ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ 作:グレン×グレン
たまには短編の話もやっとかないとね!
冥界合宿のヘルキャット1 和正「……イッセーを復活させたのは間違いったかと半ば本気で思いました」幸希「これは想定外の危機! 最悪レベルの危機!!」
同時に警戒しなければならないことは数多い。
そんなことはいくらでも転がっている。
だけど、だけどだ。
……これはないだろうこれはぁああああ!
「なんで! イッセーが! ドッペルゲンガーの能力強化されてんだぁあああああ!!!」
俺は、渾身の一撃を叩き込みながら絶叫するほかなかった。
説明しよう。
ハイスクールD×Dの短編の一つに、アザゼルが適当にイッセーを実験台にしてドッペルゲンガーをつくる話がある。
当然ギャグ展開なので失敗するが、失敗の結果が「普段より欲望に忠実なドッペルゲンガー(300体)が、駒王学園中で女子生徒を裸にする」という、割とシャレにならない悪夢が発生したのだ!
しかもこの話、オチが「全部イッセーがやったことにされる」というひどい話だ。いくらなんでもひどくね?
もちろんこの世界でも起きる可能性はある。なので当然幸希は警戒していた。俺も警戒していた。この件に関しては紅真にも直接接触して警戒態勢の協力を要請した。
『要警戒よ。これは、今のイッセーに味合わせていいオチじゃないわ!』
『だな。女子生徒のためにもイッセーのためにも、できれば阻止しないとな!』
『別に兵藤は自業自得だが、女子生徒とアザゼル先生の名誉は守らないとな』
紅真はこの一件すらアザゼル総督よりイッセーが悪いと思っているようだけど、まあ一般生徒の安全だけは考慮してくれた。
これに関しては悪いのはアザゼルだろう。人体実験を無理やり受けさせるってだけでも非人道的だし、しかも通りがかった教え子相手とかひどいって。紅真のやつ、目が節穴なのか?
まあそれはいい。そのために俺たちは一生懸命対策を整えていた。
幸希も紅真もアザゼルから目を離さなかったし、俺もこの日のためにこっそり潜入していざという時の迎撃体制は万全だった。
幸いドッペルゲンガーのイッセーは、耐久力は基本的に弱い。俺たちクラスなら一発殴れば鎮圧できる。
だが、洋服崩壊を習得してしまっている以上、女子は接近させるわけにはいかない。ストリーキングが趣味な変態以外は、戦力としてカウントできない。
……長いな、略してドッペルイッセーにしよう。
それはともかく。結局それでも発生してしまった。
これが世界の修正力というものなのだろうかと、あの時は俺も幸希も紅真も戦慄したものだ。
そして、修正されてない問題点があった。
答えは簡単。
「「「「「創生せよ、天に描いた星辰を―」」」」」
「させるか吹っ飛べ!」
俺は詠唱を開始するイッセーに対して、連射可能ショットガン二丁による、ゴムスタン弾一斉射撃を敢行する。
しかし、詠唱中に倒せたのはわずかに三人。詠唱をしていた二人はそれを完了させている。
舌打ちした俺に対して、奴らはすぐに発動させる。
「「
その瞬間、また悲鳴が響いた。
『また増えたぞ!? いったい何が起きたというんだ!』
ドッペルイッセーの左腕が輝き、そしてドライグの絶叫が響く。
そう。イッセーの星辰光は赤龍帝の力を神器に憑依させる能力だ。
憑依の度合はイッセーの神器である
だから、神器まではコピーできてないドッペルイッセーでは赤龍帝の籠手すらできない。ただしドッペルゲンガーゆえに無理がきき、赤龍帝ドライグの肉体の力そのものを0,01パーセントぐらいは使えるようになる。
そしてそれだけでも、下手な戦車や機械化歩兵部隊に喧嘩が売れるってことだ。
もとから星辰奏者であることを考えれば、ちょっと面倒なことになる。なにせ優秀な星辰奏者は、歩兵一個中隊に匹敵する戦力になるからだ。
イッセーの場合はどのあたりかは、幸希も「シルヴァリオシリーズの原作は、完全上位互換か星辰奏者のハイエンドばかりだから、参考資料にならないのよ」といっていたので、イッセーが優秀かどうかは置いておく。
だが能力の都合上、発動値に持っていかれただけで難易度が莫上がりなのだ。
………俺は、心から決意した。
事態が解決したら、アザゼルをボコる!
