次の日。俺達はグレモリー家の広い庭の一角に集まっていた。俺を含めた全員が動きやすい服装のジャージだ。
庭にはテーブルと椅子が置かれて、修行開始前のミーティングが行われようとしていた。
「あー、先に言っておくぞ。今から俺が言うものは将来的なものを見据えてのトレーニングメニューだ。すぐに効果が出るやつもいるし、長期的に見ないと行けない奴もいる。ただ、お前らは成長中の若手だ。方向性さえ間違え無ければ、必ず大きく成長するだろう。さて、まずはリアスからだ」
伝えられる順番は部長からだ。
「お前は、この紙に記してあるトレーニング通り、決戦日直前までこなせ」
「……これって、特別すごいトレーニングメニューとは思えないのだけれど?」
部長は資料に目を通しながらアザゼルに聞く。
「そりゃそうだな。基本的なトレーニング方法だからな。お前はそれでいいんだ。全てが総合的にまとまってる。だからこそ、基本的な練習だけで力が高められる。だが、お前はグレモリー眷属の王だ。王に求められるのはその場その場の状況を的確に分析する判断力、苦境を打破する思考力、そして機転だ。眷属の持ち味を活かすも殺すもお前次第なんだよ。活かすため、眷属の力を最大限に引き出すようにするのがお前の仕事だ。ただ、これも覚えておけ、実際のゲームでは何が起こるか分からない。戦場と同じだとな」
「はい!」
部長は返事をする。なるほど、レーティングゲームではという事か。戦場ではルールはないがレーティングゲームとなれば話は変わってくる。だが、何が起こるか分からないという点では戦場と変わらない。その中でどうするかをどう眷属を活かすかそれが王に求められる力というわけか……大変そうだな。
「次に朱乃」
「……はい」
アザゼルに呼ばれたが、副部長の機嫌は良くない。アザゼルが苦手みたいだが……、まぁあの人絡みだろうな。
「お前は自分の血を受け入れろ」
どストレートに言ったな。副部長は顔をしかめているな。
「フェニックス家の一戦を見たが、なんだありゃ。本来のお前の力なら、敵の『女王』を苦なく倒せていたはずだ。なぜ、堕天使の力を使わなかった。雷だけでは限界がある。光を雷に乗せ、雷光にしなければ……お前の本当の力は発揮されない」
悪魔が相手のレーティングゲームなら、堕天使の光の力は有効だ。使えるなら有効に使うべきだ
「……私は……あのような力に頼らなくとも」
「否定するな。自分を認めなくてどうする?最後に頼れるのは己の体だけだぞ?辛くとも苦しくとも受け入れろ。決戦の日までに乗り越えて見せろ。でなければ、お前は今後の戦闘で邪魔になる。《雷光の巫女》になってみせろ」
「………」
アザゼルの言葉には応えなかったが、やらないといけねぇという事はわかっているみたいだな。まぁ、壁を超えるかは副部長次第だろうな。
「次は木場だ」
「はい」
「お前は禁手の維持時間をまずは一日保たせてみろ。次は実戦形式で一日保たせる。ここれを繰り返して時間を伸伸ばすのが目的だ。あとはリアス同様に基本トレーニングだな。剣術は……師匠にもう1度習うだったな?」
「ええ、一から指導してもらう予定です」
木場は大丈夫そうだな。俺から見ても真面目だから安定して伸びるだろう。
「次がゼノヴィア。お前はデュランダルを今以上に使いこなせるようになるのと、もう一本の聖剣になれてもらうことにある」
「もう一本の聖剣?」
「ああ、ちょいと特別な剣だ」
デュランダルに新たな剣か……どんな剣だろうな……
「次にギャスパー!」
「はいいい!!」
ギャスパーはビクンと跳ね上がる勢いで返事する。
「お前は専用の『引きこもり脱出計画!』なるプログラムを組んである。そこでまずは真っ当な心構えを出来るだけ身につけるところからだ。全てをこなせればいうことはないが、まずは人前に出ても動きが鈍らないようにしろ」
「はいぃぃぃっ!当たって砕けろの精神でやってみますぅぅぅ!」
意気は認めるが、砕けんなよ?
