たぶんgdgdかな?
まぁ、お手柔らかにお願いしまふ
あちこち訂正(10/8)
第一話:転生
保存日時:2014年10月08日(水) 01:38
視界がゆっくりと黒に染まっていく。
全身に鈍い痛みが広がり、体内に巡っているはずの血液という血液が抜けていっている気がした。
「......かはっ」
そこに、更に追い打ちをかけるかのように血が込み上げ、堪え切れずに吐き出す。
誰かが必死に呼びかけてくれるが、ほとんど聞き取れないほどダメージが酷かった。
(ホント、ついてねぇよなぁ......)
念願だったラノベの最新巻がようやく入荷したと聞き、急いでアニ◯イトに行ったその帰りに突っ込んできた暴走車と衝突して......この有様だ。
おまけに本は売り切れで買えなかったし。
こうなった原因を恨むんだとしたら、それは確実に自分の運の無さを恨むべきだ。
とある科学の超電磁砲(いや、とある魔術の禁書目録か?)に出てくる上条当麻並みに運が無かったと言ってもいい。
......まぁ上条さんみたいな幻想殺しを宿してる右手なんかないけど。
よってこの運の無さも全部自分の不注意から来たものだけど......それにしても運が無さ過ぎた。
まさかこんなにも早く、呆気なく人生を終えるなんて......。
せめて運が無いなりにも、もう少し良い死に方したかった......。
このまんま意識が無くなって、次に目を覚ましたら一面真っ白な世界とかないかなぁ、なんて期待してみるがそんなご都合主義があるはずもなく、ついには意識まで薄れてきた。
父さん、母さん、親不孝者でごめんな?
もし次に生まれ変われたら絶対に迷惑とか心配とかかけたりしないから。
脳裏に自分の今までやってきたことが走馬灯のように駆け巡り、申し訳なさのあまりに涙が零れる。
嫌だ、死にたくない。
そんな気持ちが、今更になって自分の心を支配したがなにもかもがもう遅すぎた。
「......死にたく、ないなぁ......」
呟いた言葉は声にはならず、そうして俺の意識は途絶えた。
☆
ズキンッと全身が痛み、俺は意識を取り戻す。
「うぁ......」
あまりの痛みについ呻き声を漏らしつつ、辺りを見回して状況把握に努めると信じられない物が目に映った。
「ーーおいおい、勘弁してくれよ......」
一面真っ白な世界。
インテリア?なにそれ美味しいの?と言ってもおかしくないような、なんにもない世界に俺は絶句した。
「俺のいた世界ってアニメか小説の世界だったのかよ......?」
「ーーそんなにここが嫌なら今すぐ判決下してそれ相応のルートに送ってやろうか?」
そんな意地悪そうな声が背後から聞こえ、加えてため息が零れる。
......なんかもう、ここまで来ると登場人物が誰かわかって仕方ない。
それでも一応振り向いてみると、そこには意外なことに好青年が意地悪そうな笑みを浮かべて立っていた。
普通『神様』って言ったら白髪の爺さんが筋じゃねーのかよ。
「いや、それだけは勘弁してください」
「あ、嫌なんだ」
神はクスクスと楽しそうに笑い、俺という人間を値踏みするかのように眺める。
「そりゃねーーでも俺、大していいこともしてねーし、むしろ悪いことしかしてねーからどうせ地獄送りだろ?」
わかってるよ、という感じで俺は神に判断を仰ぐ。
すると神は俺の言葉に驚いたのか、ぽかんとして俺を見つめる。
「な、なんだよ......」
紅い瞳でじっと見つめられ、思わず怯みがちになると神は糸が切れたかのようにケタケタと笑い始めた。
「クックック......久しぶりに面白い奴と会えたわ......まさかまだ決まってないかもしれないのに、自分から地獄送りを望むなんて......ホントおもしれーよ」
「......は?」
神の感想に、俺は自分の耳を疑う。
「いやいや、なんでそーなるんですか? 俺まだ地獄行きがいいですとか一言も言ってないですけど」
「嘘付つくなよ、今目の前で言ったじゃないか」
「自分の予想があってるかどうかを確かめてなにが悪いんですか」
「え? んー......あー......対象に勘違いさせること?」
いや、そこ真面目に考えないで下さいよ......。
「......(はぁ」
「ちょっ、黙るのやめようや」
呆れて物が言えない俺に、神は慌てる。
ホントにコイツ神様なのかよと疑いたくなるが、そう思う俺はなにも悪くないよな?
