ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ 作:グレン×グレン
「誰」にさせるかも含めると結構大変ですが、これは頑張って全部出さないとダメか。……頑張ろう!!
その爆発音が響くころ、戦場は大きく状況を変化させていた。
新たに戦場に現れるのは、全長10m強の人型の巨人。
迎撃のために外から入ってきた三大勢力の護衛達と戦いを繰り広げ、さらに南洋同盟の歩兵たちの援護を受け、更に攻撃を行っていく。
放たれる攻撃は、手を伸ばすと同時に形成される複合装甲の壁で防ぐ。
そして手に持った銃、そのうちアンダーバレルに取り付けた機銃から放つ弾幕で、三大勢力の兵士たちに牽制を放つ。
さらに本来の銃身からは、35mm程度の口径からは考えられない爆発を起こす射撃を行う。
そしてその戦闘を、駒王学園敷地内の雑木林から見据える男が一人いた。
二十代後半の日本人男性。南洋同盟の軍服の上から、和服を羽織った男性は、周囲の戦闘の様子を見て苦笑する。
「似たようなことを考える奴ってのは、いるもんだな」
まあそうかと、男性は苦笑する。
神様転生でクロスオーバー能力を持ってくるにしても、基本的に「メジャー」どころが存在する。
自分のようにそこから能力を持ってきたやつが一人いる以上、13人以上いる転生王者にかぶっている者がいてもおかしくないのは当然だ。
なら―
「例のドーパントになったコカビエルとやり合ったっていう、櫛橋の女は、どうなのかねぇ」
もしかぶっているのなら、これで必ずリアクションを見せるはずだと思い、挑発を敢行する。
その準備を行いつつ、男性は視線を校庭に向ける。
そこには聖槍を持った日本人の少年を相手取る、漢服を羽織った自分達のリーダーの姿がある。
彼が聖槍同士の戦いで立ち回っていることに感慨深いものを浮かべつつ、男は聞こえないとわかっていながらも声援を送るほかない。
「負けるなよ。あんななんちゃって英雄はもちろん、お前は今の時点ですでに英雄なんだから……さ」
うぉおおおお!? うぉおお、うぉおおおお!?
ど、どこから相手したらいいのかさっぱりわからない!
アザゼルがヴァーリに吹っ飛ばされたと思ったら、紅真が曹操に吹っ飛ばされた!?
え、なに、どういうこと? 何がどうなってるんだ!?
っていうか曹操も聖槍!? 聖槍のバーゲンセールにもほどがあるだろ!
なんだよ、このスーパーロンギヌス大戦。スパロボみたいにロボット兵器が暴れまわっているし、どっからツッコミを入れたらいいかわからないんだけど?
思わず頬を引きつらせていると、俺の肩にレディッドが手を置いた。
「とりあえず落ち着け。……櫛橋、俺たちはどうすればいい? あんたが一番
あ、たしかに。
そもそD×Dを知らないレディッドはもちろん、アニメレベルしか把握できてない俺も、こういった時の判断は幸希に劣っている。
なら、ここは幸希の判断を頼りにするべきだな。
と、思ったら……。
「さっきの反応、まさか……っ」
幸希は幸希で、何か混乱しているのかこっちに気づいてない。
ど、どういうことだ?
「幸希、幸希さん?」
俺が恐る恐る呼びかけると、幸希は我に返る。
「……っ! すまんでござる! しかしこれはまずうござるな」
いや、まだ冷静じゃなかった。
特にそのキャラを知らないレディッドが面食らってる。
「いや、とりあえず話をこっちに戻すぜ? どうする?」
レディッドはとりあえず、話をこっちに戻したらしい。大人だ。
そして幸希も冷静になったのか、素早くあたりを見渡す。
幸いミカエルさんは結界の展開や迎撃部隊の指揮に意識を向けている。
んでもって、なぜかレディッドと一緒に来ていた鳳凰堂睡蓮やイエナ・ファミリアヘッドの姿が見えない。
「あ、あの二人には遊撃を頼んどいた。こっちの話は聞かせにくいしな」
「「お気遣い感謝します!」」
頼りになる上に気が利く人だ!
と、それはともかく。
俺が幸希に視線を戻すと、幸希も呼吸を整えながら静かに視線を俺たちに戻す。
「じゃあ、とりあえず私たちも動くべきね。……和正とレディッドには頼みがあるのだけれど」
お、何々?
「二人はアザゼル総督を追いかけて。吹き飛ばされた方向は旧校舎方面だから、ヴァーリが「面白そうなやつをもっと面白くするために、同胞を殺して復讐者にしよう」とかしかねないわね」
あ、確かに。
アイツ原作でも「イッセーがつまらないから、両親を殺して復讐者にしたら面白いことになるかもしれない」とか挑発してきたからな。下手したら本気だったのかもしれない。
終盤で謝ったらしいが、それはそれとして今の状態を警戒するべきだ。どっちにしても放っておけるタイプじゃない。
だから俺達が行くのは当然なんだけど―
「幸希は?」
なぜか幸希は、あらぬ方向に視線を向けている。
龍殺し聖なるオーラを纏う神器を持っているのが幸希だ。はっきり言って相性から考えて、幸希がいるとだいぶ助かるんだけど。
だけど、幸希はあらぬ方向をにらみつけている。
……まさか。
「挑発でもされたのか?」
他の、転生王者か?
