music.スズム vocal.GUMI
【プロローグ】
《二月二十二日》
世界の終わりは突然告げられた。
それは平凡な僕にはあまりにも唐突で、残酷すぎたんだ。
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【世界寿命と最後の一日】
《二月二十八日》
-朝~Morning~-
今日であの知らせ、月曜から五日間たつ。今日は土曜日だ。
あの日に日常は終わってしまった。
五日間たった今でも、何処へ行っても沢山の人が嘆き悲しんでいた。
僕は-。
何もできない僕はただただ祈っていた。
何も変わらない日常を送っても、
「もう死にたい」なんていう在り来たりなことを言っても終わらない。
ゲームみたいなものだと思ってた。
考えることも何もかもが当たり前で、
ファッションセンスが欲しいだとかそんな悩みも興味ない僕には関係ない。
パフォーマンスみたいなもんだと思ってた。
今でも思っている。
だけど、僕にとってはあまりに今の状況は実感がなくて、
どっかの偉い人が考えたドッキリなんじゃないかと、
今も僕たち庶民を見て嘲笑ってるんじゃないかと、そんなことを考えたりもした。
でも僕達平凡な庶民にはそれを知ることもできなくて。
そんな知る権利すらない平凡な庶民も、今では普段の建前や地位なぞかなぐり捨てたかのように、
少しずつ変わっていってる。
終わりを告げた月曜から終わりの前日の今日までで、少しずつ変わっていった。
どんどん本能を剥き出しにしていってる。
平凡な庶民の僕にはどうしようもないことで、僕はそれをただただ見ていた。
変わっていった結果がこの地獄のような光景だ。
ただ、ずっと見ていた僕には予想できたことで、だけどそれもどうでもいいことで。
どうせ終わるんだから。関係ないさ。
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-夕方~Evening~-
もう夕方だ。月や星も出ていて少し滲んでいて綺麗な色をしている。
だけど皆、その景色に似つかわしくない表情で絶望して涙を流している。
変な噂があったうちの国の首相も、いい人だと思われてた大国の大統領も、
もう嘘をやめてる。
メッキで固められた顔じゃなく、何もない本当の顔。
いや、それは皆が皆だったんだろう。
ただ。
ただ一人僕を除いては。
未だに実感がない僕は涙も流さず、本性を晒さず、いつも通りに生きていた。
僕以外にもそんな人はいるかもしれない。
でもそれもどうでもいいよ。
どっちにしろ関係ないことなんだから。
雨が振りだした。
僕の頬を、髪を、服を濡らす。
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-夜~Night~-
雨が止んだ。
空が綺麗だ。空一面に広がる星。
いや、今では世界も綺麗だ。
今まで世界を覆っていた嘘はもうなくて、全てが真実の世界。
僕は涙する民衆の中、一人微笑む。
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《三月一日》
-朝~Untrue Morning~-
眠ってしまっていたみたいだ。
ここがどこかわからない。
駅みたいだ。
何処の駅だ?
如月駅-。知らない駅だ。いつの間にここに·········?
周りを見回す。
少女が一人いるだけだ。
道路に歓喜する人が見える。
世界は終わっていないのか·········?
いや、今はそんなことはいい。
それよりも。
誰も······誰もこの異変に気がつかないのか?
僕は起きてから違和感を感じていた。
この駅の、如月という看板の真ん中で世界は分けられていたんだ。
色がある方と白黒の方に。
看板をよく見ると、次の駅は弥生で前の駅は睦月で、弥生の方が白黒だ。
この駅にいる少女は白黒の方にいるのに色がある。
僕はふと気づく。
僕は色がある方にいるけど白黒だ。
どういうことなんだ。世界はどうなったんだ?
わからない。わからない。わからない。わからない。わから-
「知りたい?」
唐突に少女が口を開く。
「え···········?」
「この世界の状況を知りたい?」
「あ、あぁ···············」
「なら教えてあげる。この世界はね」
鼓動が早くなるのを感じる。
息が荒くなる。
「この世界はね、もう滅んでるのよ·············」
「どういうことだよ········?現に今、僕たちはここに!」
「二月二十八日午後二十三時五十九秒を過ぎた瞬間。この世界は滅んだ。
ただ、誰も気付いていないだけでもう世界は終わった。三月一日は来てなくて、今は偽りの三月一日で偽りの朝」
「気付いていないって·········」
「気づかれないままこの終わった世界は動き続ける。
この異変に気付いているのはあなたと私だけ。どうしようもないのよ」
「じゃあ、僕は今からどうしたら·············!」
「いつも通りに」
「···················え?」
「家に帰り、休んで、明日学校に行き、学校を卒業して、就職なりなんなりして働き、
結婚し、子を作り、老いて、死ぬ。そうするしかないのよあなたも私も」
「どうすることもできないのかよ·········」
「無理よ。少なくとも私は諦めた」
「クソッ·················!」
拳を床に叩きつける。痛みが走り、血が出る
何も変わらない。
平凡な僕がなんでこうなるんだ。
「普通だった僕がなんでこんな目にあってるかって?」
「なんでわかって·········」
「見たらわかるわよ。それより知りたいんでしょう?答えておくわ。わからない」
「は?」
「わからないのよ。私も平凡だった。
寝て起きたらここにいて何故か全てを知っていた。そこがあなたとの差ね」
「わからないって··············」
「じゃあ、さようなら。また何時か会えることを願って」
「あ、ちょっとまっ·······!」
引き留める声を無視して彼女は走り去った。
それ以降彼女とは会っていない。
早々に諦めた僕はいつも通り過ごしていた。
ずっと世界は片側は色があって片側は色がなくて、
だけど僕はいつも通り過ごして、誰にもそれを言わなかった。
世界寿命は終わった。
もし、僕が死んでもこの終わった世界は続くのだろうか。
まぁ、いいか。
関係ない。僕が死ねば僕には関係ないんだ。
ただ-
ただ僕はもう一度あの綺麗な世界を見たいと思う。
はじめましての方ははじめまして。
東方関係で書かせて頂いているparuiという者です。
今回は、投稿された当時から大好きだった、
スズム様の世界寿命と最後の一日の自己解釈小説を投稿させて頂きました。
ミスがあったら、報告してくださると嬉しいです。