現代日本に転生したと思ったら、ペルソナ5だった。   作:ずばば

5 / 8
主人公のペルソナに迷った理由は感想に挙げられた物が殆どです。ラウールの設定と合ってない、P5主人公とイメージが被っている...等々。
かと言って他のペルソナも怪盗団らしくなかったり、設定に沿うのが難しかったり...
ラウールに妥協してしまった感じが否めませんが、ラウールでやって行こうと思っています。

主人公はワイルド(複数のペルソナを使える)という訳ではありません。ラウールのアルカナが愚者だったので勘違いをさせてしまったかもしれません。原作でも愚者のペルソナだけど主人公の物では無かったり、愚者では無くても複数ペルソナを使える人間はいたので、問題無いとは思います。

本編に関係ない話ではありますが、日間1位ありがとうございます。これからもマイペースながら投稿して行きたいと思っていますので、今後もよろしくお願いします。


反逆と猫と

ペルソナを覚醒させた俺は、鴨志田のシャドウの方へ、頭に浮かんだ呪文を唱えた。

 

「エイハ!」

 

「うおっ!」

 

突然ペルソナが目覚めたことに驚いた鴨志田は、それをもろに食らう。体制を崩した鴨志田が、鍵を落とす。恐らくはこの牢屋の鍵だろう。

それを素早く拾い、牢屋から出た俺は、外側から鍵を掛けて鴨志田を閉じ込めようとする。

 

「待て、貴様!」

 

それを阻止しようと、こちらへと向かってくる鴨志田。

 

「ハッ!」

 

主人公が向かってくる鴨志田にナイフを振るう。

それにより鴨志田が一瞬怯む。その隙に鍵をかけ、鴨志田を閉じ込めた。

 

「すまん、助かった。」

 

「海人、お前までなんだその格好...!」

 

主人公に感謝を述べていると、竜司がこちらの格好を問いただす。

赤スーツに黒ネクタイ。赤いハットと、特徴的な黒い仮面。ベネチアンマスクに近いように見えるが、マスクが側頭部まで広がっており、端部分が磁石に着いた砂鉄のようにギザギザとした形状になっている。

片手にはステッキのような物を持っていた。まさかこれが俺の武器なのか?と思い調べていると、ステッキの持ち手に切れ目を見つける。その部分の端を持って力を入れると、ステッキの棒部分が取れて、中から刃物が出てくる。主人公の持つナイフよりやや刀身が長い。仕込み杖、というやつだろうか。

 

などと、自分の衣装を調べていると、突然いつもの制服姿に戻る。

 

「うお、戻った...!?」

 

主人公の方を見ると、やはり制服姿に戻っていた。

 

変化に戸惑っていると、鴨志田が檻を掴み、

 

「貴様らあぁぁ!」

 

と怒鳴る。

 

「マジでイミわかんねぇ...なんなんだよここ!」

 

「とにかく逃げんぞ!先に行け!」

 

竜司が叫ぶ。それを聞いて、俺と主人公は走り出した。

 

俺がペルソナに目覚めた理由など、頭の中では考えたいことが幾つもあったが、とにかく逃げるのが最優先だ。

 

「貴様ら、オレ様にこんなことしてタダで済むと思っているのか!」

 

檻の中の鴨志田が捲したてる。

 

「気にするな、とにかく行くぞ!」

 

驚いて振り返る主人公に声をかけ、走り出す。

 

出口を探すため、3人で地下道を走り回る。

 

主要な事件や人物は覚えていても、パレスの道まではしっかりと覚えていない。

 

迷いながら通れそうな道を探していると、竜司が声をかけてくる。

 

「なぁ、何だったんだよあの格好と、あの後ろに立ってたヤツ!」

 

先程のペルソナのことだろう。ここで正直に答えてしまうと、何故ペルソナのことを知っているのかという疑問が生まれてしまう。

 

「分からない。気がついたらあの格好になっていて、後ろに立っていた。」

 

と、シラを切っておく。

 