「ええ。それもたぶん、五代宗家に縁があって、型月系統のチート持ちだわ」
……え、マジで?
「……マジ?」
「十中八九。五代宗家に伝わる信号系の術を、魔術回路を併用したとしか思えないアレンジで使ってきたわ。……こっちを誘ってる」
なるほど、な。
「誘いに乗らないと何をするかわからないし、魔術回路持ちだとするなら私が出張るべきよ。でも、それだとディーザたちやイッセーが不安なの」
その言葉とともに、幸希が俺に、弱弱しく微笑んだ。
「ごめんなさい、貴方に不安を―」
「―任せとけ」
俺は、そうはっきりと、幸希の謝罪を遮って言い切る。
ああ、そういうことなんだな、ディーザさん。
こういう時、男を見せろってことなんだろ。
ああ、わかってるさ。俺たちはそういう奴らで、だから幸希だってつらくて大変なんだ。そんな思いを、十年以上続けてきたんだ。
だから―
「―任せろ。これでも俺は、毎週二時間は家畜の屠殺映像やリアルな戦場での殺し合いの映像を見て慣らしてきたから、一人で殺し合いをしてもなんとかなる!」
―こっちは任せろ。そっちは任せた。
俺のそんな思いを、幸希も受け取ってくれたらしい。
クスリと笑みをこぼしてから、力強くうなづいた。
「ま、白龍皇はこっちで対応するから安心しな。……ほかのあのロボット軍団とかは余裕ないかもだが」
「そこは不安要素を告げないでほしかったわね」
レディッドが閉まらないこと言ったので、少し苦笑に変わったけど。
「……ことが終わったらいっぱい奢るわ。だから死なないでよ?」
「ああ。美女におごってもらう酒とか旨そうだ。死ねないな、これは」
幸希とレディッドがそう軽口をかわし合い、レディッドがまず走り出す。
そして、俺と先は視線を交錯させて、うなづいた。
「任せたわ、和正」
「任された、幸希」
さて、じゃあ気合を入れなおすか!!
そして、紅真正一もまた気合を入れなおしていた。
認めるほかない。曹操という男は難敵である。
当初から兵藤一誠と変わらぬ、悪質な存在でありながら強大な力とそれに付随する魅力で人を集めるだけの存在とみなしていたが、どうやら
なぜ聖槍を宿しているのかはわからないが、ネオスたち神聖十字軍団も同様に聖槍を持っているのだ。ならそういうこともあると割り切り、とにかく今は倒すべきである。
ゆえに、正一は悪魔の翼を広げて態勢を整えると、突撃する曹操に対してカウンターを放つ。
相手の正中線上を狙ったその突きは、まごうことなく高水準。
ここから起きる世界を揺るがす戦いを、真なる主人公としてよりよく救うために、正一は文字通り血がにじむ努力を重ねてきた。
体を壊さないぎりぎりの領域で鍛え上げ、そして技量を徹底的に磨き上げた。
明言しよう。紅真正一はまず間違いなく聖槍抜きの純粋な人間として、すでに一流の戦士としての素質を持っている。
その危険性ゆえに殺しに対する躊躇も薄いこともあり、たとえ聖槍を持たず、兵士として訓練を受けて戦場に出たとしても、短期間で最精鋭部隊の実力者と渡り合えるだろう。
しかし―
「―やるね。そうでなければ!」
―それは、曹操という男が正一に劣っているということを示すものでは断じてない。
正一の放った聖槍の突きは、あろうことか曹操が放った突きと切っ先をぶつけ合って、お互いにはじかれる。
これはどちらの技量が低くても成立しない。正真正銘一流の技量を持つ者同士の戦いでのみ発生する現象。
しかし、正一は自らの突きが曹操にはじかれたことに衝撃を受ける。
それを一切漏らさずに飲み込んで、速やかに打ち合いを成立させている正一は間違いなく一流である。
しかし、その不快感が絶大なのもまた事実だった。
正一にとって曹操とは、兵藤一誠に並ぶ唾棄すべき対象である。
偉大なる聖書の神の遺志を宿した、最強の神滅具たる黄昏の聖槍。それを宿しておきながら、ただの力試しにテロを行うような下劣な輩と、ある意味では兵藤一誠以上に見下している。
だからこそ、真の主人公としてこの世界に来ることができた時、あえて赤龍帝の籠手ではなく黄昏の聖槍を選んだのだ。
チートの上限を考慮したとはいえ、ふさわしくない兵藤一誠や曹操から偉大なる神滅具を外すことができた時、心からほっとしたのだ。
ああ、これで世界はより素晴らしく、正しいものにできると。
それが、どのような細工をしたのかわからないが、曹操に聖槍を宿すなど……っ。
「世界を正すものに選ばれながら、愚かな判断をする者は多いということか!」
そう吠えるとともに、正一は翼を広げて宙を舞う。
