やっぱり鬼畜ゲームだ、あれρ(・ω・、)イジイジ
*本文少々変更(5/9)
タイトル編集(6/28)
午後3時20分。
前世で通っていた高校だと6時間目がちょうど終わり、あとは掃除して帰るだけの時刻。
残念ながらここは俺の知っている高校ではないので(そもそも学院を高校と呼んで大丈夫なのか?)面倒なことにあともう1時間カリキュラムに組まれている......はずなんだけど。
「あれ?」
毎放課雷真のところへ遊びに行くというのが早くも習慣と成りつつあった俺は今日もさっそく後ろを振り向いたがいつもいるはずの席に雷真と夜々の姿は見えなかった。
「ん? 雷真と夜々? あいつらどこに行くんだ?」
そのまま目で探していると、夜々に手傷を負わされながらも彼女を強引に引っ張って講義室を出て行く雷真を見つけ、俺は慌てて教壇を下りて追いかけた。
「雷真、夜々連れてどこ行くんだよ?」
「リュウ......いや、ちょっと野暮用があってな......」
俺を見た途端挙動不審に陥る雷真。
夜々に相当ボコされたようで、間近で見る彼の姿はライオンと取っ組み合いでもしたのか?と聞きたくなるほど酷かった。
「リュウさん! リュウさんも何か言ってくださいよ!」
夜々は夜々で主人に手傷を負わせたのにも関わらず気にする様子もなく俺に切実な表情で訴えてくる。
お前ら、一体なにがしたいんだ......。
「言ってくれってなにを言うんだ? てかお前らなにしてんだよ」
言っちゃ悪いが、こいつらのことについて考えるほどバカバカしいことはないと学習しているので率直に尋ねる。
と、夜々は少し興奮した様子で口を開いた。
「雷真が......雷真がシャルロットさんとデートしに行くって言うんです!」
「ブフォア!!」
「なんで笑うんですか!!」
「いや、だってあのシャルだぜ? デートなんてするわけねぇじゃん。たぶん
「でも! 雷真の隣を夜々以外の人が歩くなんて......」
「あーはいはい。で、雷真は今からサボるってわけ?」
これ以上夜々と話をしていると埒が明かない気がしてきて、俺は話の矛先を雷真に変えた。
「まぁ......」
「はぁ......しょうがねぇな。ノート貸せよ」
ため息を吐きつつ、手を差し出す。
雷真はえ?という表情を浮かべた。
「サボるんだろ、代わりにノート取っておいてやるから行ってこいよ」
「いいのか?」
「その代わり、少しでも魔術喰いの尻尾掴んでこいよ」
「悪いな」
雷真はどことなく嬉しそうにカバンを漁り、次の講義に使うらしいノートを渡してくれる。
「行こうぜ、夜々」
「あ、待ってください雷真!!」
「いってらー」
なんやかんやで雷真と夜々が講義室を後にする。
それを見送った俺は雷真から受け取ったノートを自分の席までフリスビーのように投げた。
パシッと、アジーンが飛び上がってノートを口でキャッチする。
「ナイスキャッチ!」
(「私は犬ではない」)
口でノートを咥えているからか、アジーンがテレパシーで文句を訴える。
その割りには普通にキャッチしてたくせに。
(「細かいことは気にすんな!」)
俺はケタケタと笑いながら教壇を登り、自分の席に着いた。
☆
トータス寮へと戻る道中。
今日は雷真と夜々がいないので放課後先生にお願いをして3時間ほど指導してもらい、今は図書館を出て適当に辺りをブラブラと歩いていた。
太陽は傾き、空はうっすらと暗くなりつつある。
......そろそろ寮に戻らないと寮監に怒られそうだ。
「アジーン、今日の夜はなにが食いたい?」
もはや定位置となりつつある頭上に居座るアジーンに尋ねてみると、アジーンは答える代わりに前方を指した。
「あ? ーー冗談だろ、おい......あれ、魔術喰いか......?」
今は夕食時だからか、学院の敷地内に人がいない。
そこを狙ったんだろう、魔術喰いは警戒を見せることなく
ローブを羽織り、そのフードで顔を隠した主人がそれを見守っている。
時折辺りを伺っていることから、少しは警戒しているようだ。
「どうする気だ」
歩き出した俺に、アジーンが問う。
「当然、殺るに決まってんだろ」
俺はサラリと答え、魔術喰いとその主人の元へ近寄った。
「自動人形ってそんなに美味いのかよ? よかったら俺達にも分けてくれないか?」
「ッ!!」
俺の声に驚いた魔術喰いは主人と共に慌てて距離を取る。
喰われていた自動人形の心臓はすでに無くなってはいたものの、原型はとどめられていた。
「エリザ、引くよ」
主人が魔術喰いーエリザと言うらしいーの名前を呼び、この場から逃げようとする。
「ちょっ?! 逃がすかよ!」
俺は慌ててトランスを発動し、彼らの行く手を阻んだ。
「やべっ、勢い出し過ぎた!」
勢い良く降り立ったせいで、ふわっとフードがめくれる。
「モヤ......フェリクス?!」
その顔を見て、俺は頭の中が混乱した。
「......やぁ、リュウ」
仕方なく、と言った様子でフェリクスが挨拶を交わす。
「まさか、魔術喰いの正体ってお前だったのか、フェリクス......?」
自分で問いかけた内容に、俺は疑問を覚え冷静になって考える。
フェリクスが魔術喰いの正体なら、いったいなんのためにこんな騒ぎを起こしたんだ?
