ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ   作:グレン×グレン

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 あ、ちょっと遅れてすいません。……父の定年祝いでちょっと焼肉喰ってまして、数年ぶりに。

 最も最近のコロナに対する警戒もあって家でですが。おのれコロナめ……っ





 と、言うわけで本格的なアザゼルの登場です。

 彼は神器研究の第一人者なので、オリ神器を出したときとかは一人いるだけでめっちゃ開設に説得力が持たせられる便利キャラです。


停止教室のヴァンパイア8 アザゼル「レアケース三つ盛りでテンション上がって来たぜぇえええええ……はぅっ!?」

 

 

 

 結果的に、イッセーとアザゼル総督はテイクアウトをすることになり、俺たちもついて出ていくことにした。

 

 まあ、あれだけ騒がしかったら怒られるしな。その辺の空気は読まないといけない。

 

 で、アザゼル総督のお詫びを兼ねたおごりで、俺と武流君も飲み物をもらったので、それを片手に公園でだべり体勢に入る。

 

「いやぁ。あのコカビエルの攻撃を防いだ神器使いってのが気になってな。あと悪魔になる前から禁手になったってのに暴走してないのに、ウチの危険因子除去担当が殺しに行ったんだろ? さすがに悪いと思ったんで、その辺もな?」

 

「それでどっきり入れるとか、どうなんですか?」

 

 アザゼル総督の言い分に、俺はツッコミを入れるほかない。

 

 いや、そりゃ気になるとは思うけどよ? ドッキリを仕掛けるような手合いが謝る気があるとは思えないんだけど?

 

 っていうかイッセーも半目だし。

 

「……あと、そいつはアーシアを殺して神器を奪おうとしたぜ、あんたを慕った結果でな」

 

 あ、そっちの方がむかついてるのか。

 

 さすがイッセー。こういうところはぶれない。

 

 俺が感心していると、総督もため息をついて首を横に振った。

 

「全く面倒な話だ。俺がそういうことを喜ぶタマだとでも思ってたのかねぇ。さすがに話を聞く限り、その元シスターを殺す必要はねえし、殺して喜ぶような奴でもないつもりなんだがな」

 

 そういうと、総督は首をコキコキと鳴らしながら、はっきり宣言する。

 

「ま、その辺の埋め合わせは会談の流れ次第だが、きちんとするさ。頭下げる程度で終わらせられるとも思えねえし、俺がそんなことしても大した意味はないしな」

 

「いや、きちんと謝って頭を下げるのは大事では?」

 

 武流君がそういうけど、総督はチッチッチと指を振る。

 

「甘い。謝罪の言葉と下げる頭は、それをする奴次第で価値が変わる。たかが言葉とちょっとしたモーション程度でいちいち精神的に重くなるほど、俺みたいな不良中年は誠実に見えねえだろ? そんなもんでどうにかしようってほうが問題だ」

 

 な、なるほど。

 

 確かに、明確に実害があるなら実益のある謝罪をする方が筋は通ってるな。

 

 だからこそ、原作ではイッセーたちの指導もしたってことか。

 

 そんなことを思っていると、アザゼル総督は武流とイッセー、そして俺をまじまじと見る。

 

「しかしまあ、ちょっと話させてもらったが、興味深いなお前らは」

 

「「「え?」」」

 

 思わず、三人セットでハモった。

 

 そんな俺たちの疑問を前に、総督はまず武流君を指さす。

 

「まずはお前だ。仮説でしかないが、臓器移植や治療については一部の神器や禁手を使えば可能だろうな」

 

「はい、その可能性があることは教えられてます」

 

「ああ。だから俺は具体例を示すぜ」

 

 そういうと、総督は棒切れを持つと、地面に字を書いた。

 

「まずは神滅具の幽世の聖杯だが、これは違う」

 

 え、マジで?

 

 幸希からの情報提供だと、むしろ一番可能性があると思うんだけど。

 

 俺が首をひねっている間に、総督は地面に書いた”幽世の聖杯”の文字にバッテンを入れる。

 

「幽世の聖杯をきちんと使えば、そもそもお前の肉体からお前の内臓を新しく作れる。はっきり言って適合値が高い程度の内臓にするなんて非効率的だから、この可能性は低い」

 

 そういうと、総督は次に「妖精の器」と書いた。

 

「だから一番可能性が高いのはこっちの妖精の器(フェアリー・カップ)だ。こいつは赤龍帝の籠手に対する龍の手に相当する神器で、後天的な遺伝子調整や染色体の調整が可能だ。禁手や相当の時間をかけた調整なら子供を作れるレベルで性別を変えることもできる」

 

 ほ、ほうほう。

 

