月から聖杯戦争の勝者が来るそうですよ?(未完)   作:sahala

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 どうしても書きたくなった。だから書いた。
 そんな趣味100%の小説ですが、よろしくお願いします。


プロローグ「終わりの始まり」

 

 ――そして、全ての戦いが終息した。

世界の未来を憂い、戦争を引き起こそうとした何者かを打ち倒し、

自分は月の聖杯『ムーンセル・オートマトン』の正式な所有者となった。

 

 ムーンセル・オートマトン

 

 月に存在し、地球の誕生から現在までを観測している巨大量子コンピュータ。

全てを観測するが故にIfの可能性を含めたあらゆる事象を演算できる、まさに神の頭脳と呼ぶべき願望器だ。

 

 そのムーンセルの所有者を決める争いがあった。聖杯戦争と呼ばれる戦いに自分は巻き込まれ、そこで過去の英霊であるサーヴァントと出会った。

 彼女や戦いの中で知り合った友人達の力を借りて、共に7人の他の参加者達を降し、

さらにはムーンセルを使って戦争の時代を到来させようとした過去の亡霊を打ち破った。

 

 それで現在、ムーンセルの中枢へと接続して情報の海へと飛び込んだ。

 しかし、正常なマスターでない自分はイレギュラーとしてやがて消去される。

 

 自分こと岸波白野は、元々はムーンセルによって作られたNPCだ。それも過去に生きていた人間の再現体。

 それが岸波白野の正体だった。

 幾度となく繰り返された聖杯戦争の中で、エラーが起きて偶然に参加資格を得ただけの存在に過ぎない。

 ムーンセルの所有者は生身の人間で無ければならない。バグである自分は、異常として即座に分解されるだろう。

 

 後悔は、無い。

 

 ここまで協力してくれた友人達を地上に送り返す。後の事は地上で眠り続けている自分のオリジナルに任せよう。

我ながら無責任だが、彼女達がいるなら地上の自分もどうにかなるだろう。

 そうして、月から帰還した彼女達へオリジナルの居場所をメールで送ると、ついに消去処理が始まった。

 ここまで一緒に来てくれたサーヴァントは、既に消えていた。最期の時まで自分と一緒に居られて幸せだったと、

彼女は言い残していった。

 

 ありがとう、セイバー。

 

 最高の相棒であり、最愛の人だった情熱的な皇帝へ、静かに別れを告げた。

 

 間もなく自分は1ビットも残さずムーンセルに分解される。もう自分の役目は終わったのだ。

そう思って、目を閉じた。

 

 ――後になって思えば、だからこそ気付かなかったのだろう。この時に自分宛てにメールが届いていた事、

そしてメールにはこんな記載がされていた事に。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能を試すことを望むならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全ての捨て、

 我らの"箱庭"に来られたし』

 

 やがて世界は暗転し――次の瞬間、光に満ちた。

 

 




 皆様、はじめまして。sahalaでございます。

 原作の両作品が大好きなのですが、この2つ扱ったクロス小説が見つからなかったんですよ。無いなら作れば良いじゃない♪というノリで始めました(笑)

 作者は小説を初めて書く様な初心者ですが、これから頑張っていきます。
 

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