そして高速飛行で右斜め上から攻撃を放つ。
それは躱されるが構わない。一度で倒せるような相手ではないことはわかっている。
どうあがいても今の正一は悪魔であり、ゆえに聖槍との相性は悪い。だから正攻法で挑めば敗北する可能性は十分にある。悔しいがそれは事実である。
だからこそ、やるのなら持てるものを全力で使うべきなのである。
故に躊躇することなく、悪魔が人間より優れている明確なアドバンテージである、飛行能力を展開している。
そして、その上で更に畳みかける。
「悪魔になった者が、その最大の特性を生かさないと思うか!」
少しずつ準備をしたうえで、魔力の球体を十数個生成。
一発一発が下級悪魔が出せる限界レベル。一発一発がちょっとした迫撃砲に匹敵するレベルの攻撃力を発揮する。そんな攻撃を十数発、一斉に放つ。
空中からのヒット&アウェイはあくまで布石。本命はそれで行動を制限してからの、この攻撃による面での圧殺。
曹操は一撃充てることができれば決定打になる、人間の脆弱性が明確な欠点だった男だ。それゆえにそうさせない技量にたけているが、だからこそこちらも策を練る。
速攻で遠距離攻撃を踏まえた戦闘を行うのではなく、あえて近接戦闘だけが手札だと誤認する可能性を作り、全く異なる戦法から切り替えての面制圧。
それも即座の判断で脱出されないように、あえて着弾地点をばらすことで、爆圧を回避できないくらいに展開した攻撃だ。
それが着弾すると同時、正一は素早く着地すると意識の八割を着弾地点に向け、残り二割を周囲に向ける。
確殺を期した攻撃だが、それで油断しては元も子もない。
真なる主人公の前に立ちふさがる、原作の強敵なのだ。相応の隠し玉を想定するべきであり―
「……いいね。思い切りもいいしよく鍛えている。これはいい」
『アドルフ・ヒトラー』
―その声と合成音声の位置に、正一は目を見張る。
思わず声のする方向を見上げれば、そこにいるのは曹操だが、姿が違う。
なぜかナチスドイツの軍服に身を包んだ曹操は、あろうことか爆発の余波で発生した
その在りえないとしか思えないその光景に、正一は一瞬だが完全に思考が停止する。
そして、それを見逃すほど曹操という男は甘くなかった。
「じゃあ、第二ラウンドとでも行こうか?」
躊躇も遠慮も微塵もなく、曹操は新たに攻撃を再開する。
そして、一人の男の前に男女が降り立つ。
「なるほど。まあ、Fateシリーズはかなり有名であるが故、13人もいれば何人かかぶってもおかしくない、か」
サーゼクスの相手を部下たちに任せた、ネオス・コンスタンティヌス。
「……
そのネオスに一種の安心感を覚えながら、挑発をしてきた相手に対し、こちらは嫌な予感が的中したことを悟った、櫛橋幸希。
その二人の視線を浴びながら、男は軽く苦笑しながらうなづいた。
「ああ、転生王者の1人にして、禍の団の英雄派が最精鋭「真栄衆」の創設者。……
そう返答する男は、同時に視線を向ける。
「さぁて、今から戦闘してもいいけどさ、少しぐらい型月系統の特典を選んだものとして、話をしてもいいんじゃねえか?」
そう告げる英雄派に属した朝野は、苦笑を浮かべてネオスを見る。
「特にあんたとは、更に方向性の似ているチートを選んだ身として思うところがあるからよ?」
そして幸希と開講する、この章最後の転生王者、童門朝野。
ちなみにこの三人のチートはある意味で共通していますが、共通しているチートの持ち主がこれで終わりというわけでもないのじゃよ。
それはそれとして、曹操による正一に対する猛攻。そしてアドルフ・ヒトラー。
アドルフ・ヒトラー。それは「いくら何でもD×D原作で出てこないだろう」という、ある意味非常にピーキーな相手であることを利用して設計したチート存在。ケイオスワールドではフォンフシリーズの能力の1人にしていたけど、いろいろあって明かせずにお蔵入りしたアドルフ・ヒトラー。そのごサーゼクスを一蹴した男にデミ・サーヴァントじみた方法で宿させたけど、データが焼失(誤字にあらず)したのでまたお蔵入りになったアドルフ・ヒトラー。聖槍を持ち聖十字架と聖杯まで手にした、めちゃくちゃチートを盛った存在、アドルフ・ヒトラー。
そんなアドルフ・ヒトラーの記憶を宿したガイアメモリ。別に聖槍を持っている理由はそれではありませんが、出力を補正して強化する分には十分すぎます。そして自分の力の上位互換の扱いに慣れると、自分の出力に戻っても使い方がうまくなるのはとある科学で知られる通り。
ちなみに、曹操は更に盛られています。正一m9(^Д^)プギャー!