「おっぱいを! 裸を! 俺たちに見せろぉおおおお!」
「うぉおおおおおお! おぉぉぉぉぉおおおおおっぱい!」
「うるさいよ!」
おい、これどうするんだまじで。
あの馬鹿総督あとでぶん殴る!
一方そのころ、紅真正一と櫛橋幸希も苦戦していた。
一つの校舎の一つの階層に集中しているドッペルイッセーを打倒するため、二人は執念で行動していた。
シンプルに幸希は服を脱いで下着姿になっており、それを見たドッペルイッセーが大声で「下着!」と叫びながらとびかかるので、その声に反応したほかのドッペルイッセーも近寄ってくるという、好都合な循環が発生しているからこそ、被害を最小限に抑えることができていたのだ。
だが、その分数が多すぎた。
「……数が! 数が多い!」
「ええい! 増殖しても暴走し、アザゼル先生に余計な叱責ネタを増やすとは! 兵藤一誠はこれだから嫌いなんだ!」
―あ、イッセーアンチからするとそういう風に思えるのね。
どう考えてもアザゼルが一番悪い話に対してイッセーアンチがどういう捻じ曲げた視点で見ているのかを理解しながら、幸希は数の多さにぼやきつつ迎撃を続けている。
事態が最悪に転ぶ可能性は必ずある。ゆえに念には念を入れ、保険はしっかりかけておく。幸希はしっかりとそれをなしていた。
眷属であることもあってイッセーのオーラのデータはよくとれている。それをある程度ばらつき込みで感知するように設計した魔方陣ならぬ魔法陣を仕込んで置き、ドッペルゲンガー用にある程度ゆとりを入れたオーラ感知システムが該当人物を複数人察知したら、彼らを移動させないように障壁を作るよう、校舎に大量に仕込んでいた。さらに強引に突破される可能性を考慮して、いくつも発動した場合はある程度の大きな範囲で遮断結界を張るように設置していたのも、よかったのだろう。
結果的にこの校舎を出て行ったドッペルイッセーは十人足らずであり、残り290人のドッペルイッセーは、このアザゼル秘密研究室がある校舎内に隔離することに成功していた。
あとは彼らを叩き潰せばいいのだが、万が一の脱走を阻止するため、内部から許可を出すか万が一の事態が起きない限り、内部に入ることすらできないように設計している。
だからこそ、290人のドッペルイッセーは、中にいる実力者で排除するしかないのだ。
不幸中の幸いは、一般人がほぼいなかったこと。さらに女子生徒はさらに少ないため、安全確保は十分できた。
全員眠らせたうえで空き教室に叩き込み、外にいる人たちが意識を向けにくくする認識阻害を張ることで安全を確保。異能持ちの生徒たちを全員護衛として叩き込んでいたので、まあ当分は大丈夫だろう。
だからあとは、ドッペルイッセーを叩き潰せはそれで終わりなのだが―
「質が、質が想定外!」
―星辰奏者としての身体能力強化があるだけで、ここまで難易度が上がるとは思っていなかった。
まだ七割以上残っているというのに、そろそろ息が上がり始めている。
派手な攻撃ができないため、精神的に負担や肉体的な縛りが大きい。その上敵の質が想定の数倍以上となれば、その消耗が激しいのも当然ではある。
当然だがぼやきたい。
どうしてこうなった。
「なんであの男を強化したんだ! 強化してろくなことにならないってわかっているでしょう先生!」
「仕方ないでしょ死にそうだったんだから! あと私は
幸希は当然の反論をするのだが、紅真は舌打ちした。
「……まさか高位神器を宿しているとは想定外でしたよ! 第一、世の中には法律という壁があるせいで逆にのさばっている討つべき邪悪は数多いでしょう! 死刑制度がない国が死刑制度復活を望むケースも、あるにはあるでしょう!?」
「確かにそうだけどイッセーはそこまでかしらねぇ!」
もはや価値観が合わなさすぎる。
