【艦これ】榛名と過ごす鎮守府   作:ハルのキノナカ

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今回は世界観の説明なので少し長め、セリフ少なめ


ページ2 艦娘と提督

 艦娘

 その存在と誕生についてはいまだに謎に包まれている。

 7年前に発生した()()()()と言われる。未知の生物兵器によって

 人類は窮地に立たされた。

 既存の兵器は通用せず、某国による核攻撃でさえも決定打とはならなかった。

 そんな中、深海棲艦と同時期に発見され、保護されていた者たち

 彼女たちこそが、のちの状況を覆し世界を救った少女たち

 

「私たち艦娘の存在ですね」

 榛名は食後のコーヒーを入れながら俺の解説に捕捉をしてくれる。

 普段通りの甘いコーヒーを飲みながらこれまでの振り返りをおこなう。

「ありがとう榛名、すっかり俺の好きな味が分かるようになったな」

「4年もいれば覚えて当然ですよ、それよりも急にどうしたんですか?]

「改めて、これまでに何かあったか確認しておきたいんだよ。元帥からの特殊任務もあるからいい機会だと思ってね」

「特殊任務ですか?」

「ああ、それについてはまた後で説明するよ」

 

 艦娘の登場により、深海棲艦にたいして有効的な手段を手に入れた人類は各地での

 戦況を好転させることに成功し、今現在においては安全に生活ができるようになった。

 深海戦艦の出現とともにその存在に対抗するように現れた艦娘については

 各国の研究機関が莫大な予算とともに時間かけて少しずつ究明されてきた。

 

 彼女たち【艦娘】はその名の通り艦隊が人間の少女の体をもった存在である。

 研究の結果、彼女たちは普通の人間と変わらず生活することが判明している

 そんな彼女たちが人間と違う点は、兵器としての性能を持つことだ。

【艤装】と呼ばれる装備を身に着け、深海棲艦と戦う彼女たちはまさに人類の守護者として

 人々のためを思って戦う。

 しかし、大きな力を持つ彼女たちが人類にいつ牙をむけるかわからない。

 そう判断した世界各国の首脳陣は

 彼女たちを管理し研究を進めるための機関を作ることを決めた。

 

 艦娘とともに最前線の港にて人類を守る砦 【鎮守府】の誕生だ。

 鎮守府は深海棲艦との戦いのほかに

 鎮守府の役割は艦娘たちの生活環境の場所を作ることと、艤装の管理開発だ。

【妖精さん】といわれる艦娘のサポート役を担う彼らと連携することで

 新たな艦娘の建造や兵器開発を可能にしている。

 

 艦娘の管理に妖精さんと行う新兵器開発と研究。艦隊運用と深海棲艦との戦い。

 それらすべては当然、人間が行はなければならない。

 そのための存在が【提督】という鎮守府の最高責任者だ。

 

 提督というのは学歴だけではけしてなれない立場だ

 知識に精神、健康診断の精密検査に思想や思考

 さらには家族構成や友人恋人の人間関係まで徹底的に調べられる。

 それも当然だろう、もし採用した人間が裏切りでもしたら人類は深海棲艦さえ屠る最強の力を

 今度は、わが身に受けることになるのだから

 そうならないように徹底的に調べつくされ、人類への忠誠心と家族恋人を人質にされる。

 その管理支配を徹底するために、鎮守府は大きく二つに分けられる。

 元帥、大将クラスの最高位の階級持ちの中でも国に認められた者たちで構成される

【大本営】

 そのほかの提督たちが属する、鎮守府だ。

 大本営が最前線での式と作戦を決め、それを鎮守府に伝達する。

 シンプルなこの上下関係が提督たちの反抗心を抑えている。

 大本営にはこれまでの作戦行動で、最大戦果と貢献を果たしている猛者ぞろい

 ちっぽけな鎮守府がかなうはずもない。

 

 水底からやってきたとされている深海棲艦

 それにたいして対抗手段を持つ、艦娘と妖精さん

 それを管理監視する、大本営と鎮守府に所属する提督たち

 

 今、世界の中心となっているものはこんなところだろうか

 提督就任時に元帥様からいただいた言葉を何とか思いだしながら

 説明を終えると榛名が首をかしげながら控えめに聞いてきた。

「あの.提督ご質問してもいいですか」

「ん?なんか違ってたか?まあ大分うろ覚えだし正直俺は興味ないから」

「いえ、説明の間違いではなくそもそもの疑問が残っているなが気になってしまって」

「疑問?わからないところってことか?」

「はい、私たち艦娘の正体と深海棲艦についてです」

「ああ、そこか...」

 なるほど、確かにこまかな説明は省いた気がする。

「そのことなんだけどな実はまだ判明してないんだ」

「え.」

「なぜ艦娘が人とほとんど変わらない構造をしているのか。

 なぜ、女性のみなのか。

 どうして深海棲艦とともに現れて、奴らに対抗する力をもっていたのか。

 そもそも深海棲艦とはなんなのか。

 非合法、非人道的ではあるが、()()()()()も行っているにも関わらずに

 その正体も存在の根幹もなにもわからないんだ」

 俺の言葉に榛名は驚いて聞いてくる。

「ま、まってください!!戦後の解剖ってまさか深海棲艦だけでなく...]

「そうだ()()()その対象にされたらしい」

「らしい?」

「この話はそもそも大本営の中でも限られた人物しかしらない

 だから俺も聞いた話しか知らないんだよ」

「どうして提督がそんなはなしをご存じなんですか」

「お前がそれ聞くの?俺が向こうの元帥殿と仲良くなった理由はきみだろう?」

「あ...そうでした..あはは」

「やれやれ、まあだからこんなへんな任務が来るんだろうな」

 そういって上着の内ポケットから一通の手紙を出した。

 裏には、宛先と送り主の元帥殿の名が、表には特殊任務の文字

 中身の手紙の題名にはこう書かれていた。

 

 鎮守府記録任務について

 




読んでいただきありがとうございます。ハルです。
今回は世界観説明のため少し長くなりました。
この作品だけのオリジナル設定ですのでご容赦のほどを

今回はこのあたりで

では、皆様が良き作品に巡り合えますように。

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