ハイスクールD×D ゼロの名を持つ龍王   作:皐月の王

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第20話

オカ研メンバーが全員退出したのを確認して、俺は二人に例のアスタロト眷属全員の経歴書のコピーを渡した。

 

「これって……」

 

「眷属全員が元シスターか、中々の趣味してやがるな。アーシアに求婚したのは愛しているからではなく、単に自分の所有物にしたいからってことか」

 

「それもあるとは思うんだが……」

 

「……?何かあるの?」

 

「……これは俺の推測だと思って聞いて欲しい。部長さん、確かアーシアは傷付いたディオドラを癒した事で教会、というより天界に警戒されて追放されたんだよな?」

 

「ええ、そうよ。追放されたアーシアと友達になったイッセーと私達グレモリー眷属が、アーシアの神器を狙って暗躍してた堕天使レイナーレの一党を滅した事で事態は収束した……のだけど、アーシアは神器を一度抜かれて死んでしまったの。そこを私が僧侶として転生させた形になるわ」

 

「……成る程な。雄真、お前の言いたい事が分かった。確かにそういうシナリオだったとしたら会談と若手悪魔の会合が終わったこのタイミングで接触してきた事にも頷ける」

 

「アザゼル、何が分かったというの?」

 

そこからは再び俺が引き継ぐ。

 

「……もし傷付いたディオドラがアーシアの前に現れた事からの全てが、奴のシナリオ通りだったとしたら?」

 

「!?まさか……アーシアを異端にして追放、いえ、身寄りの無くなった彼女を眷属にする為にわざと自分を傷つけてアーシアの前に現れたというの!?」

 

「正しくは殺された、な。ディオドラはアーシアの神器にはきっと興味は無く、堕天使レイナーレに神器を抜かせて彼女が死んでから悪魔の駒で無理矢理転生させるつもりだったんじゃないか……と俺は考えてる。だけど部長さん達がアーシアを救ったことで計画が頓挫したもんだから、次のレーティングゲームでは強硬手段に出ようとしてるかもな。オーフィスの『蛇』でドーピングをしてる可能性も高い……アイツ、マジで稀に見る『真っ黒』だよ」

 

「……許さない!!アーシアの優しさを弄んだ事、必ず後悔させてあげる!!」

 

「ゲームステージの警備を強化するように俺からも通達しておく。リアス、お前さん達眷属は全力でアーシアを守れ」

 

「無論よ。アーシアは……私の妹は、必ず守るわ!!」

 

部長さんは拳を強く握り誓うように言った。

 

――――――――――――――――

 

情報を共有をしてから暫くして、再び部の全員で冥界に訪れていたのだが……

 

『……かつて騎士王と縁を交わした赤き竜の帝王たる貴様が、まさか『乳龍帝』とはな。また随分面白い渾名を付けられたものだな、ドライグよ』

 

『笑い事じゃねぇよ!!!赤龍帝と呼ばれ多くの者に畏怖されたこの俺が……うっ、うぉぉおおおんっ……!!』

 

うわっ、ガチ泣きじゃんか……俺は赤龍帝ドライグと親しくはないがこればっかりは同情する。てかゼローグ、お前自分の宿敵の一角がここまで不名誉な名前で呼ばれているのに思うところは無いのか……?

 

「本当に俺、冥界の子供達から人気あったんだな……いやぁ気分が良かったぜ!そういや雄真はインタビュー受けなかったのか?」

 

「いや、俺は悪魔じゃねぇし。誰かの眷属でもないしなるつもりもないからな」

 

そう、俺は今回護衛として付き添ってここまで来たのだ。まぁ、一誠に向けられた喧しいまでのコールには頭も耳も痛くなる思いをしたが。ゼローグはドライグを嗤い、俺は彼に同情する。

 

……四天龍の関係性的に、容認して良い図式なんだろうか?

 

「でもよ、雄真は黒天龍王で色々知れ渡っているんだろ?」

 

「まぁ万事屋として裏処理や家事育児、執事業とか様々な仕事はしてきたけどよ、態々それを表舞台に出そうとする奴なんていないだろ?」

 

「でもよ、この間サイン書いていただろ?」

 

「……それがどうした」

 

「あ、貴方が黒天龍王でしょうか?」

 

眼鏡をかけた女性悪魔が一誠の後ろから俺に声を掛けてきた、そしてその悪魔を皮切りに俺の、正しくは黒天龍王のことを知っているファンが殺到してきた。

 

対応が忙し過ぎて途中から頭が真っ白になりかけたな……程々に離れて見てようとしてたのにまさか巻き込まれるとは微塵も考えていなかった。予想外もいいところだ、十七年生きてきて様々な事を経験してきてるが、今日という日を俺は嫌な意味で忘れないだろう……

 

―――――――――――――

 

「次の作戦が決まったぞ、雄真」

 

「……かなりの賭けになるな、これ」

 

俺はアザゼルをマンションに招き入れて話している。恐らくグレモリーとアスタロトの一戦、禍の団(カオスブリゲード)の襲撃があるとしたらそこにしかないだろう。そこで、部長さん達グレモリー眷属を囮に使い、残りの旧魔王派の残党を全て燻り出す。

