ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ   作:グレン×グレン

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 感想でも指摘がありましたが、基本的に自分の作品、ヴァーリに対してはアンチとまでは言いませんが厳しめな態度が多いです。

 というより、自分は曹操とヴァーリのどちらが好きかと言われたら迷わず曹操といえるタイプ。くわえて最近の曹操は丸くなりすぎてないかと思えており、ヴァーリは「お前はもうちょっとぎゃふんと言わされろや」と思っております。

 基本スタンスとして「問題行動を連発するようなタイプは、何かしらの帳尻合わせがあってしかるべき」なので、イッセーの覗きはお仕置きが格式美となりかけている
で問題視したことがほぼ無いです。曹操もしっかりイッセーにぶちのめされ、あっさり帰還したとはいえ冥府に落とされ組織全体で賠償金を払ったり監視付きだったりなのでこちらもスッキリ。むしろヴァーリは「お前なんでそんな自由なままなんだよ」と思っており、アンチとまでは言いたくないですが、D×D全体でも評価が低いです。ポジションが結局なあなあで味方なので、むしろ悪役オンリーだった分リゼヴィムの方が高いです。

 なので、カマセにする気はないですがその戦闘能力の高さはオリキャラや魔改造の能力説明として、徹頭徹尾利用させていただきます。ご安心ください。自分が原作を立てることを大前提にしているので、負けるにしても相応の理由を用意します。本作でのコカビエル達三人のガイアメモリ設定もその辺をある程度考慮しております。








 では話を戻しますが、ついに本格的なガチバトルを書きます。

 これでようやく和正と幸希のガチの戦闘能力が明かせるぜ!


月光校庭のエクスカリバー10 和正「メタだが外見イメージはバンキッ〇ュの主人公のアレをイメージしてくれ」

 

「代金払いたくないんで踏み倒しまーす!!」

 

 そんなふざけた返答と共にフリードは幸希達に切りかかる。

 

 そしてそれをあえて意識から飛ばして、俺はコカビエルに向き合った。

 

 ……怖っ! 明らかにオーラが今までの人生経験を圧倒してやがるわ!!

 

 これ相手によく原作のイッセーは啖呵切れたな。そんでもって「女見繕ってやる」なんて一言で一気に揺さぶられたな。更に乳首吸う為にぶっ倒すとか、よく宣言できたな。

 

 馬鹿と天才は紙一重っていうけど、馬鹿と英雄は紙一重と言ってもいいかもしれねえ。

 

 となると、俺はきっと英雄にはなれないだろうな。ブッチャケそんな軽口を言う気には全くなれねえ。自信もない。

 

 つっても、ここで終わる気も欠片もない。

 

 ……俺は、さっきの堕天使達の妨害を突破した時を思い出す。

 

 前もって万一に備えた準備だけはしていた切り札で、俺は敵を二十人はぶち殺した。

 

 ミンチになっている奴もいて、はっきり言ってスプラッタだ。はっきり言って、たぶん落ち着いたら吐くと思う。ミンチ肉を使った料理は、当分食べたくない。

 

 それでも、そこまでしてまでなしたい事がある。

 

 最低でも、イッセーや幸希がここから先の未来があるといいと思っている。

 

 ああ、腹をくくれよ無想和正。お前はもう、何人も殺している。

 

 いやでもインフレ異形バトルに関わる事になるんだから、ここで自分の足で一線を踏み越えろ!!

 

「……創生せよ、天に描いた極晃を――我らは神代の流れ星」

 

 そして紡ぐは起動詠唱(ランゲージ)

 

「数千の年月を経てもなお脆弱、されど世の繁栄者たるは人の偉業」

 

 それは、人類の繁栄の根幹をなす星。

 

「己が弱さを補うがため、石と木の枝の加工に至り、幾千年の果てに空のはるか彼方にすら到達するとは人の叡智は恐るべし」

 

 そう、人間は強大な種族ではない。だけど、強大な力を発揮する科学を生み出し、異形との戦いでも魔法という異能を編み出して対抗してきた。

 