 神滅具は、能力の一部の下位互換なら割とあるって聞いたけど、マジらしいな。

 

 俺が感心していると、総督はさらに続ける。

 

「相性が悪いと逆に内臓疾患になるケースがあるが、上手く使えば遺伝子調整を行うことで、移植用の内臓をドナーにより適合する形に調整することも不可能じゃない」

 

 そういうと、一度総督は言葉を切る。

 

「最も、禁手も無しにそんなことをする場合、命を削るほどの無茶か相当の時間は必須。摘出した臓器の持ち時間を考えると、施術をした奴か臓器の本来の持ち主は、禁手に至ってもない限りただではすんでないだろうな」

 

 そういうと、気遣わしげに武流君に視線を向けた。

 

 武流君もまた、顔色が少し悪くなり、息をのんでいる。

 

 まあ、仕方ないよな。

 

 今の言葉通りだと、武流君を治療した奴は、誰かを殺してたり自分が死んでたりする可能性があるわけだ。

 

 そんな想定外の打撃をもらえば、当然思うところはあるはずだ。

 

 ……何か言うべきなんだろうけど、だけど何を言えばいいのかわからない。

 

 俺が迷ったその時―

 

「……俺、馬鹿だからよくわからないけどさ」

 

 ―イッセーが、静かに言葉を選びながら告げる。

 

「そりゃ、その臓器を提供した人が死んでるかもしれないのはショックだろうけどさ。だけど、朱雀院がそうしろって言ったんじゃなんだから、それでずっと落ち込んだり後悔するのは違うと……思う」

 

 そう言いながら、イッセーは右手を握り締めた。

 

「それに、もし死んだのが治した方の奴だとしても、少なくともそれでずっと落ち込んでたら、そいつも喜べないだろ? ……だから、朱雀院がやるべきなのは落ち込むことじゃないと思うぜ?」

 

 そして、イッセーは武流君を向くとぐっと腕に力を入れる。

 

「助けた奴が人を殺して助けるような奴なら一発ぶん殴る! そうじゃないなら助けられた分ちゃんと生きる! もし何か事情があってそんなことをしたのなら、その時は力になる! ……それぐらいで、良いんじゃないか?」

 

「兵藤先輩……」

 

 武流君は、目からうろこが落ちた感じで、イッセーを見る。

 

 というより、俺も総督もまじまじと見つめていた。

 

 それに気づいて、イッセーは少し慌て始める。

 

「あ、あれ? 俺、何か間違ったこと言った? いや、そりゃよくわかってないけどさぁ……」

 

「いや、いいこと言ったぜ」

 

 俺は素直にそう思う。

 

 ああ、こいつはこういうことができるやつだった。

 

 コカビエルの時もそうだ。いきなりハイレベルな殺し合いに巻き込まれたってのに、あの時コカビエルの攻撃から、リアス先輩たちを庇ったんだ。

 

 荒事経験も無しにそれができるやつって、そうはいないと思うぜ。

 

 武流君も感心しているのか、少し自分の手を見つめると、うなづいた。

 

「そうですね。兵藤先輩ってほかの先輩から同情か軽蔑かで評価が二分されてますけど。僕は今、本気でいい人だと思いました。なんで紅真先輩みたいに嫌っている人が多いんですか?」

 

 真剣かつ純真な瞳に、イッセーは首をかしげる。

 

「俺もそこはなんでかって思う。確かに人よりスケベだけど、いい年した男なら十分あるレベルだと思うんだけどなぁ」

 

 うん、お前そういうところだぞ、悪い意味で。

 

 俺ははっきり言った方がいいと思ったので、はっきり言うことにする。

 

「言っとくがそれ、痴漢や盗撮犯の言い訳だからな? そういう精神的苦痛って、された側ってめっちゃきついから訴えるんだからな? 幸希さんみたいなタイプはむしろ少ないからな?」

 

 うん。そこは問題だからな? そこは紅真は過激なだけで正論だからな?

 

 ちなみに、武流君のイッセーを見る目の温度が半分ぐらい下がったのは、たぶん気のせいではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ま、こういうのって女の方は過剰に気にする連中は多いからな。ちなみに堕天使(ウチ)はそういうの少ないから、その気があるなら歓迎するぜ?」

 

「ひっくひっく……。あ、幸希さんがエッチなことして可愛がってくれるんでいいです。あの人が主なら俺は覗きを卒業できる自信があるんで」

 

 なんというか、イッセーと総督の距離感が一気に縮んだが、とりあえず話が戻る。

 

 で、総督は今度は俺とイッセーに興味深い視線を向ける。

 

「ま、俺はお前ら二人にも興味津々だがな」

 

