ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ 作:グレン×グレン
そして同時タイミングで、バチカン市国に霧が発生している。
「……我らとともに来るものは、この霧の中に足を踏み込むといい。そしてその気がないものは、死にたくないのなら足を踏み込むな」
そう告げるのは、騎士の鎧を身に着けた男。
そしてその右手に握られるは、まごうことなく聖なる輝きを放つ聖剣。
そして左手に槍を構えた男は、それを振り払って血を払う。
そして、視線を後ろに向ければ、そこには深手を負いながらもたっている一人の青年。
……和平の意をミカエルが伝えるとともに、「紅真正一を前にして冷静でいられる自信がない」と会談出席を辞退しつつも「だからこそ、タカ派の自分が枢機卿となることで、悪魔を強く敵視する者たちをなだめることができる」と枢機卿就任を決めた奇跡の子、シグルド機関の最高傑作ニーベル・バルンストックが血まみれで立っていた。
「バルンストック猊下……! あのお方を前に立ち上がれるとは、なんと気高きお心なのか……っ」
「ああ、あの方が和平の先を見定めるというのなら、私はあの方の決定に従うのみだ」
「ああ、和平することに否はなかったが、あの方が「やはり価値なし」と決めるのなら、たとえ煉獄に落ちようと主にすら立ち向かおうではないか!」
「バルンストック猊下がこうも圧倒されるとは、やはりあの方は真なる聖人か」
「そんなお方が否と唱えるのなら、やはり和平など認めるものか。私はあの方についていくぞ!」
「やはり和平は間違っている! セラフはもはや腐り果てたのだ!」
方やニーベルを崇拝するもの。方や騎士を崇拝するもの。
その二極化は、この戦いが双方ともに信徒にとって神々しいものだからこそ起こりえるものである。
奇跡の子にて助祭枢機卿になったニーベルが、個人的な敵意を押し殺して「見定める」ために和平を守るべく立ち向かったことが信徒として感涙ものなのは言うに及ばず。
そしてそのニーベルを圧倒する男が和平を否定し神聖十字軍とともに戦うことを宣言したことも、その男の名乗りと様子見をしていた天使の言葉から、彼らにとっては麗しき聖なるありかたである。
そう断言するものが絶対に多数現れるだけのこの戦いをなした騎士は、踵を返すと霧の中に踏み入る。
「―敬意を払おう。悪魔をつけ上がらせる和平は認めぬが、不満を抑えてあえて見定めるその決意、善と正義の試練に励む信徒として、評価に値するとも」
「……買いかぶりすぎさ。茶番だとは思っているとも」
ニーベルはそう返答する。そして、それは事実である。
実際にこれは茶番である。
ニーベルは万が一どころか億を通り越して兆の一程度の可能性はありうるとは思っているが、まず間違いなく悪魔も堕天使もほかの神話も、己の在り方を悔い改めて聖書の教えに改宗するとは思っていない。
そしてその兆の一が発生したときのためのつなぎとして、何よりいきなりでは神聖十字軍団に入れないだろう、和平に遺憾を覚える者たちとつなぎを作るために、あえて神聖十字軍団に入らず、むしろこれまで戦士として悪魔を祓うべく断ってきた、枢機卿就任を自ら望んだことも、茶番といえばそれまでである。
偉大なる聖人に余計な虚言を言わせるわけにはいかないと、自分が死ぬ可能性を覚悟のうえで、同胞たる転生王者の了承を得て打ったこの命がけの茶番。馬鹿と言われれば反論の余地がないことは断言してもいい。
だが、この馬鹿がのちに起こりえる戦いのための布石になると、ニーベル達も確信している。
「……だが覚えておけ。もし貴様らが自らの愚行に気づかなければ、黙示録に等しき戦いが貴様らを滅ぼすということをな」
「当然だとも。むしろ、黙示録そのものが起こりえるだろうな」
これもまた、茶番である。
祖も原作の流れを考慮すれば、トライヘキサの封印が解放されるのは可能性として十分考えるべきことである。
そして、警戒していたそれがむしろ歓迎する余地があることに気づけたのは、ひとえにネオスのおかげである。
――私はね、この聖杯戦争の開催目的が最も好きなのだよ。悪を成すことで、逆に正義と善に価値があることが示される、もっとも「聖杯」の名を冠するにふさわしい聖杯戦争だと思わないかね?
