異世界から問題児と寂しがり屋が来るようですよ    作:三代目盲打ちテイク

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おそくなりました。
八命陣やってました。
甘粕大尉とキーラ様が大好きです
では、どうぞ


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『ギフトゲーム名“蛇神の試練”

 

 ・プレイヤー一覧 “    ”逆廻十六夜 久遠飛鳥 春日部耀

 ・ゲームマスター “トリトニスの滝のむ主”白雪姫

 

 ・勝利条件 白雪姫に“力”“知恵”“勇気”を示す。

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“    ”はギフトゲームに参加します。

                             “トリトニスの滝の主”』

 

 契約書類(ギアスロール)を蛇神が出してくる。

 それは、ゲームの内容、ルール、賞品などが書かれたギフト。これに主催するコミュニティのリーダーが署名することでゲームが成立する。

 契約は絶対であり、いかなるギフトも契約書類に背く場合無効化される。正式なゲームの開始。

 十六夜が怒らせた蛇神とその十六夜含めた問題児三人によるギフトゲームが今ここに始まろうとしていた。椿姫は相変わらず水辺で遊んでいる。黒ウサギは、なんでこんな問題児様をぅ。と頭を抱えて唸っていた。

 

『これで、正式なギフトゲームだ。もし、お前たちが全ての試練をクリアできたのならば、どんな賞品だろうが授けてやる。

 では、勇気の試練から始めるとしよう。まあ、安心せい、そこの小僧には怒り心頭であるが、それをゲームに持ちだすほど愚かではない。さて、準備は良いか?』

「いいよ」

『では、そなたの勇気を示して見せろ!』

「――!」

 

 足元から噴出した水によって場を移動させられた。そこは遥かな滝の上。世界の果てのトリトニスの大滝とは比べるべくもないが、それでも大瀑布まではかなりの距離がある。そこを飛び降りろ。そういうことらしい。

 蛇神。それは水神の眷属。その勇気の試練。勇気を示す行為とは何か。

 水の恐怖。深みへと嵌る恐怖。水とは豊穣をもたらすものであり、全てを流してしまう恐怖でもある。ゆえに、勇気を示すとは深みへと己の意志で嵌ること。

 単純なものであるが、それだけに勇気を試される。急造の試練であるため難易度は低いが、見たところ箱庭初心者であるところの少年少女たちに本気を出すなど神の風上にもおけぬだろうという矜持がある。

 まあ、それでも十六夜を許せない辺り蛇神も器は小さいのだが。

 

「…………」

 

 一方で耀はと言えば、黙って大瀑布を覗きこんでいた。それから軽く飛び降りた。ギフトがなかろうとあろうが問題ない。

 というよりつい先ほど4000mも上空からフリーフォールしてきたのだ。この程度の滝の高さを跳べないはずがないのだ。

 つまり試練にすらなっていないのだが。それも仕方がないだろう。なにせ上空4000mから落ちてきたことなど蛇神は知らないのだから。そもそもそんなこと知っていればこんな試練などしない。もっと別のことをやる。水に引き込んだりとかである。

 飛び降りて水へと飛び込むことになる。どうやら安全面はしっかりとしてあるらしく、抱き留められるように水に受け止められた。

 

「……どや」

『……よかろう。勇気の試練はクリアだ。次は知恵だ』

「私ね」

 

 飛鳥が蛇神の前に出る。

 

「それでどんな試練なのかしら?」

『ふむ、そうだな』

 

 蛇神は少々考え込む姿勢をみせる。それからふと、視線をあげたかと思うと、飛鳥の前に四角に固めた水を差しだしてくる。

 中には小さな宝珠が入っていた。というよりも宝珠を中心に固まっているようにも見える。どうやら宝珠自体が水を出しているらしい。

 

『水に触れずに取り出してみよ』

「水に触れずに取り出せば良いのね?」

『ああ』

「…………」

 