「弱さを歯牙にもかけぬその偉業、実におそるべしは絶技ではなく、誰もが再現しうる法則となすその創意」

 

 そして魔法以上に科学が誇るべきは、「誰もが使える」という事。

 

「かつて空より落ちた恵みを生かし、神の子すら貫く槍を作りしその時から、この到達は自明の理なのか」

 

 ちゃんとした使い方さえ知れば、殆ど全ての存在が恩恵を与れる。これこそが科学という技術が、異能という技能を大きく引き離す優位点(アドバンテージ)

 

「ならば我、星辰を光となすその力持って、その偉業を世界に刻み付けん」

 

 だから、俺は二つの異能をもって技術という領域を成し遂げよう。

 

「石を削れ、樹を切り落とせ、鉄を溶かして形を成せ。そして世の法則を解き明かし、それを再現し民草に届けよ」

 

 具現化するは隠し持っていたUSBメモリを取り込む形で展開するチョーカー型AR用ウェラブルコンピュータ。

 

「あまねく神秘よ絶叫せよ。人の英知は神にも届くということは、ゴルゴダの丘にてとうの昔に示された」

 

 覚えきれないのでUSBメモリに記録させた、事前に設計した装備群。それを作り出したウェラブルコンピュータが、AR技術で俺の脳内に設計図を叩き込み、俺が()()()()()()()ようにしてくれる。

 

「星々の落とし子で作られし槍の如く、星より創られし我が子らが、神すら仕留める威を示さん!!」

 

 ゆえにこの名を宣言しよう。

 

 これは、神の子を貫き、神殺しの力を得た槍を作りし存在にあやかるもの。

 

 赤銅の如き輝きを取り込んだ、魔剣創造に付随させる事で星辰で強化された魔の武器を開発する、星辰光(アステリズム)と呼ばれし異能。

 

 本来の世界では「人類を滅亡させない」という理由で、文明が衰退させる力を込められているがゆえに行えない、近代文明の力を強化する、神様転生だからこそできる星辰光……!

 

 その名も―

 

超新星(メタルノヴァ)―――|天より零れし赤銅を手に、人よ神屠る法則を示せ《ブロンディア・トバルカイン》!」

 

 その星の名を告げると共に、俺は星辰体(アストラル)という高次元からのエネルギーを付属させた事で性質が変化した魔剣創造が作り出した、戦闘用強化プロテクターを身に纏う。

 

 能力は大きく分けて、身体能力強化・強化外骨格機能・防御用力場生成の三つ。

 

 一生懸命頑張って設計して一度作ってみたりして完成させたそれを、俺は即座に具現化して戦闘を開始する。

 

 同時に展開するは二丁のマルチウェポン。

 

 こちらもウェラブルコンピュータの影響で脳が即座に処理してくれるからできる、複雑な機能を持った装備だ。

 

 詠唱を行わず出力を増大化させない状態で作ったのは、あくまで護身用に開発したプルバック式ハンドショットガン。

 

 引くことで一時的に電流が流れる引き金と、力を抜くことで元の場所に戻るバネ。

 

 電流が流れることでレールガンとして機能する内側と、その時発生する熱を冷却する外側の筒で構成された銃身。

 

 軽い磁力で電磁加速されるまで弾丸を止める重心後部にストッパーに、当たるとサイズに応じた衝撃波が叩きつけられ、丸ごと直撃すれば最新鋭の戦車の正面装甲をごっそりひしゃげさせる威力を持つ24ゲージの弾丸。

 

 更にスライドすることで反動をある程度抑制するようにしたり、銃身の下は魔剣創造の魔剣なら五回は全力で振るわれても受け止められる程度の頑丈さと片手で打つのに問題ない軽さを両立させた、星辰体の影響があるからできる、片手で秒間5連射はできるショットガン。

 

 これでも普通に作れるようになったのはつい最近という、非常に作るのが難しいメインウェポン。それで三種類の弾丸をぶっ放したが、どれもうっとおしい以上のダメージをコカビエルに与えられなかった。

 

 なので、さっさと発動値(ドライブ)に持って行って、複雑な機能を即座に作る為のARウェラブルコンピュータを展開しているわけだ。

 

