雨梟は巨大ロボをただの巨大な鉄の塊に昇華させた後、一人悦に浸っていた。
(藍染様コンボ最強かよ!あんなのされたら誰でも諦めるわっ!やべぇ…尊い…!)
そんなアホなことをしているとさっき助けた少女が走り寄ってきた。
「ちょっと!ねぇ!今のってあんたがやったの!?」
「ん?そぉだけど?って他に誰がいるんだよ」
「いや…そうなんだけどさ…」
少女は信じられないと言った様子で驚いている。
まぁそれは無理もないことだ。
なんせ、自分の目の前で起こったことは同い年がやったにしては明らかに異質なものだったのだから。
そして頭を悩ませていると…
『しゅーりょーう!』
試験の終わりを知らせる放送が流れた。
「ん?終わりか。とりあえず行くぞ」
「そ、そうだね!」
そして、一度受験生が集められ、そのまま解散となった。
雄英高校を後にして帰り道を歩いている雨梟。
「はぁ~疲れた。…ん?そう言えば名前聞いてねぇな」
試験の時はお互いに違うことに意識が向いていた為か名前すら聞いていなかった。
唯一、彼女を見て覚えているのは両耳の耳たぶからイヤホンのプラグの様なものが伸びていたことだった。
「…まぁ受かってりゃまた会えんだろ」
そう言って雨梟は再び歩き出した。
・
試験から一週間がたった。
今日、試験の合否通知が送られてくる。
雨梟は部屋で寛いでいた。
その時、自室のドアが勢い良く開いた。
「にぃちゃん!お母さんが呼んでる!行こっ!」
「おー、里鶯か。分かった」
2人は一緒にリビングに向かった。
「母さん。どうしたの?」
「来たわね!届いてたわよ!」
砂雉は1通の便箋をテーブルに置いて見せてくれた。
「おっ!マジか!」
「なになに?雄英から?早く見よー!」
「そうだな!さっそく見るか!」
そう言って雨梟は手に取り封を開ける。
そこには小型のプロジェクターの様なものが入っていた。
紙が入ったいるのだと思ったいた3人は不思議そうな顔でプロジェクターを見つめている。
「なにこれー?」
「間違いなく雄英高校からなのに…合否通知じゃないのかしら?」
「いや、そんなはずはないと思うけど…」
3人が首をかしげながら見ていると、プロジェクターが急に作動した。
『私が投影された!!』
「「「オールマイトォ!!?」」」
そこに映し出されたのはNO,1ヒーローのオールマイトだった。
雄英の手の込んだサプライズかなにかだろう。
さすがのこれには3人とも驚いている。
『ハッハッハ!驚いたかい?志波少年!』
「すげー!オールマイトだ!かっけー!」
「さすが雄英。手が込んでるわね!」
「これ全員に送ってんの!?どこに金掛けてんの雄英は!?」
それぞれ三者三様のリアクションをしている3人。
里鶯はキラキラした目でオールマイトを見ているし、砂雉はなぜか感心しているようだ。
雨梟は驚きながら呆れると言う器用なことをしていた。
『それでは結果を発表しよう!志波少年…筆記は申し分無い!全体的に見ても上位に位置しているよ!』
「まぁにぃちゃんだからな!当然だな!」
「よしよし!可愛いなぁ里鶯は!」
なぜか雨梟ではなく里鶯が誇らしげな様子である。
とにかく可愛いから頭を撫でた。
砂雉は微笑ましそうに見ている。
『続いて実技だが…敵P・52P!さらに!我々が見ていたのは敵Pのみではない!審査制の救助P・40P!合計92P!主席合格だ!おめでとう!』
「うおー!すげーよ!にぃちゃん!主席だって!」
「ふふっ!さすが私の子ね!」
「よっしゃ!」
主席合格を聞いて3人とも喜んでいる。
雨梟は受かっているとは思っていたが、主席だとは思っていなかった様で嬉しそうだ。
『さぁ!来いよ!雄英が君のヒーローアカデミアだ!』
そう言ってこちらに手を伸ばすオールマイトは映像のはずなのに、目の前にはいるかのような迫力があった。
