死神のヒーローアカデミア   作:icy tail

13 / 18
第12話

第一種目、予選が終わり第二種目が始まる。

 

「さーて!第二種目よ!!」

 

ミッドナイトの合図でモニターが動き出す。

 

「第二種目は…コレよ!!!」

 

『騎馬戦』

 

第二種目は騎馬戦。

先程の第一種目と違って団体競技だ。

簡単に説明を受けていく。

決勝進出は上位4チーム。

チームでのポイント制でハチマキを奪い合うようだ。

さらに、変則ルールでハチマキを奪われても騎馬が崩れてもアウトにならない。

もちろん個性の使用はアリアリだ。

 

「与えられるポイントは下から5ずつ!そして、1位に与えられるポイントは…『1000万』!!!」

 

1位の持ちポイントが発表された瞬間に一斉に緑谷に視線が向いた。

この時点で競技展開がほぼほぼ決まった。

緑谷は動揺しすぎて変な顔になっている。

 

「ははっ!雄英も嫌らしい事考えるなぁ!…まぁ俺も狙うけどよ!」

 

雨梟も楽しそうな顔をして緑谷に視線を向けている。

ちまちましたのが苦手な雨梟は狙いに行くつもりのようだ。

 

「それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」

 

チーム決めが始まった途端にそれぞれが思い思いに動き出す。

雨梟も迷わず歩き出した。

雨梟が向かったのは…

 

「爆豪!組もうぜ!」

 

「水ヤロー」

 

「取るんだろ?1000万!俺は大抵の事には対処が効くぜ?お前は騎手で暴れ放題だ!」

 

「…ッハァ!そりゃあいい!」

 

2人の意思が固まったところで切島がやって来た。

 

「爆豪!!俺と組もう!!」

 

「クソ髪」

 

「名前!…まぁいい!俺の硬化でぜってーブレねぇ馬になる!奪るんだろ!?1000万…!」

 

「…決まりだァ!」

 

爆豪は勝てると踏んだのか狂暴な笑みを浮かべている。

そこに雨梟が待ったを掛ける。

 

「まぁ待て爆豪!あと1人…瀬呂!」

 

「おっ!まじ?組む組む!」

 

「ああ!瀬呂がいねぇと成り立たねぇ!暴れまわる爆豪の回収役だ!」

 

「任されたっ!」

 

これで4人が揃った。

爆豪の機動力と攻撃力、切島の防御力と安定性、瀬呂の爆豪の機動力の補助、雨梟の対応力。

最強の騎馬が出来上がったと言えるだろう。

 

「これで…負けねぇ!」

 

15分が経ち、それぞれが開始位置に着く。

 

『さァ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!狼煙を上げる!!』

 

「クソ髪!」

 

「おっしゃぁ!」

 

「しょうゆ顔!」

 

「しょうゆ顔!?」

 

「水ヤロー!」

 

「おぅよ!」

 

「ぜっっってェ勝つ!」

 

気合い十分の爆豪チーム。

そして、騎馬戦が始まった。

 

『スターーート!!』

 

一斉に動き出す騎馬。

まずは二組の騎馬が緑谷チームの騎馬に向かっていく。

爆豪チームはと言うと…

 

「デクんとこ向かうぞ!」

 

「もちろんそのつもりだ!水天逆巻け『捩花』!」

 

準備を完了させ、迷うことなく緑谷チームに突っ込んでいく。

緑谷チームは近くに位置していた他の2チームから逃げている途中だ。

ある程度近づいた所で爆豪を送り出す。

 

「行ってこい!」

 

「分かってらァ!…おい!デクゥ!調子乗ってんじゃねえぞ!」

 

「っ!?常闇くんっ!!」

 

騎馬から離れて突っ込んでいく爆豪だったが常闇の個性で上手く防がれた。

 

「まぁダメだわな…瀬呂頼む!」

 

「あいよ!」

 

防がれた爆豪が地面に着く前に瀬呂が個性で回収した。

それを見ていた実況のプレゼントマイクが騒いでいる。

 

『おおおおおお!!?騎馬から離れたぞ!?良いのかアレ!!?』

 

「テクニカルなのでオッケー!!地面に足ついてたらダメだったけど!」

 

