ハイスクールD×D×R 転生者たちはイレギュラーズ 作:グレン×グレン
とりあえず、俺達は服を着て気分を切り替えた。
そんでもって、イッセーは幸希の眷属達が神器について説明中だ。
更に言うと、俺も俺で幸希からその後のイッセーやグレモリー眷属について説明を聞いている。
「……つーとなにか? まさにイッセーがレイナーレに殺されるデートの日に合わせて、あの紅真とかいうのが、リアス・グレモリーに聖槍を見せて自ら売り込みしやがったのか?」
「ええ。調べてみたけど幼少期から駒王町に産まれていたけど、小学校に行く前に引っ越しして、その転校先で槍術の道場に入門しているわ。その上、駒王学園高等部に入学すると同時にまた引っ越しで戻ってきてる。……父親が職場で転勤とかしてるわけでもないのにね」
……いくら何でも都合が良すぎないか?
いや、しかし両親を異能で洗脳してるってことなら、いくら何でも危険因子扱いされて良さそうなんだけど。
そして、幸希は更に資料をぴらりとめくってため息をついた。
「男女共に信奉者も多いけどアンチも多いの。あのイッセー達の初覗きを即通報して警察沙汰にした事で覗きを抑制した手腕が原因ね」
………な、なるほど。
まあ、イッセーがいるはずだった兵士の地位に滑り込むような奴なら、当然イッセーアンチだよなぁ。
まあ、覗きは警察沙汰だけどさ。裁判で訴えられたら間違いなくイッセー達が完敗だけどさ?
一回だけなら厳重注意で済ませろよ。そりゃ繰り返すのは読めてるけど、一回目で通報したら大騒ぎで学校側が可哀相だろ。過激だなオイ。
「あれが原因で女子からも男子からも英雄視している人も多いけど、同時に男女問わず「やりすぎ」と認識している人は多いわ。教師側は過激で危険とみなしているけど、それ以上暴発するところがないうえ、全ての成績で八割以上最高評価を通知表で叩き出すから手が出せないわね」
そう言い放った幸希は、ため息をついた。
「……ただし、あまり興味がない層も少なからずいて、リアスはその類よ。だから特に彼女から評価はなかったはずなんだけれど……」
その言葉に、俺はふと思い出す。
いや、あれはメスの顔一歩手前だったんだが。
「ライザーとのレーティングゲームも問題だったわ。どうも「候補が出来たのでご報告します」とかいう手紙が送られて、それでややこしい事になったみたいね」
……あれ? いくら何でもそんなタイプだっけ?
いや、乙女なところは多いから、一目惚れとか逆にのめり込みそうだけど……。
あれでグレモリーとしてのプライドや責任感もある。そしてそれとは別で恋愛には拘りがあった。イッセーにゾッコンになったのも、合宿中に無自覚たらし言葉をイッセーが発動→レーティングゲームで根性だけで食い下がり漢見せまくり→婚約会場に乗り込んでの大立ち回りで、連続コンボ発生。……のつるべ打ちが原因だったはず。
いくら何でもあったばかりで眷属にした男を候補にするようなタイプじゃないと思うんだが。
「……後補足。アーシアはアーシアで強く惚れ込んでいるみたいだけれど、それでもイッセー達とは桐生藍華の存在もあって親交はあるみたい。後どうも、イッセーに神器を使って見せた事もあるようね」
そう告げると、視線がかなり険しくなってる。
……(中身残念なところあるけど)クール系のお姉様タイプがそういう視線してると、凄く怖い。
殺意漏れてません? 寒気がしてくるんですが、俺は何もしてませんよね?