 ショットガンの連射速度は秒間五連射から秒間三連射程度に落ちたけど、逆に口径は12ゲージに大型化。雑な計算で一発七割増しの威力なので、総合的な威力は若干上昇。

 

 更に下部には二門の9mm短機関銃を装備。両方とも一分間に10発はぶっ放せるので、全弾当てればショットガンの2,5発分の威力は与えられる。

 

 これは最大威力を重視したショットガンと、弾幕で確実に削っていくことを重視したサブマシンガンの組み合わせ。より早くより硬いより格上の相手との戦闘用に設計した、発動値を出す必要がある相手用の装備だ。

 

 それを仮面ライダーの初期フォームぐらいは行ける走力で動き回りながら、こちらも動き回って槍を叩き込んでくるコカビエルと射撃戦を開始する。

 

「イッセー! 周りを気にしてる余裕がないから、できる限り周りの奴らを引き離してろ!!」

 

「わ、分かった! よっしゃ根性! あと合法的に女の子にボディタッぶふぁ!?」

 

「触らないでください。そういうところが問題視されるんですよ変態先輩」

 

 アホが煩悩を垂れ流して、小猫に殴り飛ばされる。

 

 この状況下でこの漫才。これが、ハイスクールD×D……って戦慄してる場合じゃねえ!

 

「……アーシア先輩は私が。兵藤先輩はカバーをお願いします」

 

「お、おう! さ、さあ先輩たち、こっちに!」

 

 なんだ、このかかあ天下状態の流れは。夫婦か、いや原作では嫁になるけどな。中の人も夫婦になったけどな!! D×Dの縁かな!?

 

 そしてそんなことを言っている場合でもない!

 

「中々面白いな! ファルビウムの前の試しにはもってこいだ!!」

 

 だよな! この程度で倒せるほど、最上級悪魔がもろいわけねえだろ。

 

 幸希曰く「極晃星(スフィア)由来の力じゃなければ、まあ攻防速に関しては上級クラス以上なら勝率は高いでしょうね。新西暦サーガって、他の軍事力は第一次世界大戦レベルだったらしいけど、それでも星辰奏者(エスペラント)は最強であって無敵ではなかったし」とのこと。俺の能力も神器に星辰結晶を付属させることで、二つの特性を混ぜ合わせることで即座に負担なく長時間これだけの装備を具現化できるしな。

 

 まあとりあえず、数十個以上のそれぞれ特性の違うパーツを組み合わせた強化プロテクターがあるからしのげてるけど、これ一人で持ち堪えられる敵じゃねえよ。

 

 早く来てくれよな、幸希!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、幸希と正一はフリードと相対していた。

 

 振るわれる龍殺しの力を籠められた銃弾と剣は、然し正一には特攻にならない。

 

 幸か不幸か聖槍を手にした正一は、ある程度拮抗可能である。

 

 そして―

 

「ちょっとおねえさーん? あなた櫛橋なのになんで効いてないのかなー?」

 

「知りたい? でも女の秘密は高くつくから、もうちょっとそそらせてからお願いね!」

 

 ―幸希はフリードに拮抗し、フリードを苛立たせている。

 

 シグルドの記憶を宿して変身したフリードは、いうなればシグルドドーパントだ。

 

 手に持つ魔剣はグラムの再現であり、更にその力を銃弾にする装備まである。

 

 間違いなく仮面ライダーWの知識を利用した物だ。その手のチートを入手しなければ、あのトリガーマグナムそっくりな装備は作れない。

 

 それを戦闘を行いながら一部の思考でまとめながら、幸希は決定的な一撃を叩き込むタイミングを計る。

 

 龍殺しの力を使ってなお、幸希はしのげていることに違和感があるのだろう。

 

 五大宗家において櫛橋は、五行における木を司る。

 

 それを型月世界の魔術回路と併用することで、幸希は木刀に絶対的な強度を持たせることに成功。それもアジュカの伝手で災害で折れた霊木を加工した物を使うことで、その霊力まで強化した特別製だ。普通に打ち合っても聖剣創造や魔剣創造とまともに渡り合うことができる、絶大な一品として使用できる。