だが、主審のミッドナイトの許可がおりたようだ。

その後、1000万ポイントは緑谷チームのまま、約半分の時間が過ぎた。

 

『さて!現在の保持ポイントはどうなってるのか…7分経過した現在のランクを見てみよう!………あら!!?』

 

「っ!?爆豪後ろっ!」

 

「あァ?なっ…!?」

 

『ちょっと待てよコレ…!A組、緑谷以外パッとしてねぇ…ってか爆豪あれ…!?』

 

7分現在のポイントが開示されるほんの少し前、爆豪がハチマキを取られた。

 

「単純なんだよA組」

 

「んだてめェコラ!返せ殺すぞ!!」

 

「本当に単純だよね。その場限りの優位に執着してさ…人参ぶら下げた馬みたいに仮初の頂点を狙っちゃって」

 

ハチマキを奪ったのはB組の騎馬だった。

クラスぐるみで挑んできているみたいだ。

しかも、ハチマキを奪ったやつがちょー煽ってくる。

爆豪には効果バツグンだ。

 

「…っ。てめェ…!」

 

「あとついでに君。有名人だよね?ヘドロ事件の」

 

完璧に狙って煽っている。

 

「今度、参考に聞かせてよ。年に一度敵に襲われる気持ちってのをさ」

 

ブチッ!

 

「あれあれ?宣誓した人もいるじゃん。何て言ったっけ…恥ずかしいやつ…えー……まぁいいやおつかれ!」

 

ブチッ!

 

「おい…予定変更だ。デクの前にこいつら全員殺そう…!!」

 

「賛成だ…ぶっ殺す…!!」

 

まさかの雨梟にまで被弾。

効果はバツグンだ。

 

「ちょっ!志波まで!?冷静になんねえとポイント取り返せねえぞ!!」

 

「っし進めや…!!俺は今…すこぶる冷静だ…!!」

 

「ああ…!俺も最ッ高にクールだぜ…!殺ってやんよぉ!!」

 

「頼むぞマジで!2人とも!」

 

1000万の前にB組の騎馬を蹴散らす事に決めた爆豪チーム。

明らかに冷静じゃない2人を中心に突っ込んでいく。

 

「早く返せやッ!オラァ…っ!?」

 

「ははぁ…へぇ!すごい!良い個性だね!」

 

「俺の…!!」

 

「爆豪おめーもダダ被りか!!」

 

(ちげぇな…コイツ…)

 

爆豪がハチマキにてを伸ばそうとした瞬間にB組の騎手である物間が爆豪を攻撃した。

『爆破』の個性で。

驚きながらも返す刀で攻撃を繰り出した爆豪だったが…

 

「くそが!!!…っ!?」

 

「僕の方が良いけどさ」

 

次は『硬化』の個性で防がれた。

 

「やっぱりか…」

 

雨梟の中で答えは出たみたいだ。

 

「んなああー!俺の!?また被っ…」

 

「違ぇこいつ…コピ…」

 

「パクリやがったぞ!」

 

「…は?」

 

(そっちがその気なら同じ土俵でやってやんよ!)

 

爆豪が核心を突く一言を言おうとした所で雨梟が割って入る。

何か思惑があるみたいだ。

爆豪チームのメンバーに目線を送り口出ししないように合図をだす雨梟。

 

「なんて凶悪な個性なんだ…!個性をパクるなんてっ!」

 

「ちょっ君は何を言って…」

 

(まだだ…もう少し!)

 

「いやまてよ…はっ!?もしかして盗んだのか…!ってことは『泥棒』の可能性も…」

 

「…君はさぁ!人が気にしてることを平気で…人の心ってモノが…」

 

(…今っ!)

 

「爆豪!」

 

「言われなくても…行くわッ!」

 

雨梟が相手のピークを伺い、爆豪に合図を送る。

それを受けた爆豪が即座に物間目掛けて突っ込んでいった。

 

「っ!?卑怯な…円場!」

 

「あ、ああ!」

 

少し動揺した物間だったがすぐに指示をだし円場が見えない壁を作り出す。

 

「見えねー壁だ!ざまァみろ!」

 

だが…

 

「爆豪構わず行けぇ!破道の四『白雷(びゃくらい)』!」

 

雨梟の指先から一筋の雷がビーム状に放たれ、円場が個性で作った壁を破壊する。

 