確かに「個人による大量殺人数レコード更新」というとんでもないことをした輩が、死刑どころか終身刑も無期懲役もない国だったせいで、いずれ出所することが確実な事実は確かに問題視されている。
世の中には罪を悔やむ暇があるなら次の機会を虎視眈々と狙うような手合いは数多い。誰もが善人であるとは限らないのだから、終身刑か死刑を最大の刑罰として残しておくべきではあるだろう。
しかし問題はそこではない。
「くっ! 想定外の質がこの数だと、いずれ外に脱出される可能性は大きいわね……っ!」
「そうなれば、確実に生徒たちの被害は増えてしまう……っ」
そう、この状態のイッセーは難敵である。
まず間違いなく、この状態ですらイッセーを打倒できるのは、異能側の生徒でもごく一握りだ。聖魔剣を持つ祐斗クラスでなければ一対一でもてこずるだろうし、女子生徒など触れたら全裸なのでいろんな意味でやばい。
つまり、ここで少しでも多く打倒するしかないのだが、数が多すぎて一部のドッペルイッセーは脱出の方を意識しているようだ。
いくら結界を張っていても、この質の人数が百人以上は厄介だ。倒す前に脱出されてしまう。
それに対して歯噛みしたとき―
「幸希! 一網打尽にするから息止めてろ! 紅真も!!」
……盛大に何かにじれた和正の声に、幸希はすさまじく嫌な予感を覚えた。
そして紅真もそれに気づいたのだろう。とっさに息を止めるだけでなく、結界を張る。
そしてその瞬間、何か霧のようなものが充満した。
幸希は解析の魔術をかけることで、それが星辰光によって
つまり粉末が大量に展開されている。それも可燃性どころか爆薬でだ。
……瞬時に察知して、幸希は和正が頭に血が上っていることに気が付いた。
待てと言いたいが、口を開くと吸い込みそうだ。
つまり、止めれなかった。
―――これ、後始末大丈夫かしら?
「くたばれドッペルイッセーぇええええええええ!!」
そしてちらりと見えた和正は、プロテクター越しだが目が血走った状態で座っていると確信できるそれだった。
五秒後。粉塵爆発によって、校舎の1階層分のガラスが、ほとんど吹き飛んだ。
唯一残ったガラスは、幸希が生徒を隔離させた場所だったため、被害者はドッペルイッセーだけだったことを付け加えておく。
では、午後のニュースです。
本日午後4時頃、都内の地方都市駒王町の駒王学園で、爆発事故がありました。
爆発の原因は捜査中ですが、ここ数か月の間に駒王学園高等部近辺では瞬間的な地震や発光現象などが多く、不審者の目撃証言も多かったことから、警察はテロの可能性も視野に入れて捜査をしているとのことです。
なおこの事故で死者は出ていませんが、教師二名と生徒二名、それと九月に転入予定で理事会の許可で見学に来ていた少年が軽いやけどを負って手当てを受けました。そのうち教師一名は混乱によるものか全身に打撲があり数日の入院の予定で、その教師と生徒一名を除いた三名も強い疲労があることから一日検査入院をすることになったようです。
それと同じ校舎にいた生徒たちによると「変態で有名な生徒が、なぜか何十人も同時にとびかかってきた」「魔王に匹敵する悪の盟主が愉快犯で引き起こした」という証言が出ており、警察は「違法物質が建築資材に使われた可能性」「爆発の衝撃で幻覚作用のあるガスが発生した可能性」も視野に入れ、事故があった校舎は完全立て直しを決定しており―
このような大騒ぎが起きるのがこの世界。
しかし、この程度のバタフライエフェクトによる変化は甘いものでしかない。
真に警戒するべき変化は、ここから一気に放出していくことになる。
赤龍:で? 確か若手悪魔の会合の時を狙う予定だっけ? 俺はあんたとチャット以外で顔合わせたことも密接なつながりも持ってないからその辺の段取りが不安なんだけど?
