転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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念願の世界に転生しました((*´∀`*))って題名のことなんですけど、テキトーに進めていたら題名と内容がズレてしまったので変えました。
題名すっげぇスッキリしちゃったよwww

さて、今回で魔術喰いはおしまいです。
それでは、どぞ↓

ちょっと本文訂正(4/12)


第十五話:魔術喰い騒動の終結

学院の門を一気にくぐり抜け、騒ぎの中心となっている敷地内へと突っ走る。

時刻は午後9時を越しているというのにも関わらず、辺りには学生の野次馬が出来ていた。

そんな彼らの中、他の風紀委員に混じって仕事をするフェリクスの姿を見つけ、雷真は『Keep Out』のロープを軽々飛び越える。

 

「やあ、お早いお着きだね」

 

フェリクスは雷真の姿を確認すると、にっこりと笑った。

 

「門から走ってくるのを見たけれど、今まで街の外にいたのかい?」

 

その言葉に、雷真は内心ビクリとする。

何度もシャルを誘っているのに断られているらしいフェリクスの手前、そんな彼女と“デート”していたなんて言えるはずもなく雷真はその部分に触れないように答えた。

 

「あぁ、少し用事があってな。そんなことより喰われた自動人形(オートマトン)は?」

 

「こっちさーーあとは頼むよ」

 

そう言って、フェリクスは他の風紀委員に任せて彼を庭園へと案内する。

学院に残してきた夜々のことが心配で、雷真は不安のあまり走り出してしまいそうになるがなんとか堪え、悟られないようにフェリクスについていく。

その後ろをついてくる一体の自動人形のことが気になり、雷真は口を開いた。

 

「フェリクス。今後ろにいるのはあんたの自動人形か?」

 

「あぁ。今まで魔術喰い(カニバルキャンディ)は2日連続で出た試しがないけれど、それはどこまでいっても結果論だからね。だから魔術喰いが出た次の日には必ず相棒と一緒に歩き回っているのさ」

 

ふっ、とフェリクスの表情に影が差す。

 

「その甲斐もあって今回ようやく魔術喰いを見つけることは出来たんだけど......阻止することは出来なかった」

 

フェリクスの言葉に、雷真は己の耳を疑った。

 

「ちょっと待て、今なんてーー」

 

「雷真!」

 

が、雷真が質問しようとしたところで焦りのあまり置いてきてしまったシャルが息を切らしてこちらに駆けてきた。

 

「フェリクスーー」

 

雷真の隣にいるフェリクスの姿を捉えると、思わずと言った感じで彼の名前を呼ぶ。

 

「やぁ、シャル。彼と街に行っていたのかい?」

 

鋭い。

叱られているわけではないのに、シャルは悪事がバレた子供のようにビクリと小さくなった。

 

「待って、違うの、私はただーー」

 

「さぁ、雷真。犠牲者はそこだよ」

 

もごもごと、言い訳がましく言葉を紡ぐシャルの言葉を冷たく遮り、彼は植え込みの陰を示した。

それに釣られてフェリクスの示す先を見ると、半壊した自動人形が風紀委員に囲まれて倒れている。

相変わらず、本来心臓のあるべき部分には穴が開いているが、途中でフェリクスに見つかったのかこれまでと違ってかなり原型をとどめていた。

 

(よかった......夜々じゃなかった......)