 

 加えて不得手で知識も薄いが植物魔術を併用して育てた蔓を材料にした有機ワイヤーにより、必要時は即座に手放して別の動作や攻撃を行うことが可能。幸か不幸か魔術回路の属性も、指摘してなかったことから木という特殊属性。こればかりはゲームマスターの気づかいに感謝する他ない。

 

 しかし、フリードが気にしているところはそこではない。

 

 櫛橋は五行における木を司ると同時に、霊獣である青龍を祀り上げる。その結果、当主となる者は代々青龍の名を継ぐことになっているのだ。

 

 そう、青()である

 

 龍殺しの逸話を持つシグルドの力を宿した剣は、すなわち龍殺しの魔剣である魔帝剣グラムの力を持っていると言っていい。

 

 必然的に龍殺しとして最高峰。流石にサマエルという規格外には劣るが、サマエルはいうなればグラムという二天龍に対する龍神クラスである。なので計測する必要はなし。

 

 それを青龍に縁ある幸希がしのいでいるという時点で、フリードが気にするというのも当然だろう。

 

 仮にも五大宗家は日本の異能を持つ人間では最高峰。フリードが知っていても不思議ではないし、五代宗家絡みのごたごたで、フリードらしき人物の情報があったのだから、おそらくそこもあるだろう。

 

 外伝作品があるなら、間違いなく出てくるだろう。このキャラは、創作物としてはかなりおいしいキャラでもある。

 

 だからこそ、幸希は可能ならここで殺すことすら考えている。

 

 彼が最後に出てくるのは、アーシアの過去の真実が明らかになるホーリー編。そしてその件については、別にフリードがいなくても話は進められるのだ。

 

 つまり、言い方は悪いが必要ない。なら、ここで殺してもそこまで問題にはならないだろう。

 

 流石に自分が知らない原作のその後の展開まではフォローしきれない。できる限り行動予測ができるように原作に沿うつもりだが、大きな悪影響が出ない範囲では、可能な限りより良い結果を目指す主義なのだ。

 

 ……この男は危険すぎる。元よりこの精神性、ほおっておけば大惨事を巻き起こしかねない。

 

 今後は間違いなくバタフライエフェクトが甚大になるのだ。まして転生者の数が最低13人は確実にいる以上、自分含めてまだ四人しか直視せず、想定できる転生者も追加で一人だけという少なさ。これ以上に追加要素が出てくる可能性は普通にある。

 

 流石にパワーバランスが完全に崩壊する系統はないだろうが、そうでないなら危険だろう。和正が持っていたチートがかすめる作品にも「心の根のくだらない者が強い力を持っている方が事態はシャレにならない」とあるし、言い方は悪いがD×Dの悪党は大体この理論に引っかかる。

 

 基本、真っ当な精神性を持っている者はガトリングガンを手にしたところで持て余すし、それを使って意味もなく駅前で虐殺をしようなんて、実行したりしないのだ。

 

 英雄を目指す者はその時点で英雄失格であるとはよく言うが、ある意味英雄とはそんな神聖視されるものではない。その時代の普通の人々がしないしできないことを成し遂げるのが英雄の側面なら、つまり英雄とは良しあしはともかく普通から離れた異常者なのだから。

 

 そういう意味ではイッセーは変態の極みなので定義には嵌っている。性根が善良なので眉をしかめるような悪事はしないが、裏を返せばイッセーは覗きはそもそも問題視するようなことでないと思っているも同然だ。アンチが出やすいことまで否定はしないしできない。

 

 だが、根が善良な彼はいい。問題はフリードだ。

 

 もしこの男がゴールドメモリやサーヴァントのマスター権、ましてや星辰光を超える力である極晃星(スフィア)に至ったらどうなるか。考えるだけで寒気がする。

 

 可能な限り速やかに殺すべきだ。チャンスを見逃す趣味はない。

 

 ゆえに―

 

「そろそろ決めるわよ、フリード!」

 

