ハイスクールD×D ゼロの名を持つ龍王   作:皐月の王

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えー、皆さん2年ぶりですね!
はい、すみませんでした!!!

体育館裏のホーリー最終回です!


第24話

暫くすると、一誠が目を覚ました。

 

部長さん達は矢継ぎ早に抱きついている、一先ず事態はこれで終息したと見ていいだろう。

 

俺はオカ研の皆とは離れた位置、ヴァーリ達の近くに立っていた。

態々感動のシーンを台無しにするつもりも無い、何より

 

「あいつ、やっと目覚ましたか……ハァー……ハァー……」

 

「……今回は随分と消耗が激しい様だな、雄真。先程より顔色が明らかに悪いぞ?」

 

「言って、くれるな……俺の『覇龍』は、お前が使う場合とは全然勝手が、違うんだよッ……魔力に加えて体力も精神力もバカみたいに消費する癖に、解除後も暫くは栓がぶっ壊れたみたいに、魔力が垂れ流しになっちまう……今はそこまで長く続かねぇけど、回復もまともに出来ないんじゃ、こうなるっての……」

 

所々、息を荒くさせながら毒付く。

 

未だ視界から消えることの無いノイズを消そうと、頭を振る。ヴァーリはそれを見て肩を竦ませながら、一誠の方に歩いていった。

 

それを見届けると、いい加減立つのもしんどくなってきたので、近くの岩に座った。

 

「ったく……今回ばかりはマジに疲れたな……」

 

「雄真!」

 

するとヴァーリとの会話を一先ず終えたのか、一誠が話しかけてきた。

 

「ありがとな、俺を止めてくれて」

 

「……いいや、最後の決め手はヴァーリと部長さんだ。俺は時間稼ぎをしただけだ、特段何かしたわけじゃ、無いさ」

 

「小猫ちゃんから聞いたぞ……お前も『覇龍』を使って部長達を守りながら俺の事止めてくれたって……!」

 

……全部言ったのか、まぁ口止めも何もしてなかったしそれもそうか。

 

「……今の俺は万事屋であると同時に、お前達の護衛だ。それに支障をきたすのなら、多少無茶してでも何とかするのが、俺の仕事だろ?……だがアーシアの件に関しては事前に想定してたってのにこの体たらくだからな、職務怠慢もいい所だ、言い訳も出来ねぇよ……」

 

疲労を隠すのも億劫になり、溜息混じりに言った。

 

「……ヴァーリも世話になったな。今回ばかりはマジで助かったわ」

 

「……たまにはいいだろう。それよりも二人とも、そろそろだ。空中を見ろ」

 

「空中?何が?」

 

「よく見ておけ、兵藤一誠。逢坂雄真。あれが俺が見たかったものだ」

 

空中に巨大な亀裂が奔り、それは巨大な裂け目となって穴が空いた。

 

そこから、タンニーンも遥かに超える巨大なの真紅のドラゴンが、雄大に羽ばたきながら出現した。

 

……そうか、あれが伝説の、

 

「赤龍神帝、グレードレッドか……」

 

「ああ、『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン) 』グレードレッド……黙示録に記されし真龍とも呼ばれる龍の中の龍、『D×D(ドラゴン・オブ・ドラゴン)』だ。次元の狭間を住処とし、悠久の時をそこで過ごしていると言われている」

 

ヴァーリは一誠に説明していた。

 

そう言えば以前、ヴァーリが言っていたな。いつの日か、倒したい奴がいると。そんな過去を思い出している時に

 

「俺はいつの日かあれを倒し、『真なる白龍神皇』になる。それが俺の夢だ。赤の最上位がいて、白だけ一歩手前止まりは面白くないだろう?だから、俺がなるんだ」

 

「……ヴァーリらしい夢だな、相変わらず」

 

思わずそう呟いていた。ベクトルは大いに違えど、一誠にも叶えたい夢がある、ヴァーリにもだ。オカ研やヴァーリチームの皆にも、多かれ少なかれ夢があるのだろう。

 

ふと、自分を見返した時に鼻で笑いそうになる。

 

(無いな……俺に、夢なんて物は)

 

今迄独りだった為、生きる事そのものに苦心してきた。

 

そして虐げられない為に、逆境に抗う為に力を求め続けた俺には、命を、その人生を懸けてまで叶えたい『夢』というものが無いのだ。

 

(……いつか見つけられるだろうか。こんな俺にも)

 

そう、思考を落とそうとした時

 

「グレートレッド、久しい」

 

黒髪ワンピースの少女……オーフィスがいつの間にか側に居た。オーフィスは指鉄砲の構えで撃ち出す構えをして、

 

