれない。

 

「相模」

 

静寂を打ち消すように俺から口を開いた。

 

「俺は別に…………お前の事が好きじゃない…」

 

その答えは予想できていたかのようにそれでも泣くまいとこらえる彼女に俺は

 

「……だが……お前の……俺を見るその眼。その眼に嘘はない………それは間違いなく本物だ。………だからこんな俺でいいのなら…………お前を好きになるかも分からない俺でいいのなら……………付き合っても………いい」

 

それが俺の出した答え。

俺の答えに相模は少し驚いた様子で、それから直ぐ不機嫌そうな顔をして

 

「何それ………」

 

「やっぱ駄目だよな(当然だ、自分の事が好きでもないやつに了承を得られたところで)」

 

「いいよ」

 

それでもなにかむように笑って、相模は俺の答えを受け入れた。

 

「お前………それでいいのかよ………」

 

「いい。でも忘れないでよ。うちのファーストキスあんたのものなんだから!」

 

「おまっそれはお前が」

 

「言い訳は男らしくないよ!責任取ってもらうから!」

 

「……………おまっ(………だがこいつらしい言い分、か)」

 

そう言って、ようやく立ち上がり去っていく相模。横ではもう告白って雰囲気では無さそうで、戸部がいつになく真剣に悩んでいる。海老名さんはそんな戸部を見て

 

「なんか………凄かったね………戸部君、話ないなら私行くね」

 

そう言い残して帰っていく。戸部はそれをただ見送って、それからいつもの雰囲気で

 

「ヒキタニくんマジパネェっしょ!………俺も負けねぇから!」

 

立ち上がった俺の肩を叩いてくる。

一体何に負けないというのか、その意味がよく分からなかったがそんな戸部と歩きながら、相模が去っていった方向、その視線の先にいる二人を見て

 

「アイツ………はためんどくせぇ事を………」

 

どう説明するのか頭を抱えたのだった。




とても安直に思いついた八幡×相模。
解釈違いはすまない

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