大☆罪:安心しろ。いなければいなければで問題ない。適度なタイミングで場があれた時にやればいいから、読めている問題がわかっているなら問題ない。
赤龍:なるほどねぇ
大☆罪:だから、お前がソーナ・シトリーをフォローする方向で動いても問題ないんだが―
赤龍:さすがに最低限の義理は通すし連携はとるさ。ま、ソーナ・シトリーの夢は俺としても賛同できるから、後ろから撃つ代わりに急所を避けてそのまま老害の急所にぶち込むさ。
千年三十六万五千歩:なるほどな。まあ、成功すれば問題なく、失敗してもこちらに致命傷はない。布石の一つだから大丈夫だろう。
赤龍:本命以外は失敗してもいいように、同時多発的に進めてるからな、こちらの計画。
大☆罪:まじめな話、地球を制圧するだけならオプサイトムーンの戦力だけでも十分可能だからな。
千年三十六万五千歩:だが、E×Eの戦力がわからない以上、油断は禁物だ。機械生命体側だけで見積もっても、トライヘキサを復活させたクリフォト以上の脅威と考えるべきだからな。
大☆罪:まあ、この世界と総戦力を同格とみなしても、最低でも龍神クラス三体はいると考えるべきだからなぁ。むしろD×Dのインフレ具合から見て、精霊陣営と機械生命体陣営双方に、それぐらいの最強戦力がいても驚かん。
千年三十六万五千歩:そして、そこまでの想定ができるのならそれ以上を想定するべきだろう。我々のチートを考慮して「世界が制圧される」ではなく「世界が面白くなる」とゲームメーカーが言った以上、むしろ龍神以上の存在がE×Eに何人もいても驚かん。
赤龍:確かに。俺たち全員がアレを使えばオーフィスとグレートレッドとトライヘキサがトリオを組んでも打倒可能だけど、そんなチート開発が予想できているのに「面白くなる」止まりって時点でもっとひどい可能性はあるだろうしな。
千年三十六万五千歩:ああ。だからこそ俺たちは慎重かつ大胆に、ことを一気に進めねばらなない。最悪、三十年どころかアザゼル杯の間にE×Eから侵攻部隊が襲い掛かる可能性だってあるんだからな。
赤龍:むしろ俺たち以外から極晃星が出る可能性だってある。イッセーとか、龍神の肉体を手にしたら変則的な極晃星に至りそうで怖い。
大☆罪:だからこそ、粉☆砕に頼んで禍の団に星辰奏者の技術を流通させているのだろう? あえて極晃星が誕生する可能性を増やせばデータはとれる。
赤龍:ゲームメーカーからもらったチートの条件に「転生極帝用チートの一部を現地開発する」があったからなぁ。メカメカメカが作ったアースシリーズって、継戦能力とか単純なカタログスペック以外は、基本的にうちが作れる三機種より最強なんだろ?
大☆罪:まあ、だからこそ対龍神クラス用のグロリアスブルーは一ひねり入れて、それでも一対一では龍神には勝てないようにしているのだが。
千年三十六万五千歩:龍神クラス以上にしたことで「それもチート用に」とか言われたら、隔離結界領域が無駄打ちになる可能性があるからな。そうなるとこちらとE×Eの機械生命体サイド、そして兵藤一誠達及びE×E精霊サイドによる三つ巴になりかねん。E×Eの戦闘能力が把握しづらい以上、それはリスクが大きすぎる。
赤龍:ま、そういうわけだから俺たちは下準備頑張るか。
千年三十六万五千歩:ああ。俺もオプサイトムーンの準備を整えているが、準備したものはあればあるほどいいからな。
赤龍:ま、そういうことで頼んだ大☆罪。プログライズキー関連は、万が一にでも俺があんたらとつながりがあると思われないよう、ばらまくことを真剣に考えてるんでよろしく。
大☆罪:ああ任せろ、しっかりきっかり、現魔王制度に決定的致命傷を与えてやるさ!
……しかしギャグの最後にシリアスを入れてみたぜ!