......いや、違う。こんなのは考える必要もない。
十中八九夜会のためだ。
魔術を喰うって言うくらいだから大量の魔術回路を吸収して夜会を勝ち進んでいく算段だったんだろう。
「乙女の食事を邪魔するのは紳士として良くないよ、リュウ」
「魔術喰いに乙女とか笑わせんな、バーカ」
ぺっ、とツバを吐き捨て、俺はフェリクスを見据える。
「で? 自作自演したあとはいったい誰に罪を被せるつもりだったんだ?」
声が冷たくなる。
果てしなく愉快だった。
なにが風紀委主幹だ、
「......君の質問に答える義務はない」
フェリクスは俺の質問には答えず、スッとエリザに左手を向けて魔力を流し込む。
「答える気はねぇってか......」
そこへ、先走ったせいで置いてけぼりを食らったアジーンがパタパタと俺の隣へやってくる。
俺は右手をアジーンに向け、魔力を流し込んだ。
「リュウ、君には悪いけどここで死んでもらうよ。さすがに
そう言い終わったところでエリザが突っ込んでくる。
俺は速攻で突っ込んできたエリザを上から抑え込み、アジーンに向かって叫んだ。
「火!」
俺の指示に従い、アジーンがその通りに大きく胸を逸らして高熱の火を吐く。
俺は火が当たる直前にエリザの背中を蹴り上げ、空へと逃げた。
火がエリザを包み込む。
「なっ?!」
だが、そこにエリザの姿は見えなかった。
火が内側から消火されていく。
「マグナスと互角に立ち回れる厄介な相手だとは思っていたけれど、これじゃまるで宝の持ち腐れだね」
「うっせぇよ、馬鹿で悪かったな!」
反射的に言い返しながら、アジーンの近くで着地する。
改めてエリザのいたところを見ると、いつの間にか辺りに飛び散った水が溜まり、それは人型を形成してエリザを生み出した。
「水か......だったら!」
そう言って、再び魔力をアジーンに流し別の魔術を発動しようと構えたときだった。
「そこ! こんな時間になにをしてるの! そろそろ寮に戻りなさい!」
第三者の声がライトとともに俺らを照らし出す。
「って、フェリクス? こんなところでなにしてるのよ」
それは自動人形を連れた風紀委員だった。
ほんのり緑掛かった髪の色のショートヘアを持つ、頼もしい雰囲気のある女の子だ。
恐らく俺らの騒ぎを聞きつけて注意しに来たんだろう。
自動人形がぬいぐるみみたいで妙に可愛らしい......。
......気のせいかもしれないけど、どこかで見たことのあるような顔だった。
「えっと、隣の君は......?」
トランスを発動したままの俺を見て、風紀委員が首を傾げる。
今の自分は確かに人型をしているが、知ってる人しかわからないような姿をしているので彼女の反応も仕方が無いのかもしれない。
......あれ? なんだかものすごーく嫌な予感がしてきたんだけど、これ一応逃げたほうがよくない?
