男嫌いな軍師の婚約者だった男の話   作:鈴木颯手

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一度データが全て消えるという事が起き気付けば最初と違う内容に……。これ寝取られじゃないなと思い配下√にしました。
というかネタがない()。次のキャラ誰にしよう……


袁術配下√

「ちくしょうっ!」

 

男、周尽は流れ出る汗を乱暴に拭いながら声を張り上げる。しかし、周尽の言葉はただ空しく空に響くだけで声に驚いた鳥たちが一斉に飛び上がる。

周尽は乱暴な婚約者、荀彧の下を飛び出し益州へと向かっていた。なけなしの路銀、持てるだけの衣類、そして護身用の剣を手に取り自由、平穏を求めて荀家を飛び出したのだ。

しかし、悲しいかな。彼はあるミスを犯した。それも初歩的なミスを。

 

「ど、何処だよここぉっ!」

 

彼は益州が何処にあるのか分からなかった。一応南西にあるという事だけを知っていたためそちらの方面に走っていた。本来ならこのまま益州につき穏やかな余生を迎えたり後の蜀の王の寵愛を一心に受けたのだろうがこの世界の彼の運はとても悪かった。

荀家を飛び出し二日が経った頃に最初の災難が訪れた。崖の上にかかった橋を渡っていると床が壊れ崖の下にある川へと落ちたのだ。この際に路銀や衣類は全て消失した。

何とか川岸に流れ着き溺れ死ぬ事はなかったが直後に熊と遭遇、半日もの間追いかけ回される事となった。その際に剣を消失した。

そうして気付けば無一文となり持っているのは来ていた服のみとなった。

路銀も無い、替えの服もない、害ある者から身を守るための武器すらない。彼は自分の不幸を嘆く事しか出来なかった。

 

「ちくしょう……!ちくしょう!」

 

周尽は比較的整備された道を充てもなく歩き続ける。ふと、前方から騎馬の少数団がやって来る。周尽は道を譲ろうと脇に避ける。

 

「……お主、ちょっと待て」

 

騎馬の先頭にいた男が周尽を引き留めた。これが袁術配下紀霊将軍との出会いだった。

 

 

 

 

 

「……どうして、こうなった」

 

周尽は眼前の軍勢から逃避するように呟く。彼がいる街が囲まれており逃げだす事は不可能だった。これが数年前までの事ならまだ救いはあっただろう。何故なら彼の軍勢の旗は『孫』なのだから。

 

「れ、煉!妾を、妾を!」

「美羽様、落ち着いてください!」

 

周尽は自身にしがみ付き涙目となっている主君をなだめながらこうなった経緯を思いだす。

 

 

 

周尽は数年前袁術配下の紀霊将軍に拾われた。行く当てもなく彷徨っていた彼を紀霊将軍は温かく迎えてくれた。その後は紀霊将軍の下で実績を積み将軍として取り立ててもらえることとなった。

 

「ほう、お主が周尽か。妾に相応しい働きを期待しておるぞ」

 

将軍任命の式で袁術と初めてあった。当時周尽はいろいろな人やうわさからあまり好ましいとは感じていなかった。それでも彼は自分を拾ってくれた紀霊将軍の為に袁家の為に奔走した。

黄巾の乱では紀霊将軍と共に袁術領の賊軍を鎮圧していった。彼の名声は高まり彼を慕う部下もたくさんできた。

 

「お喜びください。お嬢様が是非ともお話したいそうですよー?」

 

気付けば周尽は袁術に気に入られよくお呼ばれされるようになっていた。呼びに来る張勲にはその度に殺気とも嫉妬とも言える視線を向けられていた。

 

「煉よ!今日はどんなお話を聞かせてくれるのじゃ!?」

「美羽様、落ち着いてください。そうですね、今日はこの前鎮圧した賊について……」

 

袁術は自らの真名を周尽に預けるほどには信頼しており周尽も気付けば彼女に真名を預ける程度には信頼していた。……主君の能力的には袁術は相変わらずだったが。

それでも周尽は荀家にいた頃とは違う穏やかな日々を過ごしていた。……反董卓連合で元婚約者と再開するまでは。

 

「何で!そんな女の下で将軍なんてやっているのよ!」

「……俺の勝手だろ。もう、お前とは婚約者でも何でもないんだから」

「っ!?」

 

再開した荀彧に詰め寄られた時にはこう返し完全に縁を切ったのだった。

 

