ヒロイン救うテンプレに憧れがあります
艦隊同士での戦闘はいたってシンプルだ
空母による索敵から、航空機動隊による航空戦
そのあとに潜水艦による先制雷撃
陣形有利不利からの砲雷撃戦
行動の順番は射程距離に依存する
最後に雷撃戦により昼戦が終了する
その後は夜戦にて航空艦を除いた艦たちによる
攻撃で戦闘終了だ
その結果にて勝敗が決まる
「翔鶴さん瑞鶴さん、敵機および敵艦隊は発見できましたか?」
「まだかかりそうです榛名さん」
「こっちも同じ、全然みつかんない」
艦隊旗艦の役目は現場判断による
艦隊行動の指揮を担うことだ
もちろん航路や陣形指示なんかは提督の指示のもと
行われるが、戦闘中の判断はさすがに
難しいため、その指揮を行う必要がある
それが旗艦の仕事だ
「お二人はそのまま索敵に集中してください
ビスマルクさんは二人の護衛を、鈴谷さんとヴェルちゃんは
私と周辺の警戒をお願いします」
「「「「「了解」」」」」
榛名は提督秘書艦であると同時に暁ハル提督の艦娘たちの中でも
最高戦力として数々の深海棲姫や深海棲鬼を撃退してきた。
その実力と実績は並ぶものがいない。
まさに提督の最高艦娘として鎮守府で恐れられている。
なによりも優れているのは、その万能さだ
「索敵範囲は正面40度から120度までに飛ばしてください。
横の範囲にいることはまずありませんから正面の索敵範囲の距離を
伸ばすことに集中してください」
この即応力をもって急拡大を遂げた鎮守府を提督とともに支え
今の地位と設備を鎮守府にもたらしたのだ
この管理能力と危機管理も相まって、誰からも認められる
序列1位、正妻の場所を獲得したのだ。
「提督はどう思いますか? 敵の初動は」
『榛名の言うとり、側面はまずありえないな
理由は2つ、行動しながら簡単に聞いてくれ』
そして、そんな榛名の力を早くから見抜いた提督もタダ者ではない
『1つは地形、初期位置は互いの正面で固定されている以上は、駆逐軽巡編成の
高速艦隊でも無い限り回り込むのは不可能だ。
もう1つは今回の目的だな』
「目的ですか?」
『ああ、今回の元帥の訪問が突然だったのは
俺たちの緊急時の対応力を見るためというのが俺の推測だ
そうしたら次は力が見たいはずだ、あんな任務を言い渡す以上
それなりの力がないといけないだろうからな、自衛くらいはできないとな
だから正面からぶつかって力を試したいんだろうさ』
「根拠は先ほどのさっきですか?」
『ああ、加減しないと言ったからには本気で潰しに来るぞ
翔鶴瑞鶴は、索敵から攻撃機に換装を変えろ、榛名、ビスマスクは
至近弾で十分だから砲撃用意、残りは弾だけ込めて射程距離まで回避専念
まもなく来るぞ!!』
提督が言った通り索敵機に反応があり。五航戦はすぐさま発艦
同時に榛名とビスマルクもけん制弾を撃ち始めた
「!!? 敵艦隊すでに発艦! 砲撃も開始しています!」
『すぐに航空機にて応戦せよ! 砲撃は射程範囲内でのみ許可する!』
「了解!」
元帥は素早く艦隊を立て直すと、迎撃の命令を出す
このあたりはさすが歴戦の猛者だがとうの本人は険しい顔をしていた
「空母3、戦艦3の超火力だからこその先制はわかるがね
少なくともこちらのほうが艦が多い分索敵も有利なはずだが……」
「元帥提督! 敵艦隊が射程外にも関わらず砲撃してきます!
そのせいで海面が安定せず、十分な数の艦載機が出ていません!!」
『ちぃ! 小僧が! かまわん! 出ている分で迎撃し、すぐにこの場を離脱!
海面の安定が確保され次第、全艦発艦し空から敵を攻撃せよ!』
「了解! 離脱開始します!」
通信が切れ、元帥は息を吐く
「さすがだ、暁提督。この狭く見通しのいい場所で見事
奇襲を仕掛けて見せた。だが砲雷撃戦までのわずか数十秒で
どこまで攻撃できるかな?」
「っち! 化け物爺め、完全に不意を突いたはずなのにもう離脱してやがる」
「いかがしますか? 提督」
「……榛名! このまま急接近して砲雷撃戦に持ち込む! T字有利になるように
接近しながら攻撃を続けろ! 艦載機を中心にお前たちは副砲で援護だ!