 ―ここで、一気にフリードを打ち倒す。

 

 その為に、態々攻撃パターンを作って行動を誘導した。

 

 強引に押し切って勝てる可能性に掛けるのではなく、より確実に安全に殺せるように勝つ。その為の仕込みを、あえて和正に負担がかかるのを覚悟のうえで行った。

 

 その数分で和正が倒される恐怖を押し殺し、逆にフリードに返り討ちになって、その後和正に負担があつまるリスクを削った。

 

 現実的に可能性を詰め、その上で一気に叩き潰すチャンスに別途を上乗せする。

 

 そのクレバーな攻撃に―

 

「甘いぜお姉さぁん!!」

 

 ―反応できたのは、ひとえにフリードが優秀だからに他ならない。

 

 後に一蹴された、インフレについていけなかった存在。しかし彼は教会でも天才と称されたセンスの持ち主であり、事実並みの眷属悪魔なら一蹴できる実力者。木場祐斗というこの戦いの後に半年程度で最上級悪魔クラスに届いた傑物と比較したからこその敗北であり、比較対象が悪いといえる。

 

 その実力者が、ガイアメモリという凡人すら超人に変える力を手にすればどうなるか。まして肉体的に相性のいいガイアメモリと使用した場合がどうなるか。

 

 考えるまでもない。今の彼は文字通り超人。今この場においては、白龍皇ヴァーリ・ルシファーを打倒することもわずかながらあり得る猛者である。

 

 ゆえに、ここまで来ても反応されるのは何らおかしいことでなく―

 

「―残念♪」

 

 ―そこまで想定したうえでの、詰将棋は完璧に成立した。

 

 誘導によって生まれた隙を、本能で打倒したフリードは確かに傑物だ。才能をメモリで飛躍的に向上させた彼は、間違いなく強敵だ。

 

 だが、勝機を更に確実にする為に時間をかけた以上、そこまで踏まえて想定範囲内。

 

 予想通りぎりぎりで龍殺しの剣を間に合わせた以上、それは本領には届かない。

 

 振るわれる剣は木刀で挟み込むように受け止められ、そしてそこを含めて幸希の全身から放たれるオーラで、剣のオーラも相殺される。

 

 本来相容れない相克する魔と聖なるオーラのぶつかり合いにフリードは驚くが、然しそれ以上に驚愕するのはそのオーラの質。

 

「てめぇ! これ、龍殺しの―」

 

「ええ。龍殺しの聖なるオーラを身に纏う。それが私の神器、守護聖人の猛き魂(ジョルジア・サーコート)の力よ」

 

 幸希は苦笑しながらそう答える。

 

 ゲームマスターにチートを要求する時、チートの特典として幸希はワンチャングレモリー眷属に選ばれるのもありだと考え、それなりの来歴と神器を要求した。更に、原作においても特に難易度の高い戦いだった四章を見越し、対邪龍を考慮した神器を要求。これにより、広義のグレモリー眷属となれると思っていた。

 

 結果がこれだ。龍を司る五代宗家なのに、龍殺しの異教由来の能力を併せ持つ。見通しが甘かった付けは、虚蝉機関に送られるというグレモリー眷属らしい相応に厳しい過去を受けるという形で果たされた。

 

 それでも「これでグレモリー眷属らしい」と、前向きに考えていた愚かさには反吐が出る。

 

 だが、だからこそ立ち向かえる。

 

 良かったなどといえない。誇らしい過去などとは口が裂けても言えない。恥ずかしく忌々しい過去だと言い切れる。

 

 それでも―

 

「あまり舐めないでね。こっちはこれでも、十年間本気で人生歩んでるのよ!!」

 

 ―救えた者と、それに恥じない決意のもと歩んだ足跡だけは認めたい。

 

 ゆえに、この場でフリードの動きを封じ―

 

「―今よ!!」

 

「ああ、悪意に満ちた狂人よ、正義の裁きを受けるがいい!!」

 

 ―正一の一撃に繋げ、敵を貫き打ち倒す。

 

 必要とあればこの程度の搦め手は使って見せる。グレモリー眷属のように生きれる自信はないからこそ、グレモリー眷属とは違うやり方で勝利に貢献して見せる。忌々しい相手だろうが、強い力を持っているなら上手く使う分には躊躇しない。

 

 だからこそ―

 

「私には私のやれることをして見せる!」

 

 ―この手に勝利を掴んで見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその頃、こっちはこっちで追い込まれていた。

 

 くそ! 攻撃が全然当たらない。っていうかこれ、動きを読まれてるんじゃねえか!?