頭痛までしてきたのか、幸希は額に手を当てながらため息をついた。
「その所為でかなり揉めているみたいね。一度喧嘩になりかけた時は、あいつのファンとアンチで乱闘になりかけたぐらい。流石に覗きを一度で辞めてた事もあって、イッセーの味方も多かったみたいよ」
……典型的なイッセーアンチだな。イッセーが死んでない事もあって、実はかなりイラついていたとかあるかもな。
「その時は教師達が止めに入ったのと、どちら側にもつけなかったアーシアが貧血を起こしたからどうにかなったのだけれどね。……ハイスクールD×Dで把握してるだけの私達が言うことじゃないけど、あの子、そういう喧嘩を止めるぐらいには結構強い子だったじゃない?」
あ、確かに。
気弱なようで、結構心が強いよな、アーシアって。
っていうか、確か原作だとフリードの馬鹿の所為でスプラッタ死体まで見てるから、慣れてるよな。その上でイッセーを庇えたぐらいだから、根性もありそうだよな。
……なんか、凄い嫌な予感がするんだが。
「オカルト研究部の方で朱乃と小猫が「流石に問題」といって喧嘩になったって噂もある。更にアーシアが眷属になった流れも、「レイナーレを打倒した紅真に勧められた」ってものなのよ」
……既に最悪な予感しかしないんですが。
レイナーレに殺されなかったのなら、アーシアが積極的に悪魔になる必要性は薄い。少なくとも、速攻で転生するなら相応のフラグ立てが必須だろう。
っていうか、どういうタイミングやパターンで会ったんだ、あいつ。
そういえば、別に転勤したわけでもないのに、わざわざ「槍術」の道場がある場所に越したってのも妙だな。
槍術って実はかなり失われてて、日本じゃかなり珍しいはずだ。そんな珍しいものを、黄昏の聖槍を持っている奴が特に理由もなく近くに引っ越す事情があるなら―
「……洗脳系とかいうんじゃないだろうな、オイ」
「ちなみにゲームマスターには「ニコポナデポもあるよ♪」とか勧められた事あるわね。流石に下種いから断ったけど」
役満じゃねえか。
野郎、チート受け取ったな……っ!
「って待った。じゃ、朱乃と小猫はどうなんだ? なんであの二人は影響受けてないんだ?」
「おそらく「好感度を増幅する」類なんでしょうね。朱乃は元々は男嫌いだったし、小猫はイッセー達の覗きをよく知らないから、今の常にイッセー達に向ける紅真の険のある態度に思うところがあるんでしょう。ちなみに紅真の奴、祐斗によく話しかけてたそうよ」
好感度稼ぐ努力はきちんとしてるんだな。まあ、戦闘用に黄昏の聖槍を生かす技術も学んでいたみたいだから、当然か。成績も授業態度も良いみたいだし。
なんか殺意湧いてきた。あいつ滅茶苦茶中身があれだぞ!?
「ちなみに、レーティングゲームでは挑発と聖槍によって一人でライザーを眷属ごと打ち倒したそうよ。どうも命令無視のようだけど、問題は「女性を苦しめる婚姻が存続に必須なら、貴族に存続する価値はない!!」とか吠えたようで、大王派だけじゃなく魔王派からも「流石にこれはどうなんだ」って意見が強いわね」
……ほっといても破滅しそうなんだが、リアスとアーシアを巻き込みそうなのがやばいな。
「とりあえず、紅真がとんでもない奴なのは分かった。で、次だ」
俺は、すぐに次に移る。
そう、気になるのはそこだけじゃない。
最も気にするべきは―
「……イッセーの神器、赤龍帝の籠手じゃないよな?」
「ええ。間違いないわね」
―それだ。
まあ、これは考えてみればすぐに分かる。
悲しい事にイッセーはアンチもかなり多い。むしろハイスクールD×Dアンチで悪魔アンチやイッセーアンチはメジャーな部類だ。
しかもアンチ筆頭っぽい紅真がイッセーの地位に成り代わってるんだ。これはもう―
「「「赤龍帝の籠手をイッセーに与えないでくれ」とか言ってそう」だなぁ」
俺達はそうハモりながら、ため息をついた。
そりゃ、イッセーから赤龍帝の籠手を奪えば、あいつに運命はやってこない。そのまま変態のモブで終わる可能性は絶大だ。徹底的に蹂躙して殺すようなヘイト野郎よりは、まだ温情ではある。