「なァ!?も、物間!」

 

「ッハァ!はなっから気にしてねぇ…よッ!!」

 

「残念!もう間に合わねぇよ!瀬呂!回収頼んだぞ!」

 

「あいよっ!」

 

雨梟の言葉通り爆豪がハチマキを奪取する。

しかし、一本取り損ねた。

回収した爆豪が悔しそうに唸るが…

 

「チッ!クソがッ!まだッ…」

 

「取られた!2本!でも…この1本を守りきれば…!」

 

「何のために俺がいると思ってんだ!甘ぇよパクリン!縛道の四『這縄(はいなわ)』!」

 

雨梟は先まで展開を読んでいた。

これは入試の際に緑谷を転倒から助けた時のモノ。

光の縄が物間の着けている最後の1本を巻き取った。

 

「取ったぁ!!!」

 

「な、何っ!?…やられたっ…!」

 

『ここで爆豪チームが3本奪取!2位に浮上!!』

 

爆豪チームが0ポイントから一気に2位に上がった。

あとは1000万ポイントだけだ。

 

「頼りになるぜ!志波ぁ!」

 

「やるぅ!」

 

「…ケッ!礼は言わねェぞ」

 

「要らねぇよ!チームだしな!」

 

爆豪チームが物間チームを完璧に破った頃、実況が入ってきた。

 

『残り1分を切って現在、轟ハチマキを4本所持!!ガン逃げヤロー緑谷から1位の座をもぎ取ったあ!!』

 

「1分切った!行くしかねぇ!」

 

「ったりめェだ!」

 

「1分なら…奥の手使うぞ!…最大出力!嵐揮流!」

 

雨梟が技を発動すると騎馬の足元に大きな渦が現れ、4人ごと騎馬を持ち上げた。

 

「これで防御は必要ねぇ!暴れんぞ!」

 

「すっげぇ!」

 

「めっちゃ安定してるし!」

 

「こりゃあいいなァ!行くぜェ…完膚なきまでの1位取ったらァ!!!」

 

渦に乗り、猛スピードで緑谷と轟の争っている方に向かう。

見えてくると、丁度2組の騎馬が交錯していて、緑谷が轟から1本ハチマキを取り返していた。

残りは20秒程しかない。

ここで攻める方を間違ってしまったら終わりだ。

だが雨梟は…

 

「1000万は轟だ!行ってこい爆豪!」

 

「分かったァ!」

 

爆豪は一切疑うことなく轟に突っ込んで行く。

 

「っ!爆豪…!」

 

緑谷チームとの攻防を終えたばかりの轟チームは一瞬反応が遅れる。

轟が遅れながらも個性を発動しようと腕を上げようとしたその時…

 

「時間がねぇんだ!やらせる訳ねぇだろうが!縛道の六十一『六杖光牢(りくじょうこうろう)』!」

 

「ぐっ…!?これはっ…志波か…!」

 

「轟さん!?ま、間に合わ…」

 

雨梟が狙い済ましたかのように、轟の動きを封じた。

八百万も予想外だったのか反応しきれていない。

残りは10秒。

 

「「「取れぇ!爆豪!!!」」」

 

「オォォォォラァッ!!!」

 

轟チームも流石なものでギリギリの所で反応し、取られたのは1本だけだった。

 

『ラスト10秒!ここで爆豪が轟から執念の1本奪取!果たしてポイントは…』

 

この瞬間、会場から音が消え去る。

誰もがこの戦いの結末を待っている。

そして…

 

「…ッしゃおらァァァァァ!!!1000万!!!」

 

爆豪が奪ったハチマキを天高く掲げた瞬間、会場が揺れるほどの歓声があがった。

 

「でかしたぁ!!!」

 

「おっしゃあ!!!」

 

「俺達の勝ちだぁ!!!」

 

『タイムアップ!』

 

0ポイントからの大逆転劇。

爆豪達の快進撃を止められるものはいなかった。

結果は1位はもちろん、爆豪チーム、2位がどうしてか分からないが心操チーム、3位は最後の最後に轟チームから1本を奪っていた緑谷チーム、4位がギリギリ持ちポイントの差で轟チームだった。

次の競技が最後。

雄英体育祭は最終局面を迎える。

 

 

 




感想お待ちしてます!
評価も是非!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。