 飛鳥は考える。

 宝珠を取るには水に手を突っ込む必要がある。しかし、それではアウトだ。というより宝珠自体が水を出しているのだからその宝珠の作用を止めない限りは無理だ。

 だからこそ知恵を使えということ。

 これでも財閥の令嬢であったのだ。頭は回る。とふと思った。己の力について。黒ウサギに言わせればギフトというのだろう。己のあまり好きではない力。

 有体に言えば飛鳥が口にしたことは実現する。いや、これは言いすぎだ。正確には彼女が発した命令を誰もに強制できる。

 これで蛇神を言いなりにするのはどうだろうか。それで水を解かせれば万事解決である。

 

「…………」

 

――あまり、効くとは思えないわね。

 

 人間以外の動物にも効くことはわかってはいるが、曲がりなりにも神格。神様に効くとは思えない。水などには当然効かない。

 

「さて、どうしたものかしらね」

 

 ふと、思いついた。宝珠自体に命令してみるのはどうだろう。宝珠自体が水を出して水を固めているのならばそれを止めればいいのだから。

 ものは試しと試してみることにした。

 

「宝珠よ、水の放出を止めなさい」

『なに――!』

 

 ものは試しであったが、それはうまくいった。宝珠の水は止まり、ころんと地面に落ちる。

 

「はい、取ったわよ」

『…………いいだろう。とれたのは事実だ』

 

 この無理難題に応えられるとは思わなかった蛇神であった。本人からしたら最高傑作だったのだが、あっさりとクリアされて納得がいない蛇神であった。

 

「よっしゃ、じゃあ俺だな」

『ふん、行くぞ、小僧!』

 

 気を取り直して十六夜との試練。力の試練。普通ならば眷属を差し向けるが、自身を愚弄した相手。そんな相手は己で始末をつけたかった。

 

『水は美しい。ゆえに、我は約束は破らぬ。誓は違えん。

 人の溺れ、地の沈み救うため、自由を奪われるること是非もない。

 ならば、鐘を鋳て昼夜に三度かき鳴らし、我を驚かす約束思い出せ。

 鐘鳴らぬなら想うままに天地をはしせん。

 ――太・極――

 随神相――神咒神威・夜叉ヶ池 白雪の龍』

 

 滝の水が巻き上がり、数十本の竜巻と化す。嵐を超える、暴力の渦。真に龍神となりたいという己の渇望によって生じた太極。

 既に蛇の身ではなく、人型にて、その背後にそれは現れている。随神相。小さな山ほどの大きさなれど、本人の渇望が具現化したもの。つまりは、蛇の神そのものの姿。

 本来ならば彼女に生ずるものではないが、眷属であるところの彼女であれば問題はない。随神相が巻き起こすは最大規模の大竜巻。三本の竜巻が絡みあり巨大な竜巻へと成る。

 これを喰らえば、普通の人間ならひとたまりもないどころか、骨さえ残らないだろう。

 だが、

 

「――ハッ――、しゃらくせぇっ!」

 

 十六夜はその竜巻を一撃の下に消し飛ばす。

 

「嘘っ?!」

『馬鹿な!』

 

 驚愕した声と視線が十六夜に集まる。

 ありえない。格という意味合いにおいて、ある人物の太極に属している蛇神の格は擬似ながらも太極位。太極とは端的に言えば 法則 、即ちその世界に於ける絶対法であり、そうした決まり事を定めた張本人を指す。

 無論、世に法則といったものは無限に近く存在するし、それら一つ一つが太極というわけではない。

 例えば、刃物であるならば、それには切るという法則がある。火であれば物を熱する、焼く、燃えるという法則がある。そう言ったものは法則ではなく単なる物理。

 重要なのは規模と密度。その法を構成する単位が宇宙という規模であり、ゆえにそれのみをもって独立した世界となり得るものをこそが太極。

 すなわち、太極域に到達した者は人型をした宇宙そのものに他ならない。そして、そういった者たちを総称して「神格」と言うのだ。

 この場合問題ななことはまがりなりにも神格に達している者の攻撃を、それよりも格において劣る者が相殺したことにつきる。

 格、例えるならば戦いの土俵だ。この土俵が違う場合、低い位置にいる者は何をやっても効果がない。つまり格が低い者は高い者になんら影響を与えることができないのだ。

 絵の中でどれだけ猛火を描写しようと、それが現実の人間を燃やせるわけがないのと同じことなのだ。

 そして、太極同士の戦闘で何よりも重要になるのは自己のルールを押し付けられるだけの太極の地力であり、大なり小なり自分のルールを押し付けられる程度の力の拮抗があって始めてルールの内容が問題となるのだ。