っていうか、赤龍帝の籠手がないのに、神器は結局宿って殺されてるから酷いな。あいつの運命力、ゲームマスターでも消し切れないんだなぁ。
まあ、童貞卒業した事がきっかけで禁手に至ったのは良しとすっか。
イッセーならなってもおかしくない。むしろ乳首つつくよりよっぽどマシな至り方だとすら思う。
で、問題は神器だ。
「で、あの神器はどんな感じなんだ?」
「既に解析結果は出ているわ。封印系神器の一つである、赤龍を封印した
そう言いながら、幸希は魔法陣を展開して資料を渡してくれる。
そこには神器の平均ステータス及びイッセーの現状ステータス。そして禁手の情報が出ていた。
そして俺がそこに視線を向けているのを見てから、幸希が補足説明をする。
「能力は封印した朱炎龍に由来する籠手からの火炎放射と、封印された龍の格に比例する形での能力強化。至っている禁手は
なるほど。それなりに強力だと。
だから結果として結局レイナーレが来たわけか。イッセー自身の資質は低いと断言されているし、それなりに強力な神器なら危険扱いされる可能性は十分にある。
あいつ、どんだけ運命に愛されてるんだ。いや、あのタイミングではイッセーは死んでたんだから、運命は愛してないのか?
あ、でも俺がいたのはまさに偶然だし、あいつ天運凄いな。奇跡としか言いようがない。その奇跡をレイナーレ以外が来るなりそもそも狙われなかったり、せめて神器を宿さない方向で生かせよ。
「ちなみに駒価値は兵士五駒相当ね。後気になるんだけど、イッセーのポテンシャルがかなり高くなってない? 原作じゃ禁手になるにはかなり体を鍛える必要があって、それも悪魔に転生した後の話よね?」
そこは気になるようだ。まあ、当然か。
幸希は、ずいっと俺に詰め寄ると首を傾げる。
「私のチートも後で詳細を説明するけど、あなたのチートも概要だけでも話してくれないかしら?」
……まあ、そうだよな。
ここはきちんと言うべきか。
俺は意を決して―
「ふぉおおおおおお!? ち、地球消滅の危機ぃいいいいい!?」
幸希は絶叫してパニック状態になった。
実は俺、ある程度条件付きでチート情報が開示されるタイプらしい。後チートのクロス先によく知らないものがあったりする。
……実は型月系統の魔術回路と教本数十冊はあったんだが、それ以外のクロス系チートが大問題だったらしい。
……あれ、神器と併用しないと使い勝手が悪すぎるんだが。しかも現状じゃ最上級悪魔には到底届かないし。
地球消滅とか流石に想定できないっていうか、たぶん富士山どころかその辺の裏山も消し飛ばせないぞ? 核攻撃でも無理な山を吹き飛ばせるD×Dの真央王クラス陣営相手にはとても――
――条件次第で人類絶滅もありうるインフレバトル系統の能力だそうです。
マジがビビるわ!? D×Dのインフレ具合じゃねえだろこれ!? 何考えてんのゲームメーカー!! バランス考えろや!!
予想されている方も何人かいましたが、あいつは「ニコポ・ナデポ」もチートに入れております。
ただし洗脳しているつもりはかけらもない。当人は「正しいものにちゃんと惹かれることができるように、イッセーに負けない魅力を持っておかなければ」という善意によるものです。
なので質が悪い。当人は自分の行動が「全部正しい」という前提で動いているので、反省するにしても「正しくやることに苦労する者には、もう少しアプローチを変えるべきだった」程度のことしか考えないという、きわめて面倒なタイプ。しかも必要だと判断した苦労は買ってでもするタイプなので、最上級悪魔クラスと称された幸希相手に、すでにある程度対応できる戦闘能力まで会得しています。
奴との決着は原作における四章まで引っ張りますが、その間少しずつ思惑からずれて馬脚を現すとともに、パワーアップもしてくるので功績があるせいで処分困難という、厄介な男として立ち回ってもらうつもりです。