試験が始まって1分がたった頃。
「またまた発見っと!」
『標的発見。ブッコロス』
「ホントに口悪ぃな。作ったの誰だよ…」
敵ロボに悪態をつきながらも、相手に意識を集中させる。
「破道の三十一『赤火砲』!」
手をかざし唱えると赤い玉の様なものが勢い良く飛んでいき、敵ロボを爆発四散させた。
これが所謂、破道で、他にも数多く技が存在する。
「よしっ!調子いいぜ!次行くかぁ!」
そう言ってまた走り出し、フィールドを駆け回り敵を見つけ次第破壊していった。
余談だが…雨梟は普段はあまり自分を主張するようなタイプの人間ではない。
だが、戦闘などでテンションが上がった時や自分の好きなものの事になると少し性格が変わり、激しい部分が出てくる。
少し、二重人格に片足突っ込んでる的な人間だ。
今は少しテンションが上がっている状態である。
余談はここまで。
試験会場では5分が経過していた。
「『赤火砲』!…あれ?何体目だっけか?…ま、いいか!…うん?」
また走り出そうと前を向くと敵ロボが雨梟の方に集まってきているようだ。
爆発などで大きな音が鳴っていたからか、取り囲むように迫ってきていた。
「おおっ!ポイント大量ゲットのチャンスじゃねぇの!やったるかぁ!」
すると雨梟は、回りに敵がいるにも関わらず目を瞑って集中し始めた。
当然、敵ロボは関係なしに雨梟に迫ってきている。
後少しで接触すると言うところで目を開き、能力を解放するための解号を唱えた。
「水天逆巻け『捩花』!」
その瞬間、雨梟を中心に円状に水飛沫が上がり、敵ロボの足を止める。
雨梟は水飛沫が上がったと同時に空中に飛びあがり敵ロボの大群を見下ろしていた。
その手には三ツ又の槍が握られている。
そして…
「行くぜ『捩花』!
雨梟が手に持った捩花を振るうと、水の竜巻が敵ロボを次々と呑み込んでいく。
竜巻が消えると、そこにはバラバラに破壊された敵ロボが辺り一面に転がっていた。
「ふぅー。いっちょ上がりぃ!」
気分の良さそうな顔で額の汗を拭う雨梟。
今でこそある程度使いこなせてはいるが、個性が発現してから約10年間、毎日のように修行を続けてきた。
努力の賜物である。
『残り3分!』
「残り3分か…ん?」
放送で残り時間を聞き、走り出そうとしたところで視界が急に暗くなった。
何かと思って振り返ってみると…
「おいおい…マジかよ!?」
そこには超巨大な敵ロボがいた。
「や、やべぇ!逃げろ!」
「あんなの聞いてないぞ!」
雨梟の近くにいた受験生は巨大ロボを確認した途端にすぐに逃げたした。
「あんなの相手にしてられっかよ!逃げっ!?」
雨梟もそれに続こうと振り返ろうとしたところで巨大ロボの足元で何かを見つけた。
そこには…
「…くっ。いっつつ…えっ?」
足を怪我したのか立ち上がれないでいる少女がいた。
その少女は巨大ロボに気づき上を見上げている。
上を見上げた時にはすでに巨大ロボは足を振り上げ踏み潰さんとしていた。
それに気づいた雨梟は即決で少女に向かって動く。
「『捩花』!
「…っ」
走りでは間に合わないと悟った雨梟は捩花の能力で両足の足元に小さな渦を発生させ、ものすごいスピードで少女に向かって飛んでいく。
少女は目の前には自分の体の何倍もの大きさの足が降ってくると言う現実離れした光景に放心してしまって動けないでいた。
「くっ…!間に合うか?っじゃねぇ!間に合わせる!」
そして、巨大ロボの足が少女を踏み潰す瞬間…雨梟が少女を救出した。
「はぁ…はぁ…!間に…合ったぁ!」
「…っ」
少女は自分が助かったことに気づかず、目を瞑って自分が踏み潰されるのを震えながら待っている様子だ。
そんな少女に雨梟は声をかける。
「よぉ。怪我は無ぇかよ?」
「…へっ?あれ?ウチ助かったの?」
「今気づいたのかよぉ?良く自分の状況を見てみ」
「ん?…っ///お、下ろしてっ!」
雨梟に言われ自分の状況を確認した少女は、急に顔を赤くして暴れだした。
今の状況を説明すると、雨梟が少女を横抱きにしている…所謂、お姫様だっこだ。
別に意識してやっている訳ではないのだが…。
「おー。悪ぃな、今下ろす」
ちなみに雨梟は空に浮いているのを怖がった少女が下ろしてほしいと言ったと思っている。
そして、少し巨大ロボから離れた所に少女を下ろした。
「改めて聞くが…怪我は無ぇか?」
「う、うん!大丈夫!足を挫いただけだから!」
「そうか。なら良かった!」
「あの…助けてくれてありがとう!」
「おぅ!どういたしまして!」
少女から感謝を伝えられた雨梟はしっかりと受け取り、笑顔を向けた。
「…っ!///」
「ん?顔が赤いがどうかしたか?」
「な、何でもない!///」
こんな他愛もない会話をしていると、また視界が少し暗くなる。
気づいて振り向くと足が迫ってきていた。
それを辛うじて避けた2人。
「っぶねぇ!しつこい野郎だな…ブッ壊すか!」
「えっ!?戦うの!?逃げた方がいいって!」
雨梟はムカついているのか戦う気満々のようだ。
少女は止めようとするが止まる気は雨梟にはもう無かった。
「まぁ見てろ。お前は少し下がってな」
「あっ!ちょっ!待ちなって…」
少女の制止を聞かず、雨梟は巨大ロボの方に行ってしまった。
「ちょーっとムカついてっから…大技で行くかぁ!」
(藍染様の力を借りるぜ!まずは…)
「縛道の八十一『断空』!」
雨梟がそう唱えると大きな壁のようなものが現れ、巨大ロボを足止めしている。
巨大ロボは壊そうと攻撃しているがヒビすら入っていない。
「さぁて!ショータイムだぁ!」
巨大ロボが足止めを食らっているのを確認すると、腕を天高く掲げながら詠唱を始めた。
雨梟は人差し指を立てるのを忘れない。
完全になりきっている様子だ。
「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き 眠りを妨げる 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち 己の無力を知れ!」
雨梟が詠唱を唱えるに連れて、霊力が高まり辺りの空気がピリついて行く。
そして…
「破道の九十!『黒棺』!!!」
黒棺を発動した途端、大きな黒い棺の様なものが巨大ロボを呑み込んだ。
中の様子は伺えないが、途轍もない力が収束されたものだ。
そして、黒棺の発動から数秒がたち、巨大な黒い棺の様なものが消えるとそこには…何かに押し潰されたかの様に二回りほど小さくなって動かなくなっている巨大ロボがいた。
「ふっ。他愛もない」
こんなにすかしているが内心はお祭り騒ぎな雨梟であった。
技紹介と雨梟のプロフィールです!
名前・志波雨梟
身長・177cm
個性・霊力
→斬魄刀と破道・縛道が使える。
斬魄刀・捩花 解号「水天逆巻け」
性格・鈍感、ちょっぴり戦闘狂、たまにポンコツ、紳士
技紹介
・潮衝流
捩花の一本槍の方から水でできた竜巻を発生させる。
・嵐揮流
自分の両足の裏に渦を発生させて、空中にとどまったり、飛んだりできる。
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