「我は、いつか必ず静寂を手にする」

 

そうオーフィスが告げるのと変わらないタイミングで、アザゼルとタンニーンが現着した。タンニーンもグレートレッドを見て懐かしさを感じているようだった。

 

「オーフィス、各地で暴れ回った旧魔王派の連中は退却及び降伏した。事実上、旧魔王派は壊滅状態だ」

 

「それもまた、ひとつの結末」

 

……予想通りの反応だ。オーフィス取って最大の目的は次元の狭間に帰ることであり、禍の団はオーフィスをお飾りの神輿として利用しているだけだろう……まあ利用してるのはオーフィスも同じかもしれないが。

 

アザゼルは肩を竦めながら、

 

「お前らの中であとヴァーリ以外に大きな勢力は人間の英雄や勇者の末裔、神器所有者で集まった『英雄派』だけか……それはまぁ、後回しだな」

 

アザゼルは光の槍の穂先をオーフィスに向け

 

「さーてオーフィス、やるか?」

 

臨戦態勢を取るが、

 

「我は帰る。タンニーン、今龍王が再び集まりつつある―――楽しくなるぞ」

 

タンニーンが呼び止めようとしているのを察したのか先手を打って言葉を紡ぎ、今度はこちらを見て、

 

「ゼローグ、また」

 

そう言い残し、オーフィスは消えた。

 

「……俺達もそろそろ退散しようか」

 

ヴァーリがそういうと、アーサーが次元の裂け目を作り出して退散寸前だった。相変わらずの手際の良さだな。

 

「兵藤一誠……俺を倒したいか?」

 

「……倒したいさ。俺が超えたいものはお前だけじゃない、同じ眷属の木場も、ダチの匙も、雄真も!俺には越えたい奴が沢山いる!!」

 

 

「……そうか、俺も同じだ。俺にも戦いたい強者が…知りたい世界の謎が沢山ある。おかしいな、赤龍帝と白龍皇、因縁よりも戦いたい相手が他にもいて、大切な目標があるなんてな……でも、必ずその全てに決着をつける」

 

「いつかは決着つけようぜ。部長や朱乃さんのおっぱいを半分にされたら事だからな!!」

 

「ふっ、やっぱり君は面白いな。強くなれよ兵藤一誠。……お前もだぞ、雄真。俺達の決着は、まだ付いていないんだからな」

 

ヴァーリが俺の方を見て言う。

 

「じゃーな雄真っ、それにおっぱいドラゴン、スイッチ姫!」

 

「スイッ!?」

 

美猴の去り際のセリフに、部長さんが顔を真っ赤に染める。

 

……まぁ、あのコンテンツを見た美猴なら、間違い無くそう言うだろうな。

 

「木場裕斗君、ゼノヴィアさん。いずれ貴方達とも、聖剣使いとして相まみえたいものですね。それでは、ごきげんよう」

 

アーサーがそう言い残し、ヴァーリチームは皆次元の裂け目へと消えていった。

 

「それじゃ、私もそろそろ帰ろうかなー」

 

蒼天龍妃……アリシア・フルーディルも魔女の箒に乗っている剣杖を浮かす。

 

「赤龍帝と黒天龍王の『覇龍』対決も見られたし、グレートレッドにも遭遇出来た、想像を超えた収穫が一杯あったしね」

 

アリシアは心底嬉しそうに言った。

 

「次に会う時は……私とも遊んでくれると嬉しいな?その時迄、もっと強くなっててよね?じゃあまたね、赤龍帝、宿敵(ライバル)君」

 

そう言うと上に展開した魔法陣で転移して姿を消した。

 

……どうやら奴と衝突する時も、そう遠くは無いのかもしれないな。

 

(……かもしれんな。今代でのシェリアスとの戦いは、今迄とは異なる激戦となるだろう。盟友よ、心しておけ)

 

(ったく……俺の休暇は果たしていつになる事やら……)

 

と、内心諦念を抱きながらも黄昏ていると、一誠はアーシアの手を取り、笑顔で言う。

 

「……今度こそ帰ろう、アーシア。俺たちの家へ」

 

「……はい!!」

 

アーシアは涙ながらに、笑顔で答えた。

 

一誠も微笑みを返したと思いきや、その直後に今ので気力も使い果たしたのか、いきなり前に倒れこんだ。

 

(あの、馬鹿が……一番疲れてる俺より先に、寝る奴がいるかよ……)

 

意識が遠くなるが、頭を手で抑えて首を横に振る。

 

「……ユウマ先輩?」

 

するとその様子を見た小猫が、心配そうに俺の傍に寄ってきた。

 