 単純に地力の差だとか、そんなことを言える次元の話ではない。何せ、相手は未だ、太極には至っていない。良くてその前段階どまり。格という意味合いにおいて、隔絶していると言っても良い。

 だが、現に十六夜という男は目の前に跳躍してきている。その拳は己を打倒するものであると蛇神は悟る。

 

「まっ、中々だったぜオマエ」

 

 その想像通り、大地を踏み砕くような爆音と共に懐に入り、胴体にその拳を叩き込んでくる。その威力はまさに界を割るほどのそれだ。

 ゆえに、解せぬ。それほどの力を十六夜という少年は有してはいないはず。また、それだけの力を出すには詠唱という形で己の渇望(ネガイ)を口にせねばならない。だが、それもないのだ。ならば、なぜ。

 その刹那、蛇神は気が付いた。彼の背後、睨むようにこちらを視る少女の姿を。その少女から発せられるのはまさに太極だ。

 そして、その背後に箱庭世界の成層圏すら突き抜けたその先に大輪の華を幻視した。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

――2105380外門。ペリベッド通り・噴水広場前。

 

 その前にダボダボのローブを着ている少年が一人。

 彼の名前はジン=ラッセル。黒ウサギの所属するコミュニティのリーダーである。

 現在、ここで新たな同志候補を迎えに行っている黒ウサギを待っていた。少々時間がかかっていることが不可解であったが、辛抱強く待っていると、

 

「ジン坊っちゃーン! 新しい方を連れてきましたよー!」

 

 異様に機嫌の良い黒ウサギが戻ってきた。後ろには見慣れない人たちを連れている。

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの御四方が?」

「はいな、こちらの御四方がそうですよー」

「うん?」

 

 何やら非常に機嫌が良い。どうしたのだろうか? とジンが怪訝に思っていると、

 

「見てくださいこれらを!」

 

 水樹の苗と、

 

「女の人?」

「はい、なんとあのトリトニスの大滝の主白雪姫様ですよ!」

「え、ええええええ!?」

 

 まさかの事態、予想外過ぎるその事態に、ジンは頭を抱えそうになった。

 何はあともあれ、問題児四人組は箱庭へと入ることになったのだ。

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 そこはまるで深海の底に沈んだような空間だった。いや、あるいは真空の宇宙空間か。どちらかと言えば後者の方が正しくもある。

 重く、暗く、冷たく、静か。およそ、温かみと呼ばれるものが何一つない闇のそこ。さながら正常な世界から切り離されたかのような場所。

 一見すればそこは冥府や墓所、そういった類の場所にも思える。それは正しいのだろう、今は。なにせ、ここには今、生者がいないのだ。

 だとすれば未だ異形なれど生命という括りに属する深海魚が存在する、あるいはしうる深海とは異なり、ここは真空の宇宙空間。

 まあ、より正確に言うならばここにも存在している者はいるにはいる。ただ、それを生者と呼んでよいかは甚だ微妙なだけであって、いないわけではない。

 だとすると深海の方がただ出しいようにも思えるのだがなにせ、いるのはただ一つ。影だけなのだ。恨み言のように蜿蜒と蝿声(さばえ)を吐き続けるただの影、あるいはありとあらゆる嫌悪感の対象となる蟲の大群だ。

 これは、かつては無貌、じゅすへる等、数多の名で呼ばれ、日本帝国における神祇省――神祇、つまりは神々の祭祀と行政を掌る機関――により祟りの最上級、第八等指定廃神・蝿声厭魅(さばえのえんみ)と認定されていた者だ。

 数多、八百万の様々な神がいる中で、欠片の利用価値すらないと判断された最悪の神。あるいは悪魔か。

 あえて名で呼ぶとするならば神野明影(しんのあきかげ)が妥当だろう。かつて現世において呼び出された折に呼ばれた名であるし、人に理解できる名という意味においてはこれがもっとも妥当なのだ。