 

被害を受けた人形使いには悪いと思いつつも、雷真は胸を撫で下ろす。

 

「フェリクス、さっきの話は本当なのか? 魔術喰いを見たって」

 

そうしてすぐに気持ちを切り替え、フェリクスの目を見て尋ねた。

彼は半壊した自動人形を見ながら答える。

 

「あぁ......と言っても魔術喰いと手を組んでいたものだけどね」

 

「どうしてそんなことがわかる?」

 

「君のルームメイトだからだよ」

 

その言葉に雷真は驚愕した。

 

「馬鹿な、リュウはそんなことをするようなやつじゃない。それにあんただって言ってたじゃないか。俺達は最近来たばかりだから魔術喰いじゃないって」

 

「だけど、魔術喰いの関係者にならないとは一言も言ってないよ」

 

「っ......」

 

苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる雷真。

そんな彼を気にすることもなく、フェリクスは続けた。

 

「今仲間に手伝ってもらって探しているところさ。ようやく尻尾を掴めそうなんだ、このチャンスを無駄には出来ないよ......これ以上、被害者を増やしたくはない」

 

フェリクスの視線が、半壊した自動人形の隣へと注がれる。

その先にはその持ち主であろう男子学生が自動人形に縋って泣いていた。

同じくそれを見ていたシャルが眦を決して踵を返す。

 

「シャル!」

 

それに気付いたフェリクスがロープをくぐり、彼女を呼び止めた。

フェリクスの声に、ピタリとシャルが立ち止まる。

 

「風紀委員が今全力を尽くして調べてくれている。君はもう魔術喰いには関わらないほうがいい」

 

「でも!」

 

突然の勧告に、シャルは振り向く。

 

「あとは僕と風紀委員に任せてくれ」

 

フェリクスが被っていた帽子のツバを下げ、目を隠す。

 

「それとシャル......君の気持ちはわかったよ。残念だけど、僕は身を退くよ」

 

「え......」

 

シャルは愕然として、棒立ちになった。

 

「君は僕ではなく、彼を選んだ。そういうことなんだろう?」

 

「そんな、ちが......っ!」」

 

「もういいんだ。どんなことを言ったってそれは覆しようのない事実なんだから。悔しいけど、彼に負けたんだと僕は認めるよ」

 

「待って、私の話をーー」

 

「まだ作業が残っているんだ。悪いけど、しばらくは顔を見たくない」

 

スタスタと、早くここから離れたい一心でフェリクスはシャルと雷真を置いて歩き出す。

雷真は、小刻みに震え今にも泣き出しそうなシャルにどう声を掛けたらよいかわからず彼女とフェリクスを交互に見て

 

「元気出せよ。フェリクスには俺からちゃんと言っておくから」

 

と言い残して彼の後を追い掛けた。

 

「待ってくれ、フェリクス」

 

彼の名前を呼び、その足を止めさせる。

 

「どうかしたのかい?」

 

そう言って振り向いたフェリクスの表情はやはり悲しそうで、本気でシャルが好きだったのかと罪悪感に襲われる。

雷真は申し訳なさそうに目を逸らしながら弁解した。

 

「その、俺が悪かったんだ。シャルは最初、デートを口実に魔術喰いの囮として俺らを呼び寄せただけだあって、そこに俺が揚げ足取って無理やり街に連れ出したんだ。シャルはなにも悪くない」

 

だが、彼は首を横に振るだけだった。

 

「この話はもうやめよう。気持ちが暗くなるだけだ」

 

そう言って、再び歩き出してしまう。

その後を雷真は追うことが出来なかった。

 

 

カシャ、と鎖同士がぶつかる音が響く。

 

「いい加減白状しなさい。魔術喰いのせいで何人もの行方不明者、自動人形が被害にあっているのよ? それがどれだけ凶悪なことかあなたにもわかるでしょう?」

 

「そんなこと言われたって、俺はなにも知らないんだから仕方ないだろ?」

 

風紀委員のニーナに問い詰められ、俺はため息を吐きながらそう返した。

捕まってここ、風紀委の待機場所に連れて来られてから2時間が経とうとしている。

時刻はもう少しで10時を回りそうだ。

うぅ、ケツいてぇ......。

 

「だいたい、言ったところで信じてもらえるわけねーし」

 

「それとこれとは話が違うわ」

 

俺はニヤリと意地悪な笑みを浮かべて口を開いた。

 

「なら、お前らんとこの主幹様が魔術喰いだって言ったら?」

 