「あぁ!待ってろ!雄英!俺が…行くぜぇ!」
雨梟は少し興奮している様で好戦的な笑みを浮かべていた。
ここがヒーローへの第一歩。
入試を主席合格と言う幸先の良いスタートをきった雨梟であった。
・
月日は流れ入学式の日。
新しい制服に身を包み、玄関で靴を履く。
「それじゃ、行ってきます!」
「にぃちゃん!頑張ってね!」
「行ってらっしゃい。頑張るのよ!」
いつもの様に2人に見送られて家を出る。
今日からは雄英高校に向かうと考えると新鮮だ。
今までとは違う電車に乗って向かい、雄英高校に到着した。
「えーっと。俺は…1年A組か」
門をくぐる前に自分の教室を確認して雄英高校に入り、迷うこと無く1年A組の教室に到着することができた。
「ここか。とりあえず入りますかね…うーっす」
何も気負うことなく普通にドアを開けて入る。
すると、教室の中にいる生徒たちの視線が一斉にこちらを向いた。
それすらも気にすることなく入り、自分の名前がある席に荷物を置いた。
「んーと。顔見知りは…おっ!いたいた!」
試験の時に会った生徒がいるかを確認するために教室内を見回すと、巨大ロボから助けた少女がいることに気づいた。
雨梟はその少女に歩み寄り声をかける。
「よぉ。受かってたんだな」
「あっ!あの時の!」
「おぅ。俺は志波雨梟ってんだ。よろしくな」
「ウチは耳郎響香!よろしくね、志波!」
「そう言えば、怪我は大丈夫だったのか?」
「うん!あの時はありがとう!」
「おぅ。気にすんな。俺が助けたかったから助けただけだしな」
「それでもだよ!」
2人で試験の時のことを話していると、ふと騒がしい連中の声が耳に入った。
声のする方に目を向けると、片方の生徒は机に足をのっけて怒鳴り散らしていて、もう片方の生徒がそれを注意している状態だった。
「ん?…あんだけうるせぇとどっちもどっちだな。ちょっと行ってくるわ」
「あっ…行っちゃった」
雨梟は騒がしい生徒の方に歩いていってしまった。
耳郎が少し寂しげな顔をしたことには気づいていないようだ。
雨梟は騒いでいる2人を黙らせるべく歩み寄り声をかける。
「おい。そこの2人。うるせぇぞ」
「あァん?何だテメェ」
「なんだ君は?俺は注意をだな…」
「いや、だからうるせぇっての。だまっ「あっ!君はあの時の!」ん?」
雨梟が本格的に黙らせようとしたところで、ドアの方から知った声が耳に入った。
「おお。転びそうになってた緑くんじゃねぇか。受かってたんだな」
そちらに顔を向けると、試験の時に転びそうになっていた緑頭のもじゃもじゃくんと、丸顔の少女がいた。
「う、うん!なんとかね!あっ…僕は緑谷出久!よろしく!」
「おぅ。志波雨梟だ。よろしくな」
こうして話していると廊下に誰かがいるのが見えた。
いると言うか床に横になってこっちを見ている。
何かと思って見ていると話はじめた。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」
生徒たちは皆一様に変なのがいると思っていることだろう。
そんな中、雨梟は迅速な対応を見せる。
「不審者…ちょっと先生呼んでくる」
とりあえず先生を呼びに行こうと走り出そうとすると、また話だした。
ってか立ち上がった。
「その必要はない。俺は担任だ」
『担任!!?』
予想外の発言に皆が驚いている。
だがお構いなしに話は続く。
「相澤消太だ。よろしくね。…早速だが体操服着てグラウンドに出ろ」
登校初日からイレギュラーが発生した。
どうなってしまうのか…。
とりあえずグラウンドに向かう。
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