 ただ、それが今、意味があるのかと言われればそうではない。なぜならばここには真に生者と呼べる者はいないのだから。必然、名がある意味もない。

 忘れられ、ただ深く沈み、ここに在るだけ。今の彼の状態はそんなものだ。ただ、それでいいとも言える。ある一面から見れば。

 なぜならば、彼は悪魔(じゅすへる)であるから。人の傷に付け込んで堕落させる狂気の存在。有体に言ってしまえば害悪でしかないのだ。

 ならばここで眠らせておくのが良いのだが、

 

「そういうこともあるでしょうが、そうでないこともあるでしょう」

 

 と、その男はおどけたように口にする。

 それは奇妙な仮面を被った男であった。道化の如き姿であるが、一世代前の西洋貴族のようでもある。

 奇妙な人物。

 仮面と服装は彼をそう思わせる。

 彼は決して自らを口にしない。見たままを口にせよと戯けて言う。容姿通りに、奇妙な男であった。

 男の名はとある世界の極東の小さな島国に伝わる神なる獣の名。それがこの男のかつての名であった。

 しかし、今その名前はない。その自分は既に砕けてしまっているから。彼の地、彼の街で。あるいは神々の箱庭(ここ)で。

 だが、あえて名を呼ぶとするならばそれが妥当。即ち、バロン。バロン・ミュンヒハウゼン。

 

「なに、今の俺には必要になる。つまりは、そういうことだ」

 

 そして、もう一人。この場において最も生者でありながらも、その在り様からして生者というよりは魔王と称される男だった。

 軍帽に大外套を翻した男。かつて楽園(ぱらいぞ)を目指した男。そして、今なお目指している男であった。

 名は史実世界にも伝わっている。甘粕正彦(あまかすまさひこ)。それがこの男の名前であった。精神を狂わせるこの異界においてなお正常を保つという異常の男。

 かつて敗北し、全てを託した男が再び立ち上がろうとしていた。

 

「単純なことだろう。魔王がただ一度倒されたくらいで諦めるはずがない。俺の辞書に諦めるという言葉は存在せん。ゆえに、これは当然の帰結だ。

 俺はまた見たいのだ。生涯見た唯一の真の強さを、あの男と同じ強さを再び見たいのだ。

 ゆえに――」

 

 甘粕が大外套を翻す、

 

「行くぞ、我がぱらいぞにて、ふたたびあの輝きを魅せてくれ。そして、謳わせてほしい。喉が枯れるほどに、人間賛歌を謳わせてくれ」

 

 その背後で、

 

「滑稽かな、滑稽かな」

 

 奇妙な男(バロン)は笑うのだ。嗤うのだ。

 箱庭に迫る暗雲を思って。あるいは、何も考えずに。ただ笑うのだ。

 




そんなこんなで甘粕と神野が箱庭イン。甘粕さんそんなことしないだろうとか批評はなしの方向でお願いします。
なにせ原作で魔王のコミュニティ出て来たばかりで、適当な人材がいなかったんでうすよ

あと好きだからです。

男性キャラの中でトップで好きですね甘粕大尉は。同率で狩摩とハゲが来ます。
その次あたりにくらな君。それから柊パパ。なぜか愛しく思ってしまいますあの鬼畜。あとは鳴滝ですね。で、主人公と栄光が来ます。
神野は最終形態以外なら柊パパと同率です。最終状態は、うん、キャラがブレちゃったからノーカウント扱いです。
空亡? 奴は萌えキャラです。

女性陣だと断トツでキーラ様です。あとその他です。

というかDiesより八命陣の方が箱庭向きな気がしてならないとか思ったり思わなかったり。

さて、本編と次回のお話をしておきます。
本編の試練は、考えつかずあんなことになっております。というか最初のイベントで普通に通り過ぎる予定が既に狂って隷属化までしちゃう始末です。
まあ、それはいいのです、重要なことじゃない。重要なのはこれからです。


では、また次回。感想や評価を頂ければ嬉しくなって更新が早くなるかもしれません。
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