 

 なんかこう、当たると思った瞬間に躱されてるんだけど!?

 

 くそ! 弾幕はロクな効果ないし、かといってショットガンの方は一発も当たらない。

 

 野郎、弾幕は無視してもうっとうしいだけだって気づいたな!?

 

「面白かったがこれで終わりだ! この後ファルビウムが待っているんでな!!」

 

 んなくそ! もう勝ったつもりで―

 

「それに、もう町は吹き飛ぶぞ?」

 

 ―あ、やべ。

 

 そうだった。この駒王町を吹っ飛ばす術式は―

 

「時間制限付きだった……っ」

 

 オイちょっと待て。ここで終わりとかないだろ!?

 

 くそ! 俺も幸希も、直接聞いてない上に十年以上前の記憶情報だから忘れてた!?

 

 ああもう! 人間の記憶って実は不確かで曖昧ってよく言うよなぁ!?

 

 くそ、こんなところで―

 

『あ、そっちは大丈夫だから』

 

 ―ってなにぃ!?

 

 ど、どちら様ぁ!?

 

「―ほぉ。貴様がファルビウム・アスモデウスか。グレモリーの娘の話では、増援は後三十分ほどかかると聞いていたが」

 

 コカビエルが感心していると、めっちゃ面倒くさそうな声が再び届く。

 

『僕もそのつもりだったんだけど、アジュカが駒王町用の使い捨て緊急転送術式なんて作っててさぁ。五分前についてたんだけど、僕だけだと術式解放まで勝てなさそうだから、抑え込みにかかってたんだよね』

 

 と、いうことは―

 

『後40分は持たせられるけど、僕はちょっと動けないんだよねぇ。まあ、眷属が三十分で来るから勝ち目はあるんだけど……』

 

「そっか、なら……」

 

 しのげれば、それでいい。

 

 勝つ必要はない。

 

「なら、このまま……」

 

 防戦に徹しても――

 

「……負けて言い訳、ないだろうガァ!!」

 

 ――良いわけがない。

 

 何考えている、そんな腑抜けて言い訳がない。

 

 俺達は、踏み込んだんだ。

 

 傍観者でもなく、見学者でもなく、参加者であることを選んだんだろう。

 

 コカビエルは間違いなく堕天使最上位クラスで、インフレを上げる側で、それがなんだ?

 

 オーフィスの蛇を持った魔王末裔やら出てくるんだぞ? 曹操とかはいないだろうが、それだってイッセーみたいな揺り戻しがあるかもしれない。それどころか、本気で悪行をする転生王者もいるかもしれない。

 

 そいつがオーフィスをそそのかしたらどうするんだ? 幸希の話じゃ、純真すぎるからまっとうな奴が真っ当に接すれば説得できるとか言ってた。なら、人をたぶらかして悪の道に引きずり込む手合いとかがいたら、オーフィスがガチで世界征服とか企むかもしれねえだろうが!

 

 挙句の果てに魔王の末裔が、新たなる龍神クラスを復活させようとか言う最悪の事態まで発生するとか言う話だ。そんな事態がどんなバタフライエフェクトでどんな変化を起こすかも分からないってのに―

 

「こんなところでヘタレていい道理が、ないんだよぉおおおお!!!」

 

 俺は吠えると、一気に突貫する。

 

 距離を開けてのドッグファイトが無理なら、白兵戦にしか勝機はない!

 

 一気に、ケリをつけるぐらいで行くしかねえ!