「あぁ、大丈夫だ……俺は、少し疲れてるだけだ、アイツ程ヤワじゃ……」

 

空元気で振舞おうとするが、はっきり言って俺の意識はもう限界だった。

 

数週間前から続いけているほぼ朝から晩まで学園生活と両立しながらの不眠不休での現地調査、覇龍の発動、吸収した赤龍帝の力の定着に余力のリソースを裂いた事が最後の一手となり、ここ1ヶ月間で積もりに積もった疲労によって、俺の意識はブラックアウト寸前であった。

 

(情け、ない……。以前の俺なら、きっとこうならないように動いていた筈、なんだけどな……でも、やるべき事は果たした、なら後は任せるか……)

 

独りだった時の俺なら絶対に考えないであろう事を思いながら、意識を手放した。

 

――――――――――――

 

小猫side

 

「ユウマ先輩!?」

 

崩れ落ちるユウマ先輩を抱き留める。

 

まさか、イッセー先輩見たく何か犠牲にして覇龍になって、その代償が……!?

 

そんな最悪の想像をして、私の思考は真っ白になる。

 

「……!?ユウマ君!!」

 

「どうしたんだユウマ!?」

 

裕斗先輩とゼノヴィア先輩も来てくれたが、その時突然、

 

『ただのガス欠だ、慌てるな』

 

ユウマ先輩の右手の辺りから紫色の光が点滅して声が耳に響く。

 

……もしかしてこの声は、

 

「……黒天龍王、ですか?」

 

『そうだ。端的に言って、今の盟友は覇龍の維持の為に魔力・体力・精神力を限界迄使い果たした事で、意識を保つ力すら残っていない状態だ……まあここ最近は身体に無茶を強いる生活をしていた故、自業自得とも言えなくはないがな。

 

ともかく、命に別状は無い』

 

「……随分と久々だな、この状態の雄真を見るのは」

 

ちっとばかり今回は無理をさせちまったか、とアザゼル先生が申し訳なさそうに頭を掻きながら呟く。

 

「コイツ、ガチで疲れた時はこうやって泥のように眠るんだよ。ちょっとやそっと騒いだ程度じゃ全く起きない位にな……大抵はこの状態だと最低丸一日眠ると起きるんだが、今回は覇龍後だからな……一体目を覚ますのはいつになるんだか」

 

「先生でも分からないのですか?」

 

裕斗先輩が聞くが、アザゼル先生も困った様に、

 

「こいつとの付き合いは長いが、未だに分からん。まぁ、大人しく家で寝かしておけば取り敢えず問題ないだろ、俺が運んどく。小猫、雄真を渡してくれるか?」

 

そう言うとユウマ先輩を支える私に向けて背中を差し出す。

 

……でも私はなんでか知らないけど、腕の中で眠っているユウマ先輩を、離したくないと思った。

 

「……先生、私に運ばせて下さい。ユウマ先輩にお世話になったのは私達です。ですから、これくらいはさせて下さい……お願いします」

 

私はユウマ先輩を強く抱き締めながら、先生を真っ直ぐに見つめて言う。

 

「……そうね!お願いするわ、小猫!それくらいいいわよね?アザゼル」

 

……気を利かせてくれたんでしょうか、部長も私の意見に同意してくれた。アザゼル先生は頭を掻き、

 

「しょうがねぇ、んじゃさっさと行くか」

 

アザゼル先生がそう言うと転移魔法陣を展開し、冥界から転移する。人間界に戻ると夜になっており、そしてとあるマンションの一室の扉の前に私達は居た。

 

「あいつ、転移魔法に対する結界を張ってるから直接部屋には行けないんだよな」

 

面倒そうに言いながらアザゼル先生はユウマ先輩のポケットから鍵を取り出し、扉を開錠した。

 

「確か雄真の部屋は右の奥だ、頼んだぞ」

 

アザゼル先生に言われるままユウマ先輩の部屋に入り、ベットに優しく寝かす。

 

………幾度も屋上で見たユウマ先輩の寝顔が、今は少し愛おしく感じる。

 

「……今なら、バレないでしょうか?」

 

…そっと、先輩の頭を優しく撫でる。

 

「……お疲れ様でした、ユウマ先輩。今はゆっくり休んで、また部室に来て下さいね?」

 

そう呟くと、心做しかユウマ先輩が笑ってるように見え、急に顔が熱くなるのを感じた。

 

「……もういいのか?っ痛で!?」

 

……途中から見てたらしいアザゼル先生がニヤニヤしていたので、つい手が出てしまった。 私は悪くありませんからね。

 

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