「......すんません」
「ん?」
「俺って結局どっち送りなんですか」
完全に逸れていた話を元に戻し、俺は神の目を見つめる。
「あー、そういや仕事しに来たんだったな......久しぶりに返しが面白かったから、つい話耽っちまった」
「仕事?」
ふと気になり、オウム返しに聞いてしまう。
こんなこと聞いたら話が進まねぇのに......俺のバカ......。
「輪廻って言葉は聞いたことあるか?」
とはいえ、聞いちゃったもんは仕方ないから大人しく教えてもらう。
「あれですよね? 魂がぐるぐる回るってやつ」
「そうそう。んで、死んだ奴らは必ず魂だけとなってここに来るから、俺はそいつらの生前を見てまた下界へと魂を返すことしてんだ。お前らの言う転生、ってやつだ。だから、精密にはどっち送りとかないんだが下界に帰るまでの道がヤバイかラクかのどっちかってわけだな」
「へぇ......なんか、面倒臭そう」
「おう、面倒臭ぇぞ。さすがに災害なんかは仕方ねぇが、それ以外のところで意味もなく殺し合ったりするのはホント勘弁して欲しいぜ。仕事がどんどん増えてたまったもんじゃない」
「あはは......」
神様がこんなこと言っていいのか......なんて思いながら愚痴にも似たような告白に俺は苦笑いを浮かべる。
と、神は自分で気が付いたのか頭を振り、話を戻した。
「おっと、いかんいかん。また話が逸れた......んじゃま、判決を下そうか」
そう言った神の手にはどこから取り出したのか、知らないうちにバインダーが握られていた。
「どれどれ......ーーん? 自己申告までしてきた割にはそう大して悪いことしてねーじゃねーかよ」
バインダーに挟まれている幾らかの紙をペラペラとめくりながら、驚いたように声を上げる。
「でもまぁどっちかっていや悪行のほうが勝ってるみたいだから地獄ルートからは逃れられねーだろうな......あともう少し努力してりゃあ天国もありだったのに」
「おうふ......マジかよ......」
結局地獄行きだったのは変わらなかったけど、なんとなく地獄で下される刑罰は軽いような気がした。
......あぁ、地獄とか天国とかないんだっけ?
ややこしいなぁ......。
「とは言え、このくらいの罪なら転生してから償うって道もないこともないーーっとまぁ真面目にやったらこんな感じだ。なにか異論はあるか?」
「......はぃ?」
神の問いに、俺はなにも言えなくなる。
異論なんてそれこそいっぱいあったが、驚き過ぎて逆になにも浮かんでこなかった。
「......おーい......?」
あんぐりとした俺のことが不安になったのか、神が呼びかけてくる。
「......っは」
その呼び掛けに俺は正気を取り戻し、頭をブンブンと振る。
「立ったまんま意識失うとか奇妙なマネすんなこら」
「あ、すんません」
なんか、この人と良いお笑いコンビが作れそうな気がしてきた。
「で、話を戻すぞ......?」
「ハイ、オネガイシマス」
「さっきも言った通りお前の場合大した罪じゃないから、転生してから善行を積んでプラマイゼロにすることもできるし、先にちゃんとしたルートで更生してから転生することもできる。つまりお前には今二つの選択肢が与えられてるわけだ」
「あ、結局転生するんだ」
その言葉にようやく俺の中で納得がいく。
対して神のほうは失態という表情を浮かべていた。
「そういえば正式な転生方法を言ってなかったな......」
「それ確実にアンタにも非があるよね?!」
思わず大声で突っ込んでしまうと、神は誤魔化すかのようにんんっと咳払いをする。
「とにかくだ! 月影竜。お前は前者と後者、どちらを選択するんだ?」
神に選択を迫られ、俺はなにも考えずに即断即決した。
「もちろん前者がイイっす。後者とか冗談」
「じゃ、後者な」
「はぁ?!」
やけに意地悪そうな笑みを浮かべながら言った神に、俺は全力で首を振った。
「なんでそうなるんだよ?!」
「え? こういうのってお決まりじゃねーの?」
「人の未来が掛かってんのにそんな感情で決めてんじゃねぇよ! お前ホントに神様なのかよ?! ーーあ」
「ム......俺もう怒っちゃったもんねー」
時、すでに遅し。
「どこぞのアニメキャラじゃゴルァ! じゃなくてすみませんでしたー!!」
バッと飛び上がって俺は華麗なジャンピング土下座を披露する。
俺のバカァ......なんで肝心なときに謝罪よりもツッコミが先に出てくるんだよぉ(´;Д;`)
「ーークックック......冗談だよ、前者でいいんだな?」
ケタケタと笑い転げながら神は俺に確認を取る。
突然話を戻されたことに、俺はマヌケな声で土下座フォームから顔を上げた。
「ふぇ? ......あ、うん......」
「んじゃま、とりあえず立ちな。土下座のまんまじゃなんか嫌だし」
「うわぁ......なんか俺すっげぇ遊ばれてる......」
神に言われた通り俺は素直に立ち上がったが、なんだかオモチャにされてるようでこっちが嫌だった。
「それで転生についてなんだがーー」
そうしてされた説明を以下にまとめると
・転生には2種類ある。
一つが記憶を所持しての転生。もう一つが記憶を消去してからの転生。
・俺の場合、その特性により前世の記憶を保持したまま転生すること。
・転生される世界は絶対に前世にいた世界ではなく、しかもランダムだということ。
・そして最後......。
本来通るべき道をぶっ飛ばして神の手によって直接転生させてもらうので、転生する際には罪相応のデメリットがついてくるということ。
ということだった。
「デメリットがなにかとかわからないんすか?」
「俺もそれは教えてやりたいところなんだが、デメリットは魂によっても変わるからな......なんとも言えなくて......」
俺の質問に、神は首を振りながら答えてくれる。
「そうっすか......」
俺はわずかに不安を覚えたが、本来通るべき道を飛ばして転生させてくれるんだ、だったらこのくらいのリスクは背負うべきだと心の中に押しとどめた。
「俺からする説明は以上だが......他になにか気になることはあるか?」
「いえ、特には」
俺は素直に答えると、神は小さくため息を吐いた。
「ならいい。じゃ、転生するからこっちに来い」
「ん」
言われた通りに神の目と鼻の先まで近付くと、神は俺の額にトンッと人差し指を触れた。
「なっ......」
途端に俺の視界はピンボケし、黒く塗りつぶされていく。
それに伴って俺の意識は途絶えた。