「次にアーシアだ」
「は、はい!」
「お前も基本的なトレーニングで身体と魔力の向上。そしてメインは神器の強化にある」
アーシアの神器の回復は瀕死の重傷でも治せる程の力がある。回復速度も遅いというわけでもなく、スピードは速い方だ。アザゼルもそれを理解していないわけじゃない。つまり強化の方向性は
「もしかして、アーシアの神器は範囲を広げられるの?」
「回復の範囲を広げると言う強化か?」
俺と部長がアザゼルに聞くとにやけるアザゼル
「ご名答だ、リアス、雄真。こいつは裏技みたいなのだが真骨頂は効果範囲の拡大にある。そして、そこから導き出す可能性は回復のオーラを飛ばす力だ」
「それは、ちょっと離れたところにいる人へ、私が回復の力を送るということですか?」
「ああ、直接飛ばす感じだな。直接触れなくても回復ができるようになる。直接触れて治すより多少はパワーが落ちるだろうが、遠距離で回復が出来れば戦略の幅が広がる。後衛でアーシアと護衛する奴を配置して、前線に一人二人を飛び込ませることが出来れば、理想的なフォーメーションだな。あとは、アーシアの体力勝負だな。基本トレーニング、ちゃんとこなせよ」
「は、はい!頑張ります!」
なるほど……悪魔も治す力もある神器……それはこのチームの特徴的な持ち味となるだろうな。
「次は小猫」
「……はい」
相当気合が入っている様子だな……。空回りしないといいんだけどな。
「お前は申し分ないほど、オフェンス、ディフェンス、『戦車』としての素養を持っている。身体能力も問題ない。だが、リアスの眷属には『戦車』のお前よりもオフェンスが上の奴が多い」
「……わかってます」
「なら、言うことは分かるな?朱乃と同じで、自分を受け入れろ。じゃねぇと大きな成長なんて出来やしない。やるべき事は基礎の向上と自分を受け入れることだ」
「……」
アザゼルの言葉に小猫は何も答えない。何かを抱えた連中が多いな……乗り越えるのは当人次第というわけか。
「だいじょうぶ。小猫ちゃんなら、ソッコーで強くなれるさ」
「……そんな、軽く言わないでください……」
赤龍帝が怒られたな。それほど、自分を追い詰めているのか?危ないな……
「次はイッセーだな。ちょっと待ってろ。そろそろ来るはずだ」
空を見上げるアザゼル。俺も空を見上げると、でかい影が空に合った。地響きと共に目の前に飛来してきたそれを見る。間違いない、ドラゴンだ
「ドラゴン!」
「そうだ、イッセー。こいつはドラゴンだ」
「アザゼル、よくもまあ悪魔の領土に堂々と入れたものだな」
巨大なドラゴンは口の端をつり上げていう。
「ちゃんと魔王様の許可を取って入国してるから良いんだよ。文句あるのかよタンニーン」
「ふん。まあいい。サーゼクスの頼みだというから特別に来てやったのだ。その辺を忘れるなよ、アザゼル」
「ヘイヘイ。てなわけで、イッセー。こいつがお前の先生だ」
イッセーの先生はドラゴンか……禁手に至るにはいいかもしれないが……大丈夫か?
「久しいな、ドライグ、ゼローグ。聞こえているのだろう?」
タンニーンが俺達に話しかけてくる。すると、右腕が紫に光ると、黒天龍王の破衣が出現した。
『ああ、懐かしいな、タンニーン』
『久しいな、タンニーン』
それから龍の話は続いた。タンニーンは元・六大龍王の一角を担っていたが、悪魔になったために、五大龍王となったらしい。今では転生悪魔最強クラスで、最上位悪魔というわけだ。
「実践方式。なるほど、イッセー頑張れよ」
「ドライグを宿すものを鍛えるのは初めてだ」
『手加減してくれよ、タンニーン。俺の宿主は想像以上に弱いんでな』
「死ななければいいのだろう?任せろ」
あっ、イッセーの顔が絶望してら……。アザゼルは頷いているし……
俺は合掌をとりあえずしておくか。
「最後に雄真」
「おう」
ついに俺か……予測するなら、基礎向上のトレーニングだろうな。
「お前は基礎の向上だな。それをしておけば伸びるだろ。あとは、実践方式だな……。ちょうど良さそうなやつを探しているが、まだ見つからなくてな。しばらくはタンニーンに鍛えてもらい、イッセーの対人の相手になってくれ」
想像以上にやばそうなことになった……大丈夫か?俺と赤龍帝
ヒロイン本当にどうしよう……
ヒロイン誰にするか
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