そう、ネオスが言った通りなのだ。
黙示録の獣の開放とは、すなわち逆説的に獣が今まで主によって封じられたことの証明である。
ましてこの世界の獣は主によって、身命を賭して封じられたのだ。その開放による破壊とは、すなわち自分達が主の威光によってのみ守られてきたことの証明である。
トライヘキサ。黙示録の獣の開放による、逆説的な主の愛の証明。
世界で最も美しく麗しき聖杯戦争を、この世界で正しく起こすという決意。
ネオスの同胞になると誓った崇高な理想のために、ニーベルが命を懸けたのは当然である。
ゆえに、失血多量で意識を失う直前に、ニーベルが漏らしたのはただ一つ。
「……いずれ、本心からあなたと共に戦いたい。も……のだ」
その言葉とともに、ニーベルは一時的な眠りへといざなわれた。
赤龍:緊急事態緊急事態緊急事態!! おい、特に粉☆砕! まだ帰ってないのかなぁ!?
大☆罪:なんだなんだ? 赤龍、いまチャットしてて大丈夫なのか?
赤龍:部下に警戒してもらってるから大丈夫だ。それより、想定外の事態がぶちかまされたんだけど!?
メカメカメカ:あ、粉☆砕は当分来ないわよ? 奇跡的にほぼ全員生存した部下をねぎらって、今シチュー作ってるところだから。消化器系やスプーン使えるレベルの腕は残ってる連中ばかりだから、みんな楽しみにしてるみたい。
大☆罪:それ、手足の一つぐらい吹っ飛んでるやつはいるという意味だろう? それでシチュー食べれるとか、頭がどうかしてるな。
メカメカメカ:仕方ないでしょ。あいつらは機甲巨人化創星録の悪落ち版みたいな連中として部下にするために修業してる連中よ? むしろ強化改造できるぜヒャッハーな奴らが多いことは知ってるじゃない。
大☆罪:まあ、正真正銘の第一世代型魔星まで既にいるからな。おかげでダイソンスフィアの設計も楽に進んだんだが。
赤龍:それだ。そのタウゼント・ダイソンスフィアのことで話がある。
大☆罪:なんだ? 転生極帝に接触するまで時間がかかりそうなんだが。なぜか最近、転移を経験しているのか場所がまちまちなんだ。
メカメカメカ:あ、ほんとね。あの子に転移能力は刷り込んでないんだけど。
大☆罪:ロールアウトしてからまだ数か月だからなぁ。
赤龍:いいか、落ち着いて聞いてくれない?
約二名:なにが?
赤龍:なぜかタウゼントの奴、ヴァーリチームにいるんだが。しかも普通に転生極帝の和正を攻撃してたぞ。
メカメカメカ:インプリティングは確かに「転生極帝を主と思え」ってしたわよね?
大☆罪:ああなるほど。ヴァーリチームと出くわして戦闘して負けて、頭をぶつけて記憶が飛んだとかそういうことだろう。我々五大星天についてばれないよう、そのあたりを最小限にして回りくどく立ち回ってたのが裏目に出たな。
赤龍:どうすんだよ。和正どころか原作主人公のイッセーだって、星辰光で赤龍帝になっちゃったんだぞ?
メカメカメカ:悪いけど、私はそこまで転生極帝や兵藤一誠に肩入れする気はないから。このチートの条件、正直面倒なんだけれど。
大☆罪:まあ、メカ系統はお前が担当だからな。こっちのカウンターウェポンを自分で作るのは、赤龍じゃあるまいしストレスがたまるか。
メカメカメカ:まあ、そういった手間暇があるからこそのチートだもの。代金として腹はくくるわよ。
赤龍:……まあいいけどさぁ。話は変わるけど、大☆罪は本当にやるのか?