「ニーナ! ちょうどいいところに来てくれた! 手伝ってくれ、そいつは魔術喰いの手がかりになる!」
「は?! ちょっ、フェリクス! てめ、何言っーー」
「魔術喰いの手がかりに? どういうことかよくわからないけれど、すぐに取り押さえるわ!」
「俺は魔術喰いの手がかりでもなんでもねーし、むしろ手助けしてるほうだっての!」
俺の弁解も虚しく、先ほどやってきた風紀委員のニーナが魔力を流し込み、彼女の自動人形がこちらに襲いかかって来る。
ニーナーー気のせいじゃなかった。
忘れるわけがない、ドラクォキャラの中でぶっちぎりに可愛かったヒロインのニーナきゅん。
個人的にカッコカワイイリンさん派なのは秘密だが、まさかこんなところで彼女の子孫?に会えるなんて......。
とはいえ、状況が状況なので今は逃げに徹する。
「くそっ! アジーン、逃げんぞ!」
俺は急いでアジーンを抱えたあと、地面を大きく蹴り上げて闇夜に消えた。
☆
トータス寮が間近に迫る。
俺は一気に下降したあと、何故か窓の開いている自分の部屋目掛けて突っ込んだ。
「イーイェイ!ーーうおっ!?」
窓のさんに足を引っ掛け、思いっきりバランスを崩したまま部屋の中へと転がり込む。
「きゃっ!」
部屋の中にいた誰かとぶつかってしまったのか、そんな可愛らしい声が聞こえてくる。
なんだろう、手の感覚が小さな膨らみを押している気がする。
「大丈夫か、夜々」
そこへどこか聞き覚えのある声が耳を刺激する。
見ればそこにはシャルの自動人形、シグムントがおり、夜々の側をパタパタと飛んでいた。
え? 夜々?
「うぅ......い、痛いです......」
そんな夜々の言葉に、俺は下敷きになっているっぽい彼女を見ると
「?!」
俺の両手はしっかりと夜々の胸を掴んでいた。
「うわぁっ!!」
俺はほとんど反射的に声を上げ、慌てて後退りをしてその先にある壁に背中を打ち付ける。
さっきの感覚は夜々の胸を揉んでいたからか!!
「......最低だな」
先に上手く部屋の中へ突っ込んだアジーンが呆れながら呟く。
「夜々、マジですまん! わざとじゃないんだ!」
俺は夜々が怒り出す前に土下座をかまし、全力で謝る。
「リ、リュウさん......なんですか?」
だが、返ってきたのはそんな反応。
俺は思わずキョトンとなった。
「へ? いや、そうだけど......」
「そのお姿は......」
言われて見てみればまだトランスを解いていない。
俺は慌ててトランスを解き、夜々にこの姿になっていた理由を明かした。
「フェリクスが魔術喰いとはな。敵は身近に潜んでいるということか」
隣で聞いていたシグムントがそう小さく漏らす。
夜々は俺を心配そうに見ていた。
「リュウさんはこれからどうするのですか?」
「どうするもなにも......とりあえず寮に戻ってきたとはいえ、ここじゃすぐに見つかるだーー」
そう言いかけたときだった。
ダンダンッ!と扉が強く叩かれる。
扉の外が騒がしい。
「やばっ?! もう来たのかよ! アジーン行くぞ!」
俺はアジーンに目配せし、再びトランスを発動した。
「リュウさん!」
夜々の呼びかけに、俺は窓に手を掛けたままん?と振り向く。
「もう行くのですか?」
「んなこと言われたって、なんもしてねーのに捕まりたくないし」
「私は逃げないほうが懸命だと思うが」
「は?」
その言葉に、俺はシグムントを見てしまう。
「魔術喰いと通じていないのにも関わらず逃げるのではますます“そうだ”と周りに知らしめているようなものだ」
「......」
フッ、とトランスを解き、窓から手を離す。
「......確かにシグムントの言う通りだな。うん、鬼ごっこはやめだ!」
俺はそのまま窓に腰掛け、扉の外で必死に開けようとしているだろう風紀委員を待つ。
「......ふっ、リュウよ。君は中々に骨のある人物のようだ」
そう言って、シグムントは窓に足を掛けた。
「では私はそろそろ失礼するとしよう。寮でシャルを待たねばなるまい」
シャル、という名前を聞いて俺ははたと疑問が浮かんで来た。
「そういや雷真とシャルは? あいつらマジでデートに行ったのか?」
「当初は魔術喰いの囮として彼女らを使う予定だったのだがな、彼はシャルの探偵ごっこに付き合っていられないと言って共に街へ出掛けて行った」
彼女ら、と聞いて夜々を見てしまう。
夜々は雷真のことを思い出したのか、しょんぼりとしていた。
「雷真のやつ、大胆だなぁ......ん、ありがとな。シグムント」
俺が礼を言うと、シグムントはちらりとこちらを見て窓枠を蹴った。
飛ぶ姿がアジーンとそっくりだ。
そう思ったところで、ようやく外にいた人間共が部屋の中に突入してくる。
俺は不安そうに見る夜々に小さく笑いかけ、大人しく連行された。
14話の投稿2回目ですρ(・ω・、)イジイジ
最初投稿したとき、テキトーに勢いで書きすぎてリュウが魔術喰いの容疑者になっちゃったけど、原作ってシャルが魔術喰いの容疑者だったし、そこからどう進めばいいかわからなくなったので投稿し直しました。
さーせん!|〃サッ
☆追記☆
編集し直したらなんか酷くなったorz