「...やっぱそうか...あいつもそんな感じみてーだし、なんなんだよ一体。」

 

竜司が頭を抱えている。無理もないか。突然2人の人間の衣装が変わって変な力を使っていたら、現代に生きている人間なら誰でも混乱する。

とはいえ、説明することも出来ないので誤魔化して道を探す。

途中、出口のような扉を見つけるものの、その先は出口ではなく、水路のようだった。

 

「オイオイ...嘘だろ...」

 

「出口じゃないのかよ!いったい、なんなんだよここ!?」

 

思わず悪態をつく竜司。主人公もやや残念そうな面持ちだ。

 

「落ち込んでても仕方ない。早く出口を探そう。」

 

そう言って、先に進む。

 

「...分かってるよ! 行くぞ!」

 

竜司も後に続き、主人公に声をかける。

 

「お...おい、あれ...」

 

竜司が呟く。

 

少し先に進むと、

水路の上に鎖で吊るされた牢屋と、中に秀尽の制服を着た生徒がいた。

 

「悲鳴...聞こえたもんな...やっぱ捕まってたの、俺らだけじゃねぇんだ!」

 

「明らかにやばそうだ...けど、今は助けてらんねぇ。行くしかねぇ。」

 

竜司が悔しそうに言って、先へと進む。

 

その先は行き止まりになっていて、意味深な橋と石像が置いてあった。

 

「また行き止まりかよ...」

 

「引き返して別の出口探すっきゃねぇか。」

 

竜司が少し落胆したものの、切り替えて先に進もうとする。すると、

 

「...おい、そこの。」

 

牢屋の方から声がした。

 

「そこのキンパツと、くせっ毛と...えーと、まぁとにかくそこの3人!こっち向け!」

 

...俺だけ特徴が少なくて悪かったな。

その声に竜司と主人公も、牢屋の方に体を向ける。

 

牢屋の中には、黄色のスカーフをつけた2足歩行の黒い猫のマスコットのような生き物が動いていた。

モルガナだ。とりあえず、予定していた目標の大部分は達成出来たな。

 

「なんだ!? こいつ!?」

 

竜司が驚きの声をあげた。そりゃそうだ。

 

主人公もかなり驚いた様子だ。

 

モルガナが続ける。

 

「オマエら、城の兵士じゃねぇな!? こっから出してくれ!」

 

「ほら、そこにカギあるだろ!?」

 

モルガナが指し示した先には、確かにこの牢屋の物と思われる鍵が落ちている。

...いくら何でも、不用心すぎないか。

 

「...外出てぇのはこっちなんだよ...!」

 

「出してやりてー気持ちはあるけどよ、敵かも知れねーやつを出すわけにはいかねーよ!」

 

と、竜司が言った。

 

「捕まってんのに敵なわけないだろ!助けてくれよ!?」

 

モルガナの悲痛な叫びが聞こえる。どっちの気持ちも分からないでもないが。

そこで主人公が、

 

「猫?」

 

と疑問の声をあげた。

それに対して、

 

「猫じゃねぇ!次言ったら許さんぞ!」

と怒り出した。正直猫以外だったらぬいぐるみか何かにしか見えない。

 

そんな問答をしていると、兵士の足音が聞こえてくる。少しまずいな。

 

「竜司、こいつが敵かは分からないが、この城の出口について知ってるかもしれない。連れて行った方がいいんじゃないか?」

 

俺の提案に、

 

「なぁオマエら、出口が知りたいのか?なら、出してくれたら案内するぞ!」

 

「捕まって処刑は嫌だろ?」

 

モルガナが言う。

 

竜司が主人公と俺にコソコソと喋る。

 

(悪いやつには見えねーけど、どう見ても怪しすぎんだろ。人間でもねーし、猫くらいにしか見えねーけど猫でもねーって言ってるしよ。)

 

「聞こえてるぞキンパツ!猫じゃねぇって言ってんだろ!もう一度言ったら許さんって言ったよな!?」

 