「……のう、煉よ」

「どうしましたか?美羽様」

 

その日の夜、自分の天幕で明日に備えていると突然袁術がやってきた。彼女の表情は何時もの天真爛漫な顔とは違い、悲しそうな表情をしていた。

 

「煉は何時までも妾の傍にいてくれるか?」

「いきなり何を言うんですか。私は美羽様の下を離れたりしませんよ」

「じゃが、じゃが!お主には婚約者がおるのじゃろう?」

「……聞いていたんですか」

「うむ……」

 

袁術は心の中の思いを吐き出す。

 

「妾は、妾はずっと煉といたいのじゃ。もっとお話しして一緒に蜂蜜を食べて。い、一緒に、ずっと、一緒に、い、いたいのじゃぁ~!」

「美羽様……」

 

最後の方には泣き出してしまった袁術を周尽は抱きしめて慰める。自身の胸ほどしかない袁術の頭を撫でながら周尽は覚悟を決めて話す。

 

「美羽様。私は美羽様の為に全てを捧げます。美羽様の望みをかなえるために身命を賭けます」

「……本当か?」

「ええ、勿論です。それとも、私は信用できませんか?」

「そんな訳ないのじゃ!煉は七乃と同じくらい信用しているのじゃ!」

 

周尽の少しズルい質問に袁術は体中を使って否定する。そんな愛らしい袁術を周尽は再び抱きしめた。

 

 

 

「……」

「……」

「……」

 

そして時は戻り、いや過ぎ周尽、袁術、張勲は先ほどまで籠城していた街を背に立っていた。既に街の周囲に展開していた孫策軍はいない。代わりに街に掲げられていた『袁』の旗は『孫』に変わっていた。そう、三人は負けたのである。

孫策の電撃的下剋上的謀反を受け袁術軍は組織だった対応も出来ずに各個撃破された。周尽を取り立ててくれた紀霊将軍も戦死し周尽は美羽たちの籠る街に籠城するので精一杯であった。そして混乱が続く袁術軍に孫策軍が襲いかかり半日もせずに街は陥落した。袁術、張勲、周尽は捕えられた。周尽は孫策に自分に仕えないか、という誘いを受けたが美羽の為に傍にいたいという理由で断った。結果袁術、張勲、周尽は旧袁術領を追い出され流浪の身となる事になったのだった。

 

「……さて、これからどうするか」

「追い出されましたからねー」

「妾は蜂蜜が食べたいぞ!」

 

困り果てる周尽にあまり困っていなさそうな張勲。我が道を行く袁術とバラバラであった。

 

「美羽様、我らは流浪の身となったので前の様に頻繁に蜂蜜を食べる事は出来ないと思います」

「そ、そうなのか!?」

「あーん!無知なお嬢様、可愛すぎますー!」

 

蜂蜜が食べられなくなると知り落ちこむ袁術とそんな袁術をデレデレの表情で見ている張勲。緊張感のない二人の態度に周尽は呆れるが無意識のうちに笑みを浮かべていた。なんだかんだ孫策の誘いを断って袁術の傍にいるのだ。周尽はふたりを連れて歩き出す。

 

「取り合えず袁紹様の下に向かいますか?彼女なら保護してくださると思いますし」

「あら、いいですねー。それでいきましょう」

「妾は蜂蜜が食べられれば何処でもいいぞ!」

「煉さん、聞きましたか?お嬢様は私達より蜂蜜を取るそうですよ?」

「えっ!?」

「ああ、俺も聞いた。まさか俺や七乃じゃなく蜂蜜を取るなんて……。悲しいな」

「ち、違うぞ!妾は煉も七乃も大好きじゃが蜂蜜も大好きなのじゃ!だ、だから嫌いにならないでー!」

「ぐふっ!お嬢様、可愛すぎです」

「七乃、まずは鼻血を拭え。下が血だまりになっているぞ」

 

愛する主君としたたかな同僚。領地と部下を失い流浪の身となった三人には変わらない穏やかな時間が流れるのだった。

 




因みに孫策が名前しか出てこない理由はセリフとか一番知らないからです()
あ、今は勉強中です

書いてほしい√

  • 婚約者とのハッピーエンド√
  • 婚約者を殺害√
  • 婚約者と一緒に駆け落ち√
  • 婚約者寝取られ√
  • R18版(書けるとは言ってない)
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