「あなたそれ本気で言ってるの?」

 

途端に向けられる、怪訝な顔。

予想していた反応に、俺はため息が出た。

 

「ほら見ろ、言わんこっちゃない」

 

「あなたねぇ、ふざけるのもいい加減に......」

 

そう言いかけた時だった。

扉が大きく開け放たれ、中から新たに風紀委員が飛び込んでくる。

 

「ニーナさん! 二回生のシャルロット・ブリューさんの部屋から多数の魔術回路が見つかったそうです!」

 

「なんですって!」

 

そうして伝えられた内容に、ニーナはガタリと立ち上がった。

 

「今フェリクスさんの指示で、風紀委のみんなが総力を上げてシャルロットさんを捜しています! ニーナさんも来てください!」

 

「わかったわ! すぐに行く!」

 

ニーナの返事を聞いて、伝えに来た風紀委員はすぐに立ち去ってしまう。

ニーナはこちらを見ると、念を押すかのようにこちらを指差してきた。

 

「いい? 逃げようなんてこと考えないでよ。魔術喰いが捕まるまであなたは重要参考人なんだから」

 

そう言って、仲間の風紀委員を追いかけるように待機場所から出て行ってしまう。

取り残された俺はしばしの間ボーッとして、大きなため息を吐いた。

 

「なんで放置プレイされてんだ、俺。透明人間系Mじゃねぇっての」

 

ジャラリ、と両腕を動かすたびに付けられた鎖が音を立てる。

両手首にはしっかりと手錠がかけられており、容易には外せそうになかった。

おまけに手錠は近くの柱と鎖で繋げられているので動き回ることも出来ない。

 

「風紀委が戻るまで待つのか?」

 

少し大きめの鳥かごに入れられたアジーンがつまらなさそうに寝返りを打ちながら尋ねる。

鉄製の鳥かごではあるがアジーンの体には魔力絶縁コードが巻かれており、魔術を発動出来ない状態なのでそれも仕方が無い。

 

「まさか。もちろん壊して逃げるに決まってんだろーー『バル』!」

 

俺がそう唱えると手錠の鍵穴の部分に小さな稲妻が落ち、手錠はガチャリと音を立てて両手の拘束を解いた。

自由になった手を軽くストレッチしてから、続いて2発目の『バル』を鳥かごの錠に落として壊す。

 

「ふんっ」

 

アジーンは楽しそうに鼻で笑ったあと、開いた鳥かごから出て俺の頭に乗った。

 

「よっ、と」

 

そのまま俺は窓から中央講堂の屋上へと踊り出る。

 

「おや? 君は確か下から二番目(セカンドラスト)といつも連んでいる......」

 

「あれ、キンバリー先生じゃないですか。こんなところでなにを?」

 

不意に声をかけられ、俺はつい驚く。

そこには白衣を纏った、普段見ないメガネを掛けているキンバリー先生がいた。

 

「見物だよ」

 

くいっ、とキンバリー先生が顎で指し示す。

俺はキンバリー先生の近くに寄ると彼女の指し示す方向を見た。

風紀委が数人取り囲む中、フェリクスと雷真はそれぞれ自身の相棒に指示を出して戦っている。

が、戦況はフェリクスに向いているようで、雷真は血に塗れ、夜々は白い霧の中で宙吊り......おまけに拘束されていた。

あれ、エリザがいない......?