モルガナには聞こえていたようで、かなり怒った様子だ。

 

「騒ぐなら出さない。」

 

主人公がピシャリと言った。

 

「さ、騒がない!もう騒がないから、出してくれよ!」

 

慌ててモルガナが叫んだ。...主人公、モルガナの扱い方が分かってきたようだ。

 

「どうするよ...」

 

未だに迷ってるようで、竜司が呟いた。

 

「オマエらだけで出られるってんなら、好きにしろよ!」

 

モルガナが言った。

 

兵士の足音はどんどん近づいてきている。

 

「マジなんだろうな!?」

 

竜司が焦ったようにモルガナに問いかける。

 

「早くしないと捕まるぞ!」

 

ふてぶてしくモルガナが言う。なんだか竜司だけ舐められてる気がする。

 

竜司は迷いながら、

 

「し、仕方ねぇ...」

 

そう言って鍵を拾い上げて、牢屋を開けた。

モルガナは牢屋から出ると背伸びをして、

 

「フゥ〜、シャバの空気はうまいぜ。」

 

と、気持ちよさそうに深呼吸する。

のんびりとした空気に、

 

「出口はどこなんだよ、化け猫!」

 

と、竜司が急かすように叫ぶ。

 

「猫って言うなっつってんだろ!ワガハイにはモルガナっていう名前があるんだ!」

 

「んなこと今はどうでもいいんだよ!早くしろ!」

 

モルガナの名乗りも聞いてはいられないようで、竜司が更に急かす。

 

「わ、分かってるよ...」

 

「ついてこい、静かにだぞっ!」

 

そう言ってモルガナが走って行く。俺たちもその後を追う。

 

 

 

 

 

 

一方、学校では。

 

「...もう4限じゃない。」

 

主人公と司馬の担任である、川上 貞代が職員室で溜息をつく。

 

「...前科持ちなんて言われてる雨宮君はともかく、今まで無遅刻無欠席の司馬君まで学校に来ないなんて...」

 

「佐倉さんも、司馬くんのお母さんも家は出たって言ってるし、警察に連絡を...」

 

「いや、そんなの余計面倒なことに...」

 

「...ハァ。面倒なこと押し付けられたとは思っていたけど、予想以上だったわ...」

 

そう呟いて、作業に戻った。

 

 

 

 

 

しばらく走っていたモルガナは、上がった橋と石像のある所で止まった。その石像は鴨志田の顔のようで、無駄に精巧に作られているせいか、凄く不気味に感じる。

 

「なにやってんだ?」

 

竜司がモルガナに問いかける。

 

「キンパツ。何やってるか分からないのか?ま、お前じゃ分からないだろうな。」

 

先ほどの猫発言を根に持っているのか、モルガナが挑発するように言う。

 

「んだと!勿体ぶってねーで早く教えろよ、化け猫!」

 

「猫って言うなって何回言わせんだ!オマエだけは絶対に許さんぞ!」

 

と、モルガナが叫ぶ。

こいつら、今兵士に追われてることを完全に忘れてるな。

主人公もやや呆れたような表情だ。

...原作だと、何をしてたんだったか。確か、この石像に何かして...鴨志田像に色々と試してみる。

 

「こっちには時間がねーんだよ!それともまた閉じ込められてーかこいつ!」

 

「閉じ込められるもんなら閉じ込めて見やがれ!ワガハイにはな、お前には無い能力が...」

 

...まだ言い争っているようだ。

試行錯誤していると、鴨志田像のアゴが動くことに気づいた。アゴを下げてみる。すると、目が光り、橋が下がっていき、向かい側に通れるようになった。

 

「「...あ。」」

 

モルガナと竜司が同時に言う。

 

「お手柄だな。」

 

主人公が手を叩きながら言う。

 

「...こいつ、やっぱ牢屋に閉じ込めといた方がいいんじゃねーか?」

 

「おい!」

 

竜司の呟きに、モルガナが反応した。...どうでもいいが、もう少し仲良くしてくれ。

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