死神のヒーローアカデミア   作:icy tail

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第7話

雄英高校の敷地内に敵が乗り込んできた。

詳しい目的は分からないが、どうやらオールマイトを探しているみたいだ。

 

「敵!?バカだろ!?」

 

「ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

敵が乗り込んできたのに、センサーも作動していない。

相手側に阻害している個性持ちがいるのだろう。

それにしても、できすぎた犯行だ。

用意周到に計画されていたとしか考えられない。

雨梟は誰かが言った言葉を否定する。

 

「いや、これは考えなしの犯行じゃねえよ」

 

「ああ。何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

理解している者も何人かはいるようだ。

そんなとき、相澤先生が13号に生徒を任せ一人で敵の方に飛び込んでいった。

個性を消す個性。

多対一では機能しないと思っていたが、さすがプロ。

立ち回りが非常に上手い。

だが、いくら強いと言ってもいつまでも一人でと言うのはさすがに無理がある。

 

(確かに先生はすげぇ…だが、あの脳みそのヤツ。アイツの雰囲気は特にやべぇな…)

 

雨梟が考えを巡らせている間、回りの生徒は相澤先生の戦いに目を奪われていたが、13号に急かされて入り口の方へと向かおうとした。

だが…

 

「させませんよ」

 

急に目の前に黒いモヤが発生したかと思うと、モヤが人型になっていった。

雨梟は考えられる最悪の可能性に行き着いてしまったようだ。

 

(最悪だ!黒いモヤは個性…ってことはコイツが俺たちの前に現れた意味…)

 

そう、目の前に急に現れたのは人間だ。

他の生徒達が急に現れた敵に驚いているなか雨梟は頭をフル回転させる。

 

「初めまして我々は敵連合。せんえつながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは…平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

(大量の敵…広いフィールド…ワープの個性………っ!!)

 

雨梟の思考が1つの結論へと行き着いた。

だが、少しだけ遅かったようだ。

敵の個性が発動されたのと、雨梟が叫んだのがほぼ同時。

 

「これに伴った私の役目はこれ…」

 

「散らされんぞ!!一人になんな!!」

 

「分かった所でもう遅い!散らして嬲り殺す!」

 

敵の個性が発動すると、複数の生徒たちを黒いモヤが呑みこんだ。

その黒いモヤが晴れたときには呑み込まれた生徒はいなくなっていたのだった。

雨梟の姿もそこにはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水難ゾーン。

雨梟はここに飛ばされた。

絶賛落下中である。

 

「うおっ!?す、水天逆巻け『捩花』!嵐揮流!」

 

驚きはしたものの、咄嗟に捩花を顕現させ空中にとどまった。

 

「危ねぇ…ん?」

 

急に悲鳴の様なものが耳に入り辺りを見回すと、落下する人影が3つ。

雨梟は水に落下する前に助けに向かった。

 

「よっ!ほいっ!ラストっ!」

 

無事に3人を回収して、近くにあった大きな客船に着地した。

 

「ありがとう志波くん…」

 

「ありがとう志波ちゃん」

 

「サンキューな!」

 

「おうよ。デクと蛙吹と…峰田?」

 

「合ってるわ。でも梅雨ちゃんと呼んで」

 

「なんかオイラの扱いだけ酷くね!?」

 

「梅雨ちゃんな。了解。峰田は…冗談だ」

 

少し気の抜ける会話をしたあとに、緑谷の意見で状況の確認をした。

結論は、自分達でこの窮地を抜け出すことだ。

峰田が騒いでいるが取り敢えず無視をして話を進める。

 

「下の連中は水中戦を想定してるよね」

 

こんな話をしているが、船の下には敵がこちらに睨みを効かせているのだ。

このUSJの設計を把握した上で人員を集めたのは容易に想像できる。

だが、おかしい部分もある。

 

「そうだな。だが…この水難ゾーンに俺と梅雨ちゃんが飛ばされたってことは…」

 

そうなのだ。

水中戦のスペシャリストと言っても過言ではない二人が水難ゾーンに飛ばされている。

個性が割れていないのは大きなアドバンテージになる。

 