翔鶴! 瑞鶴! 打ち尽くしてかまない! 一人でも多く倒せ!」
「了解です! 榛名、追撃を開始します!」
「ふう、ここからは榛名お前に任せるよ」
「お疲れ様です、提督どうぞ」
「ありがとう大和」
渡された飲み物を一気に流し込む三分の一ほど飲んだら
大和が不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
「どうかしたか?」
「あ、いえ提督がいつもこんな風に指揮を執っていたのかと
思い、つい見入ってしまって」
「ああ、なるほどな。まぁ確かに通信機越しだと厳しい声しか
わかんあいもんな、実際はこんなもんだよ」
「でも、さすがですね作戦の発想といい戦略といい
なによりもこの艦隊指揮はすさまじいです」
暁ハル提督の特徴は艦隊運用指揮と
鎮守府管理という大雑把な特技だ
だがその内容は元帥や大本営から目を付けられるほどすさまじい
ひとたび艦隊指揮をとれば勝利のために必要な戦略と戦術を
ボスまでの運用からボス戦の特効対策と道中、目標撃破との
全作戦を考え実行できる力
そしてそのための基本となる、鎮守府の改善と運用は
建造開発スケジュールから、設計図回収、資材増加のための遠征サイクルと
運用管理もできる、まさに統治者としての才能を彼は持っていた
「違うよ大和」
「え?」
「結局はそれを細かく管理して指示できる現場の人がいないと何の力にもならないよ
だから本当にすごいのは艦娘のみんなだ」
「提督……」
「だから俺は信じているのさ、こんな俺に力を
貸してくれるみんなの力をね」
「きゃあ!」
「翔鶴姉!? このぉ!」
瑞鶴の飛ばした艦載機によって敵空母が1体大破、行動不能になった。
陣形は引き分けとなり、互いに影響なし
航空戦によって敵空母が中破になったが装甲空母のため行動可能
砲雷撃戦となり、たった今敵の艦載機により翔鶴が中破となった
こちらも装甲空母のため攻撃はまだ可能だが、攻撃力の低下は痛い
「よそみとはいい身分ね!」
榛名を襲う戦艦の砲弾だが榛名はそれを踊るように回って回避する
「な」
「榛名、全力で参ります!」
至近距離からの主砲砲撃
いくら同じ戦艦とはいえ、これは一撃だ
〈これで2隻! 〉
空母と戦艦をそれぞれ1隻ずつ撃破した、これは大きい
〈けど、まだ2隻ずつ残ってる……油断は禁物ですね〉
《さすが、暁提督の最強艦娘ですね榛名さん》
「! ……金剛さんあなたが艦隊旗艦ですね」
《はい、そちらは当然あなたですね》
「あなたが出てくるなんて……元帥様は本気で来ているんですね」
《はい、わが提督は暁提督の本気を見たがっています》
「期待には応えられていますか?」
《それはもう、十分すぎるほどに》
会話をしながらも、お互いに相手のスキをうかがっている。
この距離で互いの艦隊最強戦力同士がぶつかればタダではすまない
そうして戦意が高まっていくなかで、ふと金剛が笑い始めた
《フフフ、いいですか? 私ばかりにかまっていて」
「どういうことでしょうか」
「あなたさえ抑えられれば、地力差で勝る私たちが
火力で抑えられます、そうすれば夜戦に持ち込む前に私たちが
制圧するのは不可能ではないです」
「いくわよー!! ファイヤ―!!」
ビスマルクの砲撃によって敵空母が一体倒された
「甘い! 貴様一人で勝てるほどわが艦隊は弱くない!」
「な!? 空襲ですって!!」
「きゃあああぁああああああぁぁぁ!!」
「翔鶴姉!! うあ!」
ビスマルクが敵戦艦を倒している間に
艦載機を飛ばして翔鶴と瑞鶴を中破大破に追い込んだ
「おのれ!! よくも!!」
「ビスマルクさんスト──プ!!」
ビスマルクが反撃をしようとしたところを
鈴谷がヴェールヌイを連れて止めに入る。
「鈴谷! いっくよー!」
「悪いけどいったんひかせてもらうよ」
ビスマルクに接近していた戦艦に連撃を叩き込み小破へ
すれ違いざまに煙幕をヴェルが使い、退路を作り出す。
「くう! 煙幕など! こざかし」
「翔鶴姉の仇」
「な────」
敵戦艦の真後ろに瑞鶴が弓型発艦機を構えていた
振り返った瞬間うち放ち、中破まで強引に持っていく
「ぐっつぅ!! よくも!」
砲撃を至近距離の場所へうち煙幕を晴らすが
すでに鈴谷たちの姿はない
「っち! 空母部隊はすぐに索敵を!