 

「旧魔王派が各地で悪さしてたのは把握してたがこの前の会談以降で残党は随分と減った。今回で全て狩り尽くす、アイツらにはその為に泳いで貰う。

 

……勿論アイツらの師として、状況は逐一把握する様にはするさ。お前が持ってきてくれた情報のこともある、各勢力にこの情報は共有して一気に叩く!って訳なんだが、サーゼクスの奴を説得するのには随分苦労したぜ。まぁ、何かあれば俺の首と引き換えになるかもだが、リアスにもそれは伝えているとはいえどうなるかだよな……」

 

「……珍しいな、あんたが後ろ向きなんて」

 

「おいおい、堕天使総督だって不安はあるんだぜ?ましてや同盟相手の妹を餌にして危険に晒してんだからな、こっちも命くらいかけねえとよ」

 

「……分かった、そういうことなら俺からは何も無いよ。部長さん達がピンチになったら俺が行けば良いだけだからな」

 

「悪いな、苦労させる」

 

「もう慣れた、けど今回の調査は二つの世界を行ったり来たりでまともに寝れなくて流石に疲れたからな。少し位休暇が欲しいもんだよ……ったく、学生になんてならなければ好きに休めたってのに……」

 

そう言いつつアザゼルを睨む。

 

「ははは、今回の件が終わったら1週間位休めるように学校側には手続きしとくからよ、この後も頼んだぞ!」

 

「ったく、その言葉信じて良いんだろうな……?」

 

「まぁ、今回はオーディンの爺さんも味方として参加してくれるからまぁ何とかなるといえば何とかなるだろ」

 

「主神オーディンが来るってことは……アイツも来るのか」

 

「かもな。蒼天龍姫…アリシア・フルーディル、勿論調べたんだろ?」

 

無論、知り合いのツテも使って調査はした。相棒の対をなす龍を宿しているのだから……だが、

 

「基本的なパーソナルデータの他はあまりわからなかったんだよな……

 

アリシア・フルーディル。身長160cm体重44kg、歳は17、普段は北欧を拠点にしていることしかわからなかったな。それ以前の情報が抹消された様に真っ白だ。ヴァーリの時も大抵探るのが難しかったがこいつはそんな次元じゃない、最初っから無いんじゃどうしようもない。禍の団(カオスブリゲード)が北欧を襲撃した際に、ヴァーリと戦って惜敗したって情報が最新だな」

 

「流石に爺さんの隠し玉って所か?だが、あの時は普通の人間と何も変わらない気配しか感じなかった、俺にまでオーラや気配を全く悟らせないとは……『無力な殻』、これは大層厄介そうなものを抱えていると見たぜ」

 

アリシア・フルーディルに関する情報はほぼ皆無に等しく、その実態は未だ謎に包まれている。何が出来るのか、何を考えているのかが全く分からない。

しかし、忘れられない。あの時の俺を見つめた、見透かすようであり、飲み込むようでもあったどこまでも深く蒼い瞳を、俺は忘れることが出来なかったのだ。

 

―――――――――

 

アリシアsaid

 

これからとっても面白そうな事が起きそうな予感がする、「禍の団(カオスブリゲード)」の旧魔王派がディオドラ?って悪魔と手を組んで何か悪さをするみたいなの。それを止めにおじいちゃんとロスちゃんが行くみたいだったから、私も着いてくことにした。

 

「お主も来てくれたか」

 

「勿論!面白そうなことが起きそうでワクワクしてるのに、見学なんてつまんないって!」

 

「もう、遊びじゃないんですよ?と言っても聞きませんよね……」

 

「あはは、分かっちゃう?」

 

「ええ、何年の付き合いだと思っているんですか……貴方の無茶な研究や実験の協力をしているのは私ですよ!?」

 

そうだね!手伝ってくれる時はいつも甘えちゃうし、ホントありがとね!

 

「一昨年は、ヨルムンガンドとニーズヘッグの毒を摂取して毒耐性得ようとかは考えた時はヴァルキリー一同ドン引きしていたんですよ!?」

 

「神は大抵人間とは視点や価値観が異なる故、面白いと興味を示していた神々も少なくなかったが流石の儂も正気を疑ったぞ、あの時は」

 

えー?そんなに可笑しいことなのかな?まぁいいや、そろそろ時間だろうし、そのお説教はまた今度ということで!

 

「じゃあ、私とおじいちゃんがグレモリー?のところ行くから、ロスちゃんは向こうよろしくねー!」

 

「アリシアもオーディン様もご武運を!」

 

ロスちゃんは一礼をしたあとに別の場所に向かう。

 

「シェリアス、遊びの時間だよ♪」

 

『分かったわ、程々にねアリシア』

 

優しい声でシェリアスは程々と言ってくる。それじゃあ私が普段から程々じゃないみたいじゃ……まぁそうかもだけどね。

 

「では、行くとするかのう」

 

おじいちゃんのその一言と共に、私達は今回の遊び場に足を踏み入れた。

 




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