「俺の場合は、魔剣創造で銃火器を作ったからですか?」

 

 まあこれは予想の範囲内。

 

 魔剣創造は魔剣を作る神器であり、禁手になってないなら応用でもせいぜい刃物が限界だろう。

 

 それをお前、ショットガンとサブマシンガンを合体させたマルチウェポンとか、規格から外れすぎだからなぁ。

 

 そりゃ、情報が伝われば「禁手か?」と思われてもおかしくない。

 

 禁手は本来珍しすぎるケースだから、気になるのは当たり前だしな。

 

 そして隠すことでもないと思ったからか、総督は素直にうなづいた。

 

「ああ。しかも見る感じ禁手ってわけでもなかった。魔法か何かか? アジュカ当たりが開発した秘術とかって踏んでるんだが」

 

「企業秘密で。まあ、似たようなことができるやつが出てくることはあっても、全く同じことができるやつはいないと思ってますがね」

 

 星辰光(アステリズム)ってそういう力らしいし。

 

 当人の精神性や肉体的素質で大きく変わるから、肉親でも似たような能力を宿すことはあっても同一の能力は生まれない。まして当人の趣味嗜好からかけ離れた能力が生まれることもあるらしい。まあ俺の能力も、ぶっちゃけ物理学者レベルの頭いいやつに与えられるべき物であって、俺が使いこなすのはマジ大変だ。

 

 しかもそれを神器と悪魔合体させてようやくあのレベルだからな。神滅具クラスでは間違いなくない。

 

 総督もその辺に勘づいているのか、あえて踏み込もうとせずにイッセーに視線を向ける。

 

「それにお前に関しては首をひねるレベルだ。神器を制御できないと判断されたレベルの奴が、神器を使い慣れてるどころか目覚めても無い段階から、禁手にいきなり目覚めたのに暴走してねえとか前代未聞だ」

 

 と、めっちゃ興味深そうな目をイッセーに向ける。

 

 あのすいません。鼻息が荒いんですが?

 

「いやマジでここ二十年ちょっとで、神器関係はレアケースが乱れ打ちだな。ヴァーリや鳶雄もそうだが、お前もかなりレアだから興味がわきまくりだ」

 

 あのすいません。手をワキワキさせないでもらえません?

 

 あんたまだ和平結ばれてないって忘れてない? そして和平結ばれた後、イッセーで人体実験じみた事したりいろいろとトラブル巻き起こしかねないやつだって知ってるんだけど?

 

 とりあえず、後ろから蹴り飛ばすべきだろうか?

 

 いや、でもこの人堕天使のトップだからなぁ。下手に上級悪魔の子飼いがど突き倒したら国際問題レベルの事態にになりかねない。

 

「なあ、お前さんちょっとうちの施設来ないか? なに、ちょっと調べるだけだからさぁ?」

 

「へ? あの……ちょっとぉ!?」

 

「無想先輩、止めた方がよさそうなんですが」

 

「つっても、今の状態で堕天使の総督を下級悪魔がボコるって、後々まずいことに……」

 

 俺たちがどうしたもんかと思った、次の瞬間。

 

―プス

 

 小さく細い注射器が、総督の背中に刺さった。

 

 そしてその瞬間、総督の体がビクリと震えて動かなくなり―

 

「……あばばばばばばばば」

 

「「「うわぁああああ!?」」」

 

 ―急に痙攣をおこして倒れたので、思わず全員バックで下がった。

 

 な、ななななんだ!? 敵襲か!?

 

 あ、まずい。こんなところを人に見られたら間違いなく「悪魔側が堕天使総督を襲った!?」とか思われる!?

 

 ま、まさかそれが狙いの転生王者か!? 原作アンチが和平そのものをぶち壊すために、こっちに襲撃を!?

 

 そう思った次の瞬間、今度は矢が地面に突き刺さる。

 

 そっちに目が反射的にいくと、なんか紙が巻き付いてた。

 

「…………矢文?」

 

 思わず、ぽつりと名詞がこぼれる。

 

 なんで今時そんなのなんだよ。え、なにこれ?