 

 即座に魔剣を星辰結晶を取り込ませる形で創造。疑似的に星辰体感応合金としてのアダマンタイトと同様の素材になった魔剣を振るい、俺は接近戦を敢行する。

 

 同時に強化プロテクターのリミッターの解除体制に移行。詰みを叩き込む為に、一気に本腰モードに移行する。

 

「このまま舐められっぱなしで、終わっていいのかおらぁ!!」

 

「面白い! だったら楽しませろ!!」

 

 コカビエルの興が乗ったのか、あいつも光の剣を両手に掴んで接近戦に突入する。

 

 その瞬間、俺達は高速で打ち合った。

 

 アダマンタイトと星辰体を感応させたことで、俺はコカビエルと真っ向から打ち合った。

 

 コカビエルが遊んでいるからこそできる打ち合いに、俺は全力で挑む。

 

 向こうがあえて打ち合ってくれるからこそ、俺は全力で攻撃を繰り返すだけでいい。

 

 その為に全力で作ったこの魔剣は、だからこそ何十合も最上級堕天使の最上位と打ち合うことができ-

 

「……こんなものか」

 

 ―そう、つまらなくコカビエルが嘆息する、五分間持ち堪えて砕け散った。

 

 その瞬間、これ以上は同じことになると判断したのか、コカビエルは一気に踏み込んだ。

 

 そしてその勢いで短く作った光の短槍を形成し、

 

「なら、終わりだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―いや、こっからが本番だ」

 

 その瞬間、俺は一気に加速して、光を纏った拳を顔面に叩き込む。

 

「……っ!? なに―」

 

「リミッター解除ぉおおおおお! あと天使の鎧(エンジェル・アームズ)ぅううううう!!!」

 

 コカビエルが反応するより早く、俺は光力を纏った拳で連続打撃を叩き込む。

 

 ふはははははは! 絶対お前は、俺の神器が魔剣創造()()だと思い込んでると思ってたぜ!!

 

 俺のチートは俺でも引くぐらい色々あるんだよ、具体的には神器は三つ持っておりまぁあああああす!!

 

 もう一つは戦闘向けじゃないがこれは仕方がない! とりあえず亜種発現で拳に上級天使級の光力を纏う、この天使の鎧でぶん殴る。

 

 更にプロテクターのリミッターも解除。この後丸一日ぶっ倒れる勢いで殴り続けてくれるわぁああああああ!!!

 

「いっぺん言ってみたかった! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ドララララララララララララララララララララララWRyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy……!」

 

 リミッター解除に伴って感覚や神経電流の強化で灰になってきたぜえええええええええええええ!!!

 

「……タタタタタタタオワ………ッタァ!」

 

 最後に星辰光で炸裂弾を腕に接続して一発!!

 

 ちなみに、某世紀末アニメで声優が遊びで入れた小ネタを入れてやったぜ。ひゃっはー気持ちよくなってきたぜええええええええ!!!

 

 俺が思わずガッツポーズをすると同時、吹っ飛ばされたコカビエルが、かろうじて着地した。

 

「ご……が……やるじゃないか、餓鬼ぃ!!」

 

 割とボロボロだけど、それでもまだ戦闘は可能。

 

 ああ、それは分かってたよ。

 

 上級天使程度の光力を纏って、限界超えたリミッター解除で連続打撃を入れようが、それでも神の子を見張るもの(グリゴリ)の筆頭幹部は伊達じゃない。

 

 相手が非戦闘系なら、神にだって喧嘩を売れるような猛者だ。ダメージにはなっても倒すには届かないだろうな。

 

 ああ、分かってたよ。

 

「良い感じに体が温まってきたぞ! お前が俺の傘下になるなら、部下として可愛がってやってもいいんだがなぁ!」

 

 俺を歯応えのある相手と判断したのか、コカビエルは笑い、しかし腕を前に出す。

 

 その瞬間、空間が半減されてこっちの動きが干渉される。

 

 なるほど、これが最後の選択肢ってわけか。

 

「どうする? このまま空間半減で動きを止められたまま、無様に串刺しにされるか? それとも俺の配下になって、その実力でミカエルやサーゼクスに挑むか?」

 