大☆罪:もちろんさ。こっちはそのための仕込みのために何百年も頑張っているんだからな、お前たちと違って。
メカメカメカ:悪いわね。さすがに何百年も完全な下積みとかは無理だもの。でも、練習期間はくれたじゃない。
赤龍:まあ、あれがあるのとないのとでは心構えが変わるよなぁ。
大☆罪:むしろそれでも性根が変わらないお前たちも十分すごいがな。それで、赤龍はプログライズキーのままでいいのか?
赤龍:ああ。プログライズキー関連の転生王者を配下にできたのはラッキーだったさ。これで上位神滅具担当である五大星天としてのチートの方向性をごまかせるからな。
メカメカメカ:確かに。あなたが転生極帝の前に出たうえでプログライズキーと赤龍帝の籠手を使うからこそ、上位神滅具相当のチートの本当の凶悪性に気づかれる可能性は低くなる。
千年三十六万五千歩:ああ全くだ。だからこそ、俺たちの真のチートに気づかれる可能性は低いんだ。
約三人:あ、来た。
千年三十六万五千歩:まさか俺たち五大星天の最大のチートが「上位神滅具相当分は全員で共有している」ことにあるという、内通に気づかれる可能性は一気に低くなるからな。
大☆罪:ああ。だから私が専門で使うチートは、
大☆罪:まあ、プログライズキーやガイアメモリといった「方向性が被り気味」なチートがすでにばらまかれている時点で、フルボトルを使うものが内通しているとなどとは気づかないだろうがな。
メカメカメカ:ほんと、共有チートを使った仕込みであの
千年三十六万五千歩:ああ。俺たちの使徒化チートは、俺たちの能力低下を引き換えにしない分は一人二名ずつだからな。最大のあたりを引いたお前には感謝しかない。
赤龍:いや、お前ら実質そのチート捨ててるじゃん。俺と粉☆砕と大☆罪にいうことはそこなのか?
あえてネタ被りと言われていたビルド系列を出しましたが、むしろ仮面ライダー系はかぶり気味にしていますといっておきます。
それにかぶるといっても―
ガイアメモリ:基本性能は低く、精神面で悪影響が発生しやすい
フルボトル:性能を発揮するには人体改造や適性必須
プログライズキー:装備次第で両者に近い系統があり、変身には別途装備が必須。
―と多少の差分はあるので、そのあたりを使えば書き分けは可能だと思っております。
と、この辺で順序を戻します。
ニーベルによる盛大な茶番。この辺、長期的な視野での作戦行動を考えた腹芸をやってみたかったりします。
そしてまあ、一人ぐらいはサーヴァントそのものも出しておかないとと持ってはいたけど、こいつだけってのはまずいんじゃないだろうかとも思っておりますので、状況次第では新たに一人か二人出すかもしれません。
そしてタウゼントことタウゼント・ダイソンスフィアは上位神滅具相当の転生王者製。しかも本来は和正の味方にする用。
上位神滅具相当の転生王者はいろいろと条件を付けるなどでチートを上乗せしていますが、そのうちのいくつかは「転生極帝の和正用のチートの用意」や「チートそのものを五人で共有」などで補っております。
ちなみに対極晃星用人造惑星などという、シルヴァリオシリーズを知っている方なら「まじで?」な存在のタウゼントですが、そう簡単にできたものではありません。
名前の由来を調べていただければすぐわかるぐらいには、苦労と失敗を重ねたからこその存在。そして実際の極晃奏者は、勝ち目が「ある」から倒せるような甘い相手でもない。あくまでタウゼントは「極晃奏者以外でも倒せる余地を作る」が限界で、そこから勝利を手繰る寄せれるかは彼女とともに戦う者次第です。