 

 なんか気になったので、ライアットシールドを展開して飛んできた方向から身を隠しながら、俺はそれを開いて確認。

 

 書いてあったのは短い言葉が二つ。

 

―馬鹿を止めに来た堕天使です

 

―後で回収するんで、ほっといて下さい

 

 ………

 

 俺たち三人はそれを見て、矢が飛んできた方向に振り返った。

 

 なんというか、その―

 

「「「ご苦労様です」」」

 

 ―そんな言葉とともに全員で一礼。

 

 苦労、してるんだなぁ。

 

 俺たち三人は、堕天使の一般構成員に対して同情心を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 そして去っていく三人を見送りながら、そこから直線距離で1kmは離れたところで、一人の男性がため息をついた。

 

 堕天使であるその男性は、白目で倒れて震えている自分達のトップ(アザゼル)を眺めると、肩をすくめる。

 

「……ここ、悪魔の管轄区だってわかってんのかあの人は」

 

「わかっててもする人だと思うわよ?」

 

 そう返答するのは一人の女性。

 

 二十代前半と思える女性は、ウェーブの入った長い黒髪を風になびかせたその女は、少々自分の美貌と不釣り合いな格好をしていた。

 

 特に作業をしているわけでもないのに、下半身を包むのはカーゴパンツ。それに合わせた服装をして、実際それでも周囲に男がいれば視線を集めるだろうが、それにしても彼女の持つ美しさとは不似合いな印象を与える。

 

 そしてそんな女性は、ちらりと視線を横に向ける。

 

 高層ビルの屋上。その一角には誰も見えない。

 

 だが、彼女はそこに誰かいることを前提として口を開いた。

 

「とりあえず、今から回収してまっすぐ帰るから、苦情はあと一回だけ待ってくれません?」

 

 その言葉に、ため息とともに空間が揺らいだ。

 

 現れるのは、そのままにすれば首の付け根まで伸びるだろう金色の髪を左右でまとめた、18歳ぐらいの一人の少女。

 

 髪以外の要素は日本人ゆえに染めたかと思えるが、よく見れば髪質は完全な地毛であるとわかる。

 

 そんな、遺伝法則から見ると珍しいというほかない少女は、ポリポリと頭をかきながらむすっとした表情を浮かべていた。

 

「申し訳ありませんが、会談前であんまり悪ふざけないでもらえません? 魔王様はともかく、こちらの上層部やほかの上役方がピリピリしてるので、下のこちらにも弊害が来るからお願いですからやめていただきたいです」

 

「ごめんなさいね。あれでチキンレースで失敗することがない人だから、……たぶんぎりぎりのラインを見極めたうえでの確信犯だわ」

 

 その少女にそう告げると、女性は自分で言っておきながらため息をつきながら眉間をもみ始める。

 

 相当苦労していることがわかるその態度に、少女も「あ、この人も被害者」と判断し、すこし態度を柔らかくする。

 

「とりあえず、今回は「特に問題なし」と報告しておきます。ですがこの国では仏も三回までしか許しませんので、次刺激したら介入しますよ?」

 

「すまねえな。ただ、三回まで許すならあと一回は余裕なくね?」

 

 軽い冗談めかした調子で男の方が告げるが、少女はしっかりと首を横に振った。

 

「白龍皇も含めてです。あの時牽制したのに二回もやるとか、さすがにいい加減にしてほしいんですが」

 

 その反論に、男女ともに視線をそらした。

 

 そいて静かに空を見上げると―

 

「「……似たもの師弟め」」

 

 ―そのぼやきっぷりに心労が込められていたので、少女はそれ以上何も言わないことにした。

 

 そして、その隣に一人の少女が表れる。

 

 17歳ぐらいのその少女は、よく見れば金髪の少女と姉妹ではないかと気づかせる。

 

 体つきは細すぎるぐらいで、顔つきも柔らかく受動的な印象を与える。しかし銀髪という日本人離れした髪の色と、しかし明確に日本人だとわかるそれ以外の要素が、一瞬でも血縁者と思わせればそれ以外に考えさせられないほどの共通点となっていた。

 

「……ホロウテン様から連絡。「……胃薬は送っておいた。あと労災申請は通せる」だって」

 

「……私、本当に上司運がいいわぁ」

 

 微妙のその少女は涙を目じりに浮かべると、そのまま妹と思しく少女を連れて去っていく。

 

 去り際に、眷属への差し入れとして買っておいた栄養ドリンクを二人分置いておくあたり、背中がすすけている男女に対する同情心は強かったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 ……ちなみに、堕天使総督は五十分ほど放置されて風邪を引いたらしい。

 




と、言うわけで、武流がらみの謎についての技術的な秘密はこの通り。

自分はオリ神器とかは基本としてスターシステム運用をする手合いですが、妖精の杯は大昔煮え立った作品の神器ですね。ご興味ある方は昔の作品を一読してくださるとうれしいです。








 そして堕天使側と悪魔側にオリキャラの影。実は一人だけ以前の話にちょっとかかわっています。

 原作ではアザゼル杯編で堕天使側のキャラで準レギュラーすらない状態なので、彼らにはその時の準レギュラーになってもらおうかと思っております。また悪魔側はD×D作品であまりない立ち位置の組織の一員として作りました。
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