もし、ハンターハンターに害虫駆除を専門とするハンターがいたら?

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害虫駆除ハンター

この世のありとあらゆる虫を嫌悪し、虫を駆除することに命をかけた男がいた。

その男は虫を駆除することだけに己が全てかけた。

突然変異や、外来種、ありとあらゆる虫を駆除しできた男は今や、害虫駆除ハンターとして、名を馳せていた。

 

「キメラアント、ねぇ。」

 

アホみたいにデカいキメラアントが発見された。

それに気がついたのは、たまたま、こんなにしている情報屋がサービスとして教えてくれたからだ。情報屋もサービス業だ。同業者も多く、客が逃げないようにする工夫は大切だ。

 

(ハンター協会も動き出しているみたいだが、なぜ俺に声をかけない?)

 

彼は己の全てを害虫駆除に当ててきた。当然、念能力もその手のものだ。制約と誓約もクラピカ並みに重く、およそ、相手が虫であるのなら彼の出番のはずだ。

しかし、協会は彼に連絡をしなかった。

その理由はネテロの『強いヤツと戦いたいから』という我儘で、十二支んを連れて行かなかったのと同じだ。

だが、協会の思惑なんて彼には関係ない。

虫がいたら殺す。それが彼の生き方だった。

 

 

「…………零で、あっても……。」

 

百式観音、零乃掌。

ハンター協会会長であるアイザック=ネテロはキメラアントの王、メルエムと単身で戦った。しかし、敵わなかった。

彼の渾身の一撃でさえ、傷を与えられず、もうなす術がない。

だが、これで終わりではない。彼の身体には小型の爆弾が仕掛けられており、心臓が止まったら自動的に爆発する仕組みだ。

この爆弾はただの爆弾ではないのだが、その説明は割愛させてもらう。

なぜなら、この物語では使われないからだ。

 

「会長さん。どうして、俺を呼ばなかったんです?」

 

男の声だ。

しかし、全身を覆う害虫用の防護服でその姿を見ることができない。だが、彼を覆うオーラは()()()()()()()()()の域を出ておらず、この状況を覆せるとは思えない。だが、ネテロは乾いた笑みを浮かべた。

 

「のう、王、蟻の王よ。人間の執念をみくびるなよ? これから始まるのはただの駆除だ。」

 

ネテロは彼には何も知らせていない。知らせないようにさえしていた。

それは一重に、蟻の王と戦いたいからである。

しかし、こうして、勝敗はついた。ならば、もう満足であるし、来てしまったのならば仕方がない。

 

「蟻? へぇ、アレがキメラアントか……。デカいですね? 今、駆除するので、会長さんは安静にしててください。」

 

男はそう言った。

駆除、と。そこらへ辺にある蜘蛛の巣を払うように、ゴキブリを殺すのと同じように、キメラアントの王、メルエムを駆除すると言ってのけたのだ。

その言葉は、メルエム本人のプライドをズタズタに傷つけ、怒らせた。

対話する気さえ起きない。ただ、殺そう。そう思い、飛びかかった。

その速度は、人知を逸しており、本来人間には反応できないものだ。

しかし、その手が男の首元に届く直前、動きを止めた。

 

「! なんだ。」

 

見えない壁に阻まれこれ以上進めないのだ。

メルエムはひとまず体制を整えようと後ろに跳ぼうとしたが、両足はまるで地面に張り付いてしまったように動けない。

すると、みるみるうちに隠が解けて網状の壁と粘性の物質がそれぞれ見えてきた。

これはこの男の念能力だ。

 

“見えない網戸"

オーラを網戸状に変化させ、虫のみを超えられない壁にする。

 

"虫さんホイホイ"

オーラに粘性を持たせ、虫をその場から動けなくする。

 

どちらも対虫用の能力だ。

というよりも、彼は虫用の能力しか持っていない。いや、持てないのだ。

この男が1番初めに作った能力は"虫殺しの誓い"だ。

「この能力を除き、虫以外を対照とした発を作ったら」自動的に発動し、自身のオーラ全てを毒薬に変化させ、自殺する。そういう能力だ。

そのため、彼は虫用以外の発を作ることができない。

この、強力な制約と誓約により彼は対虫に対しては驚異的な能力を発揮する。

 

「駆除開始」

 

スプレー缶を具現化し、身動きの取れないメルエムに向け、ガスを噴射させる。これは彼のオーラを殺虫剤に変化させたものだ。

 

"黒露血(こっくろーち)"

 

虫だけを殺す毒ガスだ。

 

「ぐ、ぐかぁああああ」

 

メルエムの悲鳴を一瞬で止まり、動かなくなった。

このガスは神経に作用する。

身体を動かすことも含め、呼吸、心拍、などの生きることに大切な動作すらも遮断して動けなくする。もはや、彼の思いとは反して、その身体は生きることを放棄しているのだ。

 

「駆除完了」

 

あっけない幕引きだ。

人類の危機、それほどまでの敵を数分と経たずに倒してしまった、その光景にネテロは少し虚しくなった。

だが、念能力者の戦いとはそういうものだ。

勝てないと思った敵でさえ、相性や条件さえ整えばあっけなく勝てる場合もあるし、その逆もありえる。純粋な強さだけでは勝ち負けは推し量ることなんて出来やしないのだ。

 

「……会長さん。あなたなら放っておいても大丈夫そうですね。それでは、これより他の蟻どもを駆除してきます。丁度、もうすぐオーラも溜まりますし。」

 

そう言いつつ、彼は懐から円柱の物体を取り出した。

 

地球の赤(バルサン)"

 

彼の奥の手とも言える能力だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?


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