「私たちの個性までは把握できてないってことかしら?」

 

「エサクタ!正解だ!」

 

その後、それぞれの個性を詳しく聞いた後に作戦を考えていると急に大きく船が揺れた。

 

「っ!おい!大丈夫か!?」

 

「大丈夫よ。それにしてもすごい力…!船が割れたわ」

 

「このままじゃ…」

 

敵の攻撃で船が割られてしまったのだ。

動かない雨梟たちにしびれを切らしたのか、船を沈めて水中に引き込むつもりらしい。

 

「じれったいだけだ。ちゃっちゃと終わらそう」

 

「船が沈むまで一分もかからねぇ…水中に入りゃ100%俺らの勝ちだ」

 

ブチッ

 

敵の放った言葉に大きく反応した人物が一人。

 

「…水中に入りゃ100%勝てるだぁ!?ちょいと舐めすぎじゃあねぇの!?」

 

雨梟だ。

自分の個性に自信を持っている雨梟に今の言葉はまずかった。

 

「し、志波くん!?」

 

「久々にキレちまいそうだぜぇ…!」

 

ちまいそうって言うかもうキレてます…

 

「落ち着いて志波くん!気持ちは分かるけど!」

 

「大丈夫だデク!俺は最ッ高に冷静だぁ!」

 

「絶対嘘だ!?」

 

「嘘ね」

 

「ウソだな」

 

誰が見ても分かるほどにキレている雨梟。

これには3人とも声を揃えてしまった。

 

「作戦決まったぞデク!」

 

「えっ?はい!?」

 

「俺が下のやつらを蹴散らす!それと同時に梅雨ちゃんがデクと峰田を連れて飛ぶ!俺が3人をキャッチして終わりだ!」

 

「そ、それ作戦って…」

 

「分かったわ」

 

「つ、梅雨ちゃん!?」

 

「時期に船は沈むわ。考えてる暇はないもの」

 

「よっし!決定!んじゃ行くぜ!」

 

雨梟の熱望により、作戦?が始まった。

 

「水天逆巻け『捩花』!嵐揮流!」

 

雨梟は捩花を顕現させ、船から飛び出した。

空中に浮かびながら敵を見下ろす雨梟。

 

「やっと出てきやがった」

 

「どうせ死ぬんだから早くしろよな」

 

ブチブチッ

 

「イライラさせるのが上手いねぇ!寄せ集め集団のクセによぉ!」

 

好き勝手言ってくる敵にイライラが加速していく。

雨梟が皮肉のように言った言葉を聞いて敵も殺気だっている。

 

「悪ぃがストレス発散にでけぇのブチかますぜ!」

 

敵は圧倒的に有利だと思っているが、雨梟を怒らせた時点で詰んでいる。

誰もそのことに気づかないが…

 

「ハァァァァッ!!!」

 

雨梟は捩花を構えて、霊力を高めていく。

そして…

 

大荒渦威(だいこうかい)!!!」

 

雨梟が捩花を振るうと、巨大な渦が発生し敵を呑み込んでいく。

敵が水中戦を得意としていたとしても抗いようのない規模だ。

 

「梅雨ちゃん!!!」

 

「ケロッ!」

 

敵が完全に呑み込まれたのを確認した雨梟は蛙吹に呼び掛ける。

それを聞いた蛙吹が渦に呑み込まれる寸前の船から緑谷と峰田を舌で掴んで思いっきり飛んだ。

 

「キャッチ!…成功だ!オラァッ!」

 

無事に3人を回収した雨梟が雄叫びをあげる。

 

「す、すごい…!」

 

「とりあえず第一関門突破ね。ありがとう志波ちゃん」

 

「志波かっけぇ!」

 

窮地を乗りきり陸に上がった4人はハイタッチを交わす。

その後ろでは渦で中心に収束された水が打ち上げられ、巨大な水飛沫が上がっていた。

これにて水難ゾーン決着。

 

 

 

 




技紹介
・大荒渦威
巨大な渦を発生させて敵を呑み込む。
最終的には収束した水が打ち上げられて大きな水飛沫が上がる。



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