 その答えがどっちであっても、自分が楽しめるとは思ってるんだろうな。

 

 だから、俺の返答は決まってる。

 

「……だ、そうですけど、皆さんのお勧めは?」

 

 

 

 

 

 

 

「断った方がいいな。コカビエルは俺が叩きのめすからな」

 

「そうね。あと私もちょっとボコボコにしたいわ」

 

「正義を前に悪に屈するなんて論外だ。やめておくべきだね」

 

 

 

 

 

 

 

「――――しまッ!?」

 

 馬鹿め。これだけ派手に動けば、気がそれると思ったぜ。

 

 接近戦を挑む前に、俺が何を言ったか忘れてたか? あれは、俺自身にもお前にも言ってない。()()()()にだ。

 

 あいつが。プライドの高い戦闘狂が、このまま黙って強敵との死闘を黙って見ているとも思えなかった。

 

 それに、幸希はちゃんとフリードを倒して、助けに来てくれるって思ってたしな。

 

 だから、派手に動いて限界まで叩きのめし、時間を稼いで注意を引いた。

 

 無様に引っかかったコカビエル(間抜け)は振り返るがもう遅い。

 

 

 

 

 

 

 

 駒王学園高等部の校庭を丸々使わないとできないような、でかいクレーターの発生と共に、コカビエルはメモリブレイクした。

 




 和正の能力はいってしまえば「狼の冬の完全下位互換」。いうなれば星辰体結晶化能力・生成型であり、ある意味で願いをかなえるランプとなるシルヴァリオシリーズの根幹設定である星辰体にある程度の影響の方向性を与えることで、魔法の道具を生成する能力。
 ただし似たような能力であるラグナロク主人公たちのそれとは違い、本人の基準値も発動値も低いうえに星辰体供給担当もないため、出力の限界が圧倒的に下位互換。性質的に極晃星バージョンほどではないけど多種多様な装備を用意できますが、当人の地頭の圧倒的格差もあり、星辰体結晶を具現化するのも、必要な能力を得るために組み合わせるのも、そもそも最適な装備を考えるのも大変。きっちりしっかりしっかりとした設計を即座に集中して行わないと戦闘に使えないため、多様性の高さが完全に仇。出力も低い基準値では、本来最新型の戦車すら壊せません。

 そこで唯一主人公ズより明確なアドバンテージである付属性の圧倒的高さを神器と併用。魔剣だけとはいえイメージだけでかなり多種多様な物体を創れる魔剣創造と組み合わせることで双方の難点を相殺。星辰体結晶を付属させ生成可能な物体の種類をまず拡張させた魔剣創造を利用することで、瞬間的に星辰体によって効果が上昇した魔の武装を具現化。基準値で作れる程度のハンドショットガンですら、弾が着弾と同時に衝撃を叩き込むことで、直撃すればM1エイブラムスを真正面からひしゃげさせる程度にはなりました。

 で、発動値においてはAR・VR関係の金字塔ともいえる川原作品にインスパイアされたチョーカー型AR演算機器をまず製作。それによって手持ちの電子記録媒体から事前に設計図を作って試作実験仕立て直しを済ませた各種装備の設計図を頭に叩き込むことで、魔剣創造では亜種禁手必須の装備を生成して立ち向かいます。

 本文の通り拡張性が高いので、開発者系のアジュカやアザゼルの協力を得ることができれば、性能の改良はかなり進むでしょう。当面は禁手に至らせる必要がないほど、かなり強化が可能な装備ではあります。


 そして幸希のチート神器はオリジナルの龍殺しと魔術回路。

 ……はい、本文でもそうですが幸希の実家である櫛橋は、鎖国的なうえに青「龍」を祀っているので相性最悪。外伝に存在する空蝉機関に送られることになるレベルでした。

 ただし当人の戦闘能力は年季と努力とチートの三つが一体化したハイスペック。更にアジュカの支援もあって、現時点で最上級悪魔クラスの実力を持っています。

 さらに当人の魔術回路の性能はまだ出し切っていないので、その辺も考慮して新たな領域に至る可能性があります。
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