入学初日の授業を終えて、家に帰り日課になっている修行をしている雨梟。
(今日見た感じ、やっぱり中学の時とは全然違ぇな。凄い奴らしかいねぇよ)
今は一段落ついて瞑想しながら考え事をしている。
(俺がもう1つ先に進むためには…やっぱり卍解しかないよな)
実際にBLEACHの世界では志波海燕は卍解を見せていない。
志波海燕は天才だったようなので卍解は会得していたかも知れないが…なにしろ披露はしていない。
(確か…卍解に必要なのは、斬魄刀の『具現化』と『屈服』だったよな。…どぉすりゃいいんだ?)
考えても答えは見つからない。
前世の記憶があるとはいえBLEACHの世界に居たわけではないし、ましてや志波海燕の記憶を引き継いでいる訳でもないのだ。
これ以上考えても仕方ないと目を開き立ち上がる。
「ふぅ~。考えてても仕方ねぇ…休憩は終わりだな」
頭を切り替えて解号を唱える。
「水天逆巻け『捩花』!」
雨梟の手には使い慣れた三ツ又の槍。
「んー。今日は久々にアレやるか!」
雨梟の言うアレとは、簡単に言えば霊力と捩花の出力の底上げだ。
普段は色々な技を小出しにして、数を打っているのだが今日は最大限に練り込み一撃に全てを費やすようである。
「よし!…ハァァァァァァアアッ!!?」
捩花を地面に突き立て、霊力を全力で込める。
だがいつもとは様子が違う。
自分の意思とは別に捩花に霊力を吸われている。とでも言うのか。
(っんだこれッ!?止めらんねぇ!何かに持ってかれ…)
そこで雨梟の意識は途切れた。
「ッはぁっ…はぁっ…はぁっ。こ、ここは…どこだ」
意識を取り戻した雨梟は慌てて辺りを見渡す。
一面に広がる光景はさっきまでいた場所とは似ても似つかないものだった。
「水?なんだここは…」
雨梟がいるのは足の踝辺りまで水が張ってあり、遠くを見ても果てがない空間みたいだった。
それ以外はなにも情報を得ることができない。
そして、雨梟が考えながら辺りを見回していると突然、背後から声がかかった。
「この世界に客人とは…何百年振りだろうねぇ」
「っ!?誰だっ!?」
(なんだなんだなんだっ!?全く気配に気づかなかった…!)
雨梟が慌てて声の聞こえた方に振り替えると、着物を着た見た目20代後半くらいの女性が立っていた。
「おや?アンタはあの時の…いや、違うみたいだ。雰囲気が全然違うね」
「…」
(なんだ…この感覚は…初めて会ったのに…っ!?)
「お、お前っ!もしかして…『捩花』なのか…」
雨梟は思考を巡りに巡らせ、たどり着いた1つの答えを確認すべく恐る恐る聞いた。
すると…
「なぁんだ…やっぱりアンタがアタシの所有者なんだね。…そうさ。アタシは『捩花』だよ」
「マジかよ…!」
雨梟は驚きを隠せないでいる。
自分がこの領域に足を踏み入れようとしていることに、ひどく驚愕していた。
「分かってると思うけど…アンタには資格がある」
「あ、ああ!俺と戦ってくれ!」
「ふふっ。良い顔するじゃないか。相手になるよ」
こうして、次のステージに上がるための戦いが始まった。
・
「はぁ…はぁ…!まだ…まだぁッ!」
「ア、アンタ!流石に諦めが悪すぎるよ!」
捩花との戦いが始まって数時間…いや、数日がたった。
実際にはもっと長い時間が過ぎているかもしれない。
それほどの間、休むことなく戦いを続けているのだ。
「俺はっ!護るための力が欲しいっ!俺の力で1人でも多くの…1つでも多くのモノを護りてぇ!…だから諦めねぇ!」
「っ!や、やばっ!?」
雨梟の気迫に一瞬気圧された捩花は少し行動が遅れた。
「おォォッらァッ!」
そこを見逃さず突進して行く雨梟。
捩花は一瞬遅れはしたもののすぐに立て直し向かい打つ。
「ふんっ!甘いよ!…えっ?」
「やぁっっっと掛かった!『
捩花が雨梟だと思って攻撃したのは水に映った偽者の雨梟だった。
一瞬の隙をついて、裏をかいたのだ。
「もらったぁ!…はぁ!?」
「だから甘いって言ったのに…これで今度こそ終わりよ!」
裏をかいたつもりの雨梟が攻撃した捩花は水になって消えてしまった。
いつ入れ替わったかは分からないが、分身体だったのだ。
そして、背後に現れた捩花が槍を振るいとどめをさす。
だが…
「残念…ハズレだ!『
「う、うそっ!?さらに裏をっ!?」
攻撃を受けた雨梟がモヤのように消えて行く。
さすがにこれには反応できなかった捩花。
裏の裏の裏をかかれた。
「これで終わりだ!」
「くぅっ…!」
「俺の…勝ちだな!」
倒れた捩花に槍を突きつける雨梟。
ここに勝負は決した。
「…そうだね。アンタを…認めるよ」
「『アンタ』じゃねぇよ。俺は『雨梟』だ。これからも宜しく頼む」
倒れた捩花に向かって手を伸ばしながら雨梟は言った。
「ふふっ。こちらこそ…雨梟」
そして、捩花は笑みを浮かべながら手を取り立ち上がった。
「さっそくだが教えてもらえるか?」
「分かったよ。それじゃあ雨梟の持ってるアタシを貸してくれる?」
「ん?ああ。何をするんだ?」
「同調させるの。具現化したアタシと武器であるアタシを」
そう言うと、手に持った捩花が急に光を放つ。
とっさに目をつぶり、光がおさまったのを確認してから目を開ける。
「はい。これで終わりよ。持ってみれば分かると思うから」
「うん?何も変わって…っ!?」
見た目が何も変化していないのを不思議に思いながら受けとると、情報が直接体に染み込んで行くような感覚に襲われる。
「…これが、捩花の真の姿か」
「1つだけ注意しておくけれど…力の制御がちゃんとできるようになってからじゃないと1発攻撃を撃って動けなくなるから気を付けるのよ」
「…分かった。気を付ける」
まさに、緑谷のワンフォーオールと同じ様な状態だ。
使い方を間違えると大惨事になってしまう。
「それじゃそろそろ帰りなさい」
「ああ。そうするよ」
「それじゃ目を瞑って。目を開けたら向こうに戻ってるからさ」
言われた通りに目を瞑る。
すると、意識が離れていく感覚に襲われる。
「…ん。…戻って来たのか」
意識が覚醒して起き上がり回りを見ると元いた場所に戻ってきていた。
雨梟の手にはしっかりと捩花が握られている。
「…もっと強くならねぇとな」
雨梟が改めて自分のこれからすべきことを再確認していると、里鶯が呼びに来た。
「にぃちゃーん!夜ご飯だよー!早く行こー!」
「ああ。今行く」
(ん?ってか結構長い間向こうにいた気がするけど…全然時間はたってないんだな…)
「にぃちゃん!早くー!」
「分かった分かった。ほれ、行くぞー」
次のステージに足を踏み入れた雨梟。
これからは力の制御をメインに修行をしていくことを決めたのだった。
技紹介
・映雨
相手の認識を鈍らせ、水に映った自分を本物だと認識させる。
・蜃気露雨
水分を操作して偽者の自分を作り出す。
他にも物なども再現可能。
卍解は習得しましたが、まだ出しません!
使うべき時がきたら使うのでお待ちを!
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