敵が足並みをそろえる前に叩き潰します!!」
「ふぃ──ー、何とか巻いたねー」
「ダンケ、スズヤ。あのままだったら私も……」
「いいって別に! それよりも」
「今後どうするかだね」
ヴェルの発言とともに各々が考え始める
「瑞鶴さんはどこまで戦えそう?」
「……正直に言うと無理そうねさっきの攻撃が精いっぱいの反撃だった」
「あり・がとうね……瑞鶴」
「翔鶴姉……」
「ごめんなさい、私が1人追いかけなければこんなこと」
「ビスマルクさんのせいなんかじじゃ」
「はいはいはーい! 反省は後でにして今は
このやばい状況を何とかするのが先決じゃん?」
鈴谷が次期嫁艦の抜擢理由は重巡として旗艦を務めてきた
キャリアと実績もある、火力のプリンツ。指揮の鈴谷と
重巡2枚看板として暁提督に貢献している。
『さすがだ鈴谷、この短い間によく立て直した』
「てーとくじゃん!? 榛名さんのほうは無事!?」
『ああ、敵旗艦金剛改二丙と正面から戦っているよ。いくら榛名でも無事では
すまないだろうな。だからこそここでの勝敗が今回の演習の勝敗を分けるぞ』
「アドミラール……ごめんなさい」
『ビスマルク、反省は後だ。いいな?』
「はい」
『よし、まずは状況を状況を整理する
翔鶴が大破、瑞鶴が中破。残りは小破だな?』
「うん、で瑞鶴さんはもう攻撃するのはきついって」
『攻撃は可能だが敵のほうが早いからだな、素晴らしい自己判断だ』
「別に……提督さんに褒められたって///」
『ここからの砲雷撃戦はかなり不利だな……
さて、どうしようか……』
艦娘たちが次の指示に期待しているのが連絡機越しでも
感じ取れる。そうだ俺の役目は勝利をみんなに見せること
そのためなら、なんでもしてきた。今回も
『何とかするか……これより作戦を言い渡す』
「おや? 正面に反応?」
先ほど煙幕で撤退した鈴谷たちが今度は正面から現れようとしている
「いい度胸ね!! 砲雷撃戦用意!!」
「あっちも気づいたみたいじゃん、砲撃戦用意!」
互いに狙いを定め、戦場にはさっきが満ち溢れる。
「「てぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」
号令とともに打ち合いが始まった
「フッ空母がいない貴様らに何ができる!