 

「どうだ、なかなかに面白い局面だろう?」

 

「面白いって......雷真めっちゃボロボロですやん」

 

げっそりとしながら感想を漏らす。

キンバリー先生はふっ、と笑みを零した。

 

「そういえば先ほど受けた連絡で魔術喰いの手がかりとして捕らえられたと聞いていたが逃げ出してもよかったのか?」

 

うっ、と言葉が詰まってしまう。

 

「そ、それは......」

 

「なぁに、気に病む話ではない。フェリクスが魔術喰いだということに比べれば大したことはないからな。お咎めもないだろう」

 

「は、はぁ......」

 

思わず生返事になってしまう。

別にお咎めなしならなしで良いに越したことはないんだけど......なんだかなぁ。

 

「おや? どうやら決着がついたようだな」

 

「え?」

 

そう言われて見てみると、雷真が後ずさるフェリクスに詰め寄っているところだった。

夜々を拘束していた白い霧はすでに晴れているが、やはりエリザの姿はどこにもない。

 

「あ、殴った」

 

雷真に胸ぐらを掴まれ、拳を顔面で受けたフェリクスが後ろにあった木に背中を打ち付け崩れ落ちる。

さすがはモヤシ、たった一発で気絶してやがるぜ。ざまぁねぇな!

 

(「リュウ、ネジが飛んでないか」)

 

(「正常ニ起動シテマスガナニカ?」)

 

(「末期だな......」)

 

(「よし、アジーン。あとで覚悟しとけよ★」)

 

(「怖っ?!」)

 

「さて、と。私はそろそろ仕事に戻らなければならないが君はどうするのかね?」

 

「え? あ、はい。うーん......大人しく戻りますよ。手錠は壊しちゃったけど、逃げてないって見せかければ大丈夫っしょ」

 

アジーンとのテレパシーで返事が少し遅れながらもなんとか答え切る。

キンバリー先生は

 

「そうか。ではまた講義室で会おう」

 

と言って屋上から飛び降りて(・・・・・)いった。

 

「はぁっ?!」

 

俺は慌てて屋上から顔を覗くがそこに彼女の姿はなく、まるで瞬間移動をしたかのように見えた。

 

「キンバリー先生って化け物なのか......?」

 

 

たくさんの学生に囲まれた講堂のエントランスから、ギプスを固定された全身ボロボロの雷真とそんな彼を支えるかのように歩く夜々が姿を見せる。

途端に学生達が彼らに盛大な拍手を送るが、中にはやっかみや嫌悪の表情を浮かべて拍手を送らない学生もいる。

そんなんなら来なければいいのに、と思っていると不意に拍手がやんだ。

そのまま学生達の波が割れ、相変わらず帽子にシグムントを乗せたシャルが現れる。

 

「夜会も安くなったものね。貴方が手袋持ち(ガントレット)なんて、世も末だわ」

 

初っ端から憎まれ口を叩くシャル。

けれども彼女は唐突に挙動不審になると顔をほんのりと赤く染め、ぐいっと右手を突き出した。

 

(お?)

 

金のリボンがかけられた、小さな箱だ。

 

「......何だ?」

 

「バカなの? お祝いに決まってるじゃない。一応、その、なりゆきとは言え、貴方に助けられた側面も、客観的に見れば、なきにしもあらずだから......」

 

もごもごと遠回しに言うシャル。

雷真は納得のいかなさそうな表情を浮かべつつもそれを受け取り、彼女に微笑んだ。

 

「ありがとな、シャル」

 

「っ......//// いい言っておくけど、夜会の戦場で向き合ったら敵同士だからね!」

 

「わかってるって」

 

顔を赤らめながらもはっきりと宣言したシャルに雷真が笑いながら返す。

 

(ツンデレっていいなぁ)

 

二人を見てそんなことを思っているとアジーンがテレパシーを送ってきた。

 

(「変態め」)

 

(「ちょっと待て。なんか違うよな、それ? それだけで変態ならそう思った奴ら全員が変態になっちゃうよな?」)

 

俺は周りの学生に混じって二人に冷やかしの拍手を送りつつ、アジーンを問い詰めた。




部外者視点なので、早めに終わってしまいましたね
リュウが絡んでいないところはなるべくセリフを変えようと思いましたが、私には難易度が高すぎました

あ、ご報告。
無事に1/4達成しましたよ!
宿題放棄して←
次はドーピングデータでも作りましょうかね?w
ではお疲れ様でした!
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