空母部隊! 発艦!」
「きたじゃーん! みんな回避!!」
空母の迎撃ができない鈴谷たちはとにかく回避するしかない
なんとかかすり傷で被害を抑えながら回避していくが
敵は空母だけではない
「回避で精一杯ね、格好の的よ!」
戦艦の主砲副砲の連携攻撃がビスマルクに直撃する
「きゃあ!! 、いけない!? 雷撃装置が!!」
「マジ!?」
「隙です」
鈴谷がビスマルクの報告に気を取られた瞬間
敵空母の艦載機が砲弾の隙間縫うように鈴谷の頭上に迫る。
〈やっば……ていとくマジごめん〉
鈴谷はぎゅっと目をつむりその時を待つ
轟音
しかし、鈴谷の体にはなにも変化が起きない
おそるおそる目を開けると深緑の髪が映った
「!!? 瑞鶴さんなんで!!?」
「勝つために決まってんでしょ! 今よ!」
瑞鶴の言葉にすぐに反応し、主砲で連撃叩き込む
敵空母は完全ではないが大破に追い込んだもう攻撃できないだろう
互いの空母はもういない
「瑞鶴さん……」
「なんて顔してんのよ……謝るくらいなら勝利報告のほうが助かるわ」
「……とーぜんじゃん! 必ず勝つから」
「それでいいのよ‥‥じゃあ……あと任せたわ」
瑞鶴も離脱したが、こちらは榛名を含めて4隻に対して
あちらは2隻、戦況はこちらが有利になった
「よし! じゃあこのまま────」
「このまま倒しますね」
ふと背後から声がした瞬間には鈴谷は轟音とともに吹き飛ばされていた
「鈴谷さん!? そんなここは?!」
榛名が金剛と戦っている最中、金剛が緊急離脱を開始
追いかけた榛名が見たのは金剛の主砲を至近距離で受ける鈴谷だった
一撃で倒される鈴谷をみて、急ぎ榛名は金剛と戦闘を再開する。
それと同時に、なぜ離れた場所で戦っていた鈴谷たちがここにいるのかも
「金剛さんあなたたちはまさか」
「さすがですね、もう気づいたんですか」
そう、離れた場所にいるなら合流すればいい
そうすれば連携が取れて戦況も変わるのだから、その方法こそ
元帥の仕掛けた罠だ
「戦いながら誘導されていた、ということですか」
「ああ、あの爺さんはやっぱすごいよ」
そう元帥側の艦娘たちは元帥の指示のもとそれぞれの
位置を確認して戦いながら合流を果たしていた。
暁提督と榛名達が気づかないレベルのわずかな移動を
少しづつ行って
「それも砲雷撃戦や空襲によって完全に目の前の敵に
集中しているタイミングまで計算してな」
「それが金剛さんの奇襲につながったと」
「まったく……どんだけ修羅場くぐってんだよ
考えたからって出来るもんじゃないぞ……けどまぁ今回は
作戦勝ちだな、何とか間に合った」
「きゃあ!!」
「ビスマルクさん!」
金剛は味方の戦艦と協力し、一瞬の間に榛名と相手を変え
中破のビスマルクを完全に沈黙させる。
「あなたの相手は榛名です!!」
「いえ、ここで私が相手をします!!」
金剛に迫ろうとするが相手の戦艦が立ちはばかり相手ができない
時間ばかりが過ぎてゆく
そうこうしているうちに夜戦に切り替わり最後の砲撃になる
「これで終わりです!」
榛名の一撃は金剛へとすいこまれていくが
ここでも残った戦艦が金剛をかばって大破した
「そんな!?」
「こんご……うさ……んあとは……」
「ええ! 勝利は提督の物です!!」
金剛の夜戦カットインが炸裂しなすすべなく榛名の胸に吸い込まれていく
「ぁ……」
榛名大破
完全ではないが十分なダメージだ
「惜しかったですね、榛名さんもしあの奇襲に気付いていれば
結果は逆でした」
「‥‥‥……ふふ、そうですね」
榛名は膝をつきながら不敵な笑顔で金剛を見る。
その顔に警戒して周囲を探ったときにはもう
「!! まさか最初から!!」
「はい、そのためにずっとみんなで守っていました
演習での損害が僅差の場合旗艦ダメージの総量で勝敗がきまります。
私が少しでも残れば彼女があなたを沈めます」
「でも、あなたは私と戦っているとき! おとすつもりで本気で戦っていたわ!」
「当然です、それで私があなたを倒せればよし、それがだめでも大丈夫
最悪の場合は私と彼女が残ればあなたが1人で戦術的勝利で勝ちです
これが暁 ハル提督の戦いです」
「……お見事です」
金剛は満足そうに眼を閉じるとその体を最後に残った
ヴェールヌイに向けた
「私たちの勝ちだ」
ドンっと装備全てを魚雷にした夜戦スナイプ特化の
彼女の攻撃は金剛の残った耐久をすべて持って行った
2-0にてこの戦いは暁ハル提督率いる艦隊の勝利となった
バトルシーンが長すぎて死にかけた
ハルです
イヤー疲れました、ちょっともう
ゲームして休んでいいいですかね?
今回はバトルメインでしたが
いかがだったでしょうか
みなさんが面白ければ幸いです
それでは、皆様が良き作品に巡り合えますように。